ミラーレス初号機であるパナソニック DMC-G1 以来ミラーレス機を色々使ってきて、ちょくちょく出くわすことは、デジタル一眼レフ中級機クラスの価格になり、それらと対抗できるスペックになってきても「あれ?まだこんなこともできないの?」ということ。
スペック性能は凄く良くなってきたけれど、ちょっとした使い勝手のところで、ニコンやキヤノンのデジタル一眼レフを使っていると意識もしないレベルで当たり前に使っていたことができないこと、それが実は便利だったこと、そんなことに度々出くわすことです。
こういうことを書くと顔を真っ赤にして怒る人もいるわけですが、長年ニコンやキヤノンが大きなシェアを持ち続けたのは宣伝力とか機種展開力とかだけでなく、
と他を使ってると感じることはあります。(もちろん、それぞれのメーカー毎に細々良さはあるわけですが総合的な話)
しかし、ミラーレス機も急速に発展していく中で各社とも、数字上のスペック競争だけでなく仕様表に出てこない使い勝手なども少しずつキャッチアップしていて、スペックでは見えない部分の差も縮まり、一部には追い越していますが、その中で感心するのは富士フイルムの進化。
ちょっと癖があるものの、
というのは感嘆を禁じえません。(多少贔屓目は入ってるかもw)
他社ボディの間借り?を止めて、Xマウントを立ち上げた頃は X-Pro1 のハイブリッドマルチビューファインダーのような画期的機能はあったものの、X-E1 買った時のボディの印象は非常にプリミティブなものでしたし、レスポンスも同時期の他社機と比べてかなり悪いものでした。が、あれよあれよという間に進化。
X-T1 なんかは「ファームウェア・アップデートでここまで進化するんや!?」というくらい初期バージョンと Ver.3/4 以降では見違えるものでしたし、続く X-T2 は機能面、使い勝手ではニコン、キヤノン機と遜色ないレベルまできたように見えるくらいです。
この勢いで、チラホラ噂の出ている富士フイルムの動体撮影向け高速連写機が出るのなら結構期待できるかもなあ…、ってのは内心思っていたりします。画質重視は中判デジタル GFX を出しましたから、Xマウント機に違う方向性を与える必要もありますしね。
とはいえ、ソニー同様に富士フイルムも望遠〜超望遠レンズが弱い(望遠単焦点レンズが1本もない)のですが、X マウントも GFX マウントも怒涛の勢いでレンズを出す富士ですから、必要なレンズもきっとボディと同時に発表するのでしょう。Xマウントレンズは購入したものどれも好印象でしたから、どんな高性能望遠レンズが出てくるのかは楽しみです。
また、私自身、E-M1 Mark II にいくら興味が湧いていたとしても
と言いきれます。
焦点距離的にも 40-150mm F2.8 PRO ではテレコン付けても 420mm 相当ですから自分にはとても足りませんし、超望遠域がパナソニックの 100-400mm だけだったなら(ユーザーには悪いけど)マイクロフォーサーズをメインにする賭けを試す気にはなれなかったでしょう。
「レンズあってこそのボディ」なんてことは初心者に毛が生えるかどうかの私ですら判ることですが、撮るものが決まっていれば、やはり必要なレンズの有無が一番重要になります。ですから、私にとってサンヨンの存在は大きかったと言えますし、今後各社のミラーレス機向け超望遠レンズが充実されるのが楽しみです。
さて、過去2回にわたって、1ヶ月のあいだ動体相手に E-M1 Mark II(と 2本の M.ZUIKO PRO 望遠レンズ、主に 300mm F4 IS PRO)を使ってきて思うところ、ここは足りない、改善して欲しいと思う点を述べました。
■ 一ヶ月の E-M1 Mark II × 動体撮影で感じたこと、改善されるべき点【前編】測距開始点を指定できない多点 AF は使えない他
■ 一ヶ月の E-M1 Mark II × 動体撮影で感じたこと、改善されるべき点【中編】より迅速な操作性を求めて
今回で最後ですが、少し細かい点が多いながらも、使い勝手として「ここは何とかしてほしい」と思う点を述べていきたいと思います。
E-M1 Mark II というカメラは「そこそこ良くできているのに、惜しい」という言い方をしたことが過去記事でも何度かしてきたと思いますが、これもそう。
UHS-II カードに対応し、バッファも余裕ある容量を備えていて、E-M1 Mark II 発売前後に話題になった、この動画↓
を見ても判るように、連写コマ数としては十分な性能を誇っています。
