昨年末に E-M10 Mark II を購入してから半年が過ぎました。購入当初とは当方のカメラ環境が激変して、旅スナップ機、日常スナップ機として購入した E-M10 Mark II も役割がすっかり変わってしまいましたが、それも含めて、この半年使ってきた雑感(チラシの裏)を少々記しておきます。

ちょうど、E-M1 Mark II が入院中で、ここ2週間くらいは久しぶりに E-M10 Mark II を持ち歩くことになっていますしね。(持ち歩いているからと言って、さほど撮ってるわけでもないけど ^^;)



スマートフォンが年々進化する中、なんとか自分の中でレンズ交換式カメラとスマホの間に位置するコンパクトデジカメの役割を見い出そうと GR や PowerShot G7 X のような大型センサー機を買っても、結局は

本気で撮るならデカくて重くてもデジタル一眼レフ使うし、記録スナップならもうスマホで十分と思える時代になって、高画質だろうがなんだろうがコンパクトデジカメは出番なくなってしまった……


となって、最後に「お気軽旅スナップ用としての EVF付きコンパクトデジカメなら使うかも?」と思ったものの、

コンパクトデジカメでもEVF付きなら使うか?と思ったら、EVF付きコンデジよりミラーレス機の方が安かった


というのが E-M10 Mark II 購入の一番の理由でした。

久しぶりのミラーレス機復帰 E-M10 Mark II を買った割と安易な理由

EVF 付きの大きめコンパクトデジカメを買うより、しっかりとカメラとして使えるミラーレス機の方がええやろ、と思ったのも事実で、結果それはまちがいなく正解でした。

そして、E-M10 Mark II 購入当時はまだ、長年使っていた EOS & EF システムと併用するサブシステム的な位置付けでしたし、大型センサーのコンパクトデジカメの上位存在として置換するものでしたから、

レンズが交換できるコンパクトデジカメ的な存在


として、小型軽量さが断然のマイクロフォーサーズを選択するのは当然でしたし、その選択も間違っていなかったと思っています。

旅散歩スナップ機としては、コンパクトデジカメを持ち歩くよりずっと良かったし、重いデジタル一眼レフを持ち歩くよりも軽快さが必要な場面があることを思い出させてくれました :-)

買ってきて箱からカメラ出して充電だけして、そのまま旅に持っていった E-M10 Mark II 雑感【横浜夜散歩 前編】
買ってきて箱からカメラ出して充電だけして、そのまま旅に持っていった E-M10 Mark II 雑感【横浜夜散歩 後編】
購入直後の E-M10 Mark II を鎌倉散歩のお供に撮り歩いてみた雑感【DAY 1 前編】
購入直後の E-M10 Mark II を鎌倉散歩のお供に撮り歩いてみた雑感【DAY 1 後編】
購入直後の E-M10 Mark II を鎌倉散歩のお供に撮り歩いてみた雑感【DAY 2】

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(サッカーは撮れずともセレモニーはE-M1 Mark IIの代役として撮影)


ただ、誤算というか E-M10 Mark II 購入当初の予定から大きくズレたのは
  1. E-M10 Mark II の印象が結構良かった(初期不良だったけどw)
  2. オリンパスに対する過去の悪印象が薄らいでしまった
  3. 動体撮影にデカい口叩いてる E-M1 Mark II にも興味を持ってしまう
  4. 本気で使ってみたくなり、血迷って EOS & EF システム売って E-M1 Mark II & PRO レンズ購入

という、自分でも想定外の “E-M10 Mark II 購入後のストーリー” でした(^_^;)

この流れについては、周囲からも “やらかした” 的な反応をもらっていますし、私自身いささかそういう思いがなくはないのですが、強がりではなく、「あくまで趣味だし、たまにはこういうのもアリかな」と思うところはありますし、なにより

