撮影旅行、遠征へ出かけて大量の写真を撮影するのは良いのですが、帰宅後に撮影してきた枚数にウンザリして整理・現像が進まない、という経験を持つ人は少なくないと思います。

被写体や撮影場所に対して経験豊富な人たち、撮り方が本当に上手い方々というのは無駄撃ちすることがないため、そういった経験は少ないでしょうが、下手くそは「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」に頼らざるを得ない場面もありますので(言い訳)、どうしても枚数が増えて大変な思いをすることが少なくありません。

(それに「迷う前にレリーズを切らないと、予測不可能なその一瞬は撮れない」という被写体もありますしね)

そういったなか、帰宅後に写真ファイルの海に飲み込まれて、整理・現像へのテンションを落とさずに済むよう、

撮影写真を宿泊先や帰路途中にある程度整理しておき、帰宅後の作業を少しでも減らせないか?


旅行先、遠征先にノートパソコンを持ち込まず、軽量なタブレット、スマホで整理、バックアップができないか?


という考えで以前から試行錯誤していたのですが、しばらく前から

「モバイル端末に吸い上げた撮影写真を Lightroom mobile に読み込んで、そこで整理、簡易調整しつつ、Adobe クラウドを介してパソコンの Lightroom へ転送し、最終的な調整を Lightroom その他パソコン上で行う」

というワークフローを試しています。

一週間前に、その具体的な手順について説明しました。

撮影写真を出先でLightroom mobileへ取り込み、取捨選択&簡易調整してクラウド経由でパソコンへ受け渡すワークフロー【手順編】

このワークフローには利点も欠点もそれぞれありますが、現行の Lightroom mobile では、モバイル端末で撮影写真を読み込んで写真の取捨選択を行うには大きな欠点がありますし、幾つか留意すべき点もありますので、今回はその点について説明しておきます。



(1)メモリーカードから端末に吸い上げた撮影写真を Lightroom mobile に読み込みやすくするため、写真アプリのアルバム機能を使う

iPhone/iPad で扱う際の話になりますが、Lightroom mobile で撮影写真を読み込む場合に「カメラロール」から読み込もうとすると、メモリーカードから吸い上げた写真以外もあって、読み込む写真の選択に手間がかかる場合があります。

メモリーカードから 100枚の撮影写真を読み込み、iPhone/iPad の内蔵カメラで撮った写真やスクリーンショット画像があった場合には、カメラロールから Lightroom に読み込む写真を選択しようと思うと 100枚分も写真選択(タップ)する必要があり、現実的ではありません。

LightroomMobile26


そこで、写真アプリのアルバム機能を活用して、以下のような手順を採ります。
  1. 予め Lightroom mobile へ読み込むためのアルバムを作成しておく
    (以下の画面キャプチャ事例では「toLightroom」というアルバムを作成している)

  2. メモリーカードから iPhone/iPad へ撮影写真を吸い上げた場合、写真アプリに「最後に読み込んだ写真」というアルバムができているので、そのアルバムを開く

    LightroomMobile27

    LightroomMobile28

  3. 「最後に読み込んだ写真」アルバムの中で右上の「選択」→「すべてを選択」として、読み込んだばかりの写真を全選択してから、左上の「追加」をタップ

    LightroomMobile29

  4. 「アルバムに追加」で予め Lightroom mobile へ読み込むために作ったアルバムを選択して(以下の事例では「toLightroom」)、写真をアルバムに追加する

    LightroomMobile30

  5. Lightroom mobile の読み込み画面では、デフォルトで「カメラロール」になってる部分をタップして「toLightroom」アルバムを選択することで読み込んだ写真のみが表示される。それを全画像一括読み込みすることで、iPhone/iPad 内蔵カメラやスクリーンショット画像があってもスムースに読み込みが可能になる。

    LightroomMobile31

撮影写真を複数のメモリーカードから端末に吸い上げる場合にも、上記の方法で「Lightroom mobile 読み込み用アルバム」へ適宜追加しておくことでスムーズに処理できるかと思います。

また、撮影時の写真が RAW のみという場合には、Lightroom mobile の読み込み画面で RAW 写真のみにフィルタリングすることで、端末内蔵カメラで撮った写真やスクリーンショット画像を簡単に除去して読み込むことができます。(これは Android でも同様)

LightroomMobile32
(読み込み画面のデフォルトでは写真とRAWがチェックされている)

LightroomMobile33
(写真のチェックを外すとRAW写真のみにフィルタリングされる)


(2)Lightroom mobile で読み込んだ RAW 画像は Lightroom mobile でピントチェックができない → 写真アプリでピントチェックしてから Lightroom mobile に読み込む

Lightroom mobile 最大の問題点というか、

これでは LR mobile に読み込んで写真の取捨選択なんかできないじゃん!