ところが、連写撮影後はすぐ画像を再生しようとしてもできないことが多々あります。どこかの開発者インタビューでも「課題」と認識しておられる旨の内容を見たことがありますが、
という前時代的な仕様のためです。
かくいう私も
って思って購入したんですけれども…甘かった。大甘。sweetest でした(´Д` )
連写後でも待たされるのは1秒〜数秒程度、長くても10秒くらいですが、それでも積もり積もってくると
でした。E-M1 Mark II に対する見込みの甘さでは、測距点移動用スティック以上の大甘ポイント _| ̄|○
とすら思うくらいです。(UHS-I だとバッファメモリがよほど大容量でないと連写枚数が少なくなりますが)
このことは、風景撮りなど一枚一枚じっくり撮る人、あまり連写しない人、シャッターチャンスや被写体を追う合間に撮影画像を確認しない人は全く問題を感じることはないでしょうし、従来からのオリンパスユーザーならこれが当たり前の仕様かもしれません。
と思われるでしょうけど、フィルムじゃなくデジタルの時代に、そしてワイヤレス転送当たり前の現在に、やっぱりコレはないです。
(無駄に撃っても後が大変なだけなので、普段は連写コマ数も低めにしてます)
バッファに余裕があるのは非常に重要なことで、それで助かること(撮れること)もありますが、馬鹿みたいに秒10コマ、18コマの連写を5秒も6秒も、それ以上も続けることなんて(初心者以外では)動体撮影していても殆どないと思います。慣れれば慣れるほど、上手くなればなるほど、ばら撒きしないものです。
(サッカーのごちゃついた場面のように、とにかくファインダーの中で何か見えた瞬間にショットをばら撒かなきゃ撮れない時もありますが、それでも5秒も6秒も連写し続けるようなことは殆どない)
延々連写し続けられることより、
とか
ということを待たされなしで行える方が重要だと私は思います。次の被写体、シャッターチャンスまで間のないことも多いですからね。
いずれにせよ、今まで普通にできて当たり前だったことができないってのは意外なほど厳しいし、そうならないと気付かないものです。
ってのは、店頭やショールームでちょこちょこっと触ったくらいでは判らない、実戦でないと感じないものだったと痛感してます。せっかくの高速な UHS-II カード対応も威力半減じゃないのかなあ、とも思いますしね。
【追記】今日は間違えて予備の遅い方の UHS-II カード(Lexar の x2000倍速ではなく x1000倍速の方)を使ったら、待たされ時間が長すぎてプレーの合間に撮影画像をチェックする機会がほとんど取れないくらい…。でも UHS-II 最高速クラスのカードはレクサーもサンディスクもまだまだ高いですからねえ。あと 128GB 分あれば十分なのですが(>_<)【追記終わり】
(倉田秋の同点弾…勝てば首位奪取なのに引き分けで終わったけど -_-)
まぁ民間機の離着陸や在来線の電車撮影で「秒間18コマで連写すれば良いタイミングの写真が選べます、UHS-II でたくさん撮れます」とかアホなことを書いてるライターカメラマンの記事が跋扈してるのを見ると数字命、スペックで見えない部分の優先順位が下がってるのかもしれませんが、連写すればするほど待たされ感も強くなりますからねえ。
(実質広告記事でマイナス点に触れないのは仕方ないかもしれないが、ある程度までの動体なら E-M1 Mark II の EVF は余裕でタイミングを掴める点を強調した方が、連写ばら撒きより遥かに E-M1 Mark II 固有の良さがアピールできると思うんですが…)
いずれにせよ、課題と認識されているようですし、今後の改善に期待したいところです。言うは簡単、下手すると制御 OS のコアレベルに手を突っ込む話な気もしますので、気長に待つしかないかなあ…と思っていますが。
前項で述べたように、E-M1 Mark II は UHS-II カードが利用可能で、高速なメディア書き込み、連写枚数の多さを実現していて、それはもう歓迎すべきことであり、今時の SD系メディアを使った高速連写機なら当然の仕様とも言えるわけですが、
だと思っています。それが総合的な使い勝手、ひいては結果に繋がるものの一つに思うのです。(あと現場で快適に取捨選択ができれば、枚数が多いだけに自宅へ戻った後の整理が楽になる)
撮影画像が再生できるまでのタイムラグに関しては前項で書きましたので、それ以外の
この4点について、以下簡単に記しておきます。
