既に噂という名の情報流出のため、スペックから価格からあらゆる先行情報が出ていて、本日は大本営発表なだけですが、少し前まで初代 EOS 6D も使っていましたので、どうなるのかな?と興味津々ではありました。

キヤノン:EOS 6D Mark II|概要
キヤノン:EOS Kiss X9|概要

初代 EOS 6D は非常に割り切った仕様で、上位機の EOS 5D は Mark III が出ていたにもかかわらず、AF や性能的な部分ではひとつ前の 5D Mark II レベルと思わせるところがあり、メニュー周りも古い世代のものでした。シャッターやレリーズ周りにもコストダウンの影響はありました。

その反面、一桁機では初めて Wi-Fi を搭載したり、GPS も入っていたり、さらには「廉価機とはいえ、今どき 9点 AF、クロスは中央1点かよ」ながら、その中央1点は(当時としては新しかった)-3EV 対応で、実際に使っていると後発の -3EV 対応 AF 測距点のあった 7D Mark II より精度は良く感じたものです。(もっとも中央1点以外の AF 測距点は晴天日中以外で使うのが怖いくらいでしたが)

とまぁ、初代 6D は新機軸を取り入れながらも

フルサイズ版 Kiss 的な位置付け


だったわけですが、Mark II になってどう変わったのか見てみると…

6D Mark II はフルサイズ版 Kiss 上位機(4桁機)


と進化しています。今まではフルサイズ版 Kiss X だったのが、フルサイズ版 Kiss X9i もしくは、フルサイズ版 9000D。AF 測距点 45点オールクロス(27点 F8 対応)、連写コマ速 6.5コマ/秒(Kiss X9i、9000D は6コマ/秒)あたりは、まさにそうです。

6DMarkII_release1


というか、今回の EOS 6D Mark II は(バッファの問題はあるにせよ)上位機 EOS 5D Mark IV とコマ速が 0.5コマしか変わらず、回折補正などの最新機能も盛り込んでいるなど、

APS-C 機から流用しつつ
できるだけ出し惜しみ感を見せない仕様


になっているつくりだなあ、と感じますね。

以下のスペック一覧を見ても、がっつり性能アップしつつも、6D Mark II ならではの特筆部分はセンサー周りだけで、うまくコストダウンしているな、という印象です。



  • フルサイズ 2,620万画素
  • DIGIC 7
  • オールクロス45点AF(F8AF 対応 27点)
  • デュアルピクセル CMOS AF
  • 7560画素RGB+IR測光センサー(APS-C機と同じ)
  • ファインダー視野率 約98%、倍率 0.71倍
  • 3.0型104万ドットバリアングル液晶(タッチパネル仕様)
  • 連写最高6.5コマ/秒(ライブビュー時は最高約4コマ/秒)
  • ライブビュー AF に、スムースゾーン AF が追加
  • 常用感度 100〜40,000(拡張 50〜102,400)
  • シャッター速度 1/4000〜30秒
  • 動画は 4K 非対応、フルHD 60p
  • 5軸電子手ブレ補正(動画撮影時)
  • 4Kタイムラプスムービー
  • アンチフリッカー
  • Wi-Fi、Bluetooth、NFC、GPS 全部入り
  • 電子水準器
  • バッテリーは LP-E6N/LP-E6 のまま
  • 撮影可能枚数 約1200枚
  • SD/SDHC/SDXCカード(UHS-II 非対応)
  • サイズ 144.0 x 110.5 x 74.8 mm
  • 重さ 685g (本体のみ) 、765g(バッテリー、メモリーカード含む)

こうやってみると、出し惜しみはしていないけど、手を抜くところは抜いていて、ファインダー視野率を100% にしないのはサイズ優先でなのかコストと格付け意識なのか判りませんが、とりあえず

未だに UHS-II カード非対応かよ!


というのがありますけど、これは DIGIC 7 の制限なのですかねえ。

UHS-I のみの SD カードで今後さらに4年使うのは厳しいと思いますし、連写速度も上がり、AF 測距点数も増えて動体相手に使うとなると、かなりネックになるのは間違いありません。

動体撮影絡みでいうと、あまりバッファに余裕がない(特に UHS-II 非対応だし)こととか、
  • AF 測距点数は多いけど、APS-C 用を流用したのでフレームの中央にしかない
  • 初代 6D の時は 5D Mark III の AF 低輝度限界が -2EV だったのを -3EV に下げてきたが、今回は初代 6D や 5D Mark IV 同様に -3EV のまま

といった点も気になりますが、

AI Servo 世代が古い AIサーボ AF II のまま


というのは、個人的に 6D Mark II で一番物足りなさを感じる点かもしれません。

AF 周りを APS-C 中級機から流用しているようですから、仕方なかったのでしょうけれど、今後4年、と思うと、もう一踏ん張りあっても良かったのになあ、と思います。(けれど、そこそこで抑えるのがキヤノンw)

6DMarkII_release2


そして、お値段の方も量販店予約価格が 243,000円と、初代 6D がボディのみで20万円切りしていたことを思うと、ガッツリ値上げされました。円安傾向安定の状況とか性能を考えると、全く納得いかないとは言えませんが、

フルサイズ版 Kiss 的な存在なら、せめて20万円は切ってほしいねえ


とは思いますし、そういう声は大きいようですね。

ってか、α7 II あたりの安さを思うと、フルサイズ入門機としてそんな価格を付けられる余裕があるんですかねえ。ニコンが頑張って D600 シリーズか 700 シリーズの後継機を高性能かつリーズナブルに出してくれることを期待するしかないでしょうか :D

ただまぁ個人的には、

極小センサーの E-M1 Mark II が20万円以上もしたのだから、フルサイズ機でこの価格は全然高く感じないわー


と、センサーサイズ以外のことを別にして、そう感じてしまいますけどね(^_^;)

ともあれ、これでフルサイズ機の更新も一巡し、APS-C 機も二桁機の 80D から廉価機の Kiss X9 まで更新し終わって、私個人の関心としては

7D Mark II の後継機はどうなるんですかね??


というところですけど、世間は

次は、いよいよフルサイズ・ミラーレス機ですか?


という期待が高まるのでしょうね。ニコンやキヤノンが本気のミラーレス機を出す時代も近いでしょうから、そこまでは現状で様子見するつもりでしたけど……ねえ(´Д` )

【追記】ふと見たら、日本の Twitter トレンドワードに「EOS 6D Mark II」が挙がっていました。

6DMarkII_release3


いくら何でもそこまで話題にするようなカメラでもない(画期的なことは何もない)のに、どうしたことなんでしょうかね。よほど話題がないのでしょうか…


キヤノン:EOS 6D Mark II Special site
キヤノン:EOS 6D Mark II|概要
キヤノン:EOS 6D Mark II Special site|Live! フルサイズキャンペーン
キヤノン:EOS Kiss X9|概要



(初代モデルと 10万差があるけど、勧めるのは難しいかも…)