前回記事で GR を手放したことを書きました。大まかな流れとしては
  1. 1年前にミラーレス機を全部手放して、デジタル一眼レフだけの体制にした
  2. 持ち出し時の重量負担を減らすと、被写体の関係で望遠レンズ主体になることが増えた
  3. 標準域のスナップ用途をコンパクトデジカメに任せようと思ったが、広角単焦点の GR だと画角が物足りなくなった

というわけだったのですが、実のところ、GR を手放そうと決めたのは随分前で、夏の終わりくらいには決心しつつありました。

EOS 7D Mark II 発売・購入から1年 【後編】ミラーレス機を捨て、一眼レフだけに戻って1年
GR に別れを告げて

ただ、ミラーレス機も全部手放した上にコンパクトデジカメがなくなるのも困るわけで(PowerShot S100 は未だに使っているけど、外へ持ち出すことはないし、その気にもなれない)、GR を売却するにあたって代わりの「コンパクト」をどうしようかな?と。

GR の操作性を基準にしてしまうと、どのコンパクトデジカメを買ってもすぐに不満が出てくるのは過去に経験済み。近年、RX100、F900EXR、PowerShot N といったコンパクトを買ったものの、長くはもたずに手放しています。

そんな案配なので、

「GR の後釜にコンパクトデジカメを買うのも、すぐに不満が出て手放すリスクがあるかな? 1年ぶりにミラーレス機に戻ってみるかな?」

と思っていました。

GR というコンパクトデジカメの後釜にミラーレス機というのはおかしな話でもありますが、前回記事にも書いたように、「記録写真ならもう iPhone でいいや」という昨今なので、買うならちゃんと撮る感じのカメラにした方がいいかな?と。

そして予算は金欠ゆえ、ちまちま貯めた某所のポイント 4〜5万。なので、当初は


(たまにタイムセールにて 39,800円くらいで売られている)


EOS M2 のダブルレンズキット(標準ズームと定評ある単焦点レンズ EF-M22mm F2.8 の2本セット)を買うつもりでいました。これを推す理由は以下の4点。

  • 発売から時間が経って十分安くなり、ネットなら4万円台前半、店頭でも在庫があれば 5万円くらいで、十分予算範囲内

  • EOS M10 と比べて画像エンジンが古い、液晶が固定、フラッシュ非内蔵という古さはあるものの、画質的に大きな差はなく軽い

  • EOS M2 ダブルレンズキットの2本のレンズは、ともにキットレンズとして定評あるレンズで、昔キヤノンから借りて使った時も印象は悪くない(特に EF-M 22mm F2.8 STM は良かった)

  • EOS M3、M10 のキットと異なり、M2 までのレンズ2本以上のキットにはマウントアダプターも付いてくるので、お得感あり(外部フラッシュも付く)


個人的にミラーレス機には EVF が必須なのに内蔵でもないし追加もできない問題はありますが、安価ですし、将来キヤノンが本気出してミラーレス機を作ってくれた時の準備と思えば…というのがありました。

また、小型のミラーレス機ならマイクロフォーサーズに戻ろうかな?とも思いましたが、せっかく去年マウントを集約したのに、また複数マウント体制にするのは現時点ではないな、と。

そんなわけで、9月半ばくらいには EOS M2 ダブルレンズキットを買う気満々になっていたのですが、EOS M10 が出るまで様子見して、一ヶ月近く買うのを自重しているうちに「本当にミラーレスでいいのか?」と思い直して、結局その結果、やっぱりコンパクトデジカメであり、

PowerShotG7X_01
できれば買いたくなかった? PowerShot G7 X 購入


となってしまいました。



とりあえず、ミラーレス機を止めてコンパクトデジカメへの思い直した理由は、

  • 負担軽減でデジタル一眼レフの標準域レンズを持って行かない時の記録写真用補完カメラと考えると、デジタル一眼レフに加えてミラーレス機を持って行くのでは、負担を増やすだけになる。

