もう10日前のことになりますが、ゴールデンウィークの最終日にピンクの SL を観に行ってきました。コレ↓

Pink SL at Wakasa Railway (8)


5月4〜5日の「岩国フレンドリーシップ」エアショー遠征から戻ってきて3日、疲れも取れたのでゴールデンウィーク最後に軽くドライブでもしようかと思って、幾つか脳内候補を挙げていたところ、ふと思い出したわけです。

「そういや、ピンク狂いと化してる鳥取で、今度は SL をピンクに塗るというアホなことやってたな」


鳥取県東南部の若桜鉄道では、5月1日から8日までの期間限定で保有している C12形蒸気機関車をピンクに塗って展示、何日かは構内走行をするというイベントが行われていました。

若桜鉄道株式会社 ピンクSLのご案内

ローカル三セクが頑張って話題作りして人を集めて収益向上に繋げよう、ということなわけです。言っちゃ悪いですが、若桜鉄道の周辺には特に目立った観光地はありませんし(氷ノ山くらい)、人口も少ない田舎盲腸路線ですから、存続のためにも何かして集客する必要があるわけです。

で、首都圏を始めとする東日本の人たちにはあまり馴染みはないでしょうが、最近鳥取県はやたらピンク推しです。理由は知りません(^_^;)

でも、ピンクカレーとかピンク醤油とかを土産物屋でイチオシされてきます。鉄道で言えば、恋山形という駅を恋の聖地とかにでっち上げ祭り上げ、駅をピンク色に塗り立てて売り出しています。


(試してみたい人はネット購入も可能なので、どうぞ)


まぁ私は恋山形駅の近くを何度も通ってるが寄ったこともないし、智頭急行で通過しても降りたことはないし、ガイナーレの応援やらドライブやらで鳥取に行ってもピンク○○なお土産に買うこともありません。興味ないです。

かといって、別にピンクが嫌いなわけではないです。「ピンク?好きやで」と言うと、近所にスタジアムのあるガンバ大阪サポーターの皆さまに撲殺されそうですが、嫌悪感とかないです。ないですが、ピンクSL のニュースを見たときも別にわざわざ行こうとは思っていませんでした。

とまぁ、前置きは長くなりましたが、そんな中

どうせGWの最後に軽く近場ドライブするなら
ピンクSLの展示運転も最終日だから観に行ってみるか(笑)


という感じで行ってみたわけです。

ハッキリ言って

ゲテモノ観に行く気分
(もしくは怖いもの見たさ)


だったのは否定しません(^_^;)

「ピンクの SL かあ…(苦笑)」という思いとともに行ってみたわけですが、結論から言うと……


日本に1つくらいピンクの SL があってもええやん(^^)ノ


そんな気分でしたね。見慣れると案外悪くないというか、実物を見て、動いているのを見ると「こういうのも有りだわ」と思い直しました。

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確かに最初、パッと見はド派手ピンクで違和感はあるのですが、かれこれ1時間くらい見続けていると慣れてきます。さらに、実際に動いているピンク SL を 見てると、

「SL としては小さくカワイイ C12 ならピンクもアリじゃん?」

という気になっている自分がいました(^_^;)

元々「三セクの話題づくりには別に良いんじゃね?」と思いつつも、写真を見る限り ピンク SL というのは違和感を禁じ得なかったのですが、

やっぱり写真と生で動いてるのを見るのとでは印象違うわ


ということでした。


(音を聞くと本来の動作をしているSLとは違うことが判る)


鉄道マニア、ヲタクの間では「貴重な SL をピンクなんぞに塗るなんてケシカラン!冒涜だ!」と憤慨している人が少なからずいたという話ですが、SL も動いてナンボ。ピンクでも本務機でなくても(※)動かしている方がえらいし、話題集めて、人を集めて、次に繋げるってのは大したものだと思いました。

(※)若狭鉄道の C12 展示運転は、本当に火を入れて運転しているのではなく圧縮空気を動力源として運転しているので、本当の SL 運転とは異なる。将来はそうしたい希望を持っているが、お金が……

先日オープンした京都鉄道博物館の内覧会へ行ったときにも思いましたが、動かずに置かれているだけの車両というのは(よっぽど古いのは別にして)特に何の感動も起こしませんが、たとえ本務機ではなくとも動く SL として汽笛を鳴らし、少しの距離でも動いているのを見ると、やっぱりええわ〜と思います。

そして、ふと気付いたのです。

よくよく考えたら、ピンク色した SL が動いているなんて貴重だわ!


