関西では来週、京都駅近くの梅小路公園に京都鉄道博物館がオープンします。首都圏だと大宮にある鉄道博物館の JR西日本版ですね。元々、梅小路蒸気機関車庫があったところですので(というか京都鉄道博物館ができても残っています)、鉄道ファンにはお馴染みのところです。
昨日は、その京都鉄道博物館をオープンより一足早く見学することができ、鉄ちゃんというわけではない私も大いに楽しんだのですが、それについてはまた後日レポートすることにして、とりあえず前回リニア見学センターの話だけで終わってしまった JR東海の超伝導リニア体験乗車記の続きをば。
■ 超伝導リニア(リニア中央新幹線山梨実験線)体験乗車記【見学編】
上記の前編記事で紹介したリニア見学センターを見終わったのち、ふたたび駐車場の方へ戻って、駐車場の隣にあるリニア実験センターの門で最初の受付というか体験乗車の資格確認を行います。実験センターへ入るには、一週間くらい前に送られてきた体験乗車当選通知のハガキが必須です。

(体験乗車受付開始前の実験センターの門前)

(受付が始まると屋根付き通路が用意されていました)
まず、リニア実験センターの門の前で体験乗車当選通知のハガキを見せて、体験搭乗の日付と乗車時間を確認されてから中へ敷地内へ通されます。
門をくぐると、いきなり長蛇の列ができていて、ここから受け付けで待たされるのか…と思ったら、屋外の並びは記念撮影の並びでした。
上記写真に見える記念パネルの前で、みんなで並んでセンターの方が記念写真を撮ってくれるのを待っている列でした。
同行者に聞いたところ、「記念撮影なんて要らない」ということでしたので、館内へ向かいますが、こちらも玄関に入る前で待機列。こちらは館内へ入るための荷物検査、セキュリティゲートでした。

(実験センターの玄関)

(おなじみのゲートが2台)
空港でおなじみ金属探知ゲートをくぐって、荷物の方は別途係員が検査していましたが、これが結構念入りで、荷物のポケットも全部念入りに探られるし、空港と同じく飲料水は別途チェックされるか一口飲まされました。国内の某空港より厳しいと感じたくらいです(笑)
実際のリニア中央新幹線の営業ではどうするのか判らないですが、今の新幹線と同じく大量輸送を考えているわけですから、こういったセキュリティ検査は現実的ではないでしょう。名古屋までの途中駅は無人駅にすると言ってるくらいですから、それだけの人員を割くとも思えないですし、こんな検査があって早めに行く必要性があるならリニアの速達性は一気に失われますからね。
反面、セキュリティ検査がなければ今の新幹線と同じく、テロ行為にはあまりにも脆弱なままとなります。危険物持ち込みは規則にはあっても実際的な強制力に欠けます。爆発物でも仕掛けられたら、飛行機の数倍の人命に影響するでしょう。今までの日本は安全でも将来は判らないですからね…2027年の社会情勢次第でしょうが。

(チケットには「リニア搭乗券」と描かれている)
ともあれ、セキュリティゲートをくぐって館内に入ると、ようやく本当の受付。1週間前に送られてきた体験乗車当選ハガキを差し出して搭乗券(乗車チケット)を受け取ります。
そして今度は、受付の横にある搭乗ゲートで搭乗券をかざしてゲートをくぐって、中の待合いホールへ入ります。先ほどのセキュリティゲートと同様、このあたりも飛行機に搭乗するのと全く同じです。

