前回記事で EOS 6D / 7D Mark II の GPS 機能、特に EOS 6D で GPS 機能を使ってみた印象について述べました。

EOS 6D / 7D Mark II の GPS 機能雑感

要点としては
  • EOS 6D で位置情報自動更新15秒だと、丸一日ログ記録してバッテリー半分くらいか?
  • EOS 6D の GPS 衛星捕捉速度/精度はまずまず(廉価な GPS ロガーデバイスと大差ない)
  • 7D Mark II は 6D に比べて GPS 衛星の掴みが悪い
  • GPS 機能による自動時刻合わせは複数台カメラ使用時には便利

といったところで、個人的には

「EOS 6D の GPS 機能なら、常用とまではいかなくても、予備バッテリー1個増やして旅先などで使ってみてもええかもなあ」

と感じています。

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(ログ記録が不要なら、更新間隔を下げて使えばバッテリーにも優しい)


前回の記事でも触れましたが、EOS 一眼レフに限らず PowerShot などのコンパクトデジカメを含めたキヤノンのカメラの GPS 機能は、単に GPS 位置情報を写真に付加するだけでなく、GPS ロガーとしてカメラの電源がオフの時も含めて常時位置情報を記録することもできます。

個人的には単体 GPS ロガーデバイスも持っており、普段から iPhone アプリで GPS ログ記録は取っているのですが、GPS ロガーデバイスやスマートフォンに GPS ログアプリを入れておかなくても、カメラ内蔵 GPS でも(旅の)行動を記録することができます。

(GPS ログ記録を取るなら更新間隔は15〜30秒毎くらいにした方がいいでしょうから、GPS 機能によるバッテリー消費量は多めになります。前回記事参照)

EOS 6D / 7D Mark II などキヤノンのカメラ内蔵 GPS で記録したログデーターは、カメラ付属の DVD-ROM からインストールするソフトウェアの一つ、「Map Utility」を利用することで、カメラ内の GPS データーをパソコンへ転送し、位置記録内容を閲覧することができます。

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(キヤノン純正 GPS ログ閲覧ソフト Map Utility)


ちなみに、キヤノンの場合、カメラのシリアル番号を入力することでキヤノンのサイトからインストール用 DVD-ROM イメージファイルをダウンロード可能なので、光学ドライブなしパソコンでも便利になりました。今どき当たり前のことですが、まだできてないカメラメーカーが多いですね。

キヤノン:サポート|EOS Digital Solution Disk Software 29.1A for Mac OS X (付属のCDがご利用になれない方へ)

ただ、

キヤノン純正 Map Utility を利用するためには同時に
Image Browser EX とか使わないソフトも抱き合わせインストール


というクソったれ仕様が大嫌いなので(特に Camera Window というアプリを突っ込まれて、メモリーカードを入れるたびに勝手にソフトが起動するのはホント嫌)、

GPS ログ表示にキヤノン純正 Map Utility は使いたくない


し、いつも使っているソフトで閲覧したいところです。

(Map Utility そのものは別に良くも悪くもないのですが……キヤノン純正ソフトは Digital Photo Professional と EOS Utility、Picture Style Editor だけで十分)

ということで、EOS 6D / 7D Mark II の GPS ログデーターを Mac で処理して、キヤノン純正ソフトではなく一般的な GPS ログ表示アプリで閲覧する手順を、自分用メモも含めて書いておきたいと思います。

概ねの手順としては

  1. EOS 6D / 7D Mark II 内蔵メモリに保存された GPS ログデーターをメモリーカードへ転送する

  2. メモリーカード経由でパソコンへ取り込んだ GPS ログデーターを GPX/KML 形式に変換する

  3. お好きなソフト or Google Maps/Google Earth でログデーターを表示する


となります。


まず、EOS 6D / 7D Mark II の内蔵 GPS で記録したログデーターはメモリーカードに記録されているのではなく、カメラ内蔵メモリに保存されていますので、それをメモリーカードへ転送する必要があります。

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(メニューの GPS → 設定の中にログデーターの転送項目がある)

EOS6D_GPS5
(メモリーカードへ転送すると、そのログデーターはカメラ内蔵メモリから消える)


ログデーターを転送すると、メモリーカードに「数字8桁.LOG」というファイル名で GPS ログファイルができていますので、それをパソコンに取り込みます。(ファイル名の数字8桁は、年の下2桁+月2桁+日2桁+シリアル番号2桁です)

EOS6D_GPS9


EOS 6D / 7D Mark II の GPS ログデーターは NMEA という形式で記録されていますが、取り込んだファイルの拡張子が LOG のままだと NMEA 形式と認識できないソフトもあるので、取り込んだ GPS ログファイルの拡張子を .NMEA に変えておきます

で、この NMEA 形式というのは GPS ログ記録として決して珍しいファイル形式ではありませんが、一般的には
  • GPX 形式:GPS ログデーターの最も一般的な形式
  • KML 形式:Google Earth、Google Maps などで利用するときに使う形式