という大きな欠点があります。

実際に見てもらうと話が早いのですが、例えば

LightroomMobile34


上記の画像は、まだ残暑の日和に遠距離撮影しているので、やや陽炎が出ていますし、ピントも甘い写真です。ただ、ボケボケと言うほどかというと、そうではありません。(ちゃんと現像する写真ではないけど、ゴミ箱行きかどうかはボーダーライン)

これを Lightroom mobile に読み込んでダブルタップで写真を拡大すると、

LightroomMobile35
(クリックで画面キャプチャ等倍画像)


等倍画像を見てもらえばわかると思いますが、ボケボケ写真にしか見えません。一瞬見て即削除レベルのクソ写真です。

ところが、写真アプリでダブルタップして写真を拡大すると

LightroomMobile36
(クリックで画面キャプチャ等倍画像)


確かに甘い写真なので、この写真をきっちり現像するためにピックアップする写真ではないですが、先ほどの Lightroom mobile で見たようなボケボケ写真のように酷くはありません。

「Lightroom mobile で写真画像を拡大すると、写真アプリより拡大率が低いのにボケボケにしか見えない」

という状況で、これでは使い物になりません。

(これは Lightroom mobile で RAW 画像を読み込んだ際に生じる話で、パソコンの Lightroom で読み込んだ写真をコレクション追加〜Adobe クラウド経由で Lightroom mobile に同期した写真では、このようなボケボケ写真現象にはなりません)

撮影写真の取捨選択では
  • 構図
  • ピント

が、必須のチェック項目になるわけで(意図通りの露出とかもありますが)、ピントチェックができなければ、Lightroom mobile に読み込ませて帰宅後のパソコンでの処理前の作業を出先で行う意味がかなり減ってしまいます。

ですので、この点がある限り、

現状では出先で Lightroom mobile に読み込ませて処理する
このワークフローを積極的に勧められない


というのが正直なところです。

ただ、以前の記事で説明したように、Lightroom mobile に読み込ませて Adobe クラウド経由でパソコンの Lightroom へ持ち込むこのワークフローでは、RAW 撮影写真枚数が多いとクラウドへの転送、クラウドからの読み込みにかなりの時間がかかりますから、Lightroom mobile に読み込ませる時点で写真枚数を減らした方がベターなのも事実です。

ですから、上記の Lightroom mobile でのピントチェックがまともに機能しないことをあって、私は以下のようなワークフローを採っています。
  1. メモリーカードから端末に撮影写真(RAW)を読み込む

  2. 写真アプリで、おおまかな構図チェックとピントチェックをして、Lightroom mobile へ読み込む前に、ある程度写真の取捨選択をする

  3. ある程度取捨選択した撮影写真を Lightroom mobile に読み込み、あたりを付けた写真の簡易調整を行うなどしてパソコンの Lightroom へクラウド経由で持ち込む

iOS の写真アプリは決して画像チェックに適したアプリではないのですが、RAW 画像でも拡大縮小含めて比較的サクサクと動くので、それもまぁ悪くないかな、と思って現状は上記ワークフローを試しています。

ただ、写真アプリで RAW ファイルを見た場合に表示される画像は RAW ファイル内に含まれている JPEG 画像ですから、

写真アプリでどこまでピントチェックできるかはカメラメーカー次第


であります。

キヤノンのように RAW ファイルの中にフル解像度の JPEG 画像が含まれていれば、まずまずピントチェックを行うこともできますが、RAW ファイルの中には本来の撮影解像度の半分程度の解像度の JPEG 画像を含ませているカメラメーカーもあります。このあたりはメーカー毎に差があるので、ご自身でお使いのカメラメーカーがどうなのかは各自ご確認ください。

いずれにせよ、Lightroom mobile に読み込んで、そこでピントチェックが行えないのは大きな欠点で、このワークフローを紹介しつつも(メリットも色々あるけど)お勧めしきれない原因です。


このワークフローをやっていて他にも細々と気になるところはありますが、特に留意すべき点と感じるのは上記の2点です。

Lightroom mobile も初期の頃と比べるとかなり機能が増えて、パソコンで読み込んだ写真を Lightroom mobile へ持ち込む場合にはピントチェックも含めてだいぶ使えるアプリになっているのですが、端末で読み込んだ画像を処理する上ではまだまだこなれていないところがあります。

ワークフローを説明しながらも私自身がまだまだ試行錯誤のところがありますので、今後より良い方法があればまた紹介したいと思っています。