と。ぶっちゃけ駅をピンクにするとかよりぶっ飛んでいて、突き抜け具合が良かった感じです。

イベント後、社員さんに聞いたところ、「イベントが終わったら、すぐに黒に戻します」ということでしたが、それを残念に思う自分がいたくらいです(^_^;)

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あと、とにかく言っておきたいのが、

若狭鉄道の SL イベント、めっちゃええやん!


ということ。感心しました。

掲載の写真と動画で伝わるかどうか判りませんが、このところ北海道新幹線開業(乗車)、超伝導リニア体験乗車、京都鉄道博物館内覧会と連続して行ってみた鉄道イベントにも負けないどころか、一番心地よかったくらいです。

ゴールデンウィークの8日間限定イベントですし、展示運転する日はさらに少なかったので、期間中、展示運転運行日は若桜鉄道の人たちが想定していたより遥かに多くの人たちが来られていたようですが(社員さんに聞いた)、そうは言っても鳥取の山の中、来る人数は限られますし、最終日に行ってみると、鉄道イベントにしては珍しく殺伐感ゼロでありました。

その最大の理由は、見学の自由度の高さと言いましょうか、普通だったら「そこは入らないで下さい!」とか言われるようなところも比較的自由に入れるので(構内見学料 300円は必要)、観たい人、写真撮りたい人が限られたベストポイントを争うようなことがなく、思い思いのところで観ることができました。

それでいて、手を伸ばしたら届くような距離を SL が走る(通る)わけで、止まっている時だけでなく動いている時も SL との距離の近さは、なかなかのものでした。


(iPhone のカメラで撮ってもはみ出しまくりの近さ)


また、展示運転の最初と最後に転車台で SL を 180度回すのですが、その際は子供たちが転車台の取っ手を押して SL を回転させるので、子供たちには良い思い出になると思います。(他の SL イベントでも見ましたが、SL の大きな汽笛で泣く子はいますね ^^;)

展示運転では最初に SL 単体で一往復した後、トロッコ車両を接続してそれに乗ることもできますし(トロッコ乗車料は別途 200円)、展示運転が終わったら、その後は運転台を見学できます。

なんかこう至れり尽くせりで、300円で内容盛りだくさん!でした。

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そんな若桜鉄道の SL 展示運転ですが、ピンク SL イベントが終わって元通り黒の SL に戻した後も、

若狭鉄道では月に2回程度 SL を展示運転している


ので、拙い本記事で興味もたれたら是非行ってみて欲しいと思います。

SL の展示運転だけでなく、蒸気機関車やディーゼル機関車の体験運転も開催しています。(予約制)

若桜鉄道株式会社体験運転のご案内

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関西エリア、岡山エリアからは軽い日帰りドライブにちょうど良い距離ですし、先に書いたようにお子さん連れた家族連れにもピッタリです。

SL だけでは…というなら鳥取市街まで40〜50分ですから鳥取砂丘へ行くのも良し、砂丘から東へ岩美、浜坂、香住のリアス式海岸沿いのドライブを楽しむも良し(R178)、ピンク関連で恋山形駅へ寄るのも良し、津山と元祖を争う作用のホルモンうどんを食べるも良し、R29からR429へ抜ければ竹田城址も意外と近いですから、色々と組み合わせれば丸一日ドライブになるでしょう。

私もまた若桜鉄道のイベントには訪れてみたいと思いました。ゴールデンウィークのピンクSLイベントであのくらいの人数なら、普段のSL展示運転はもっとマッタリしてるでしょうしねぇ。

SL 運転と言えば何かと殺伐しがちな鉄道イベントですが(笑)、マッタリと SL 観たい人には、ここはピッタリな鉄イベかもしれません :D