3月に iPhone SE や iPad Pro 9.7インチモデルが発表されたのと同じく、ひっそりと iPad カメラコネクションキットがリニューアルされ、「Lightning - USB 3カメラアダプタ」という名前で(しっかり値上げされつつ)販売が開始されました。

LightningUSB3Adaptor1

Lightning - USB 3カメラアダプタ - Apple (日本)

で、このことは本ブログでも発売時に記事を書きました。

iPhone SE発表の陰で Lightning-USB カメラアダプタが進化してた! 〜iPadでCFカードリーダーもMIDI機器もモバイル利用可能に!

この新しい「Lightning - USB 3カメラアダプタ」は、

  • USB 端子の横に Lightning 端子があり、そこへ電源を供給すると(iPad を充電するのと同じ)、従来の USB アダプタでは使えなかった CF カードリーダー/マルチカードリーダー、オーディオ/MIDI インターフェース、Ethernet アダプタなどが利用可能に

  • USB 3.0 対応なので 12.9インチ iPad Pro に接続した場合は高速転送が可能


という進化があり、特に公式ページにも以下のように記述されてる通り、電源を接続すれば CF カードリーダーも使えるとのことで、「お?これはもしかして出先で CF カードのデーターを iPad に(もしかすると iPhone にも)読み込めるのか!」と注目せざるをえないアイテムになりました。

さらにUSB電源アダプタを使ってLightning - USB 3カメラアダプタを電源に接続すれば、ハブ、Ethernetアダプタ、オーディオ/MIDIインターフェイスや、コンパクトフラッシュ、SD、microSD用のカードリーダーといったUSB対応周辺機器をつなぐこともできるので、あなたのiPad Proの機能と能力が一段と広がります。


それに、公式的には AC電源から USB電源アダプタを使っての電源供給ですが、供給電力が純正 USB 電源アダプタと同じ 2A 以上あれば、モバイルバッテリーでの電源供給で動作することも考えられます。

となれば、デジタル一眼レフユーザーとしては

モバイルで iPad(iPhone)に CF カードのデーターを取り込むことも可能


になりそうだと思ったわけです。(CFast 2.0 や XQD カードも?)

ということで、発表後しばらくから注文してゴールデンウィーク前に届いて試したり、実際に遠征先で使ってみたのですが、表題のとおり

CFのデーターを読み込むにはカードリーダーとの相性が非常に厳しい!


ものでした。これは電源供給にモバイルバッテリーではなく AC-USB 給電器を使っても変わりありませんし、iPad でも iPhone でも相性の厳しさは同じ結果でした。

当方、コンパクトフラッシュ対応のメディアカードリーダーは以下の5製品を持っていましたが、安定して使えたのは1つのみでした。


LightningUSB3Adaptor03


上記写真の手持ちのコンパクトフラッシュ対応カードリーダーは右から、

この5製品ですが、結論から言うと、これらの中で CF カードのデーターを安定して読み込めたのは、



このバッファローの 500円マルチカードリーダーライターのみ

この製品、Amazon で 500円少々で売ってる激安マルチカードリーダーライターで(当然 USB 2.0 のみで 3.0 非対応)、しかしながら合わせ買い対象プログラムですので、他の製品を買うときに「とりあえず安いし、予備として一緒に買っとくか」と買っただけで、あくまで予備、今まで使っていませんでした。(アクセスランプもない激安製品だしね)

そんな普段使っていない製品が「カードリーダーはどれもこれも全滅かよ!Lightning - USB 3カメラアダプタ、使えねえ〜〜!」と、一人叫んでいた中で机の奥にあるのを思い出して、救世主となったわけです(~_~;)

LightningUSB3Adaptor04
(iPhone 6s Plus とモバイルバッテリーの組み合わせで読み込める)

LightningUSB3Adaptor05
(iPhone 6s Plus 側の読み込み画面)


CFカードのデーターが iPhone/iPad に読み込めなければ、当方としては「Lightning - USB 3カメラアダプタ」への5千円近い出費が無駄になるところでしたから、500円のカードリーダーがアダプター代5千円を無駄金にするところを救ってくれました。