過去何度も書きましたが、E-M1 Mark II の EVF は確かに「動体が追える EVF」であり、過去のミラーレス機とは一線を画しています。
もちろん、光学ファインダーと同等レベルとは言えませんが、
と思えるくらいです。(シャッタータイムラグではなく EVF で見えた瞬間からシャッターが切れるまでの話)
EVF の見え味という点では過去使ってきた機種では X-T1 の方が見応えがあるというか、感動がありましたが、動体をしっかり撮影できるという点では E-M1 Mark II が圧倒していますし、とにかく動体を追った時のストレスが少ないミラーレス機です。
ただ、OVF シミュレーションを使ったとしても光学ファインダーと遜色ないということはないですし、何より動体を追っていて EVF で気になる点が2つ。
この2点は少々困っています。
C-AF で半押しすると EVF の見え方が変わるのは、購入後にどこかの開発者インタビューを読んで仕様であり、C-AF との絡みかなんかでそうなっちゃうのかな?と思っていますが、
ですね。大きくピンボケした時は自明ですが、甘いかどうかが判りづらい。
1ヶ月使ってきて慣れてきたこともあり、動きの遅い被写体では「ん?甘くなってるかな?」と感じる時はありますが、それでも「ちょっと外した」と思っていたのに撮影画像はジャスピンきていたりするし、その逆もあります。
デジタル一眼レフメインとはいえ EVF に慣れていないわけではないので、静止体相手に S-AF で合わせる時はそこそこピントは判りますが(それでもまだ相当に多くの解像度が欲しいとは思うけど)、それでなくても被写体が動き回る時に、C-AF レリーズ半押し時の EVF の見え方はピントが判りづらい。
とは思っていますが、決して良い点ではないし、ミラーレス機にとって非常に重要な EVF の見え味に感じることなので記しておきたいと思います。
もちろん、C-AF でレリーズ半押しした時の EVF の見え方が変わるからといって動体を追うのが難しくなるというわけではありません。ちょっとピントが見えづらくなる、という話です。
まあ、E-M1 Mark II の C-AF に信頼が置けていれば、この点も特に気にならなくなるのですが、なかなかそこまでは難しいので(それについては後日)、やはり追ってる時のピントの把握は気になるんですよね…
そして、もう一つ、手振れ補正の反動なのか、レリーズを離すタイミングで EVF が“跳ねる”ことがあります。これは光学ファインダーでもレンズ側手振れ補正だとあることなのですが、E-M1 Mark II ではレンズによって少々困るくらいに“跳ねる”ことがあります。
40-150mm F2.8 PRO でも EVF の“跳ね” が気になることはあるのですが、やはり最も気になるのは 300mm F4 IS PRO を使っている時。特にテレコン入れてる時は顕著です。
例えば、当ブログでもちょくちょく載せている、大阪伊丹空港から離陸した飛行機が旋回する時の写真↓
伊丹カーブと呼ばれたりもする旋回写真ですが、ここ(伊丹市・昆陽池公園)は 1,000mm 以上の画角が必要なポイントなので、サンヨンにテレコン入れた 840mm から更にトリミングしています。元写真は↓ですね。
離陸機なので時速 300km 以上で上昇旋回中ですが、空港からは 3km 以上、旋回ポイントからも 2.5km 以上離れていますし、高度差 600〜700m ありますから、飛行機とは相当に離れており、見かけ上の速度(角速度)はそんなに速くありません。
ですから、レンズはゆっくり、スムースさを心がけて振ることになります。また、ゆっくりな分、ずっと連写することもなく、離陸機が建物の陰から出てきて C-AF で追い始め、ファインダーを見て旋回中の主翼の形が良くなってきたあたりで数枚か、その後また何枚か撮る、という感じです。(アホみたいに連写しても、あとで整理が大変になるだけ)
ところが、単写でも連写でもレリーズを離して、手振れ補正がカットされた途端、ガクンと EVF が揺れます。当然、ファインダー内で追ってる被写体は大きくズレます。そうすると、
ことがあるわけです。これはちょっと困りもんです。
また、旋回が終わって、こちらの方へ近づいてきた時の、ファインダー目一杯を狙う時は一度レリーズから指を離したら、被写体が大きくフレームアウトするくらいの揺れ、ズレになることがありますから、せっかく追える EVF でギリギリまで狙っていたのに…てなことも。
