前回記事で iPhone カーナビアプリの現状について色々と書きました。

iPhone カーナビアプリ色々

現在よく使われているだろう有料無料カーナビアプリそれぞれについて、色々と特徴があることは上記記事で書いたとおりで、NAVITIME 系アプリの優秀さについても触れました。

ただ、人それぞれカーナビアプリにどこまで重きを置くか、月額課金を払うほど利用するか、というのはあるわけで、例えば営業で毎日車であちこち駆け回る人なら、機能精度とも優秀な「カーナビタイム」に月額500〜600円払っても惜しくないでしょう。それだけの価値はあります。

反面、たまにしか車を(カーナビを)使わない人などにとっては月額課金するほどのことはなく、必要な時は無料カーナビアプリで済ませよう、それで十分という場合も多いでしょう。

現在 iOS には以下のような無料カーナビアプリがあり、いずれもカーナビの基本的な機能はカバーしています。

Google マップ
Yahoo!カーナビ
カーナビNAVIRO
MapFan+(マップファンプラス)(渋滞情報など利用は月額400円)

(MapFan+ は VICS 渋滞情報や渋滞情報込みのルート探索、オフライン地図、駐車場満空情報などの機能は有料ですが、地図閲覧、ルート探索、カーナビ機能そのものは無料でも利用可能なので、ここでは無料カーナビアプリの一つとして入れておきます)

私はこれら4つの無料カーナビアプリのうち、NAVIRO を除く 3つを常用しています。別に NAVIRO がダメだというわけではなく、

無料カーナビアプリで最も多機能なのが NAVIRO


であり、NAVIRO は有料アプリと比べても見劣りしない唯一の無料アプリと言ってもいいくらいです。(ナビ音声の方言切り替え、AR モードやドライブレコーダー機能内蔵などは NAVIRO ならでは)

ただ、前回記事でも書いたように、私自身は「カーナビはドライブ前の参考程度」が中心でカーナビ機能より地図の閲覧性を重視していること、NAVIRO のハニカムメニューが好みでないため、本格的に使うに至りませんでした。

ですから、私自身が十分利用していて語れるのは「Google マップ」「Yahoo!カーナビ」「MapFan+」だけです。片手落ちなのは十分承知の上で、これら iPhone 無料カーナビアプリ3つの個人的印象、感じる比較印象を述べていきたいと思います。

(「Yahoo!カーナビ」はカーナビ専用アプリですので、地図アプリとして「Yahoo!地図」も併用しています。統合して欲しいんですけどねぇ…)

なお、3つの地図・カーナビアプリの個人的な使い分けは以下のとおり。
  • 一番常用かつ検索、ブックマークに使うのは「Google マップ」(操作性が良く、地図アプリとしての機能性に優れるから)
  • モバイル時につらつらと地図を眺める、調べるときはパケットを消費しないオフライン地図利用可能な「MapFan+」
  • カーナビとして使う場合の第一選択肢「Yahoo!カーナビ」と「Google マップ」の情報が古い、足りない時の「Yahoo!地図」

という感じですね。

実際のカーナビアプリ利用に関しては

出かける前なら3つのカーナビアプリでルート探索して
一番まともなルートを探索したアプリを使う


って感じです。(車内でサッとやる場合は「Yahoo!カーナビ」が第一選択肢です)

NAVITIME 系アプリを使っていたならば、探索ルートも到着予想時刻もそれだけで概ね信用できるのでしょうけれど、これら3つのアプリは(Yahoo!カーナビが一番マシとはいえ)色々と欠点を持っていて信用するところまではいきませんので、3つ試してみて自分で判断です。

まぁ結局信用できるのは自分というか、自分で決断下せば何があっても自業自得で納得できますからね。カーナビの隷にもなりたくないし、結果をカーナビのせいにはしたくないので(^_^;)


(地図といえば外せないのがコレ)


そんなわけで、今回はそれら「Google マップ」「Yahoo!カーナビ」「MapFan+」の長所・短所を列挙して、次回はルート探索その他における良し悪しの実例を示そうと思います。




【Google Maps】

▼ 長所
  • Google ならではの検索の優秀さ。多少曖昧さや文字のミススペルも良きに計らってくれたり、日本語入力時に英語モードのままでローマ字入力になっていても問題なく検索してくれるスマートさ

