例年のような厳しいクリスマス寒波もなく、スキー場の雪不足ニュースが多く伝えられる昨今ですが、今年も残すところ1週間を切って、早いところでは今週末から年末年始の休暇モードに入っているところもあるでしょう。

本場末ブログの毎年末恒例記事として、まずは昨年のお買いものベストにピックアップした製品の今年の利用はどうだったか?という点について書いています。

前回は、去年のお買いものベストに取り上げたアイテムのうち、カメラ機材以外について今年はどうだったか?使っているのかどうかを記しました。

「お買いものベスト 2014」で挙げた製品の2015年 その1【カメラ機材以外編】

そして、今回は昨年購入したカメラ機材の今年を振り返ってみます。



・富士フイルム / XF14mmF2.8 R (2015年も使った度 0点/昨年内売却済)
・富士フイルム / XF23mmF1.4 R (2015年も使った度 0点/昨年内売却済)


フジノンレンズ XF14mmF2.8 R | 富士フイルム
フジノンレンズ XF23mmF1.4 R | 富士フイルム

昨秋、全部売却した富士フイルム Xマウントのレンズ2本。売却したにもかかわらず、昨年のお買いものベスト10位に XF14mm F2.8 R を、次点2位に XF23mm F1.4 R をピックアップしました。もちろん、今年は使っていません。

でも正直、いまでも

XF 単焦点レンズ良かったなぁ、あったらいいなあ


と思うことはあります。

ミラーレス機のレンズにしてはデカい重いシステムと思っていたけれど、フルサイズ一眼レフ用のレンズに比べれば断然軽いし、描写は惚れるほど。それならサイズも重さも納得。小型軽量描写良しの三拍子揃った XF35mmF1.4 R や XF14mmF2.8 R、そして XF23mmF1.4R の3本は今でも恋しくなります。

XF60mmF2.4R Macro なんかも X-E1 で使い始めた時は「なんだこの遅いし、結局合焦もしないストレスフルなレンズは…」だったのが、X-T1 で見違えるほどストレスレスに使えて描写だけを楽しめるレンズになりましたからねぇ。

何もかも懐かしい……

ただ、いま改めて X-T1 ともども買い戻す気になるかと言えば、残念ながらその気になることはありません。レンズは素晴らしいし、また使ってみたいけれど、いくらファームウェア・アップデートで改善されたとはいえ、X-T1 をまた使うことを考えると……無理。

手放して1年経って、むしろ1年経った分、X-T1 ではストレスを溜めて使っていたなあ、と実感しますね。X-T1 に対する善し悪しより合う合わないの部分が大きかったことは事実ですが、道具ですからそんなものでしょう。

それに EOS & EF システム主体に戻ってきて機材入れ替えもしたけど、まだまだ必要なレンズは足りないから、しばらく、身体が一眼レフに耐えられるかぎりは他社ミラーレス機へ浮気はないですね。

いつか、もう一眼レフと一定レベルのレンズ(個人的基準では 70-200/2.8 や 100-400クラス)を持ち歩くのが辛くなった時、一眼レフを捨ててミラーレス機へ戻ることになるだろうから、その時の楽しみに取っておこうかな、と思っています。

XF10-24mm F4 R OIS が発売される今、敢えて XF14mm F2.8 R を買った理由
コンパクトで納得描写で買った良かった XF14mm F2.8 R。唯一つの富士フイルムの悪い癖を除いては…
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・キヤノン / EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM (2015年も使った度 40点/売却済)
・キヤノン / EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM (2015年も使った度 40点/売却済)


キヤノン:EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM|概要
キヤノン:EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM|概要

昨年のお買いものベスト第7位、第9位に取り上げた EF-S ズームレンズ2本。今春 EOS 6D 購入、フルサイズ復帰に伴って、昨年購入した APS-C 用 EF-S レンズは全て売却しました。

使った期間は半年強と短かったのですが、その間十分に活躍してくれましたし、どちらも安価に入手して、売却値段はそこそこ付きましたので、

購入/売却値段の価格差は 7ヶ月間のレンタルと思えば激安


でした。(特に 18-135mm は新古品を激安で手に入れたので、売却値段と大差なかった)

2本のうち、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM は EOS 7D 初代の便利ズームとして使っている分には満足していましたが、7D Mark II と組み合わせるとレンズが負けている感が顕著で、買い換えを考え始めていた時期なので、手放すのに躊躇はありませんでした。

しかし、EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM はずっとお気に入りで、売却する時も迷っていました。今でも

「軽量コンパクトな EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM があったらなぁ…」

と思うことはあります。

ただ、EOS M3 を買う予定が EOS 6D に飛び級ランクアップして、さらに EF24-70mm F4L IS USM と EF16-35mm F4L IS USM まで揃える方向になったので、背に腹はかえられず…でした。

フルサイズで使っても周辺まで安定した画質の EF16-35mm F4L IS USM と、超広角撒き餌レンズの EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM では価格差なりの違いは明らかですし、EF16-35mm F4L IS USM は過去5本使ってきた F4L シリーズのレンズの中でも一番のお気に入りです。