などがあるのかもしれませんが、正直なかなかに厳しいです。ずっとレリーズボタンから指を離さないわけにもいきませんしね。(特に、こういう撮影時の E-M1 Mark II の C-AF はやや不安定なため、何度か測距し直さないと当たりが来ない場合があるので)
静止体はもちろん、ガンガン連写している時はそう強く気にならないのですが、こういった遠くてゆっくりの被写体を少しずつ撮る時には、かなり気になる点です。ちなみに手振れ補正のモードや半押し中手振れ補正などの設定を変えても同じです。
この場所の撮影では AF のことも含め、従来システム 960mm 相当のレンズを振ってた時よりヒット率がかなり落ちることもあって、手持ちは諦め、大型三脚に据えて手振れ補正を切って撮ってますが、お手軽手持ち 800mm が E-M1 Mark II と 300mm F4 IS PRO の良いところでもあるので、
と思うところです。せっかく動体がしっかり追える EVF ですしね。
というわけで、3回に分けて長々と書いてきましたが、ひとまず、このあたりにしておきます。
など、E-M1 Mark II ご自慢機能は意外と動体相手には使えなかったので残念、というのも書こうと思いましたが、その辺はまたいずれ。
(そういや、まだ液晶保護シート買ってないや。今までは付けない派だったけど…)
スペック性能は凄く良くなってきたけれど、ちょっとした使い勝手のところで、ニコンやキヤノンのデジタル一眼レフを使っていると意識もしないレベルで当たり前に使っていたことができないこと、それが実は便利だったこと、そんなことに度々出くわすことです。
こういうことを書くと顔を真っ赤にして怒る人もいるわけですが、長年ニコンやキヤノンが大きなシェアを持ち続けたのは宣伝力とか機種展開力とかだけでなく、
仕様表に出てこない機能や使い勝手の良さで、それなりに培ってきたものがあるんだなあ
と他を使ってると感じることはあります。(もちろん、それぞれのメーカー毎に細々良さはあるわけですが総合的な話)
しかし、ミラーレス機も急速に発展していく中で各社とも、数字上のスペック競争だけでなく仕様表に出てこない使い勝手なども少しずつキャッチアップしていて、スペックでは見えない部分の差も縮まり、一部には追い越していますが、その中で感心するのは富士フイルムの進化。
ちょっと癖があるものの、
フジノンレンズは昔から有名かつ定評あるからレンズの充実ぶりは納得できるけど、ボディは最後発メーカーなのに凄まじい勢いで先を行くメーカーに追いついていってるよなあ
というのは感嘆を禁じえません。(多少贔屓目は入ってるかもw)
他社ボディの間借り?を止めて、Xマウントを立ち上げた頃は X-Pro1 のハイブリッドマルチビューファインダーのような画期的機能はあったものの、X-E1 買った時のボディの印象は非常にプリミティブなものでしたし、レスポンスも同時期の他社機と比べてかなり悪いものでした。が、あれよあれよという間に進化。
X-T1 なんかは「ファームウェア・アップデートでここまで進化するんや!?」というくらい初期バージョンと Ver.3/4 以降では見違えるものでしたし、続く X-T2 は機能面、使い勝手ではニコン、キヤノン機と遜色ないレベルまできたように見えるくらいです。
この勢いで、チラホラ噂の出ている富士フイルムの動体撮影向け高速連写機が出るのなら結構期待できるかもなあ…、ってのは内心思っていたりします。画質重視は中判デジタル GFX を出しましたから、Xマウント機に違う方向性を与える必要もありますしね。
とはいえ、ソニー同様に富士フイルムも望遠〜超望遠レンズが弱い(望遠単焦点レンズが1本もない)のですが、X マウントも GFX マウントも怒涛の勢いでレンズを出す富士ですから、必要なレンズもきっとボディと同時に発表するのでしょう。Xマウントレンズは購入したものどれも好印象でしたから、どんな高性能望遠レンズが出てくるのかは楽しみです。
また、私自身、E-M1 Mark II にいくら興味が湧いていたとしても
サンヨンがなかったら E-M1 Mark II を買うことは絶対なかった
と言いきれます。
焦点距離的にも 40-150mm F2.8 PRO ではテレコン付けても 420mm 相当ですから自分にはとても足りませんし、超望遠域がパナソニックの 100-400mm だけだったなら(ユーザーには悪いけど)マイクロフォーサーズをメインにする賭けを試す気にはなれなかったでしょう。