  • 履歴から目的地入力するのも地図上の検索バー入力時にプルダウンで表示され、メニュー階層を追うことなくシームレスに可能

  • Google なので音声検索ボタンも当然あり、固有名詞にも比較的強い。多少の音声誤認識は検索側で修正して検索される

  • 検索した場所が見つかったら、そのままワンタッチでルート探索画面へ移行可能

  • 遠方への高速道路/有料道路不使用時ルート探索において、候補ルートがバリエーションに富む(全然違うルートになる)確率は今回の3つのアプリ以外を含めても一番高いので、実用的かどうかは別にして興味深い

  • 渋滞などで所要時間に変化があった場合を含む目的地までの所要時間算出に関しては NAVITIME 系アプリに次いで優秀と感じる(ただし所要時間はやや短めに出る傾向)

  • ルート探索の候補提示画面で、複数提示されたルートの経路それぞれを地図を拡大して確認したり、分岐案内ポイントを辿って確認できるだけでなく、経路プレビューでナビのプレビュー的なことも可能
    iPhoneCarNavi07

  • 交通情報は VICS ではなく独自の情報であり良い時も悪い時もあるが、VICS 渋滞情報は提供されるエリアが限られているため、独自情報で広範囲の渋滞・混雑情報を視認、ルート探索で効力が発揮されるのは強み

  • 他のカーナビアプリは一定以上の縮尺になると渋滞情報が一切消えるのに対して、Google Maps は縮尺に応じて表示されている道路は渋滞情報も表示される(車載カーナビ含めて、「この縮尺で消すの?」といつも不満なところ)

  • ナビガイド途中でも、経路ボタン一つで目的地までの経路全体を確認できる(これは便利)

  • ノースアップ/ヘディングアップ表示を切り替えられ(コンパスマークのタップ)、地図をやや傾けた俯瞰表示と平面 2D 表示も切り替えられる(二本指でスライド)

  • 航空写真、地形なども表示できる通常の地図アプリと一体で、電車ナビ、徒歩ナビも同列に扱っているので、1つのアプリで完結する便利さ、シンプルさはある

  • 多少使いづらいがストリートビューがアプリでも閲覧可能なので、実際の道路状況、周辺風景などを確認できる

  • 長押しタップずらしで指一本だけで地図を拡大縮小できるなど、地図アプリとしての操作性は随一

  • 文字が小さめ細めだが、地図デザインが非常にすっきりしていて見やすい。長時間眺めていても疲れにくい


▼ 欠点
  • ルート探索時に高速道路/有料道路を使用不使用両方の候補が提示されず、ユーザーがオプション設定で切り替えなければならない。おまけに、そのオプション設定がメニューの奥にあるので非常に面倒くさい。
    iPhoneCarNavi05

  • ルート探索時に、道路があって最短距離だからと一般車通行禁止・通行不能な道を通るルートを平気で提示してくる。知らないと行ってみて罠にハマるので、細道ルート提示してきた場合は要注意。(次回記事で実例紹介)

  • 通行禁止・不能な道でなくても、わざわざそんな細道を行かなくても…というルートを提示してくることが結構ある

  • パソコン上の Google Maps では地図上の経路表示されている青線をずらして、自分で自由に通過経路を設定できるが(うまくズレてくれない時も多くて使いやすくはない)、アプリの Google Maps ではそれができない

  • 途中経由地の設定方法が非常に難解(たぶん知ってる人の方が少ないはず)
    【7/27 追記】昨日のアップデートで経由地の追加が可能になり、従来のような裏技的なやり方でなくても経由地を設定できるようになりました。高速道路/有料道路の使用不使用時と同じくプルダウンメニューを開くやり方なので、他のアプリに比べると1アクション多いですが。(Google アプリの最近の UI は妙にパソコン的で微妙…)
    iPhoneCarNavi96

  • 高速道路を通るルート探索時に高速道路料金が表示されない

  • 道路情報が独自収集情報だけで VICS 情報を利用しないため、道路規制情報が表示されない(次回記事で実例)
    iPhoneCarNavi14
    (新名神工事事故によるR176みたいな長期通行止め区間も表示されないのは…)