この2つが今のメジャーだと思いますので、これらを使うのが良いと思います。

よって、GPS ログデーターのファイル形式を変換する必要がありますが、Mac の場合、「HoudahGPS」というソフトを使います。

Free software from Houdah Software

このソフトは GPSBabel という GPS 用コマンドラインツールのフロントエンドで…云々は置いとくとして、GPS ロガーデバイスや GPS の多様なログ形式に対応して色々やってくれる GPS 便利ツールです。

このソフトのインストール方法は上記ページの Download HoudahGPS 6.0 と書かれた部分をクリックしてファイルをダウンロードします。

「HoudahGPS6.0.zip」というファイルがダウンロードされますから、そのファイルをダブルクリックすると「HoudahGPS.app」というアプリファイルが解凍されますので、それをアプリケーションフォルダに入れてやります。Mac のアプリによくある簡単インストール手順ですね。

インストールが終わったら、アプリケーションフォルダから HoudahGPS を起動します。なお、最近の OS X ではセキュリティ設定が「すべてのアプリケーションを許可」になっていないと初回起動できません。

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システム環境設定→セキュリティとプライバシーの画面が上記のようになっている時は、左下の鍵マークをクリックしてパスワードを入れてから、「すべてのアプリケーションを許可」を選択して下さい。

EOS6D_GPS16


その際、警告画面が出てきますが、HoudahGPS の初回起動する時だけ「すべてのアプリケーションを許可」に変えて、一度 HoudahGPS を起動した後は、設定を元の設定に戻して下さい。



で、ようやく本題ですが、HoudahGPS を起動すると最初は GPS ロガーデバイスからログファイルを取り込むモード(Device)になっていますので、Source欄の「File」をクリック選択します。

EOS6D_GPS10


すると、GPS ログファイルを読み込んでファイル形式を変換するモードになりますので、
  • Source 欄の Format を NMEA に
  • Destination 欄の File Type を GPX に

します。(Google Map / Google Earth に読み込ませたい場合は Destination 欄の File Type を KML にします)

そしてウィンドウ左上にある「Convert」ボタンをクリックすると NMEA 形式のログファイルを読み込むためのウィンドウが開きますので、さきほど拡張子を .NMEA に変更した EOS 6D / 7D Mark II のログファイルを選択します。(下記画面)

EOS6D_GPS11


選択して「Open」ボタンをクリックすると、続いて変換したファイルの保存先ファイル名の指定になります。

EOS6D_GPS12


ここで保存先と保存ファイル名を決めてやれば、GPX または KML へ変換された EOS 6D / 7D Mark II 内蔵GPS ログファイルができあがります。



あとは、GPX 形式の GPS ログを表示するアプリを起動して、変換したデーターを読み込むだけなのですが、Mac で GPX 形式ログデーターを表示するアプリは幾つもあるものの、多くは有料アプリだったりします。

Mac App Store - GPX Binder
Mac App Store - myTracks
Mac App Store - Adze Lite
Mac App Store - Adze
Mac App Store - GPX Viewer

無料で使えるのは Azde の機能制約版「Adze Lite」くらいでしょうか。とりあえずこれを使ってみて多くのデーターを表示させたり、GPS データーの編集をするなら他のアプリをあたるのがいいかもしれません。

私は昔から MyTracks を使っているのですが、今は GPX Binder の方が国内だとユーザーが多いのではないかと思います。(私が使い始めた頃はなかった)

EOS6D_GPS13
(EOS 6DのGPSログデーターをMyTracksで読み込んで表示したところ)


「EOS 6D/7D Mark II で記録した GPS ログデーターをちょこっと見るのに金なんて払ってられるかい!」

という人も多いと思いますので、その場合はキヤノン純正 Map Utility をインストールして使うか、もしくは先の HoudahGPS で KML 形式に変換して Google Maps や Google Earth に表示するという手もあります。

EOS6D_GPS17
(EOS 6DのGPSログデーターをGoogle Maps に読み込んで表示したところ)


Google Maps のマイマップ機能は同行した友人など他人に見せることができて便利ですが、セキュリティには注意する必要はありますので、ご利用の際はお気をつけください。

ちなみに EOS/PowerShot の GPS ログデーターを KML 形式に変換することはキヤノン純正 Map Utility でも可能です。ただ、Google Maps / Google Earth で表示するだけなら、先の HoudahGPS で変換する方が無駄なアプリを入れずに済みます。

EOS6D_GPS14
(EOS 6Dの新幹線乗車時トレース。長いトンネルも出て30秒程度で捕捉してる)


以上、適当ながら EOS 6D / EOS 7D Mark II の GPS ログデーターを Mac で処理する場合の個人的手順メモでした。

「バッテリーを無駄遣いする GPS 入れるくらいなら Wi-Fi 入れろや」と言ってる私ですが(6D は両方あり)、バッテリーの問題さえなければ GPS 機能はあって悪くないと思っています。

ただ、常時オンにしているとバッテリーは食うし、普段 GPS をオフにしておいて出かけた先に GPS をオンにするかというと、それも結局忘れちゃうんですよねぇ……。GPS は、なかなかもどかしい機能です。


(EOS MからKiss X7/X8i/8000D/70D/5D3/5Ds/6D/7D/1D X等に使える
外部GPSユニット。なぜか 7D Mark II は外部GPS非対応だけど)