夏場の長時間撮影、炎天下で歩き回る条件で
小型軽量システムのメリット・デメリットを確かめたい


という購入動機があったわけで、そろそろ確かめる季節がやってきて興味深く思っているところだったりします。(動体撮影に以前ほどビシッとしたものが得られないストレスはあるけど、それを上回る利点があれば、それはそれで一つの良い結果ですからね)

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とまぁ、ちょっと話は E-M1 Mark II のことにズレてしまいましたが、そもそも、こういったことになってしまったのも、

小型軽量で安価な E-M10 Mark II の印象がそれだけ良かった


からと言えるわけです。

「私の印象を変えた」「私を勘違いさせた」「私を誤解させるくらい」E-M10 Mark II は良い出来というか、購入価格に比して納得いくカメラだったのでしょう。今となってはあまり実感はありませんが、結果として、そういうことです :-)

廉価機ですし、モデル末期のカメラですから、メチャクチャ良いとか、素晴らしいミラーレス機というほどのことはありませんが、レンズキットで6万円ちょいだったことを思えば、間違いなくコストパフォーマンスの良いカメラです。

動体撮影に対する高い能力を標榜した E-M1 Mark II と違って、廉価機である E-M10 Mark II はお気楽ミラーレス機であり、それを念頭に購入して “レンズ交換式コンパクトカメラ” として使う分には十分満足いくものでした。
  • 無駄に高望みさせない廉価ミラーレス機として程よく収まった性能
  • 同世代の上位モデルから画質・機能面では大きく見劣りしない、出し惜しみ感ないところ
  • 大型センサー搭載コンパクトデジカメと同等レベルの実売価格

使う人、目的のターゲットを絞り込んで性能・機能とも背伸びしすぎていないバランスの良さは素晴らしく、価格も謳い文句も背伸びした割には…な E-M1 Mark II よりずっと好印象ではあります。(E-M1 Mark II が高い理由がある程度判ってても、E-M10 Mark II のバランスの良さが目立つ)


(モデル末期のせいか、レンズキットで6万円切り。サブ機、スナップ機にはお勧め)


もっとも、最上位機の E-M1 Mark II を購入してしまうと必然的に E-M10 Mark II が担っていたはずの “旅スナップ機” “日常持ち歩き機” も E-M1 Mark II に移ってしまい、E-M10 Mark II の稼働率は一気に下がってしまいました。

E-M1 Mark II はマイクロフォーサーズらしくない大きさ、重さだという評も目にしたことがありますが、デジタル一眼レフの中上級機ばかり使ってきた身とすれば E-M1 Mark II も十分に小さく、E-M10 Mark II と大差ないレベルに思えてしまいます。

E-M1 Mark II を買ったばかりの時は「やっぱり E-M10 Mark II の小型軽量さには敵わないなあ」なんて思っていましたが、実際に運用していると(デジタル一眼レフに比して)大差ないサイズなのに、あらゆる点の使いやすさ、撮影感覚が上回っているわけで、

E-M1 Mark II を家に置いて E-M10 Mark II を持ち出す理由は(よほどカメラを入れる余地が小さいとき以外)ないよなあ


となりました。(当たり前)

価格が3倍以上も違う廉価機と(一応の)ブラッグシップ機を比較するのもおかしな話ですが、E-M1 Mark II を使い始めると E-M10 Mark II は
  • 小型軽量ゆえのホールディングの悪さ
  • メカシャッター音やレリーズの安っぽさ

あたりが気になって、敢えて E-M10 Mark II を選択することがなくなってしまいます。機能や EVF、AF 云々より、コストが一番反映されやすいメカ周りはどうしても大きな差を感じます。(好みの問題だけど、電源スイッチの感触も好きではない)

あとは、よく言われることですが、

機種間のメニュー項目配置が大きく異なる不統一性


は、同シリーズ兄弟機でどうしてここまで違うのか?と戸惑うしかないので(メモリーカードのフォーマットすら、全く違うメニューに分類されてるのか意味が分からない)、必然的に常用機種は一つに絞りたくなってしまうのです。