「レンズあってこそのボディ」なんてことは初心者に毛が生えるかどうかの私ですら判ることですが、撮るものが決まっていれば、やはり必要なレンズの有無が一番重要になります。ですから、私にとってサンヨンの存在は大きかったと言えますし、今後各社のミラーレス機向け超望遠レンズが充実されるのが楽しみです。
さて、過去2回にわたって、1ヶ月のあいだ動体相手に E-M1 Mark II(と 2本の M.ZUIKO PRO 望遠レンズ、主に 300mm F4 IS PRO)を使ってきて思うところ、ここは足りない、改善して欲しいと思う点を述べました。
■ 一ヶ月の E-M1 Mark II × 動体撮影で感じたこと、改善されるべき点【前編】測距開始点を指定できない多点 AF は使えない他
■ 一ヶ月の E-M1 Mark II × 動体撮影で感じたこと、改善されるべき点【中編】より迅速な操作性を求めて
今回で最後ですが、少し細かい点が多いながらも、使い勝手として「ここは何とかしてほしい」と思う点を述べていきたいと思います。
(6)バッファが解放されないと画像再生できない問題
E-M1 Mark II というカメラは「そこそこ良くできているのに、惜しい」という言い方をしたことが過去記事でも何度かしてきたと思いますが、これもそう。
UHS-II カードに対応し、バッファも余裕ある容量を備えていて、E-M1 Mark II 発売前後に話題になった、この動画↓
を見ても判るように、連写コマ数としては十分な性能を誇っています。
ところが、連写撮影後はすぐ画像を再生しようとしてもできないことが多々あります。どこかの開発者インタビューでも「課題」と認識しておられる旨の内容を見たことがありますが、
バッファが空にならないと撮影画像が全く再生できない
という前時代的な仕様のためです。
かくいう私も
バッファが空にならないと再生できないとか、いつの時代のシングルタスクなカメラなんだよw と思うけど、UHS-II 対応だし、UHS-II の最高速カードを使っとけば、そんなに気にならんやろ
って思って購入したんですけれども…甘かった。大甘。sweetest でした(´Д` )
連写後でも待たされるのは1秒〜数秒程度、長くても10秒くらいですが、それでも積もり積もってくると
最高速クラスのメモリーカードを使っても
撮影後すぐに撮影画像を再生できないから、ストレス溜まるわ〜
撮影後すぐに撮影画像を再生できないから、ストレス溜まるわ〜
でした。E-M1 Mark II に対する見込みの甘さでは、測距点移動用スティック以上の大甘ポイント _| ̄|○
高速な UHS-II カードが使えてバッファクリアまで撮影画像ができないくらいなら、UHS-I カードしか使えなくてもバッファ吐き出し途中に記録が終わった撮影画像から再生できる方が、ストレスが少なかった気がする…
とすら思うくらいです。(UHS-I だとバッファメモリがよほど大容量でないと連写枚数が少なくなりますが)
このことは、風景撮りなど一枚一枚じっくり撮る人、あまり連写しない人、シャッターチャンスや被写体を追う合間に撮影画像を確認しない人は全く問題を感じることはないでしょうし、従来からのオリンパスユーザーならこれが当たり前の仕様かもしれません。
何を大げさに言ってんだよ、UHS-II カード使って数秒くらい待ちやがれ、この糞イラチ野郎が👊
と思われるでしょうけど、フィルムじゃなくデジタルの時代に、そしてワイヤレス転送当たり前の現在に、やっぱりコレはないです。
(無駄に撃っても後が大変なだけなので、普段は連写コマ数も低めにしてます)
バッファに余裕があるのは非常に重要なことで、それで助かること(撮れること)もありますが、馬鹿みたいに秒10コマ、18コマの連写を5秒も6秒も、それ以上も続けることなんて(初心者以外では)動体撮影していても殆どないと思います。慣れれば慣れるほど、上手くなればなるほど、ばら撒きしないものです。
(サッカーのごちゃついた場面のように、とにかくファインダーの中で何か見えた瞬間にショットをばら撒かなきゃ撮れない時もありますが、それでも5秒も6秒も連写し続けるようなことは殆どない)
延々連写し続けられることより、
- 連写撮影してレリーズから指を離す
- いま撮った画像を見て、露出や色温度などが適正かどうか確認する
- 必要があれば設定を変えて、すぐまたファインダーを覗いて被写体を追う/待つ
とか
- 連写撮影してレリーズから指を離す
- 次に被写体が到来する僅かな間に撮影画像を少しでも確認して(撮影時にアタリはついてる)ベスト画像にレーティングしたり、プロテクトしたり、スマホ転送したり、明らかに要らない画像を削除する(プロのスポーツ現場ならその場で電送)