(奥のホールに向かう入口に、こちらも空港でお馴染み2次元コード読取ゲートが2台)
それにしても、受付の横に待合いホールへの入口があるんだから、いちいち搭乗ゲートで搭乗券をかざして〜みたいな「儀式」は要らないと思ったのは私だけではないと思います(^_^;) 非日常への入り口を演出しているのかもしれないので、野暮な思いかもしれませんが。
ちなみに、この搭乗ゲートの先にはトイレがなく、体験乗車が終わるまではトイレに行けません。受付で乗車チケットをもらって搭乗ゲートを通る前のスペースにあるトイレで最後の用を済ませておく必要があります。
また、体験乗車の経路は完全に一方通行になっていて、受付のあるところへは戻ってきませんので、待合いホールも含めて荷物を置いておくこともできません。
待合いホールでは同じ便で体験搭乗する人たちが集まって、受付締切時間まで少し待つことになります。
待合いホールで座る場所はこれから乗るリニア車内の座席と同じく、乗車チケットにかかれた座席番号と同じ椅子に座ります。左4列が2号車、右4列が3号車の人たち(車内は 2x2 の4列シート)
椅子の上には予め、超伝導リニアのパンフレットや記念品が袋に入って置いてあって、お土産?になります。
壁には超伝導リニアの実験歴史や技術説明のパネルが掲示されていて、事前説明の時間になるまではそれらを見たり、記念?撮影とか自由にできます。
10時20分くらいになって、受付が終わった全員が揃ったところで体験乗車に際しての事前説明が始まります。注意事項などの説明があった後、数分の短い超伝導リニアのビデオを見るのですが、そのビデオ映像だけは撮影禁止でした。
そのビデオを見終わると、いよいよ体験乗車です。ホール右側にいる3号車の人たちから立ち上がって横に整列し直してからリニア車内へ向かいます。
待合いホールから出ると、そこはすぐにリニア2号車の入口が見えますが、3号車に乗車する人たちは右に折れて隣りの車両へ向かいます。
写真ばかり撮ってると渋滞して後ろの人に迷惑になりそうなものですが、みんな撮ってるので逆にスムースです(笑) せっかくのリニア体験乗車ですから、搭乗するところもゆっくり雰囲気を味わいたいですしね :-)
そして、いよいよ3号車に乗車です。
車内に入ると左右2席ずつ配列のシートがズラッと並んでいて、前後には JR東海の社員さんが数人おられます。各号車の前方座席の人から車内へ入っていきますので、着席はスムースに終わります。
車内は荷物棚もあるし、座席の座り心地も、前の座席背面にあるテーブルも荷物入れの網も、普通の営業用特急電車と雰囲気は全く変わりません。体験乗車が再開されてから乗車できる、この L0系は営業を念頭においた車両として開発されたらしいですが、それも納得です。
違うのは車内の所々に天井からモニターがぶら下げられていて、そこにこれからどういう走行試験をするか、が表示されています。
全員が着席すると、間もなく出発です。特に大げさな出発の合図もなく、ごく普通に発車します。
最初はリニア実験センターから東に向けて出発し、実験線の東端までは行かずに 7〜8km進んだ先の途中の車両基地のある付近まで行きます。動き始めると天井から吊り下げられたモニターはリニアの編成先端からの映像が映し出され、同時に現在の速度も表示されます。
最初の走行ではリニア実験センターから 7〜8km 進むだけですので時速 500km まで出すことなく新幹線レベルの時速285km までですが、時速 150km を過ぎたくらいから浮上走行へ切り替わります。いよいよ、超伝導リニアの本領発揮です。(浮上走行切り替わり時にはアナウンスが流れます)
浮上走行までは普通の鉄道と同じく車輪を地面に付けて走っていますから、それなりにコトコトと振動があります。概ね新幹線と同じ感じと言って良いでしょう。ところが浮上走行へ切り替わると車輪が設置していることによる振動が消えて、明らかに体感が変わります。
それまでの振動が消え、誰もが「ああ、変わったね」と口をついて出るくらいの差があります(下にあるビデオ参照)。これは、フワッと浮いた感じも上昇加速感もないけど、飛行機の離陸と似た接地感の消失ですね。
とはいえ、初回の走行は浮上走行もそこそこに速度を落として、また車輪をつけての通常走行に戻って停止します。
モニターに2回目の走行案内が出て、いよいよ 時速 500km 走行へ出発します。ここからは実験線西端へ向け逆方向、後ろへ向けて走ります。
先ほどは新幹線レベルの時速 285km までしかスピードを出しませんでしたが、今度は時速150kmで浮上走行に切り替わってからの加速はひたすら続き、時速 300km を超えてもどんどん加速して行きます。
リニア以外では体験できない速度域まで加速していくのですが、リニア実験線はごく一部の区間、リニア実験センターの前後 1km くらいと甲府盆地に抜けてからの実験線の西端付近を除けばずっとトンネルです。(時々トンネルとトンネルの間で一瞬外界が見えることもあるけど、掛け値なく一瞬でトンネルに戻る)
リニア中央新幹線もほぼひたすらトンネルと言うことですし、営業運転のリニアに乗ってもきっとこんな感じなんだろうなぁ〜とは思いますが、トンネルで周りの景色がほとんど見えないのと、浮上走行で接地感がないせいか、乗っていると速度感は意外とありません。
ただ、トンネルばかりの中で唯一、速度感を実感できるとすれば風切り音。あとはモーターかなにか?の音。
以下の動画を見てもらえれば少しは判ると思いますが、時速150kmくらいで浮上走行に移って振動がなくなって一旦静かになるのですが、時速400kmを超えるあたりから風切り音がかなりヤバくなります。モニターの映像より空気の音の方が速度感を感じられるでしょう。
(2回目の走行、浮上走行前から 500km/h までの動画)
トンネルの中をどんどん加速して、時速 400km を超え、なお加速。速度感加速感が薄いまま、いよいよ待ちに待った時速 500km。
リニアの出発時からみんな、カメラやスマホでモニターの映像を撮りまくりですが、500km/h の文字が表示されると一段とシャッター音が鳴り響きます(^^)
まぁハッキリ言ってしまうと、
「トンネルの中だし、浮上走行で振動もそう多くないから、時速 500km と言われても風切り音以外は、あまりピンと来ねえ」
というところはあります。実を言うと、私自身は超伝導リニアに乗ったのは初めてではなくて二度目なのですが(今の体験乗車が始まってからは初めて)、その印象は今回の車両になって、なお強くなった感じですね。
ただ、逆に言えば、
があると言えるわけで、それを考えればこの超伝導リニア技術の素晴らしさを改めて感じることができるかと。
ぶっちゃけ、時速500km 出ても超伝導リニアの方が東海道新幹線 N700系より絶対乗り心地良いですもん(音はうるさいけど)。やっぱり浮上して接地してないのは大きいですね。
「トンネルの中ばかりで時速 500km の実感がサッパリない」と言いましたが、唯一時速 500km の体感を得られるのがリニア実験センター付近のトンネル外区間。ここからはちょうどA/B席だと富士山が見えるのですが、あっという間の速度感が体感できます。
「これは新幹線より速度レベルが一段も二段も違うなぁ〜」と唯一実感できるところなので、これから乗られる方は是非その区間は見逃さないようにしてください。
(ちなみに上記ビデオでも判るとおり、最初の 500km/h 走行時、つまり2回目の走行では実験センター付近ではまだ 500km/h に達しておらず 400km 超くらいです)
そのリニア実験センター付近を過ぎるとまた長いトンネルの連続で、しばらくすると少し減速し、トンネルから抜けると C/D席からは甲府盆地が一望できる区間になって実験線の西端に近づきます。
座席が南側(A/B席)であればリニア実験センター付近で富士山が見えますが(雲がなければ)、逆のC/D席では実験線の西の方ででトンネルを抜けてから甲府盆地一望の景色をゆっくり眺められます。
一概にどっちが良いとは言えないですし、なにより座席は自分が希望できるわけでもないので、それぞれの座席で楽しむことになります。
実験線の西端付近に着いてから今度はまた順方向(前向き)に出発して3回目の走行となります。2度目の、そして最後の時速 500km 走行です。
3度目の走行では実験線の西端付近から東端付近までほとんどの区間を走り抜けるので、体験乗車で最も長い走行になりますし、時速500km で走る時間も長くなります。
このあたりになると乗車している人もみんな少し落ち着いてきて(私も)、カメラで必死にモニターを撮影する人も少なくなり、車内空気もまったりと時速 500km を味わう感じになっているようでした。
時速 500km 走行が終わり、徐々に減速していって浮上走行が終わって実験線の東端付近に到着すると、あとは後ろ向き走行でリニア実験センターへ戻るだけです。
もう終わっちゃったか〜、という思いも大いにありますが、先ほど書いたように実験線の西端近くとリニア実験センター付近以外はトンネル&トンネルなので、500km/h に慣れてくるとむしろ飽いてくるのも事実ですから、このくらい腹八分目、いや六〜七分目くらいがちょうど良いのかもしれません。
これくらいだと、「もう十分、もう乗らなくてもいいや」というより、
と思えるくらいですからね。満足だけど満足しきる一歩手前くらいなのは良い塩梅のように思います。

