前編では、発売時から高く評価していたものの1年経って購入して改めて、日常使いカメラとしてのユーティリティー性と画質が高いバランスで実現されているカメラだと実感したことを書きました。

PowerShot G7 X 超いまさらなファーストインプレ【前編】 1年経っても色褪せない利便性と画質の良バランス機

今回は購入から3週間、使ってきて気づいてメモした PowerShot G7 X の良いところ、イマイチなところを列挙しようと思いますが、G7 X の良いところについては前編記事で概ね述べたとおりで、

  • 広角端が 28mm 相当ではなく 24mm と広く、望遠端も 100mm 相当まであるので、普段の「ちょっと入りきらない…」「もう少し寄りたい…」ということが少なくて、日常用コンパクトデジカメとして使いやすい。

  • コンパクトとしては大型の1インチセンサー採用で、時にはコレ一つでいいくらいの画質の良さがある。撮ったはいいが、画質が良くないので帰ってから見返さずに放置ということがない。

  • 大型センサー × レンズ全域で明るい × 手ぶれ補正が十分効く、の三重パワーで、夜スナップも撮りやすく画質良好。


ということで、まずまずの高画質を維持しつつ利便性も確保したコンパクト。

スマホじゃなく、わざわざコンデジを使う/持つ意味のあるカメラ


と感じています。ちょっとくらいの画質差、単焦点で記録スナップするなら iPhone でいいや、と思う昨今でしたが、それを乗り越えるものはあります。

また、G7 X の良さはそれだけじゃなくて、個人的に気に入ってる点を列挙してみますと……




  • フォーカスポイントの自動選択には時折疑問を感じるが、基本的にオート撮影はかなり優秀
    (サッと撮れる必要のあるコンパクトデジカメではコレ大事)

  • オートが優秀だけでなく、P/S/A/M の自分でコントロールできる撮影も可能

  • 画質的に若干気になる部分はあるが、RAW 撮りして現像時に調整すれば多少なりカバーできるのもメリット

  • レスポンスの良いカメラで操作時のストレスが少なく、それだけでも印象は全然違う

  • 背面液晶のタッチ操作のレスポンス、スマホ的操作感も良好

  • ただ、タッチAF は未だに慣れなく、ついつい十字キーでフォーカスポイントを動かしてしまうので、その点でもキヤノンコンパクト伝統の十字コントローラーホイールがあるのは有りがたい

  • RING FUNCボタンだけでなく録画ボタンも任意の機能を割り当てられることができて、2つのボタンをカスタマイズできるのは素晴らしい!
    (現在の割り当ては RING FUNC ボタンは AF フレーム選択、録画ボタンは ND フィルターのオンオフ。将来的に変える可能性はある)

  • 2つのボタンのカスタマイズ割り当てだけでなく、FUNC メニューのカスタマイズ、マイメニューの作成、カスタム設定Cモードなど、カスタマイズ範囲が広く、自分が頻繁に使う機能へ素早くアクセスできるようにできるのは大切
    (グリップやボタン配置などで GR の操作性に追いついたとはとても言えないが、ソフト面では遜色ない)

  • PowerShot S90 の頃から慣れ親しんだコントローラーリング、チルト液晶、露出補正ダイアルは、やっぱり便利
    (コントローラーリングの割り当ては、昔からステップズーム。今回も色々試したがステップズームに落ち着いた)

  • やっぱり Wi-Fi 機能が内蔵されているのは便利だし(今まで GR では Eye-Fi 使ってきたけど、安定さが違う)、こんなもんよりカスタムボタンを増やしてくれと思っていたスマホ連携Wi-Fiボタンは、使ってみると意外と便利だったw

  • マニュアル露出モードで露出補正が効くのは嬉しい

  • 私の使い方では、バッテリーは意外と良く保つ印象
    (背面液晶でちょいちょいと画像再生して、十数枚程度をスマホに転送するくらいなら300枚くらいは十分撮れて、バッテリー1個で丸一日使えるかな?サブ機としてなら十分)

  • 懸案のサイズ・重さは、自分で購入して持ち出しまくっていて、GR を入れていたカメラポーチの殆どに入るので、とりあえず現状は許容範囲内。
    (冬場はコートなどのポケットにも入るし、服が重いので許容できると思うが、夏場は……)

