北米最大のコンシューマー電機系展示会の CES の開幕を前に、今週はデジタルカメラもスマホもパソコンその他 IT ガジェット系も新製品発表が目白押しです。国内発表はなくとも、海外発表のある製品は多数出てくるでしょう。

デジタルカメラも各社から多くの製品が発表されると見込まれていて、情報リーク系ブログでは既に国内発表のプレスリリースを元にした詳細スペックが流されてる機種もあります。(そのうちどこかのメーカーがプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求からの展開をすれば面白いのにw)

その中で、いち早くニコンが国内でフラッグシップ機「D5」と、出るかどうかニコンユーザーの中でも意見が割れていた APS-C フラッグシップ機「D500」が発表されました。

D5 - 概要 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージング
D500 すべてを凝縮した、渾身のDX。 | ニコン

いやー、

ニコン渾身のツートップ


ですね。「ニコンの一桁機の奇数番は名機」という流れを受け継ぐ雰囲気と生身を持つフラッグシップ「D5」に、「本当に出たし、なにこれ凄い APS-C 機!」という「D500」。

ぶっちゃけ、ミラーレス機を捨てて全面的に一眼レフ回帰してから、ニコンのデジタル一眼レフは気になるけど、他のメーカーのカメラは新製品が出ても「へぇ〜」と思うかどうか程度です。正直どうでもいい。でも、ニコンの一眼レフだけは、やっぱり気になります。

D5 の方は「本当にメモリーカードスロットが XQD と CF の2機種を用意したんだ…」という驚きでしたが、D500 に関しては出たことそのものが驚き。

あれだけフルサイズ志向だったニコンを翻意させ
徹底的に 7D Mark II を叩くスーパー APS-C 機を出してきたか〜


というのは驚きというか、さすがニコンというか、「やはりこうでなくっちゃね!」感があります。

D500 のスペックを見れば EOS 7D Mark II ユーザーとしては心穏やかになれませんが(D5 ともども拡張感度の激烈な数字は実写見ないと判りませんが)、D500 の内容を見て初めに思ったのは……



これで 7D Mark III 作ってくれそう( ̄▽ ̄)ノ


ということ。Mark III じゃなくて Mark II R でもいいんですけどね。

いつも言っているように、キヤノンが唯一気にしているニコンが頑張ってくれないとキヤノンはすぐに手を抜くので(マーケッティング上これくらいでええやろ、と)、

「これでキヤノンもボディにもっと本気出してくれそう…(たぶん)」

というのが、ニコン両機種の発表に対する第一印象でした。(EOS 1D X Mark II の開発は終わっているでしょうから、場合によってはこの次になるかもしれませんが ^^;)

D5、D500 は完全新ユニットの AF と超高感度性能が目玉になるようで、ISO 300万!を超える拡張感度の超高感度性能は、D500 ともども現状はスペック性能で実写次第になるでしょうが(通常感度の上限に比べて拡張感度の上限が上がりすぎなのは…)、それを謳うくらいですから通常感度でのそれなりに画質も向上しているのでしょう。

むしろ一新された AF ユニットが興味深く、 AF 測距点数そのものより(選択可能点数は3分の1ですし)
  • 測距点カバーエリアの広さ
  • F8 AF 測距点の多さ
  • 全 AF 測距点での -3EV 対応&中央点 -4EV 対応

というのが魅力ですね。特に -3EV 全点対応は暗所撮影に絶大な威力を発揮するでしょうから、本当に魅力的です。

7D Mark II は 1D X 譲りと称しつつも似て非なる AF ユニットでしたが、D500 は D5 の AF ユニットを基本的に受け継いでいるようですし、7D Mark II を超える隅々までの AF 測距点配置は素晴らしいですね。

(もちろん、バッテリーグリップ一体の D5 と小さなボディの D500 では AFセンサー配置の余裕が違いますから、同じ AF ユニットを流用していても精度その他細部で違いが出るのは当然でしょうけど)

機能的にも 4K 動画撮影や Bluetooth を利用したスマートフォン常時接続など満載、不足なし。キヤノンのように「とりあえずこの辺で」感がなく、

ニコンらしく APS-C 機でも出し惜しみゼロ
メモリーカードが XQD というハードルを除いては完璧な APS-C 機


というのは羨ましいですね。

もちろん、メモリーカードが XQD で従来の CF が使えないとしても、それゆえに RAW 連続200コマが達成されてるとしたら許容範囲でしょう。まぁ実際に自分が買うとなると、メモリーカードだけで最低5万くらいの初期投資が必要になると思うと、抵抗がないわけではないでしょうが……

(同じことは、今後のキヤノン上位機にも言えること。キヤノンは XQD ではなく CFast 2.0 でしょうけど、既存の大量のメモリーカードを捨てて買い直しになるのは同じ。私も 200GB を超える最高速 CF がありますからねぇ)

D5 および D500 の高感度性能、AF ユニットの低照度&F8 対応を見てると、先日発売された安価で高画質な純正超望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR がすごく生きるボディだという印象で、

「超望遠飛びモノの人は、7D Mark II でキヤノンへ止むなく移行した人、元からキヤノンの人が D500 + 200-500mm でニコンへ移行するだろうなぁ」

という気がします。

ガンバ大阪の新スタジアムみたいなサッカー専用スタジアムで撮る人も、高感度に強く連写性能とゴージャスな AF のある D500 + AF-S 300mm f/4E PF ED VR なら、狭い座席周りで撮っても周りの人に迷惑かけることのない小さなレンズでガッツリ撮れるのではないでしょうか。(反対側のピッチで選手が遠くても x1.3 クロップを使えますしね)

現状 7D Mark II はすっかり安くなって 15〜16万くらいですから、価格差を考えると D500 とは1クラスの違いがありますが、最強 APS-C 機としての D500 は見れば見るほど素晴らしいですね。

巷でシグマ/タムロン 150-600mm が氾濫するようになったのと同様、春以降、空港でもサーキットでも航空祭でも鳥撮りでも D500 と黒レンズがたくさん見られるようになるでしょう。


(値段勝負しかない7D2は初代7Dのように安くなり、手軽な高性能機になるかな?)


また、自分とは無関係に、EOS 1D X Mark II の発表はまだですが、D5 との対決でスポーツ現場の白黒比率がどうなるか楽しみでもあります。

マスコミ関係の社用機での購入はその世代の実力関係が明確に出ていて、Jリーグを毎週のように観戦しているとゴール裏に陣取るプロカメラマンの白黒比率は面白いほど4年おきに変わっています。

ニコン D3 が出る直前には白レンズが大半になっていましたが、D3 が出て翌シーズンから徐々に白が黒に置き換わっていき、黒が多少優勢になったところで D4 vs 1D X になり、現状はまた完全に白優勢になっています。これが D5 でどう変わっていくかも、ちょっと楽しみですね(笑)

ま、個人的には去年一昨年で EOS & EF 体制を再構築したところで、フルサイズのこともあるので(すぐに)ニコンへ移行ということもないですが、D5, D500 でキヤノンユーザーがこぞってニコンへ移行して、キヤノンの尻に火がついてくれれば、と思う次第であります。いや本当に。



(D5を買う人はともかくD500買う人がXQDカードの敷居の高さを超えられるか?)