(リニア乗り終わっての帰り道)
最後に実験線の東端付近からリニア実験センターへ戻る際も、もちろん浮上走行に切り替わって今度は時速 320km で巡航。新幹線の将来の最高速度をリニアは軽々と流しながら実現できている感じなのはやっぱり凄いな、と感じるところです。
何より
というのは強く感じましたね。特に東海道山陽新幹線の高速運転時の揺れはホントに疲れますから。
リニア実験センターに戻ってきて停止すると、余韻に浸る暇もなく車外へ誘導され、乗車時とは違う経路で屋外へ向かいます。向かう途中でアンケートを記入するコーナーがあり、回答を記入してその付近にいる職員さんにお渡ししておきます。
そのあたりは停止したリニアの先頭車両が間近で観られるところでもあり、通路で記念写真大会になりますが、ある程度の時間は JR東海の職員さんも待ってくれるので、とりあえず1〜2枚撮っておきます。ガラスの反射が気になりますけどね(^_^;)
リニア先頭車両を観られるところから進むと、すぐに屋外へ出て、これで超伝導リニア体験乗車は全て終わりです。時間は11時過ぎ。最初の受付から1時間あまり、待合いホールでの事前説明からは45分くらい、乗車してから30分くらいでしょうか。
あっという間でもあり、でも意外と堪能した感もあり、でしたね。
エンターテイメント性があると言うには時速 500km というのがあまりにも自然で、実感が薄いのも事実ですが(トンネルばかりだしね)、何度も言うように世界でここだけの超伝導リニアであり、ここだけの時速 500km 走行体験ですから、それに乗ったというだけでも満足感は大きいです :-)
リニアに乗車した後は、見学センターや周囲の見学ポイントで次の便の体験乗車のリニア走行風景を眺めるのも良し、富士五湖をまわるも良し、富士急ハイランドで絶叫乗り物三昧するも良し、ですね。
いずれにしても、楽しく貴重な1時間でありました。そのうちまた、乗りに来たいですね。
昨日は、その京都鉄道博物館をオープンより一足早く見学することができ、鉄ちゃんというわけではない私も大いに楽しんだのですが、それについてはまた後日レポートすることにして、とりあえず前回リニア見学センターの話だけで終わってしまった JR東海の超伝導リニア体験乗車記の続きをば。
■ 超伝導リニア(リニア中央新幹線山梨実験線)体験乗車記【見学編】
上記の前編記事で紹介したリニア見学センターを見終わったのち、ふたたび駐車場の方へ戻って、駐車場の隣にあるリニア実験センターの門で最初の受付というか体験乗車の資格確認を行います。実験センターへ入るには、一週間くらい前に送られてきた体験乗車当選通知のハガキが必須です。

