Amazon プライム会員(年3,900円)なら写真データーは JPEG だけでなく RAW も含めて容量無制限というクラウドストレージ「Amazon プライムフォト」が日本で開始されて一ヶ月が経ちました。

今まで何度も書いたように、当方もサービスイン直後から写真バックアップ目的に愛用しており、今日現在で 300GB 少々をアップロード済みです。

AmazonPrimePhoto20160223A


過剰な転送量でプロバイダーに目を付けられないように(^_^;)、毎日少しずつアップロードして、この一ヶ月で概ね1日平均10GBくらいアップロードしていますが、アップロード速度は相変わらず安定して快適に使えるレベルです。

既に米国などでサービス開始済み味だったとはいえ、無制限系のサービスにありがちな「利用者が増えるにつれ、サービス開始から時間が経つにつれ重くなる」ということはなく、アップロードファイルが増えると制限されるとか遅くなるとか、そんなこともありません。

ただし、以前書いたように Mac版 Amazon Cloud Drive アプリは、たまに転送速度が数倍以上遅くなるので、その場合はアプリの再起動をする他所を行う必要はあります。

Amazon Cloud Drive(プライムフォト)の転送速度が劇遅になった場合の対処法

転送速度はアップロード・ファイル数や回線状態にも依りますが、当方の環境では今も概ね

1GBあたり5分前後のアップロード速度


は出ています。

ということは、利用回線がそれなりであれば、16GB メモリーカード1枚分くらいなら2時間くらいでアップロード、バックアップできます。(ただし、実際にはアップロードファイル数が多いと速度がやや落ちる傾向にあるので、もう少しかかる可能性はあります)

ぶっちゃけ、光回線環境下であれば、

JPEG撮影メインの人、RAW撮影でも日頃の撮影枚数が多くない人なら
撮影データーのバックアップは Amazon プライムフォトで十分イケる


と断言してもいいくらいです。

ご自身がどれくらい撮影しているかは、過去の撮影データーを省みれば判ると思いますが、例えば、
  • 16GBのカードを1日で使い切ることはほとんど無い
  • 32GBのカードをカメラにずっと入れっぱなしで、予備のカードを使うことも無い

というレベルの人なら、バックアップメディアは Amazon プライムフォト、と決めてしまっても十分現実的でしょう。(光ファイバーの固定回線は必要ですが)

1日に何十GB も大量転送(アップロード)するとプロバイダーから怒られる場合もありますが、光回線なら今時15〜20GB くらいなら規制かけられるようなところも少ないですから、上記程度の撮影の人なら問題ないでしょう。

旅行などで 30〜40GB と撮影することがある人も、帰ってきての Amazon プライムフォトへのバックアップは複数日に分けてアップロードすればいいだけの話ですからね。

こういったクラウドストレージへのバックアップは長所短所ともにありますが、やはり以下の点が大きなメリットになるでしょう。



  • 地震火災その他があっても、データーは全く別のところに保管されているので失われない
    (外付 HDD や NAS などで自宅内に保管している場合、天災などがあった時に損失を免れない)

  • バックアップした HDD が壊れて全部のデーターが一瞬にして失う、といったことがない

  • Amazon プライムフォトの場合は容量無制限だから、HDDの容量が足りなくなって買い増す必要はない

  • 自宅以外のどこからでも必要になったらデーターを引っ張ってこれる
    (快適とは言わないが一応 Amazon プライムフォトにはサムネイル一覧表示もある)


Dropbox や Google Drive、One Drive などでも同じことが言えますが、「バックアップ場所は別のどこか」にあることのメリットは小さくありません。

プライベートなデーターが自宅以外のどこかにある不安を感じる人もいますが、自宅以外のどこかにあるメリットも同様にあるわけです。

(そもそも住所や電話番号、メールといったプライベートなデーターを Google や Apple その他に預けてるのに、今さらということもあるわけですが)

