個人的には「コレがあるから Lightroom を使っている、Adobe に毎月980円払っている、Adobe の奴隷に成り下がった」とも言える Lightroom mobile。

Adobe Photoshop Lightroom for iPhone (App Store)
Adobe Photoshop Lightroom for iPad (App Store)
Adobe Photoshop Lightroom (Google Play)

月980円の Adobe Creative Cloud フォトプランに加入していれば、最新版の Photoshop CC、Lightroom CC が使えるだけでなく、デスクトップ版 Lightroom で読み込んで管理している写真をクラウド経由で同期した Lightroom mobile でも閲覧、整理、現像作業が行えるというもの。


(プリペイドコードを買えば少し割安だし、たまに2〜3割引セールもやる)


もちろん、モバイル端末でデスクトップ版 Lightroom と完全に同じことができるわけはなく、
  • 現像ではシャープネス・ノイズリダクション関連、レンズ補正データー適用以外の収差補正、デジタルアップライトや変形ツールといった機能が使えない
  • 整理機能ではフラグとレーティングはできるがカラーラベルは設定できない
  • 複数枚写真の同時表示比較などの機能が使えない
  • デスクトップ版 Lightroom からクラウド同期できる写真は1つのカタログに限られるので、複数のカタログから同期するコレクションを指定することはできない
  • 同期してモバイル端末で見られる写真はオリジナルファイルではなくスマートプレビュー画像なので、厳密な細かいピントチェックには不向き
    (スマートプレビューだから使用容量が最小限、同期速度も現実的という利点はあるし、最高解像度プレビューを読み込めるようになったので iPad なら大体のピントチェックは可能になった)

という制約はありますが、基本的な写真整理、現像は可能です。

移動中、出先の空き時間に撮影写真の取捨選択や
簡単な追い込む前のレタッチまでは済ませられる


ことは、いつも未整理写真、未現像写真の山に埋もれている私にはとても有難いツールです。(月に3〜4試合あるサッカーでは1試合1,500枚前後、航空祭などの飛行機遠征やサーキットへ行けば数千枚撮影になるので…)

LRmobileHDR04
(常時1万枚以上をクラウド同期しています)

LRmobileHDR05


もちろん、過去に何度か書いていますが、収差補正やシャープネス・ノイズリダクション関連が使えないとフィニッシュには持ち込めませんし、個人的にはカラーラベルを多用するのでそれが使えないのも辛いところです。

それでも、写真の取捨選択や簡単なレタッチが出先の空き時間、移動時間などにできる便利さは何も変わりませんし、

出先で写真をある程度絞り込んで、トリミングや軽い補正だけしておき、自宅に戻ってモバイルで作業した結果を同期したデスクトップパソコンで最終的な現像を行う


といった流れは、大量の写真を処理するのにとても効率的です。

LRmobileHDR06

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とまぁ、以前は「デスクトップ版 Lightroom から写真を同期してモバイル端末で処理する」ことに主眼が置かれていたし、今でも一番主体の機能はそれなのですが、最近

スマートフォンのカメラ性能の向上に伴って
スマホ撮影アプリとしての機能向上が著しい Lr mobile


であります。

そして、Lr mobile では昨年 iPhone/iPad でも RAW ファイル撮影ができるようになりましたが(フォーマットは DNG)、先週のアップデートは HDR 撮影も可能になりました。

と言っても、HDR 撮影だけなら標準のカメラアプリでも昔から可能なわけで、Lr mobile では

HDR RAW 撮影が可能に


なったわけです。

ちなみに Lr mobile は

RAW、HDR 撮影や端末内レタッチだけなら月額契約不要


であり、無料アプリそれだけで使えます。(デスクトップ版 Lr とクラウド同期する時のみ月額契約が必要)


使い方も簡単で、撮影ボタン横の撮影メニューから HDR を選ぶだけです。

LRmobileHDR14 LRmobileHDR15


プロモードと違ってシャッター速度や ISO 感度は選べませんが、HDR 撮影時も露出補正やホワイトバランスが指定できるのは良いですね。

RAW 撮影や HDR RAW 撮影については「スマートフォンでそこまでするか?」という気もしますが、ダイナミックレンジの狭いスマートフォンカメラだからこそ HDR 撮影は有用ですし、