  • センサーがキヤノン自社製じゃないせいか、暗部ノイズの乗り方が EOS よりも割と安心できるw


という感じで、操作性の良さは S90 の頃から着実に進んで、だいぶ熟成されてきたと感じます。(未だにこれは…というのもあるけど)

オート撮影の優秀さもそうですが、コンパクトデジカメはどんなハイエンド機でも“サッと取りだしてサッと撮れる”のが第一だと思っていますので、自分の必要な設定を素早くできることは最重要です。慣れているとはいえ、その点については G7 X は概ね合格点を与えられます。

また、大型センサーゆえの大きめレンズを駆動するのに小さなバッテリーでどれくらい保つのだろう?というのは、自分で購入して使うまでは実感できませんでしたが、旅スナップの1日分(200〜300枚程度)くらいなら保ちそうなので、満足しています。

PowerShot G7 X my testshot 3


今まで書いてきたように、1年落ちモデルとはいえ現役バリバリの性能機能で結構なレベルで満足している G7 X ですが(今秋発売の G5X も中身は殆ど G7X ですしね)、やっぱり不満点はあります。

私が今感じる不満点はやはり寄せられる声が多かったのか、今秋発売の G5 X / G9 X で改善された以下の点

  • PowerShot S90/95→S100 で学習したはずなのに、再びグリップゼロのツルペタボディ

  • 2014年秋発売の上位コンパクトデジカメで、USB充電ができないのは信じられないレベル

  • NDフィルター内蔵は嬉しいが(というより明るいレンズなら必須)、手動オンオフしかなく、シャッター速度が限界超える露出の時に自動的にオンにならない

  • マニュアル露出から星空モードなど色々充実している割には、最大シャッター速度が250秒まででバルブ撮影ができない


これら、特に前3点については、日常的に G7 X に対して残念と思う点です。

(NDフィルターの自動オン設定くらいはファームウェア・アップデートで実現できると思うけど、キヤノンにそれを求めるのは無理だよなあ)

その他、自分で日常的に使い始めると細かい点で気になるところもあります。

  • キヤノンだけど AF が意外と情けなく、良条件下では素早く決まるが、ちょっとしたことで迷うこともが多い
    (EOS M シリーズもそうだけど、キヤノンのコントラストAF は正直イマイチ)

  • Wi-Fi 経由のスマホ連携で、スマホからコントロールできることが少なすぎ、怒りを通り越して笑うレベル
    (露出も含めた設定変更が一切できないので、レリーズ切るのみ。タッチ AF の半押しすらできんのは萎える)

  • HDR撮影モードではコントローラーリングが強制的に HDR 種類を選択するようになるのだけど、シーンモードではナニも割り当てられておらず(ズームに割り当てていても無効)、FUNC メニューからシーン種類を選ぶことになっていて、操作性が統一されていない

  • コントローラーリングのステップズームで焦点距離を変更すると電源入れ直した時にも戻してくれるけど、ズームレバーでの操作の場合は電源入れ直すと 24mm ワイド端のまま
    (設定でオンオフできれば良いのに)

  • ずっと昔から言ってるが、キヤノンのコンパクトは相変わらず FUNC メニューがレリーズ半押しでキャンセルされないのが鬱陶しい
    (メニューはレリーズ半押しでキャンセルされるのに意味がわからない)

  • マイカラーや暗部補正、Dレンジ補正、高感度時NRが JPEG のみ撮影時しか使えず、RAW + JPEG 撮影時に使えないのは大変不便
    (EOS はできるのだから、できないはずはないのだけど)

  • PowerShot G X シリーズはマイカラーじゃなくてピクチャースタイルを導入で良いのではないかと思う(RAW撮影 + DPP なら可能だが)

  • 個人的には露出補正ダイアルはもう少し軽い方が好み
    (軽いと動いてしまうから重くて仕方ないが、ホールドしたまま操作できないので、思ったほど操作しやすくはない)

  • 背面にはサムグリップもあるなどホールディングに全く配慮していなかったわけでないことは感じるが、S90/95 や初代 RX100 同様、後付けグリップは必須
    (G7 X 購入とほぼ同時に後付けグリップも購入して装着した。後日別記事にて)

