デジタル一眼レフ・システムから E-M1 Mark II +マイクロフォーサーズシステムに移行してみて、動体相手の AF や画質が謳い文句ほどじゃないのは予想していたものの、半年の間に買ったオリンパスのカメラが2台とも修理行きで俺的不良品率100%だったり、修理部門もアレで、すっかりオリンパスへの信頼性ゼロになってしまったのは想定の範囲外であり、この先もメインマウントとして使うのに非常に懸念を感じる今日この頃ですが、とはいえ、でも決して悪いことだけじゃないよシリーズ第2回目です。

E-M1 Mark II &マイクロフォーサーズシステムをメインに据えて良かったこと・その1

前回記事では「マイクロフォーサーズから小型軽量を除いたら何が残るのか?」などと書きましたが、デジタル一眼レフシステムから E-M1 Mark II +マイクロフォーサーズに移行する前の思惑も、移行してから一番メリットを実感できるのも、その点なのは間違いありません。

とはいえ、小型軽量さ以外にも便利に思う点、感心する点は幾らかあります。今回は小型軽量さ以外で E-M1 Mark II に移行して良かったと思えるところを何点か述べていきます。



▼ レンズ交換にストレスなし!ダストリダクションの優秀さ


オリンパスのダストリダクションシステムの優秀さは昔から盛んに言われていることで、最近は他社機でも(使い始めを除いて)昔よりセンサーにゴミが付くことは少なくなったように思いますけど、やはりオリンパス機のアンチダストへの信頼度は違いますね。

オリンパス機だと屋外でも心置きなくレンズ交換できる


のはあります。

もちろん、他社機でも必要とあれば、どこでもレンズ交換はするのですが、風の強い状況、風上に身体を置いて風を防ぐことができない時に、レンズ交換時の埃侵入に対するアンチダストが少しでも心強いのは有難いです。

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(天気がコロコロ変わればレンズも変わることがある)


そして実際に、

購入当初から3ヶ月、センサーダストに悩まされたことは皆無


ですから、オリンパスに対しては色々な点で信用も信頼もできなくなった私でも、これだけは信頼できる機構です :-D

レンズ交換式デジタルカメラの使い初めというのはセンサーダストがつきやすかったりするものですから、最初の数ヶ月やしばらくはセンサーダストを特に気を使うことが多いのですが、E-M1 Mark II も、その前に買った E-M10 Mark II も、センサーダストのストレスからは完全にフリーですね。

(あとから見てセンサーダストが付いていた写真が皆無だったというわけではありませんが、無視できる程度であり、少なくとも E-M1 Mark II では経験していません)

EOS でもここ数年で買った機種では大きなセンサーダストががっつり付いていて写真が台無し、なんてことは殆どなかったので、他社機がイマイチという気持ちはありませんが、アンチダストはデジタルカメラでは最も重要な機構の一つだと思いますので、その点においてオリンパス機の信頼度が格別なものであるのも確かです :D


▼ 癖はあるけど強力手ぶれ補正で一脚の出番激減


ダストリダクションの優秀さと並んで、手振れ補正の強力さも多くの人に認められるオリンパス機の素晴らしい点であり、私自身も実感しています。

E-M1 Mark II が発表された当初、12-100mm F4 IS PRO との組み合わせにおけるボディ&レンズのシンクロ手ぶれ補正で「シャッター速度1秒2秒で止めるのは余裕」「5秒でも止まった」などと、その止まり具合が大変話題になりましたが、E-M1 Mark II ボディ単体でも十分に強力です。

もっとも、私自身、最初に E-M1 Mark II をオリンパスプラザで触った時には、300mm F4 IS PRO とのシンクロ手ぶれ補正の組み合わせで「おお、1/10秒でも歩留まりええやん」「電子シャッターにしたら、1/5秒くらいでも全然止められるわ、すげー」だったので、興味あるレンズが違うだけで何も変わりありませんけどね(^_^;)