また、信頼度は多額のお金を払っているサービスに比べると落ちるとはいえ、Amazon が長年培ってきたデーターセンターへ保管することになるので、外付け HDD にバックアップしておくのと比べると長期的な信頼度は高いように思います。

もし、外付け HDD 1台だけにバックアップしておくだけだと、その HDD が壊れたら全データーを失うことにもなるわけです。はっきり言って HDD なんて消耗品ですから、数年で壊れる前提で考えておかなきゃなりませんからね。

そういう意味では

クラウドに預けておく安心感


というのは意外とあるように思っています。


(バックアップにHDD、NASを使うなら最低限ミラーリング RAID 1が使える製品にすべき)


反面、クラウドストレージにバックアップしていると、次のような短所もあります。

  • 物理的なアクセス以外に手段のない外付け HDD などと違ってセキュリティ的には弱くなるので、パスワードの管理などはしっかりする必要がある

  • 大量の写真を今すぐ見たい、コピーしたい、と思っても、枚数に応じたダウンロード時間がかかる
    (1枚〜数枚なら無視できるレベルだが、数十〜数百以上になると待つことになる)

  • 金の切れ目が縁の切れ目、年会費を払わなくなったら全データーを失うことになる
    (現状の年3,900円は激安だが、将来も価格が維持されるとは限らない)


セキュリティの問題は他のサービスでも同じことですし、バックアップ保管庫としてみれば時間のかかるダウンロードを行うこともそう多くはないでしょうが、やはり気になるのは

データーを預ければ預けるほど
Amazonプライムフォトから抜け出せなくなる


という問題。私もそれは最初から気にしています。

Amazon プライム配送だけならともかく、Amazon プライムビデオ(名作100円レンタルコーナー以上の充実になってきた)、Amazon プライムミュージック(こちらは相変わらず値段なり)ときて、この容量無制限プライムフォトですから、年会費が年3,900円ではさすがに激安すぎて値上げを警戒します。(米国では年会費1万円程度ですし)

けれど、これだけ預けられるとなると多少高くなってもええかと思ってしまいますし、それ以上にこれだけ預けてしまうと一度使うと抜けられなくなる罠が既に発動しています(^_^;)

そのあたりは各自の価格感覚によりますが、Amazon プライムビデオもそれなりに楽しませてもらっていますし、プライムミュージックも自分の音楽ライブラリにオマケできるなら納得できますし、

「諸々プライムサービスに加えて、写真データーなら容量無制限で、転送速度も快適なら、多少値上げされても十分納得かな」

と思って、どっぷり浸かっています。少なくとも年3,900円ならバーゲンプライスと言っていいでしょう。



いずれにせよ、プライム会員の年会費が自身で納得できるかどうかは別にして、

1日平均の撮影データーが10〜20GBくらいまでなら
Amazon プライムフォトは十分バックアップメディアになる


と言えます。

もっと言うと、

自宅の HDD / NAS にバックアップするだけでなく
もう1つのバックアップ先に Amazon プライムフォトは最適


ですね。両方にバックアップしておけば、上記の欠点の幾つかも解消されますし、二重バックアップとして安心感も大きくなります。

1日の撮影データーが数十、数百GBになる人は全部の撮影データーをバックアップするのは現実的ではないでしょうが(私も過去の撮影データーは 5TB 以上になっているので無理)、ピックアップした写真や現像を手がけた写真、現像済みファイルを保管するのには最適です。

年間1万円くらい払えば、写真以外も含めて 1TB くらい使えるクラウドドライブのサービスは多いですが、写真のバックアップという点では現状 Amazon プライムフォトの圧倒的な良さは、一ヶ月使ってきて、より強く感じている次第です :-)

Amazon.co.jp: Amazon Prime
Amazon Cloud Drive(プライムフォト)の転送速度が劇遅になった場合の対処法
Amazon プライムフォトその後 〜公式対応外のメーカーのRAWが無制限対象かどうかを確認してみた