  • コンパクトデジカメにしてはかなり重く、カメラ使用時に GR や PowerShot Sシリーズより遙かに落下危険性を感じるため、ストラップは従来コンパクトカメラで愛用してきた木製フィンガーストラップ「minimo」の使用は止めて、ハンドストラップないしネックストラップに切り替えた。

  • このサイズでこのレンジのズームを確保したせいか、抜けは今ひとつで、条件によっては(Lレンズと比べると)薄いベールがかかったように感じることも(比べちゃダメだけど ^^;)

  • サイズ的に仕方ないけど線が太め&コンパクトデジカメらしいシャープネス強めなので、割と太いエッジが出ることも
    (RAW 撮影で自分で現像すれば、カバーできる場合あり)

  • AWB に限らず、ちょっと緑かぶり気味になることがあって気になる

  • 1インチセンサー×明るいレンズなのでボケを絡ませることもできるが、中途半端なボケはかなり汚くなるので結構難しい

  • そこそこ寄れるが、近接撮影時の解像感の低下は伝統か?
    (私自身はコンパクトでさほど近接撮影しないけど、近接撮影を常用する人には厳しいかも)

  • ハイライトの飛び方がやや唐突なせいか、滲みで解像感の低い画像になることも

  • 1インチで2,000万画素という 7D Mark II 以上に高密度なセンサーなので、微妙なブレが画質に大きな影響を与えるのを実感しまくり


とまあ、3週間の使用ではこんなところでしょうか。コンパクトだから仕方ない点もありますし、どれも比較的細かい点ではあります。

いずれにせよ、大型センサー×明るくレンジの広いレンズ×しっかりした手ぶれ補正の三拍子で、昼夜問わず気軽に撮れるのですが、G7 X の持つポテンシャルをしっかり引き出そうと思うと、しっかり撮って、時には RAW 現像もしてやる必要があるなあ…と思っています。

もちろん、前述のようにオート撮影の撮って出しでも優秀なのですが、引き出せるものは結構深くまである、という意味で「しっかり撮ってこそ」というカメラでもあると感じています。

ま、気合い入れてしっかり撮るならコンパクトじゃなくてレンズ交換式レンズでしっかりやった方が得られるものが大きいので、G7 X はあくまで気軽に撮るスマホカメラの延長線上で使っていますが、引き出せる余地はしっかり掴んでおきたいものです。

PowerShot G7 X my testshot 2


ということで、発売から1年経って、G5 X / G9 X といった兄弟新機種が出た今なのに敢えて G7 X を買ったわけですが、何度も書いてきたように、

多少の欠点はあれど、発売後1年経ってるのを感じさせない満足度


であります。

GR のように素晴らしいレンズによる描写や、それ以上の絶品操作性と惹きつける何があるわけでもないし、
RX100 III/IV や G5 X のようにミラーレス代わりも視野に入れた EVF 内蔵機でもなく、
RX10, FZ1000, G3 X のような「全部コレ一台」的な高画質×高倍率機でもない。

でも、
そこそこ高画質で、
そこそこ便利なズームレンジがあって、
そこそこ便利な機能と快適な操作性を確保して、
そこそこのサイズな

高いレベルにどれも“そこそこ”良い感じのカメラ


だなあ、と感じます。良い意味での “そこそこ”>G7 X

画質・ズームレンジとサイズ・重さはどうしても比例しますから、そのバランスは難しく、全てを満たすものはないわけですし、画質が良くても LUMIX LX100 くらいまで重くなると自分なりのコンパクトの範疇を超えてしまうので、

G7 X はちょうど自分の求めるバランスに一番近かった


ということですね。買う前に悩んで結局それを思って G7 X にして、購入してやっぱりそうでした。

ただまぁ、重さ・暑さに関しては、冬場と夏場とでは感じ方が違うので、来年の夏にどう思っているか?薄着の季節でも持ち歩く気になっているか?それとも別の方向を模索しているか?というのは、自分でも興味津々であります。

現時点では概ね満足と言うことで問題ありません。発売から1年経ってますが、5万円くらいなら十分納得のカメラですね。