いずれにしても、

手ぶれ補正の強力さはホント凄いね


というのは、使い始めてから実感していることの一つです。

60mm マクロのみならず近接撮影での補正効果の大きさは、さすがボディ内5軸手ぶれ補正と感じること多々ですし、

後方から人の頭上で撮ろうと手を伸ばして撮る時の歩留まり


にも効果は大きくて、スナップ的な撮影では色々なシーンで安心して撮れます。画角 70-300mm F2.8 相当の望遠ズームレンズ 40-150mm F2.8 との相性も良くて、心強いです :D

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(こういった手を頭上に伸ばして記録スナップ的なことは間々あるから安心)


以前購入した E-M10 Mark II もそこそこよく効く手ぶれ補正でしたが、そちらは近年の IS 付き EF レンズと比べて特に驚くようなことはありませんでした。しかし、E-M1 Mark II は、実感でもさらに1段、場合によってはそれ以上止まる印象です。(カメラのグリップの差もあるでしょう)

加えて、

強力な手ぶれ補正で低速シャッターを使える=小型センサーで高感度画質がダメな弱点をカバーする


という側面はあるので、静止体である限り、高感度画質がダメでも意外と夜撮スナップでも使える E-M1 Mark II、という印象です。

いくら手持ちでシャッター速度1秒ができても三脚要らずにはなりませんが、暗所での手持ちスナップの補助に一脚を使ってたくらいのサポートは、E-M1 Mark II の強力手振れ補正がカバーしてくれる、そんな感じも持っています。

(このあたりの手振れ補正の強力さはセンサーサイズの小ささゆえに補正量も大きくできる、ということもあるのでしょう。マウント口径に対してセンサーサイズが小さくて余裕がありますしねえ)

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もっとも、オリンパスの手ぶれ補正は、「強いけど単純一直線な性格」であり、静止体相手だと文句つけようのない抜群の効きですが、動体相手だと一筋縄にいかない印象もあります。

流し撮りだと、ある程度の角速度のある一定方向への振り方だと強力に効いてくれるのですが、ゆっくりとした振りだったり、横から縦とか速度の変化などの動きがあると、ファインダーの中で「なんだこれ?」状態になることも少なくありません。

例えば、ガッツリ横へ流すだけの流し撮りでは、

あれ?一脚なしの手持ちで、手ぶれ補正だけに頼った方がしっかり止まるんじゃね?


と思うくらい(実際そうだったことも)、動体相手でも E-M1 Mark II の手ぶれ補正を強力に感じることがあります。

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反面、見かけ上ゆっくりと動く被写体を追っていく場合や、動き方に変化のある被写体(方向や速度変化のある被写体)の場合は、キヤノンの IS と比べると今ひとつ挙動が安定しない時もあって

手ぶれ補正切って撮る方が歩留まり良いかもなあ…


ということもあります。(もちろん、シャッター速度や諸条件に依ります)

特に、被写体の動きに合わせてゆっくり追ってると、手ぶれ補正の影響か、急にガクンと被写体がファインダーからはみ出してしまうことがあり、被写体をフレームいっぱいにして追ってるとストレスが溜まります。(手ぶれ補正モードに依らず)

スポーツやモータースポーツ撮影でも、手ぶれ補正モードを mode 1 にした方が良いのか、mode 2 にした方が良いのか、それともオフにした方が良いのか、未だに見えてこないところ(シーン)が多くあって、補正されれば強力な分、悩ましいですね。

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(結局手振れ補正切って三脚使うしか…ということも)


そんなわけで、動体相手だと補正そのものは凄く強力だけど、C-AF 同様に動き物に対するアルゴリズムの蓄積が足りない印象は拭えません。(そもそも縦横の流し撮りモードが別になっている時点で微妙だけど)

静止体に対しては言うことなしの大満足で信頼できる手ぶれ補正ですから、動体相手でも今後、補正アルゴリズムの改善が加われば強い味方になると思っていますし、改良して欲しいと思っていますが、どうなんでしょうね……

動体を積極的に撮らなきゃ、AF も手振れ補正もケチのつけようはないと思いますが(笑)