  • 独自の渋滞情報は、実際には渋滞でもなんでもないところを渋滞と判断することもある。

  • ルート探索時の所要時間は一般的なカーナビ比べると短めに出るため、マッタリ運転の人は+αを見込んだ方がいい場合もある

  • ナビガイド時に最低限の情報は表示されるものの、音声案内で交差点名を言えない、交差点や分岐時の実際の車線に即したレーン表示がない
    iPhoneCarNavi82

    【6/19 追記】ガイド時の音声案内で道路名、交差点名を言わなかった欠点は2016/6/16付のアップデートで改善されました(実際利用して確認済み)
    iPhoneCarNavi81

  • オービス情報、駐車場の空満情報などの便利な付帯情報はない

  • 地図情報の更新が、他の地図・カーナビアプリに比べて確実に遅い

  • 道路地図の情報量としては物足りないところがあり、見やすさも地図アプリとしての見やすさであり、日本的なナビマップにとしては良いとは言えない

  • ナイトモードはあるがナビガイド時のみの自動切り替えのみで、地図閲覧時はナイトモードにできない

  • オフライン地図は機能としてもっているが、国内では利用不可

  • 【6/19 追記】カーナビガイド時の音声案内で右左折する交差点名を読み上げる機能が追加されたが、右左折する場合の1回目の音声案内が交差点の 600m 手前で、車載カーナビ、他のカーナビアプリより明らかに近いので、ナビの音声案内だけに頼って運転している人は注意が必要である


あらゆる地図サイトの手本となり、地図アプリの元祖と言ってもいいだけに地図アプリとしての操作性、機能性は一日の長があり、場所検索からルート探索までの手順の短さは合格点。ただ、音声検索はできてもカーナビタイムのような音声操作は不可なので、タップ作業は必要。

そして「国内道路地図としては情報量が他に見劣りする、更新も遅い」「ルート探索で細道が出てきたら要警戒」「カーナビ機能はギリギリ実用レベル」といった点があるので、車利用として見ると巷で言われるほど万能なアプリではありません。

VICS 情報を使わない独自の渋滞情報だけというのは良い方にも悪い方にも出るので、実は利用者に判断を求められたりするところがあります。

一般道利用のルート探索では他のカーナビアプリでは出てこないルートを出すことがあり、罠が多いので鵜呑みにはできないが、他のカーナビアプリと比べたり、航空写真モード、ストリートビューを見て判断しながら使えば有用だったりします。


【Yahoo! カーナビ】

▼ 長所
  • 場所検索はそこそこ優秀で、無駄な候補も少なく素早く指定できるのでストレスレス。ローマ字入力にも、インクリメンタルサーチにも対応している

  • 履歴から目的地選択するのも検索バー入力時にプルダウンで表示されるのでシームレスに可能。履歴から目的地の即選択が可能なだけでなく、検索バーに履歴目的地を文字入力してから追加修正することも可能なので、Google マップより履歴入力は使いやすい。(たぶん有料無料カーナビアプリで履歴が一番使いやすいアプリの一つ)

  • 音声検索ボタンも Google Maps 同様に検索バーの横にあるが、こちらは音声検索ボタンが大きくて使いやすい

  • 渋滞のない夜間などで所要時間に大差がなければ大まわりの高速道路より、途中で高速を一旦降りて距離の短い一般道経由を提示するなど、オススメルートはなかなか有用な時があるし、一番おっ?と思わせられるカーナビアプリ
    (オススメ以外の高速利用ルートはごく無難なルートが多く、また、おっ?と思うからと言って必ずしもマトモとは限らない。次回詳しく)
    iPhoneCarNavi09
    (人が考えれば候補に上がるルートだが、カーナビで勧めてくるのは多くない)

    iPhoneCarNavi13
    (吹田→奈良公園の一般道利用でR163経由や阪奈道路経由は普通だが、
    R163清滝峠から阪奈道路へ抜ける経路を出すのはレア)

  • 今回比較している3つのアプリの中ではルート探索結果が一番無難なことが多い(完全に信用できるほどではないし、オススメは前述のようにマニアック?な時もある)

  • ヤフー ID でログインしていれば VICS 道路情報は無料で受けられて、ルート検索にも反映される。(ログイン時は VICS 渋滞情報込みのルート探索がデフォルト)

  • VICS 道路情報を受けていれば無料アプリだが道路の規制情報も表示されるし、道路の規制情報の正確さは今回の3つの中では一番(実例は次回記事にて)
    iPhoneCarNavi06