  • かといって、現状は一眼レフのボディ2台体制の時に、1台をミラーレス機に置き換えられるわけでもない。

  • そもそも今春 EOS M3 を買うつもりで予約したのに、発売前に実機をさんざん触って買うのを止めたばかり。


ということでした。EOS M3 の時と同様、直前に思いとどまった感。

よくよく冷静に考えてみると、去年ミラーレス機を手放した時、今春 EOS M3 購入を止めた時と何ら状況は変わっていないわけで、

持ち出すことがなくなったから GR を売るのに
また持ち出し率が低くなりそうなカメラを買うのは矛盾してる


と気づいた次第。

今でも、というか、昨年全部手放して以降ずっと、

「やっぱり、ミラーレス機が1つあってもいいかな?」

と思うことは多々あるので、つい欲しくなるのですが、デジタル一眼レフだけに戻ってきて1年経っても「撮りたいもののためには重いのも我慢」できている今の自分では、きっと稼働率は低いでしょう。

とりあえず、EOS M3 断念の時と同様、来年か再来年かにキヤノンがもっと本気でミラーレス機を作ってから、もしくは、自身の身体的問題でデジタル一眼レフが持てなくなってからでも遅くはないですからね。

Abeno Harukas view from the overpass of Kintetsu-mae crossing
(実際は一眼のサブ機というより、ズーム&高画質なスマホカメラ的用途が主)


そして、改めてコンパクトデジカメを買おう、となった際に考えた条件は、
  • 画質的な満足度を考えると 1インチ以上のセンサー搭載機
  • GR を手放した経緯もあるので、単焦点ではなくズーム機
  • 前述のミラーレス機を止めてサイズ/重さ重視なので、大型なレンズ一体式カメラは除外
  • コンパクトカメラはレスポンス重視、P/S/A/M モードは必要だけど、何も考えずサッと撮れるオートの信頼性重要

です。

そうなると候補は必然的に
  • ソニー RX100 シリーズ
  • キヤノン PowerShot G5/7/9 X シリーズ

となりました。このあたりは当然ですね。

当初は、むかし使っていた初代 RX100 の中古が手頃な値段なので買い直そうかと思ったり(知人の写真家さんが最近手ごろな価格で買ってたので思いだした)、同じものを買うのは嫌なので RX100 II にするかと思ったのですが、

  • レンズ交換式カメラの補完カメラとして使うことも多く、併用する場合にはできるだけ色合い、画質傾向が似ていた方が何かと良い
    (EOS と PowerShot は同じではないけれど、キヤノンはレンズ交換式とコンパクトの画質傾向の差が少ない方)

  • ソニーの AWB は(少なくともRX100 II やα7 あたりまでは)たまに大外ししてあまり信用していないが、キヤノンの AWB は信用している。コンパクトは AUTO 系の性能が重要と思ってる。
    (以前、初代 RX100 では EOS との色傾向の差があって、写真を混じらせて扱う時に違和感があった)

  • センサーは同じなので画質の大きな差はないけど、新品価格では PowerShot G7 X / G9 X の方が値頃感がある

  • レンズスペック的に(初代RX100、RX100 II の)28-100mm ではワイド端が物足りないし、(RX100 III, IV の)24-70mm ではテレ端が物足りないが、G7 X の 24-100mm という焦点距離は自分の欲しいレンジに見合うし、レンズも明るい


ということを考えて、今回は PowerShot G X シリーズで行っておいた方が無難、安全牌だな、と。


(RX100シリーズは素晴らしいカメラだけど、併売の旧モデルも高い…)


ただ、問題は

PowerShot G7 X は周囲にユーザーがたくさん居て
おまけに今さら買うのはなぁ


というのが最大のネック。G7 X の良さは判っていても買う気が今ひとつ起きませんでした。(というか、良さげだから周りに薦めて、今の状況がある ^^;)

それに

PowerShot G7 X はコンパクトデジカメとして、いささか重さ、厚さの限界を超え気味

と感じていました。レンズスペック上仕方ないと思うのですが、それがこの1年、G7 X が良いと思っても買えなかった大きな理由でもあり、それがいま変わるわけでもありません。

PowerShotG7X_04
(同根物。正面から見ると大きくないが、厚みと重さがねぇ…)


初代 RX100 の時ですら使っていて、あの厚みと重量感が許せなくなったのに、PowerShot G7 X は初代 RX100 を重さ、厚みとも大きく上回ります。それに自分が耐えられる自信がありませんでした。買った今でもあまりですけど(^_^;)

(それを思うと GR は、初代 RX100 と同程度の重さでも、実にホールドの良いボディ形状とサイズ感、バランスの良い重量感で、重さを感じさせなかった)