ということを待たされなしで行える方が重要だと私は思います。次の被写体、シャッターチャンスまで間のないことも多いですからね。
いずれにせよ、今まで普通にできて当たり前だったことができないってのは意外なほど厳しいし、そうならないと気付かないものです。
撃ち続けられることより、素早く確認できることの重要性
ってのは、店頭やショールームでちょこちょこっと触ったくらいでは判らない、実戦でないと感じないものだったと痛感してます。せっかくの高速な UHS-II カード対応も威力半減じゃないのかなあ、とも思いますしね。
【追記】今日は間違えて予備の遅い方の UHS-II カード(Lexar の x2000倍速ではなく x1000倍速の方)を使ったら、待たされ時間が長すぎてプレーの合間に撮影画像をチェックする機会がほとんど取れないくらい…。でも UHS-II 最高速クラスのカードはレクサーもサンディスクもまだまだ高いですからねえ。あと 128GB 分あれば十分なのですが(>_<)【追記終わり】
(倉田秋の同点弾…勝てば首位奪取なのに引き分けで終わったけど -_-)
まぁ民間機の離着陸や在来線の電車撮影で「秒間18コマで連写すれば良いタイミングの写真が選べます、UHS-II でたくさん撮れます」とかアホなことを書いてるライターカメラマンの記事が跋扈してるのを見ると数字命、スペックで見えない部分の優先順位が下がってるのかもしれませんが、連写すればするほど待たされ感も強くなりますからねえ。
(実質広告記事でマイナス点に触れないのは仕方ないかもしれないが、ある程度までの動体なら E-M1 Mark II の EVF は余裕でタイミングを掴める点を強調した方が、連写ばら撒きより遥かに E-M1 Mark II 固有の良さがアピールできると思うんですが…)
いずれにせよ、課題と認識されているようですし、今後の改善に期待したいところです。言うは簡単、下手すると制御 OS のコアレベルに手を突っ込む話な気もしますので、気長に待つしかないかなあ…と思っていますが。
(7)画像削除をもっとテンポ良くやりたい
前項で述べたように、E-M1 Mark II は UHS-II カードが利用可能で、高速なメディア書き込み、連写枚数の多さを実現していて、それはもう歓迎すべきことであり、今時の SD系メディアを使った高速連写機なら当然の仕様とも言えるわけですが、
動体撮影と高速連写を志向するカメラであるなら、AF や連写性能だけでなく、撮った後の再生、そして削除もスムースにしたい、できるべき
だと思っています。それが総合的な使い勝手、ひいては結果に繋がるものの一つに思うのです。(あと現場で快適に取捨選択ができれば、枚数が多いだけに自宅へ戻った後の整理が楽になる)
撮影画像が再生できるまでのタイムラグに関しては前項で書きましたので、それ以外の
- 高速な UHS-II カードを使ってる割には画像削除がモッサリ
- 画像拡大時に削除して次の画像が表示されると、画像拡大がキャンセルされてしまう
- 画像削除した後に表示する画像が、それまでの画像表示方向に関係なく、次に撮影した画像になる
- 画像拡大時に一発で等倍表示に持ってこれない
この4点について、以下簡単に記しておきます。
- [A] 高速な UHS-II カードを使ってる割には画像削除がモッサリ
- メディアアクセスが高速な UHS-II カードを使っているのですから、もっとサクサク削除できてもいいはずなんですが、EOS 中級機の UHS-I カードメディアで削除するのと比べても速くない。
削除中のダイアログとか要らないくらいサクサクでも良いはずなのに…もどかしいですね。連続で削除したい時なんかは、なんかこのカメラ遅いよなあ、と感じざるを得ません。 - [B] 画像拡大時に削除して次の画像が表示されると、画像拡大がキャンセルされてしまう
- 現場で撮影画像を取捨選択して削除する理由は、構図ミスとピントミスだと思いますが、構図ミスと明らかなピンボケを除けば、ピントチェックは等倍ないしそれに近い倍率に拡大して確認するはずです。
連写していてジャスピンでない画像を弾いていく時は、拡大→確認→残す or 削除、の作業が連続していくわけですが、画像を削除するたびに拡大率がキャンセルされて全体表示になると、拡大→確認→削除→また拡大→確認→削除→また拡大…となって、拡大作業を1枚毎にやる羽目になります。
連写画像のピント確認で1コマ毎に拡大するのは面倒すぎ!