  • 高速道路利用時の料金表示(ETC割引料金対応)だけでなく、各所の有料道路を通る際の料金も表示してくれる

  • ルート探索時の所要時間に関しては車載カーナビに比べると短めに出ることもあるが、Google Maps と同程度か+α程度

  • ルート探索の候補表示画面から複数提示されたルートそれぞれの経路を地図を拡大して確認したり、分岐案内ポイントを辿って確認してから、どの経路で行くかを決定できる

  • 無料ながらナビのガイド機能は有料アプリ並み。交差点のレーン表示や音声案内の交差点名も対応している
    iPhoneCarNavi10

  • 高速道路走行時のハイウェイモード(この先の IC, SA/PA を表示する高速道路案内モード)もある

  • JARTIC提供の高速道路情報をボタン一発で表示できる(それだけのために iHighway アプリを入れてるなら不要になる)
    iPhoneCarNavi11

  • Google Maps 同様の操作でノースアップ/ヘディングアップ表示を切り替えられ(コンパスマークのタップ)、地図をやや傾けた俯瞰表示と平面 2D 表示も切り替えられる(二本指でスライド)

  • ナビの音量調整が独自に3段階で調整可能、端末ミュート時も音声案内はミュートされない(音声案内のミュートはナビ音声調整の設定で可能)

  • オービス情報、駐車場の空満情報など付帯情報も無料提供されていて(要ヤフーID ログイン)、カーナビ地図としての情報量も必要最小限はクリアしている

  • 道路地図情報の更新は最速レベル

  • 地図に表示する施設アイコンはジャンル別、店舗別にオンオフしたり、拡大率によって表示する施設を変えることなどかなり柔軟に設定可能
    (ローソンはかなり拡大しないと表示されないがセブンは比較的広域の段階から表示する、ということも可能)
    iPhoneCarNavi12


▼ 欠点
  • 検索はまずまず無難に使えるが、Google Maps の柔軟性には及ばない。ローマ字入力にも対応しているが、「済世会吹田病院」を「吹田済世会病院」と入力すると全然違う場所を指定するなど、検索語句の揺らぎに対する弱さはある(Google はこの程度の揺らぎは良きに計らってくれる)

  • 検索結果の目的地候補が複数あっても最初にリスト表示されないので、慣れないと「ここじゃないのに、どうしたら?」と戸惑うことになる
    (画面下部の目的地部分を左右スワイプするか、画面右上のリストボタンをタップするのだが最初は判りづらい)

  • ルート探索後の経路候補はオススメに高速優先、一般優先も各1つずつなので、ルート候補数は最大3つ、たいていの場合2つと非常に少ない。変なルートを出すことは少ないが、あまりにバリエーションがなくて中距離以上のルートでは不便に感じる
    (ルート変更して試そうとすると経路地を設定する必要があり、途端に手間がかかる

  • ルート探索の経路アルゴリズムは比較的妥当なルートを示すことが多く、Google Maps のような通行不能、通行禁止区間を通らせることもないが、一般道優先ルートでは「このルートはドライブ好きじゃないと、しんどい道では?」「夜間にこの峠を通るルートは厳しいやろ…」という道も提示されるので、山間部を含む一般道優先ルートは運転に慣れた人向けルートという印象。
    iPhoneCarNavi16
    (大阪北部から鳥取市南部へ向かう一般道ルートで遠坂峠越えてこのルートはなかなか…)

  • オススメルートはマニアックで面白いルートを出すけれど、一般向けにしては高速道路使わずに一般道ルートをオススメしすぎでは?という気がする。
    (個人的には他のカーナビアプリ、車載カーナビみたいに高速道路優先ばかりオススメルートとして出すより面白くていいけど)

  • 一般的なカーナビ同様、一定の縮尺以上では渋滞情報が一切表示されなくなる
    iPhoneCarNavi15
    (通行止め情報は縮尺が大きくなっても表示されるのは○)

  • 地図上の渋滞情報表示の線が細めなので、縮尺や状況によっては、パッと見で見づらい時がある。

  • 渋滞情報は VICS だけなので、当然ながら VICS 対象エリア外での突発的な渋滞には無力

  • カーナビのガイド機能は必要十分は網羅していてそつのない出来だが(無料カーナビとしては十分満足できるレベル)、他に比べると音声案内が一呼吸遅めと感じる人がいるので、ナビの音声案内だけに頼って運転している人は早め対応した方がいい
    (私個人はそう感じないが、周りで複数そう言う人がいる)