(体験乗車受付開始前の実験センターの門前)

(受付が始まると屋根付き通路が用意されていました)
まず、リニア実験センターの門の前で体験乗車当選通知のハガキを見せて、体験搭乗の日付と乗車時間を確認されてから中へ敷地内へ通されます。
門をくぐると、いきなり長蛇の列ができていて、ここから受け付けで待たされるのか…と思ったら、屋外の並びは記念撮影の並びでした。
上記写真に見える記念パネルの前で、みんなで並んでセンターの方が記念写真を撮ってくれるのを待っている列でした。
同行者に聞いたところ、「記念撮影なんて要らない」ということでしたので、館内へ向かいますが、こちらも玄関に入る前で待機列。こちらは館内へ入るための荷物検査、セキュリティゲートでした。

(実験センターの玄関)

(おなじみのゲートが2台)
空港でおなじみ金属探知ゲートをくぐって、荷物の方は別途係員が検査していましたが、これが結構念入りで、荷物のポケットも全部念入りに探られるし、空港と同じく飲料水は別途チェックされるか一口飲まされました。国内の某空港より厳しいと感じたくらいです(笑)
実際のリニア中央新幹線の営業ではどうするのか判らないですが、今の新幹線と同じく大量輸送を考えているわけですから、こういったセキュリティ検査は現実的ではないでしょう。名古屋までの途中駅は無人駅にすると言ってるくらいですから、それだけの人員を割くとも思えないですし、こんな検査があって早めに行く必要性があるならリニアの速達性は一気に失われますからね。
反面、セキュリティ検査がなければ今の新幹線と同じく、テロ行為にはあまりにも脆弱なままとなります。危険物持ち込みは規則にはあっても実際的な強制力に欠けます。爆発物でも仕掛けられたら、飛行機の数倍の人命に影響するでしょう。今までの日本は安全でも将来は判らないですからね…2027年の社会情勢次第でしょうが。

(チケットには「リニア搭乗券」と描かれている)
ともあれ、セキュリティゲートをくぐって館内に入ると、ようやく本当の受付。1週間前に送られてきた体験乗車当選ハガキを差し出して搭乗券(乗車チケット)を受け取ります。
そして今度は、受付の横にある搭乗ゲートで搭乗券をかざしてゲートをくぐって、中の待合いホールへ入ります。先ほどのセキュリティゲートと同様、このあたりも飛行機に搭乗するのと全く同じです。