です。お願いですから、画像削除に拡大率を保持するようにして下さい。そうなれば、拡大→確認→削除→確認→削除→確認…と、スムースに作業できます。
削除に少しでも手間がかかるということは、ミラーレス機の貴重なバッテリーが食われていくことでもあるのですから、意外と重要です。(デジタル一眼レフでもそうですが、この作業は結構バッテリーを食いますからねえ) - [C] 画像削除した後に表示する画像が、それまでの画像表示方向に関係なく、次に撮影した画像になる
- 撮影後に画像再生させると、だいたいどのカメラも最後に撮影した画像が表示されます。そこから画像チェックしていくと、戻っていく形になることが多いと思います。その時に「これは要らない」と思って画像を削除すると、次に表示される画像は削除した画像の前後どちらが自然だと思うでしょう?
例えば、最後に撮影した画像が 154枚目、そこから戻りながら撮影画像を確認し、151枚目を削除したとしましょう。
- 154枚目→153枚目→152枚目→151枚目…を削除→150枚目を表示
- 154枚目→153枚目→152枚目→151枚目…を削除→152枚目を表示
どちらがユーザーにとって自然、使い勝手が良いと思えるかは自明だと思います。
残念ながらオリンパスは 2. のように、それまでの画像再生方向に関係なく、画像を削除したら次に撮影した画像が表示されてしまいますが、できれば 1. のようにそれまでの画像再生方向を考慮した形に改善してもらえれば、使いやすいし、前項でも述べた撮影画像を現場で確認して残す or 削除をする作業におけるストレスも小さくなります。(&バッテリーにも優しい)
前項もそうですが、こういった細かな点は「今までそうじゃなかったカメラしか使ってない」人には判ってもらいづらいところなのですが、慣れていると意外とこういったところが使い勝手の良さに影響してくるものです。 - [D] 画像拡大時に一発で等倍表示に持ってこれない
- 画像を等倍(前後の)表示にするのに、毎回後ろダイアル(←私のカスタマイズの場合)をグリグリするのは面倒だし、親指も辛い。ので、ボタン一発が欲しい。
どんな条件なのかはマニュアルにないので今ひとつ判らないですが、連続して使ってると、後ろダイアル回した途端に10倍表示とかになってくれる時もあるのですが、いつもじゃないし、その挙動が仕様なら成立する条件は書いておいて欲しいものです。
(8)EVF に絡む様々な問題
過去何度も書きましたが、E-M1 Mark II の EVF は確かに「動体が追える EVF」であり、過去のミラーレス機とは一線を画しています。
もちろん、光学ファインダーと同等レベルとは言えませんが、
ファインダーで見て、勝手に指が反応してシャッター切って
そのタイムラグはデジタル一眼レフ中級機と大差ない
そのタイムラグはデジタル一眼レフ中級機と大差ない
と思えるくらいです。(シャッタータイムラグではなく EVF で見えた瞬間からシャッターが切れるまでの話)
EVF の見え味という点では過去使ってきた機種では X-T1 の方が見応えがあるというか、感動がありましたが、動体をしっかり撮影できるという点では E-M1 Mark II が圧倒していますし、とにかく動体を追った時のストレスが少ないミラーレス機です。
ただ、OVF シミュレーションを使ったとしても光学ファインダーと遜色ないということはないですし、何より動体を追っていて EVF で気になる点が2つ。
- C-AF で半押しすると EVF の見え方が変わり、追ってる時のピント具合が判りづらい
- 強力な手ぶれ補正の反動なのか、レリーズを離すタイミングで EVF が“跳ねる”ことがある
この2点は少々困っています。
C-AF で半押しすると EVF の見え方が変わるのは、購入後にどこかの開発者インタビューを読んで仕様であり、C-AF との絡みかなんかでそうなっちゃうのかな?と思っていますが、
シャッター半押ししながら被写体追ってる時の EVF の見え方では
ピントがきっちり合ってるかどうか全く掴めない
ピントがきっちり合ってるかどうか全く掴めない
ですね。大きくピンボケした時は自明ですが、甘いかどうかが判りづらい。
1ヶ月使ってきて慣れてきたこともあり、動きの遅い被写体では「ん?甘くなってるかな?」と感じる時はありますが、それでも「ちょっと外した」と思っていたのに撮影画像はジャスピンきていたりするし、その逆もあります。
デジタル一眼レフメインとはいえ EVF に慣れていないわけではないので、静止体相手に S-AF で合わせる時はそこそこピントは判りますが(それでもまだ相当に多くの解像度が欲しいとは思うけど)、それでなくても被写体が動き回る時に、C-AF レリーズ半押し時の EVF の見え方はピントが判りづらい。
E-M1 Mark II の C-AF に関わることもあるだろうから、これを改善するのは難しいだろうなあ