  • 主要交差点や分岐時のレーン表示機能はあるが、交差点や分岐付近の地図を一時的に拡大する機能はない
    iPhoneCarNavi10

  • ハイウェイモード時の地図表示と高速道路案内の2画面構成はタブレットないし大型スマートフォンの横画面でのみ対応で、カーナビタイムのように通常スマートフォンの縦画面で2画面構成は行われない

  • 駐車場の空き情報が地図で表示されるのは良いが、地図上の駐車場マークをタップして、そこを目的地にナビ開始させることができないのが不便
    (Google Maps は駐車場の満空情報はできないが施設タップからの目的地設定が可能。Yahoo!カーナビでは長押しによる任意地点の目的地設定か、ジャンル検索→周辺検索からで行えるが少々不便)

  • カーナビ用地図としてみると情報量は最低限をクリアしているが、一般的な地図として使うには情報量が少ない。それは別アプリの Yahoo!地図で、という方針であり機能的にも連携するが、ヤフーの地図アプリを2つも入れておくのは邪魔なので1つにして欲しい。MapFan+ のように地図の見せ方を変えてくれればいい。

  • おまけに、連携する Yahoo!地図はランドスケープモードに対応していない(マジで!?というレベルの欠点)

  • 無料提供しているコストを賄うため、将来的な広告表示に関しては開発者側も否定していないので、その可能性はある。


今回比較した3つのアプリの中では、カーナビとして使うには一番よくできているというか、3つの中では唯一カーナビアプリとしてマトモに使えるアプリ。名神集中工事の通行止め区間表示が正確だったのも、この3つの中では Yahoo!カーナビのみ。

無料ながら他では有料提供している情報を得られるし、基本的なカーナビ機能はカバーしていて、ルート探索のアルゴリズムも独自だけど悪くなく十分実用的。たまに乗る、たまにカーナビアプリ使うという人ならコレで十分という場合も多いと思える。

また、明らかに Google Maps を手本にした見た目、操作体系を採用しているので、Google Maps から乗り換えても大きな違和感はないアプリ。

それだけに、ルート探索後の候補が高速使用不使用毎に1つずつしかない、オススメが別経路だったとしても最大3つしかないのは残念。Yahoo!カーナビ最大の欠点であり、私が他のアプリも併用して、同時に経路探索する理由の一つ。

もちろん、世の中には「複数候補があると判りづらい、戸惑う」という人がいて、車載カーナビでもオススメ以外の「他の候補を見る」を押したことがない人も少なからずいるらしいから、候補数を少なくして判りやすくする、という方針も理解はできる。

目的地検索でも他のアプリは検索結果を一覧表示させるが、このアプリは一番優先する候補を地図上にいきなり表示するやり方で、それが正解なら判りやすいしタップ数も減らせるので、とにかくアプリの作りとしては一貫している。

ただ、そういった判りやすさを重視したいドライバー向けの割には、オススメルートなどルート探索結果はマニアックなところもあるので、その辺がややチグハグな印象もある。

一般向けの無難すぎるほど無難なルートと、このアプリのアルゴリズムならではのマニアックなルートの両方を複数候補として出してくれれば、NAVITIME 系アプリのルートバリエーションも超えそうな気がする。(NAVITIME 系は渋滞情報が VICS+独自なので、そういった面では勝てないとしても)


【MapFan+】

▼ 長所

  • 有料アプリだが、オフライン機能と有料情報(VICS道路情報、駐車場満空情報など)を使わなければ、地図閲覧、ルート探索、カーナビ機能全て無料で利用可能

  • 有料機能だが、全国詳細レベルのオフライン地図データーでダウンロードしてパケット通信なしで利用できるので、電波状況の怪しい山間部、災害などで電波状況の悪い時にでも安心して地図やカーナビが利用できる

  • オフライン地図は1ヶ月だけ課金して(月400円)地図をダウンロードすれば、翌月から有料課金を止めてもそのまま利用可能。地図の再ダウンロードも最初の地図ダウンロードから1年後まで可能なので、オフライン地図目的なら最新地図が欲しい時に400円だけ払えばOKというシステム