けれど、標準と望遠の2本に加えて、超広角を持っていくかどうか迷ったときに、EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM は躊躇いなく持って行ける小型軽量さが魅力でした。EF16-35mm F4L IS USM ではそうは行きませんし、

「7D Mark II と組み合わせての超広角レンズはやっぱり1本欲しいなぁ…」

と思い直しています。

もっとも、APS-C 用の超広角レンズを買う以前に必要なレンズ、優先度の高いレンズはあるので、買い戻すにはしばらく時間がかかりそうです。





・キヤノン / EF70-200mm F4L IS USM (2015年も使った度 45点)


キヤノン:EF70-200mm F4L IS USM|概要

昨年のお買い物ベスト第10位に上げた、キヤノン EF F4L シリーズの手ぶれ防止付き望遠ズームレンズ。軽量セットで出かける際の望遠レンズになっています。(このレンズ+もう1本の F4L レンズで軽量セット、というのもアレですが、ウチの中では軽量 ^^;)

昨年 100-400 がリニューアルされ、IS なし 70-200 F4L とともに Lズームの中では古株レンズになりつつありますが、2000万画素クラスのカメラなら未だ不足ない性能で、画素ピッチの狭い 7D Mark II でも単体で使っている分にはレンズが力不足と感じません。

とはいえ、最新の望遠Lズームである EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM は望遠側のレンジが2倍ありながら、描写や手ぶれ補正など色々上回る点が多いので、どうしてもそちらの出番が多く、本レンズは「重さが半分」という軽量さを重要視する時のみになっています。

私の 100-400 II は三脚座を大型のものに付け替えているため、本レンズとの重量差は 1kg 近いですから、超望遠域が不要な場合は “軽量セット” にした時の負担軽減は大きいです。

反面、テレ側 200mm では足りなくてテレコン付けると III型 x1.4 でも(一絞り以上しないと)ガクッと描写が落ちるのが難点で、それが出番を減らしている理由です。逆に言えば、不満はそれくらいです。

今となっては大きく取り上げられることのないレンズですが、L望遠ズームとしては新品でも安価ですし、適価で良好な中古玉も多いので、

軽量でコスパの良い純正望遠ズーム


として、オススメしたいレンズだと思ってます。

安価な望遠ズームだと純正非純正に関わらず 70-300 が選ばれることが多いのですが、描写と軽量さ、F値一定の使い勝手、レンズ細さゆえのバッグへの収まりの良さを思うと、300mm まで必要でなければ、このレンズの選択もありだと思います。





・キヤノン / EOS 7D Mark II (2015年も使った度 100点)


キヤノン:EOS 7D Mark II|概要

画質面で5年の歳月を経た新型機と言うほどではなかった、という思いがあって、超絶待ち焦がれていたカメラだった割には、昨年のお買いもの第6位と、やや辛い評価にしてしまった EOS 7D Mark II。

けれど、なんだかんだ言っても

今年も圧倒的にメインカメラ


でした。

あまりにシャッター回数が進むので春にサブ機 EOS 6D を購入したものの、1D、5D系が手元にない今、サッカーやモータースポーツ、飛行機(特に軍用機系)にはコイツが頼り、早くもシャッター回数は11万回を超えました。

シャッター周りは保証期間が切れる直前にチェックしてもらって異常なし、のお墨付きをいただいていますが、Mark II のシャッターユニットは15万回想定のはずですし、来年はユニット交換のオーバーホールも考えなければならないでしょう。出費を考えると今から頭痛いです……

ちなみに、今年一年使ってきての満足点、不満点は去年と変わっていません。画質面では暗部ノイズの多さを含めて満足しているとは言えませんが、一年使ってきて思うのは

画質面での不満は、露出ドンピシャで撮りきれなかった言い訳


でもあるかなあ、と感じています。露出ドンピシャで後処理ゼロで済む時は、意外と高感度でも悪くないですからねぇ。少しでも手を入れると破綻することは多いですが。

もう1年以上使ってきて、被写体や体調に応じた AF セッティングは自分なりにある程度確立していますが、今でも少しずつ微調整や試行錯誤はしていますし、そういったことも含めて

撮り手に要求するものの多い、それに気づかせてくれるカメラ


だよなぁ〜というのが、今年1年使い続けた印象ですね。

フルサイズ機のような画質的余裕は全くなく、微ブレも含めたヒットレンジの狭さを感じますが、長いレンズが買えなくて APS-C でやらなきゃならない分、技量を磨いてカバーするしかないカメラなので、来年も頑張るしかありません。

いずれにせよ、文句言いつつも、能力を引き出そうと頑張れる愛機です。それもこれも操作面でのストレスがないから言えることですけどね。

EOS 7D Mark II 超適当セカンドインプレッション【前編】 〜 Poorman's 1D X としては満足の出来
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EOS 7D Mark II 発売・購入から一ヶ月半で感じるいくつかのこと





・キヤノン / EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM (2015年も使った度 95点)


キヤノン:EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM 概要

昨年末に発売即購入したキヤノン定番の超望遠ズーム。こちらは十数年ぶりのモデルチェンジという期待に違わぬ内容で、昨年のお買い物ベスト第2位に推しましたが、今年も大いに愛用したレンズでした。