また、個人的には CF カードリーダーとして一番気に入っている(CF 差し込み時に折れ曲りやすいピンの造りがしっかりしていて、CF の大きな差し込み口に蓋があって埃を防いでいる)



このサンワサプライの CFカードリーダーライター ADR-CFU2H も一応 CF データーを読み込めるのですが、安定しているとは言い難く、iPad やカード、電源などの組み合わせによっては読み込めないことがあったり、読み込める時も認識まで数分かかって明らかに通常動作と違うので、Lightning - USB 3カメラアダプタと使うものとしては推奨できません。

実を言うと、この製品は旧来の「Lightning - USBカメラアダプタ」では条件によって CF カードのデーター読み込みが可能だったという報告がネットにあったので、まさか新製品の方で動作が不安定風味になるとは思ってもいませんでしたが、当方で試した限り 100% というわけにはいきませんでした。

LightningUSB3Adaptor06
(一応読み込み可能だけど、旅先で使うにはリスクある不安定さあり)


そして残る3製品は、全滅です。

どれも CF カード(と電源)を差し込んだ状態で Lightning - USB 3カメラアダプタを iPhone/iPad に繋げると、カードリーダーのアクセスランプはしばらく点滅を繰り返すのですが、数十秒〜1分くらいした後、以下のような表示が出て、読み込むことはできません。

LightningUSB3Adaptor08

LightningUSB3Adaptor07

LightningUSB3Adaptor09
(iPad Air 2 との組み合わせでもダメなものはダメ)

LightningUSB3Adaptor10
(中にはいつまで経っても無反応の組み合わせも)


ちなみに iPhone 6s Plus とモバイルバッテリー、MFi 認証付きながら非純正の Lightning ケーブルを利用した場合のテスト写真を主に載せていますが、

iPad Air 2 + 純正 USB 電源アダプター + 純正 Lightning ケーブル
この組み合わせを使ってテストしても結果は同じ


です。2.1A 以上で安定した電源供給できるモバイルバッテリーと認証付きでしっかりしたケーブルなら、カードリーダーの相性に大きな変化はないようです。

LightningUSB3Adaptor11
(電源供給なしにカードリーダーをつなげると、毎度の表示が)


また、

公式には iPad のみ対応だが、iPhone 5s / 6s Plus でも問題なく利用可能
カードリーダーその他の組み合わせによる相性もほぼ変わらない


ですね。

そもそも製品ページには

LightningUSB3Adaptor13


と書かれていますが、添付マニュアルには

LightningUSB3Adaptor02


iPhone, iPad touch の記述もあって、このあたりの適当さは毎度の Apple という感じでもあります。

LightningUSB3Adaptor14
(iOS 9.3 の iPhone 5s でも問題なく利用可能)


というわけで、色々と試していたこともあって、発売から1ヶ月半、入手からも3週間くらい経ってからの記事になりましたが、

  • 新しい「Lightning-USB 3カメラアダプタ」はカードリーダーとの相性が厳しいけど、合うものを用意できれば iPad でも iPhone でも CF など SDカード以外のメディアのデーターをモバイル環境で取り込むことができる。

  • 新しい「Lightning-USB 3カメラアダプタ」は iPad でも iPhone でも CF など SDカード以外のメディアのデーターをモバイル環境で取り込むことができるけど、カードリーダーとの相性が厳しくて合うものを用意するのは大変かも!?


このどちらの言い方が相応しいか判りませんが、ともあれ「Lightning-USB 3カメラアダプタ」で CF カードのデーターを読み込めるようになりました。初代 iPad の初期のころ以来ですね。

SDカードメディア全盛の昨今では何言ってんだか、な話ですが、中上位のデジタル一眼レフユーザーにはちょっぴり朗報な結果でした。新しい CFast 2.0 とか XQD カードは、別途お金持ちな方が試していただきたいものです :D

(続き)→ Lightning-USB 3カメラアダプタ+カードリーダーで CFデーター読み込みを、実際に使ってみて感じた幾つかのこと



(音楽機材も新しいカメラアダプタで使えるものが増えたようです)