  • オフライン地図のデーターはアプリに内蔵ではなく、アプリ起動後に別途、地域別にダウンロードなので、iPhone の容量に大きな余裕がなくても、使う地域だけオフライン地図をダウンロードすることが可能
    MapFanPlus201606C

  • オフライン地図のデーターは3ヶ月毎なので、そう遅くないが、オンライン地図はもっと頻繁に更新されているので、必要に応じて切り替えて使うことができる

  • 車だけでなく徒歩ルート探索があるのは Google Maps とコレだけ
    【6/9 追記】Yahoo!カーナビと連動しているYahoo!地図が本日のアップデートで徒歩ナビを導入したので、必ずしもそうとは言い切れなくなった

  • ルート探索後の所要時間は他の2つより多めに見積もられることが多い。非通信の車載カーナビと同程度。余裕はあるのでマッタリ運転派にも良いし、そうじゃなくてもちょい休憩分が入ると思えば悪くない

  • カーナビのガイド機能は交差点のレーン表示や音声案内の交差点名も対応しているだけでなく、交差点、分岐接近時に地図の自動拡大も行われるので、車載カーナビと変わらないレベルで利用できる

  • ナビガイド状態で、右側にこの先の分岐や交差点が邪魔にならないように列挙されているので(スクロールで目的地まで確認可)、先々どういう経路を辿るかを常に把握しやすい(目の前のことだけ考えて運転するのはダメだからこれは便利)
    iPhoneCarNavi19

  • ナビガイド時に、地図を動かして色々確認の後、しばらく操作しなければ自動的に現在地の地図に戻る。好みはあるが、車載カーナビでは当たり前なので、案内へ戻るボタンを押すよりは手間が少なく違和感は少ないはず。

  • ナビガイドの音声案内はやや早めに教える傾向にあるので、余裕をもてる(私なんかは1つ手前の交差点と間違ったこともあるくらい)

  • 高速道路走行時のハイウェイモード(この先の IC, SA/PA を表示する高速道路案内モード)はある

  • 地図閲覧向けの通常地図と、文字が大きく情報の表示バランスも変わったカーナビ用地図の2つの地図デザインが内蔵され、自動切り替えも手動切り替えも可能
    MapFanPlus201606E
    (通常地図)

    MapFanPlus201606G
    (カーナビ用地図)

  • 地図の施設アイコンの見やすさは個人的に MapFan+ が一番好み(オービスの位置もどっち向き車線にどんな種類のオービスかあるのかよく分かる)

  • 検索バーやツールアイコンを消して、画面全体をほぼ地図だけの状態にできる

  • とりあえずパケット通信量を気にせず、地図を快適に何時間でも眺めていられるのは MapFan+ のみ(カーナビとはあまり関係ないけど ^^;)


▼ 欠点

  • 目的地検索するのに階層構造で辿って行くアホさ加減、ナビ開始までのタップ数の多さは、いつになったら直すのだろうかと思いつつ幾年月…詳しくは前々回記事参照
    (→ 「大好きな地図&ナビアプリ「MapFan+」の有料課金継続を止めた2つの理由」)

  • 音声検索ができない(代わりに Siri が使えるという記事も見かけたことがあるが、Siri は固有名詞に弱く、ある程度の文節数がないと誤認率が高いので、場所入力には全く不向き)

  • 検索で同じ場所なのに複数候補を出しまくるのはマジ鬱陶しい…
    iPhoneCarNavi18
    (JRと近鉄、地下鉄が別なくらいは判るが、これはないやろ的なのが多発)

  • 目的地検索からのルート探索までの過程が、検索ボタンから行く方法とナビボタンを押していく方法があり、両方ある意味も特にないので、単に判りやすさ、シンプルさがないだけになっている
    (目的地検索の使いやすさは、前2つの無料アプリと比較にもならないレベルで完敗)

  • ルート探索のアルゴリズムが時々、複数提示するのに何故こんなのしか出さないの?という状況になることがしばしば。高速道路使用ありでも一般有料道路を使わないルートばかり出すことがあるなど、他のアプリでは自然なルートを出すのに MapFan+ だけ不思議なルートになることが直らない(次回記事で実例)