(奥のホールに向かう入口に、こちらも空港でお馴染み2次元コード読取ゲートが2台)
それにしても、受付の横に待合いホールへの入口があるんだから、いちいち搭乗ゲートで搭乗券をかざして〜みたいな「儀式」は要らないと思ったのは私だけではないと思います(^_^;) 非日常への入り口を演出しているのかもしれないので、野暮な思いかもしれませんが。
ちなみに、この搭乗ゲートの先にはトイレがなく、体験乗車が終わるまではトイレに行けません。受付で乗車チケットをもらって搭乗ゲートを通る前のスペースにあるトイレで最後の用を済ませておく必要があります。
また、体験乗車の経路は完全に一方通行になっていて、受付のあるところへは戻ってきませんので、待合いホールも含めて荷物を置いておくこともできません。
待合いホールでは同じ便で体験搭乗する人たちが集まって、受付締切時間まで少し待つことになります。
待合いホールで座る場所はこれから乗るリニア車内の座席と同じく、乗車チケットにかかれた座席番号と同じ椅子に座ります。左4列が2号車、右4列が3号車の人たち(車内は 2x2 の4列シート)
椅子の上には予め、超伝導リニアのパンフレットや記念品が袋に入って置いてあって、お土産?になります。
壁には超伝導リニアの実験歴史や技術説明のパネルが掲示されていて、事前説明の時間になるまではそれらを見たり、記念?撮影とか自由にできます。
10時20分くらいになって、受付が終わった全員が揃ったところで体験乗車に際しての事前説明が始まります。注意事項などの説明があった後、数分の短い超伝導リニアのビデオを見るのですが、そのビデオ映像だけは撮影禁止でした。
そのビデオを見終わると、いよいよ体験乗車です。ホール右側にいる3号車の人たちから立ち上がって横に整列し直してからリニア車内へ向かいます。
待合いホールから出ると、そこはすぐにリニア2号車の入口が見えますが、3号車に乗車する人たちは右に折れて隣りの車両へ向かいます。
写真ばかり撮ってると渋滞して後ろの人に迷惑になりそうなものですが、みんな撮ってるので逆にスムースです(笑) せっかくのリニア体験乗車ですから、搭乗するところもゆっくり雰囲気を味わいたいですしね :-)
そして、いよいよ3号車に乗車です。
車内に入ると左右2席ずつ配列のシートがズラッと並んでいて、前後には JR東海の社員さんが数人おられます。各号車の前方座席の人から車内へ入っていきますので、着席はスムースに終わります。
車内は荷物棚もあるし、座席の座り心地も、前の座席背面にあるテーブルも荷物入れの網も、普通の営業用特急電車と雰囲気は全く変わりません。体験乗車が再開されてから乗車できる、この L0系は営業を念頭においた車両として開発されたらしいですが、それも納得です。
違うのは車内の所々に天井からモニターがぶら下げられていて、そこにこれからどういう走行試験をするか、が表示されています。
全員が着席すると、間もなく出発です。特に大げさな出発の合図もなく、ごく普通に発車します。
最初はリニア実験センターから東に向けて出発し、実験線の東端までは行かずに 7〜8km進んだ先の途中の車両基地のある付近まで行きます。動き始めると天井から吊り下げられたモニターはリニアの編成先端からの映像が映し出され、同時に現在の速度も表示されます。
最初の走行ではリニア実験センターから 7〜8km 進むだけですので時速 500km まで出すことなく新幹線レベルの時速285km までですが、時速 150km を過ぎたくらいから浮上走行へ切り替わります。いよいよ、超伝導リニアの本領発揮です。(浮上走行切り替わり時にはアナウンスが流れます)
浮上走行までは普通の鉄道と同じく車輪を地面に付けて走っていますから、それなりにコトコトと振動があります。概ね新幹線と同じ感じと言って良いでしょう。ところが浮上走行へ切り替わると車輪が設置していることによる振動が消えて、明らかに体感が変わります。
それまでの振動が消え、誰もが「ああ、変わったね」と口をついて出るくらいの差があります(下にあるビデオ参照)。これは、フワッと浮いた感じも上昇加速感もないけど、飛行機の離陸と似た接地感の消失ですね。
とはいえ、初回の走行は浮上走行もそこそこに速度を落として、また車輪をつけての通常走行に戻って停止します。
モニターに2回目の走行案内が出て、いよいよ 時速 500km 走行へ出発します。ここからは実験線西端へ向け逆方向、後ろへ向けて走ります。
先ほどは新幹線レベルの時速 285km までしかスピードを出しませんでしたが、今度は時速150kmで浮上走行に切り替わってからの加速はひたすら続き、時速 300km を超えてもどんどん加速して行きます。