ということで、ミラーレス機を買うのを止めてコンパクトデジカメに切り替えてからは


PowerShot G9 X が安くなったら買うか…


と思っていたわけです。(ミラーレス機にはファインダーが欲しいですが、コンパクトデジカメにファインダーは特に要らないので G5 X という選択肢はありませんでした)

  • PowerShot S シリーズと変わらないサイズ、重さで、真のコンパクトデジカメ。これなら気軽に持ち歩けるし、ポケットに入れても負担にならない

  • 発売当初はやけに高いが、スペック的にも立ち位置的にも、そのうちに5万円切るだろ?
    (ってか、スペック的に5万円台ではちょっと……)


と思っていて、しばらく待って G9 X を買うのが最善手かな?と。

でも発売前からキヤノン梅田で G9 X 実機を触ったりしていると、

G9 X を触ると改めて G7 X の良さを感じるなあ…


という思いが出てきて、抑えられませんでした。

night view of Tsutenkaku Tower
(G7 X の望遠側も明るめレンズは、夜撮で手ぶれ防止的にも画質も有利で助かる)


G9 X を触ってみると、1インチセンサー搭載機をあのサイズ・軽さで実現したのは本当に素晴らしいことだと感心します。

ただ、自分の求めるモノを考えていくと、

  • やっぱり欲しい 24mm 相当。28mm という画角は元々好きじゃないし、一眼レフで 24-70mm の標準ズームに慣れていると、G9 X の広角端 28mm は物足りない。

  • 望遠側はトリミングやデジタルズームで暫定対応できても、広角側が狭いのはどうにもならない

  • G9 X の望遠側は少々短い(100mm相当→84mm相当)のは気にならないが、G7 X とはレンズの明るさが圧倒的に違うのでボケや、望遠撮影時のシャッター速度低下や ISO 感度上昇(=画質低下)が気になる。

  • 背面液晶はチルトできた方が何かと便利。主力の一眼レフが2台ともできないので、せめてサブのコンパクトくらいは……

  • “コンパクト”デジカメとして認められる限界スレスレの分厚さ、重さだが、スペックを考えればやむを得ないし、最初にミラーレス機を買う云々言っていたことを思えば十分小さい(^_^;)


ということで、ぐるぐる色々回り道しつつ、結局 G7 X に落ち着きました。

PowerShotG7X_05
(一眼レフで望遠レンズしか持っていかない時の標準域スナップ用には満足)


RX100 シリーズと比較した場合にも「欲しいスペック」を実現しているのが G7 X でしたし、

多少のサイズ、重さは自分の運用で対応できても
スペック上の問題はユーザーで如何ともできない


ことを考えれば、この点は妥協せざるを得ないかな、と。

もっとも、この先、

「長く使っていくうちに G7 X の分厚さと重さが嫌になる可能性もなくはないよなぁ」

というのは覚悟の上。ぶっちゃけて言えば、

「G7 X の厚さ、重さに耐えられなくなったら、G7 X を売って買い替えよう」

という思いです(^_^;)

もちろん、懐具合を考えれば、簡単に買い換えもできませんけど、それくらいの割り切りをもっての購入ということで。

あとは些細なことながら、
  1. 薦めまくった分、周りにユーザーが多い微妙感?
  2. 発売から1年経った製品を今さら買うのもなぁ的な(笑)

という思いについては、

  1. そもそも、この手のコンパクトデジカメは選択肢がなくて、ソニー RX100 シリーズかキヤノン PowerShot G X シリーズのみだから被るのはしゃーないし、自分が周りに薦めた物だからむしろ問題ない。

  2. 1年経った割には値落ちしていないが、そこそこ安くなったし、現状はG9 X より安い(年内くらいはそうなのかも?)


ということで、自分に納得させました。

新製品の G9 X の方がブログネタとしては良いだろうけどなぁ


というのはありましたが、最近デジタルカメラもガジェットというよりは実用品として受け止めているので、自分の用途を優先しました。

それに改めて、G7 X が5万円〜5万円台前半、G9 X が5万円台半ば〜6万円前後、RX100 Mark II が6万円前後という実売値段を見て行くと、厚み・重さ、EVF のことはあるにせよ、

やっぱり PowerShot G7 X って、コスパ良いよなあ


と改めて思うわけで、結局色々考えても予算に限りある身としては、そこに落ち着きました :-D

キヤノン:PowerShot G7 X
キヤノン:PowerShot G5 X/G7 X スペシャルサイト


(Amazonでは少し値上がってるが先日まで、ほぼ5万円で売ってた)