HDR 写真を「良きに計らえ」ではなく
自分の好みに処理していくなら RAW は有用


ですから、自分好みの HDR 写真を作りたいならば Lr mobile の HDR RAW は重宝するでしょう。

実際、Lr mobile で普通に HDR 撮影すると

LRmobileHDR02


このように HDR 合成後の露出が自動調整されて明るめの写真になりますが、個人的にはこういう明るくした HDR 写真ってのがどうも苦手です。

ですから、ここから軽く調整して…

LRmobileHDR09

LRmobileHDR10

LRmobileHDR11


少しアンダー目に、コントラストを出すように調整して、

LRmobileHDR12
(調整前)

LRmobileHDR13
(調整後)


というようにしたかったのですが、こう言った時に HDR RAW なら調整時に画像が破綻しにくいという利点があります。

LRmobileHDR01
(iPhone 標準カメラ)

LRmobileHDR03
(Lr mobile で HDR 撮影後調整)


所詮スマホカメラの写真ではありますが、上記写真を見ても判るように HDR では確実に白飛びの範囲は少ないですし、また普通に標準カメラで HDR 撮影しても白飛びは減りますが、露出その他は完全にお任せになり、そこから少しでも手を加えると階調が破綻します。

(iPhone の写真は何も考えずにサッと撮っても上手く処理して、いつも良い感じの絵作りですが、画像エンジンが優秀でギリギリまで調整を行っているせいか、撮影画像から手を入れると割とすぐ破綻するのは有名な話です。お任せで撮ってそのままが一番良いことが多い)

iPhone の標準カメラアプリでも HDR が使え、かなり自然で優秀です(下手な一眼レフ、ミラーレス機より良い感じの処理)。iPhone 標準の HDR は私好みの「白飛び、黒潰れさせない為だけの HDR」なので気に入っているのですが、やはり後から手を入れると破綻しやすいのは変わりません。

ですから、後から手を入れたい、と思う撮影、レタッチ前提に考える写真ならば、

レタッチに余裕のないスマホカメラだからこそ、RAWで
JPEG 合成だと破綻しやすい HDR だからこそ、HDR RAW で


というのは、理に適っています。

もちろん、いつもここまで手をかけるのはスマホカメラっぽくはないけれど、かなり画質・性能が上がってきたスマートフォンカメラですから

昔みたくスマホ写真に手間暇かける意味はないとは言えない


時代になってきましたし、手間暇をかければスマホカメラの表現が広がる、広げられる性能になってきたことを思うと、時として RAW で撮る、HDR RAW で撮る意味はあるよなあ…と Lr mobile で撮ってみて思うのです。

LRmobileHDR08


個人的に iPhone のカメラアプリは色々使ってきましたが、標準カメラアプリ最強と思っています。カメラの起動は標準カメラアプリが一番速いですから、ストレスなくシャッターチャンスも逃しにくいです。スマホだからこそ、起動速度は重要。

そして、もう一つ、シャッター音が鳴らない静音カメラアプリとして、以前紹介した「Microsoft Pix」も使っています。

Microsoft Pix

ただ、Microsoft Pix は最近ちょっと不安定で、よくフリーズするのが悩みの種ですね。フラッシュのオンオフなどもできるようになって機能改良は嬉しいのですが、まずはしっかり安心して使えるようにくれないと…

この2つが普段使っている iPhone カメラアプリですが、他にも高機能カメラアプリとして長年「Camera+」も使っています。フォーカスロックと AEロックするポイントを個々に変えられるのが気に入ってますが、Lr mobile のカメラ機能が高機能化してきた今、もう出番もなくなりつつある感じです…

いずれにせよ、アドビという会社、Photoshop とその周りのソフトは時流をしっかり読んで生き残り、大きくなってきた会社でもありますから、

スマホカメラの高性能化が Lr mobile の方向性も変えた


という気はしますね。スマホカメラで撮る、スマホカメラで撮ったものを処理することを重視しているのを感じる最近のアップデートであります。