リニア以外では体験できない速度域まで加速していくのですが、リニア実験線はごく一部の区間、リニア実験センターの前後 1km くらいと甲府盆地に抜けてからの実験線の西端付近を除けばずっとトンネルです。(時々トンネルとトンネルの間で一瞬外界が見えることもあるけど、掛け値なく一瞬でトンネルに戻る)
リニア中央新幹線もほぼひたすらトンネルと言うことですし、営業運転のリニアに乗ってもきっとこんな感じなんだろうなぁ〜とは思いますが、トンネルで周りの景色がほとんど見えないのと、浮上走行で接地感がないせいか、乗っていると速度感は意外とありません。
ただ、トンネルばかりの中で唯一、速度感を実感できるとすれば風切り音。あとはモーターかなにか?の音。
以下の動画を見てもらえれば少しは判ると思いますが、時速150kmくらいで浮上走行に移って振動がなくなって一旦静かになるのですが、時速400kmを超えるあたりから風切り音がかなりヤバくなります。モニターの映像より空気の音の方が速度感を感じられるでしょう。
(2回目の走行、浮上走行前から 500km/h までの動画)
トンネルの中をどんどん加速して、時速 400km を超え、なお加速。速度感加速感が薄いまま、いよいよ待ちに待った時速 500km。
リニアの出発時からみんな、カメラやスマホでモニターの映像を撮りまくりですが、500km/h の文字が表示されると一段とシャッター音が鳴り響きます(^^)
まぁハッキリ言ってしまうと、
「トンネルの中だし、浮上走行で振動もそう多くないから、時速 500km と言われても風切り音以外は、あまりピンと来ねえ」
というところはあります。実を言うと、私自身は超伝導リニアに乗ったのは初めてではなくて二度目なのですが(今の体験乗車が始まってからは初めて)、その印象は今回の車両になって、なお強くなった感じですね。
ただ、逆に言えば、
違和感なく自然な乗車感で時速 500km が出せている凄さ
があると言えるわけで、それを考えればこの超伝導リニア技術の素晴らしさを改めて感じることができるかと。
ぶっちゃけ、時速500km 出ても超伝導リニアの方が東海道新幹線 N700系より絶対乗り心地良いですもん(音はうるさいけど)。やっぱり浮上して接地してないのは大きいですね。
「トンネルの中ばかりで時速 500km の実感がサッパリない」と言いましたが、唯一時速 500km の体感を得られるのがリニア実験センター付近のトンネル外区間。ここからはちょうどA/B席だと富士山が見えるのですが、あっという間の速度感が体感できます。
「これは新幹線より速度レベルが一段も二段も違うなぁ〜」と唯一実感できるところなので、これから乗られる方は是非その区間は見逃さないようにしてください。
(ちなみに上記ビデオでも判るとおり、最初の 500km/h 走行時、つまり2回目の走行では実験センター付近ではまだ 500km/h に達しておらず 400km 超くらいです)
そのリニア実験センター付近を過ぎるとまた長いトンネルの連続で、しばらくすると少し減速し、トンネルから抜けると C/D席からは甲府盆地が一望できる区間になって実験線の西端に近づきます。
座席が南側(A/B席)であればリニア実験センター付近で富士山が見えますが(雲がなければ)、逆のC/D席では実験線の西の方ででトンネルを抜けてから甲府盆地一望の景色をゆっくり眺められます。
一概にどっちが良いとは言えないですし、なにより座席は自分が希望できるわけでもないので、それぞれの座席で楽しむことになります。
実験線の西端付近に着いてから今度はまた順方向(前向き)に出発して3回目の走行となります。2度目の、そして最後の時速 500km 走行です。
3度目の走行では実験線の西端付近から東端付近までほとんどの区間を走り抜けるので、体験乗車で最も長い走行になりますし、時速500km で走る時間も長くなります。
このあたりになると乗車している人もみんな少し落ち着いてきて(私も)、カメラで必死にモニターを撮影する人も少なくなり、車内空気もまったりと時速 500km を味わう感じになっているようでした。
時速 500km 走行が終わり、徐々に減速していって浮上走行が終わって実験線の東端付近に到着すると、あとは後ろ向き走行でリニア実験センターへ戻るだけです。
もう終わっちゃったか〜、という思いも大いにありますが、先ほど書いたように実験線の西端近くとリニア実験センター付近以外はトンネル&トンネルなので、500km/h に慣れてくるとむしろ飽いてくるのも事実ですから、このくらい腹八分目、いや六〜七分目くらいがちょうど良いのかもしれません。
これくらいだと、「もう十分、もう乗らなくてもいいや」というより、
「機会があれば、また乗りたいなぁ、また応募しようかな」
と思えるくらいですからね。満足だけど満足しきる一歩手前くらいなのは良い塩梅のように思います。