  • ルート検索は、高速道路使用、不使用、徒歩の3種類があり、高速道路使用/不使用では4つずつ候補が出てくるが、その4つの候補ルートが殆ど同じなことが多く、違っても2ルートくらいでバリエーションになっていない

  • ルート探索の候補が表示されている際に地図を拡大縮小できないので、ルート選択時に経路を詳しくチェックしてから選択することができない

  • ルート探索結果画面からナビ開始へ行く場合に必ず、運転しながら操作の警告画面が出るのは鬱陶しいが百歩譲って我慢できても、ルート探索結果画面から「地図で確認」ボタン押しても同じ警告画面が毎回できるのは意味不明。
    (そもそも前項で書いたようにルート決定前に地図を拡大縮小してルートをチェックさせろ、って話だが)
    iPhoneCarNavi20
    (MapFan+使っていて一番鬱陶しい画面の一つ)

  • ナビガイド時のハイウェイモードでは高速道路の IC, SA/PA 表示だけになり、地図との2画面構成にはならない

  • ノースアップ/ヘディングアップ表示は切り替えられるが(コンパスマークのタップ)、地図は常に平面 2D 表示のみ

  • 画面右側にこの先の分岐や交差点が邪魔にならないように列挙されているのは便利だが、すぐにルート全体を表示できるボタンはない

  • 渋滞情報は VICS だけなので、当然ながら VICS 対象エリア外での突発的な渋滞には無力

  • 渋滞情報の変化に伴い、リアルタイムに先々のルートを変えることがない(自車が経路から外れた時のオートリルート機能はある)

  • 高速道路と一般道が並走している場合、自車位置の判定が難しく誤判定が出るのは止むをえないが、出発時なので MapFan+ は「高速上なの?一般道なの?」と聞いてくる。それは別にいいのだが、他のアプリが余裕で高速道路と一般道を判定してくるところでも、聞いてくるのは如何なものか
    iPhoneCarNavi38
    (市役所を検索して目的地に設定しているのに聞かれるのは…)

  • 高速道路利用時の料金表示は行うが、ETC 割引料金には非対応かつ各地の細かな有料道路の料金表示にも対応していない

  • 月額課金していないと VICS 道路情報は取得できず、渋滞情報を考慮した経路探索もできない。オービス情報、駐車場満空情報やガソリン価格情報なども表示されない

  • 月額課金していても経路探索する前に VICS 渋滞情報ボタンを押しておかないと、渋滞情報を考慮した経路探索にならない(アプリ終了時にボタンのオンオフはリセットされてオフになる)

  • 月額課金時のみ使えるオービス情報も、やはりオービスボタンを予め押しておかないと表示されないし、渋滞情報ボタン同様、アプリが完全終了するとオフに戻ってしまうので、起動後にまたタップして有効にしなければならない(設定で有効にしっぱなしができない)

  • TV紹介ウィジェットなどという余分な機能がある割には、地図に表示する施設アイコンの制御(オンオフ、表示縮尺の設定など)ができない

  • 徒歩・自転車ルート探索はあるものの、ほとんどオマケ。徒歩・自転車ルート探索なので歩道専用的な道は通らないし、かといって自転車に向いた坂道をできるだけ避けるというルートを提示してくるわけでもないので、よく判らないまま。
    (徒歩ルート探索なら Google マップの方がまだマシ。Google は例によってたまにとんでもない道は提示するけど)


こうやって見ると、改めて有料課金してもオフライン地図以外の点では他の無料アプリに対する優位性があまりありませんねえ。

地図をつらつら眺める分には最高なのですが、カーナビアプリとして見ると無料アプリに対する優位点はないし、あまりにもルート探索のアルゴリズムが酷いのは致命的です。

ただ、ルート探索については各アプリ色々な特徴があって、車載カーナビみたいに無難優先であったり(いつもNAVI とか)、色々な情報を総合してリアルタイムに経路を変えてみたり(NAVITIME系)、様々ですし、今回紹介の3つのアプリでもかなり性格は違います。


というわけで、次回記事では、ルート探索を始め、この3つのアプリの性格の違いの実例を挙げて、それぞれを使う時のポイントを述べてみたいと思います。

(続き)→ Googleマップ、Yahoo!カーナビ、MapFan+ をカーナビアプリとして使う場合のルート探索上の注意点【前編】