とは思っていますが、決して良い点ではないし、ミラーレス機にとって非常に重要な EVF の見え味に感じることなので記しておきたいと思います。
もちろん、C-AF でレリーズ半押しした時の EVF の見え方が変わるからといって動体を追うのが難しくなるというわけではありません。ちょっとピントが見えづらくなる、という話です。
まあ、E-M1 Mark II の C-AF に信頼が置けていれば、この点も特に気にならなくなるのですが、なかなかそこまでは難しいので(それについては後日)、やはり追ってる時のピントの把握は気になるんですよね…
そして、もう一つ、手振れ補正の反動なのか、レリーズを離すタイミングで EVF が“跳ねる”ことがあります。これは光学ファインダーでもレンズ側手振れ補正だとあることなのですが、E-M1 Mark II ではレンズによって少々困るくらいに“跳ねる”ことがあります。
40-150mm F2.8 PRO でも EVF の“跳ね” が気になることはあるのですが、やはり最も気になるのは 300mm F4 IS PRO を使っている時。特にテレコン入れてる時は顕著です。
例えば、当ブログでもちょくちょく載せている、大阪伊丹空港から離陸した飛行機が旋回する時の写真↓
伊丹カーブと呼ばれたりもする旋回写真ですが、ここ(伊丹市・昆陽池公園)は 1,000mm 以上の画角が必要なポイントなので、サンヨンにテレコン入れた 840mm から更にトリミングしています。元写真は↓ですね。
離陸機なので時速 300km 以上で上昇旋回中ですが、空港からは 3km 以上、旋回ポイントからも 2.5km 以上離れていますし、高度差 600〜700m ありますから、飛行機とは相当に離れており、見かけ上の速度(角速度)はそんなに速くありません。
ですから、レンズはゆっくり、スムースさを心がけて振ることになります。また、ゆっくりな分、ずっと連写することもなく、離陸機が建物の陰から出てきて C-AF で追い始め、ファインダーを見て旋回中の主翼の形が良くなってきたあたりで数枚か、その後また何枚か撮る、という感じです。(アホみたいに連写しても、あとで整理が大変になるだけ)
ところが、単写でも連写でもレリーズを離して、手振れ補正がカットされた途端、ガクンと EVF が揺れます。当然、ファインダー内で追ってる被写体は大きくズレます。そうすると、
EVF が“跳ねる”と測距点も被写体からズレる
ことがあるわけです。これはちょっと困りもんです。
また、旋回が終わって、こちらの方へ近づいてきた時の、ファインダー目一杯を狙う時は一度レリーズから指を離したら、被写体が大きくフレームアウトするくらいの揺れ、ズレになることがありますから、せっかく追える EVF でギリギリまで狙っていたのに…てなことも。
- 焦点距離(画角)が長く手振れ補正の補正量も大きいから EVF の“跳ね”も大きくなる
- シンクロ手振れ補正による影響
などがあるのかもしれませんが、正直なかなかに厳しいです。ずっとレリーズボタンから指を離さないわけにもいきませんしね。(特に、こういう撮影時の E-M1 Mark II の C-AF はやや不安定なため、何度か測距し直さないと当たりが来ない場合があるので)
静止体はもちろん、ガンガン連写している時はそう強く気にならないのですが、こういった遠くてゆっくりの被写体を少しずつ撮る時には、かなり気になる点です。ちなみに手振れ補正のモードや半押し中手振れ補正などの設定を変えても同じです。
この場所の撮影では AF のことも含め、従来システム 960mm 相当のレンズを振ってた時よりヒット率がかなり落ちることもあって、手持ちは諦め、大型三脚に据えて手振れ補正を切って撮ってますが、お手軽手持ち 800mm が E-M1 Mark II と 300mm F4 IS PRO の良いところでもあるので、
改善できるならしてほしいなあ
と思うところです。せっかく動体がしっかり追える EVF ですしね。
というわけで、3回に分けて長々と書いてきましたが、ひとまず、このあたりにしておきます。
- 「プロキャプチャ・モード」は EVF のフレームレートが劇落ちするので、動き物を追いながらレリーズ押す前のシーンが確保できる、と夢見てたのは無理だった
- サッカー撮影とかで顔認識 AF が使えると良いな〜と思っていたが、フォーカスエリアとは関係ない選手の顔や審判に追従しちゃったりするので使えない
など、E-M1 Mark II ご自慢機能は意外と動体相手には使えなかったので残念、というのも書こうと思いましたが、その辺はまたいずれ。
(そういや、まだ液晶保護シート買ってないや。今までは付けない派だったけど…)
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