特に E-M1 Mark II 購入以降は、ブルーインパルス撮影のように、同時に2つのレンズを使って撮影する時のサブ機にしていますから、ちょっと設定を変える時でも戸惑うことはあります。

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反面、E-M1 Mark II より E-M10 Mark II の方が好ましいと思うことがあって、パンケーキズーム(14-42mm EZ)を付けた時の “ちょっとデカいコンパクトデジカメ感覚” は E-M10 Mark II ならではのものですし、バリアングル液晶より素早く操作できるチルト液晶の方が個人的には好きです。(バリアングル液晶の利便性は判っていても)

逆に言えば、大きめの PRO レンズを付けて撮るようなカメラでもないよなあ、というのは、E-M1 Mark II を修理に出している期間中に使っていて実感することでもあります。

12-40mm F2.8 PRO くらいなら決してレンズとのバランスは悪くないですし、ホールディングの足りなさも我慢できる範疇ですが、それでも E-M10 Mark II には 14-42mm EZ や小さな単焦点レンズが似合うなあ、と感じます。正直言って

小さくないレンズをつけて持ち歩くなら、ボディも別に E-M10 Mark II である必要はなく E-M1 Mark II でも鞄への収まりは大差ない


となってしまいますから。

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(オランダへ行っても頑張ってほしい!)


あと、E-M1 Mark II と併用していたり、最近 E-M1 Mark II の代わりに使っていて気付いたのですが、

E-M10 Mark II はちゃんと合焦さえすれば精度は信用できる


ように思います。E-M1 Mark II より AF 精度が信用できるとまでは言いませんが、“ちゃんと合焦すれば” ピン甘は少なくて信用できます。(ずっと使ってきて、前と言ってることが違うかもしれないけどw)

もちろん、白めの被写体とかは全然合焦しない時が頻発しますし、シャッターが切れても合焦できてないことはありますから、E-M10 Mark II の AF が良いとまでは言いません。動体相手だとそもそも AF が合焦するまで時間はかかるし、連写は遅いし、EVF で追えずに予測で目押しになるので、そういう用途には全く不向きです。

ただ、E-M1 Mark II よりピント精度が信頼できる場面も時折あったりして、個人的には再評価しているというか、E-M1 Mark II もっと頑張れ、という思いもあったりするのです。(E-M10 Mark II がコントラスト式 AF 一本であることが良い方向に影響しているのだと思いますが)

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とまぁ、改めて E-M10 Mark II を振り返ってみても、そう大きな不満はなく購入満足度はそれなりに高いのですが、ただ一つ気になることが。

電子シャッターの時でしょうか、たまに↑の写真にあるような縞が画像にかかってしまうことがあって、これはなんなのか不思議に思っています。頻繁に起きる現象ではなく、これでシャッターチャンスを逃したとか、そういうことはないので、特に問題視はしてませんが、気になりますね。(今のところ、同じ状況で EOS や E-M1 Mark II では未経験)

とまぁ、E-M1 Mark II が修理入院してる間に、購入してちょうど半年が経った E-M10 Mark II に対する今の雑感を記してみました。

近々 E-M1 Mark III が出るらしいですが、どうなんでしょうか。現状 Mark III に買い替える予定は全くないのですが(動体相手だと E-M1 Mark II のサブ機は E-M1 Mark II しかない)、上記のとおり Mark II が結構良いバランス機だったと思うので、ここから上位機との兼ね合いも考えて、どう展開していくのかな?ということには興味ありますね。

購入から2ヶ月経ったので E-M10 Mark II セカンドインプレッション 【前編】
購入から2ヶ月経ったので E-M10 Mark II セカンドインプレッション 【中編というか雑記】
購入から2ヶ月経ったので E-M10 Mark II セカンドインプレッション 【後編】