使い始めて、ちょうど丸一年になるわけですが、

超望遠ズームとしては、ほぼ文句なし


と改めて思いますね。

テレ端まで描写良し、手ぶれ補正強力、mode 3 もあるし、AF速度も満足、ボケも悪くない。比較的大きく重いレンズとは言え、バッグへの収まりもまずまず、フッ素コーティングでお手入れ楽々、F8 AF対応カメラならテレコン付けても意外といける。そして何より、最短距離の短さはホント素晴らしい。

近年レンズメーカーの 150-600mm ズームが次々と発売され、飛行機系の現場だけでなくサーキット、野鳥撮り、動物園、競馬場でもやたら見かける人気ぶりで、確かに飛行機系ではテレ端 600mm 域は魅力ですが、純正ゆえの AF速度や信頼性、全域における画質の安定性だけでなく、
  • 100mm まで引ける余裕
  • 撮影レンジと最短撮影距離の短さによる用途の広さ
  • 普通のカメラバッグでも収まる収納性の良さ

を考えて、150-600 に手を出すことなく済んでいます。テレ端 400mm までですが、望遠ズームとしての広範な汎用性が本レンズの真骨頂だと思います。

カメラバッグも 70-200/2.8 クラスのレンズまでを想定しているバッグは多く、70-200/2.8 クラスの 100-400 と、それを超えるシグマ 50-500mm では持って行くときの取り回しが結構違った記憶も強いので、新型100-400 II に戻ってきて、このサイズ感はやっぱりええな〜と痛感しますね。

強いて言うなら、直進式の先代から回転式になったのは仕方ないのですが、トルク調節はもう少し軽くなってくれないと直進式のような感覚ではとても使えないことが不満なくらい。スッと抵抗なく画角が思ったところまで一瞬で変えられる先代の感覚だけは懐かしく思います。

あと、簡単に脱着可能な小さな三脚座は、やっぱりどうかと思いますね。この手のレンズ使っていて三脚座が邪魔だから脱着式にすべきとか言う人はどれだけいたんでしょう?安定性重視の方が多いように思いますが……。

私はサードパーティー製のアルカスイス対応の大きめ三脚座に代えて満足しています。これに慣れると、純正の三脚座は使いたくないですね。

スタジオJin / 【KIRK】レンズフット LP-61

そういった些細な欠点はあっても、このレンズに対する高評価は全く変わらず、最短撮影距離の短さも相まって

超望遠ズームだけど、オールマイティーに使えるレンズ


である点は、一年間使って最も感じてきたことです。

多少重いかもしれませんが、花から(テレコン付けての)月まで広いレンジ、被写体で活躍できるレンズで、ホントお勧め望遠ズームです。

30万円弱は高い!と言われることもありますが、望遠系最新Lレンズの技術、機能を殆ど入れてきていますし、結果を見ても十分価格に見合ったモノを得られていると思いますね。

そんなこともあって来年以降も、主被写体の動きモノはもちろん、どんな被写体でも常用することの多い私のメインレンズの1本であり続けることは変わらないでしょう。





・キヤノン / EF300mm F2.8L IS II USM (2015年も使った度 100点)


キヤノン:EF300mm F2.8L IS II USM|概要

昨年正月に購入したので、使い始めて2年になるわけですが、自分の所有レンズの中で一番信頼置けるレンズであることは今年も変わりませんでしたし、最も使ったレンズでもありました。

前項で「殆ど文句なし」と述べた EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM もメチャクチャ気に入っていますし、良いレンズですが、やはり本レンズはあらゆる点で比べるまでもありません。

単体で使った時の EFレンズ最速の AF速度・精度、線の細いカミソリのような合焦付近の描写からボケの滑らかさ、今年も何度となく雨中で使ってきても揺るぎない信頼性。

ヨンニッパ、ゴーヨン以上の超望遠L単のような大砲ではありませんが、その分、私みたいな虚弱体質でも振り回せる重さと重量バランスの良さ。フードを外せば、150-600ズームどころか 100-400 を伸ばした時より短いコンパクトさ。

ま、そうは言っても焦点距離は足りなくて APS-C 利用だけでなく x1.4 テレコンはかなりの割合で装着しているわけですが、それでも AF速度は(EF望遠ズームでは速い方の)新型 100-400 II より速く、画質も 1/3段絞れば上々、一部の用途以外は安定しています。

私ごときがアレコレ言うレベルのレンズではありませんし、

今後とも自分のリファレンスレンズ


であり、一番使うレンズであろうことは間違いないですね。




以上、前回と併せて、昨年2014年の「お買いものベスト」に取り上げた製品の1年後を記してみました。

去年は色々と買い込みましたが、妥協して買ったというものが少なく、衝動買いや安物買いの銭失いがなかったので、今年になっても概ね買って良かった、満足できる買い物だったなあ〜と思うアイテムばかりでした。

翻って「今年のお買い物はどうだったか?」ということがあるわけですが、次回から書いてみたいと思います。(たぶん)