先週 Amazon の総帥ジェフ・ベゾス氏が「来週、全く新しいハイエンド Kindle を出しますよ」とツイートしたり、中国のオンラインショップが発売前にポロリしたりして、既にだいぶ前評判が高まっていた Kindle の新電子インク端末。



ポロリで明らかになっていた通り、名前は「Kindle Oasis」。中身は Kindle Voyager や Kindle Paperwhite 2015 と同様ながら、超軽量かつ極薄ボディながら、少し厚みのある持ち手部分(ページ送りスイッチ付き)のある特徴的なデザイン

とにかく何と言っても、

フロントライト付き端末で 131g の超絶な軽さ


は衝撃的です。

そしてもう一つ、

驚きの価格 35,980円!


もなかなかにインパクトあります。

いや〜、ベゾス氏のツイートや Voyager の後継機ではないことから Voyager より高くなるのは想像が付いていましたが、電子インク端末もこのくらいの値をつけるようになりましたか〜、という衝撃はありますね。

KindleOasis_Release1


Amazon も本国ではこのところ自社サービス関連は値上げの嵐(いつ日本の Amazon プライム会員費が爆上げされるか…)だったり、高付加価値路線に舵を切ろうとしてる感があるので、そういう意味では驚くに当たらないですし、

仕様を見れば高いのも納得の出来


でもあります。

標準モデルの Kindle Paperwhite 2015 や従来のハイエンドモデル Voyager と比べても、次の点は圧倒的です。



  • 長時間読書で手の負担を大きく軽減する圧倒的な軽量さ
    (Paperwhite 205g、Voyager 180g に対して Oasis 131g!)

  • 長時間、電子書籍を読む人なら感じる従来端末(スマホ、タブレット含む)の持ちづらさを解消するグリップの採用および重心バランスの改善
    (写真では右手側にグリップがあるが、ひっくり返して左手でグリップさせても問題なく使える)

  • グリップ部以外は厚さ 3.4mm という圧倒的な薄さだけでなく、厚みを増したグリップ部ですら8.5mm厚

  • 全体を小型・薄型化しているので、グリップ部分を付加してもサイズは大きくなっていない
    (横幅は多少増えているが、縦は増えた横幅以上に短くなっている)


他にも、フロントライトの LED 増量で明るさの均一性が増していたり、Voyager 同様のハードウェアボタンはグリップ部にちゃんとありますし、バッテリー内蔵専用ケースが付属してることを思えば、この高価格も判らなくはありません。

Voyager (\23,980) + 超軽量化&薄型化 + グリップ採用 + バッテリー内蔵専用ケース = Oasis (\35,980)


そう思えば、一見して「Kindle Oasis 高けええええええ〜〜」と言いたくなりつつも、冷静に見れば納得できなくもないです。高いけど。

私自身それなりに Kindle Paperwhite を使って本を読んでいますが(月に10冊以上は読む)、プライム会員なら1万円で買える Paperwhite に対して2倍(Voyager)、3倍以上(Oasis)を出す価値を見出せるかというと、なかなかそこまではないのが本音です。

あくまでボディの軽量薄型、グリップデザインなどに価値があるのが今回の Oasis であり、ストレージや電子インク画面の仕様は Voyager や Paperwhite 2015 と同じですから、我慢できなくはありません。


(これら従来機も中身は一緒、ボディデザインの差異のみ)


しかし、「良いものにはお金の糸目をつけない」人たちはたくさんいるわけで、そう言った読書大好き、Kindle べったりのお金持ちには最適な端末でしょう。

というか、私だって懐に有り余る余裕があったら、Oasis 欲しいです。何が良いって、

読書端末で、軽さは正義


ということを身を以て実感していますからね。

私自身は最初から Kindle べったりではなく、最初に買った国内向け電子書籍端末は SONY Reader でした。



フロントライト搭載モデルも出さず何年も放置プレイのまま、いまや風前の灯火な SONY Reader 端末ですが、ページ送りのハードウェアボタンや SDカードが使えるといった特徴の他に、とにかく軽くて(160g)薄くて、Kindle Paperwhite から Kindle メインになった私は

「Kindle の電子インク端末は毎年改良されて、フロントライトもあるけど、厚いし、とにかく重すぎるんだよなー」

と思っていました。

Kindle Paperwhite の重さには何年使っていても慣れないし、たまに SONY Reader を触ると「やっぱり端末のサイズ感、重さは SONY Reader がええわ〜」と思うところでした。(あと日本語フォントの綺麗さも SONY Reader の勝ち)

ですから、

Kindle Oasis の超絶軽量さ、薄さは絶対正義、値段の価値あり


とは思っています。

だからと言って買える訳ではありませんが(3万6千円あれば他のものを買いたいし、撮影のための遠征費にしたい)、これから Kindle 電子書籍端末を買う人で、3万6千円出せるなら Oasis 買え、とは言いたいですね。損はしないはずです。そうそう買い換えるものでもありませんし。

KindleOasis_Release2


ただ、気になるのは

バッテリー内蔵ケースを強制付属させるということは
あの薄型軽量な本体だけだと、どれくらいバッテリーがもつのかな?


ということ。バッテリー容量だけはそうそうマジックがありませんから、グリップ部に押し込めているとしても、あまり期待できなさそうですね……

あと、防水になるという噂もあったのですが、それは外れたようで、お風呂読書する人にとってはちょっとガッカリだったかもしれません。

まぁ個人的には、Kindle Voyager を値下げしてくれないかな〜と思っているのですけどできませんか。そうですか(´Д` )



(出せる範囲で一番高いのを買うべきです。中身は一緒でも快適さが違います)