16年ぶりのモデルチェンジが高評価を得ている EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM、購入直後の記事でも書いたように大変気に入っています。旧100-400 から大きく進歩して

  • (少なくとも APS-C では)開放から使える画質(開放F値が暗いだけに必須事項)

  • 超望遠撮影に耐えうる強力な手ぶれ補正

  • サンニッパほど激速ではないものの十分速く信頼できる AF(サードパーティー製超望遠レンズでは得られない点)


という最も重要な3点について十分満足できるものになっています。

発表時の宣伝文句に「EF70-200mm F2.8L IS II USM と同等の高画質」と書かれていて「そりゃ言い過ぎだろ…」と思っていましたが、同等とまで言えるかどうか判らなくても、さほど大げさでもなかったかな、なんて感じるほどです。

EF100-400mmF4.5-5.6L IS II USM testshot (22) with EOS 7D Mark II


また、実際に使っていると、細かなところで以下の点を挙げることができます。




  • 最短撮影距離が半分になって結構寄れるようになったのは、花撮りなどにも使えて万能性が高まり、普段からの使い勝手がかなり良くて、本当に便利ズームになった。

  • 直進式ズームから回転式に変えた分の操作性を確保するために、ズームリングの回転がワイド端〜テレ端間で95度と少ないが、それが直進式ズームと同程度の操作性を実現できているかと言えば、それはない。

  • ただし、トルク調整機能が引き継がれてることと、防塵防滴性能とのバーターと思えば、直進ズームから回転式になったことも妥協・我慢できる。(トルクはもう少し軽くなってくれても良かったけど)

  • それよりもズームリングとフォーカスリングの位置が逆になったので、そちらの方が戸惑う。未だにフォーカスリングを回すつもりでズームリングを回してしまう。EF70-300L に合わせたようだけど、他の全てのレンズと逆なので慣れる気がしない。このレンズ最大の欠点・改悪

  • フードのロックは善し悪し両方があって、正直どっちでも良かった感。

  • むしろ PLフィルター用フード窓が軽すぎて、勝手に開いてしまうことが多く、むしろフィルター窓にロックが欲しかった。このレンズの数少ない欠点の一つ。(PLフィルターを使わない時はテープで留めてますが…)

  • 三脚座はこんなコンパクトで良かったっけ?的な感じで正直不安。ってか、最近キヤノンの望遠レンズの三脚座はどんどん短くなっている気が。まあ、三脚座は Kirk のものに交換予定。(買おうと思っていたら発売直後に売り切れてた……)

  • 望遠〜超望遠L単のように、三脚座を回した時に90度毎のカチッと物理的に判る区切りが欲しかった。

  • 少し大きく重くなったが、相変わらず 70-200mm F2.8 クラスのレンズと大差ないサイズ/重量なので、カメラバッグに入れやすいし、虚弱体質な私でも長い時間振り回していられる。(この点はサードパーティー製 500〜600mm クラスの超望遠ズームレンズと異なる大きな利点)

  • 手ぶれ補正は強力だが、APS-C で 640mm 相当ともなると手ぶれ、ピントに気をつけないと、ダメ写真を量産することになる。


細かい点も含めて、これくらいでしょうか。7D Mark II で Extender EFx1.4 III を付けても AF を含めて実用的に使えることは(画質的には1段〜1段半絞る必要あり)、以前の記事で書きました。

400x1.4x1.6 = 896mm 相当の徒然(7D Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM + EXTENDER EF1.4x III)

もちろん、望遠〜超望遠単焦点レンズと比べれば “超望遠便利ズーム” として妥協せざるを得ない点はあるにせよ、純正超望遠ズームレンズとしてお金を払った分はある、と感じています。

Snap at Tokumitsu P.A., Hokuriku Expwy 2015.2.20 (5)


初代 5D がどうしても使いたくて EFマウントへ移行した時、5D とともに使ってみたかったレンズが先代の EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM でした。長く使っていたのですが、シグマ 50-500 などを買った後に売ってしまったのは結構後悔していました。

それだけに後継モデルが出るのは一日千秋の思いで待っていましたから、発表即予約で購入しましたが、ホント買って良かったな、と思っています。

前述したように最短撮影距離も短く、超望遠ズームレンズではありますが使い勝手が良いので、

とりあえず持って行く望遠ズーム
とりあえず付けっぱなしにしておく望遠ズーム


というように、普段使いレンズとしては装着頻度、持ち出し頻度は高いレンズになっています。

散歩レンズというには大きく重すぎますが、フルサイズ機なら EF24ー105mm F4L IS USM との2本で 24mm から 400mm をカバーできますし、APS-C 機なら EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM との組み合わせで 29mm 相当から 640mm 相当までカバーできるメリットは大きいです。

個人的には、「標準域の小さな単焦点レンズ数本にこの新100-400 II という組み合わせ」で出かけることも多くなっています。スナップ+望遠の気軽な?組み合わせ、ですね。

Expo '70 Park 2015.3.10 (17) Ume blossoms


反面、当初考えていた、「動きモノを撮るための超望遠ズームレンズ」としての撮影比率はそう高くなっていません。新100-400 購入後も、撮影対象が決まっていると、サンニッパ(+テレコン)や 70-200 を持って行くことの方が多いですね。

そんなわけで、100-400 を普段使いレンズとしてはよく使うものの、動きモノ相手の持ち出しが思ったより多くなっていない理由を後編で触れてみます。