(リニア乗り終わっての帰り道)
最後に実験線の東端付近からリニア実験センターへ戻る際も、もちろん浮上走行に切り替わって今度は時速 320km で巡航。新幹線の将来の最高速度をリニアは軽々と流しながら実現できている感じなのはやっぱり凄いな、と感じるところです。
何より
新幹線の 300km/h 走行時よりリニアの方が揺れなくて乗り心地が良い!
というのは強く感じましたね。特に東海道山陽新幹線の高速運転時の揺れはホントに疲れますから。
リニア実験センターに戻ってきて停止すると、余韻に浸る暇もなく車外へ誘導され、乗車時とは違う経路で屋外へ向かいます。向かう途中でアンケートを記入するコーナーがあり、回答を記入してその付近にいる職員さんにお渡ししておきます。
そのあたりは停止したリニアの先頭車両が間近で観られるところでもあり、通路で記念写真大会になりますが、ある程度の時間は JR東海の職員さんも待ってくれるので、とりあえず1〜2枚撮っておきます。ガラスの反射が気になりますけどね(^_^;)
リニア先頭車両を観られるところから進むと、すぐに屋外へ出て、これで超伝導リニア体験乗車は全て終わりです。時間は11時過ぎ。最初の受付から1時間あまり、待合いホールでの事前説明からは45分くらい、乗車してから30分くらいでしょうか。
あっという間でもあり、でも意外と堪能した感もあり、でしたね。
エンターテイメント性があると言うには時速 500km というのがあまりにも自然で、実感が薄いのも事実ですが(トンネルばかりだしね)、何度も言うように世界でここだけの超伝導リニアであり、ここだけの時速 500km 走行体験ですから、それに乗ったというだけでも満足感は大きいです :-)
リニアに乗車した後は、見学センターや周囲の見学ポイントで次の便の体験乗車のリニア走行風景を眺めるのも良し、富士五湖をまわるも良し、富士急ハイランドで絶叫乗り物三昧するも良し、ですね。
いずれにしても、楽しく貴重な1時間でありました。そのうちまた、乗りに来たいですね。
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