一月は行く、二月は逃げる、三月は去る。の三月になってしまいましたが、当方は既にもう花粉症でガッツリ辛い状況なので、とにかく春は大嫌いです。梅が咲こうが、桜が咲こうが、諸々花の季節だろうが、暖かくなろうが大嫌いです。

春は黄砂も多く、冬の澄み切っていた空が濁るわ、陽炎はキツくなってくるわで、ホント早く秋が来て欲しいです。昨今暑すぎる夏も要らないですが(今年も猛暑予報…)、とにかく春は辛いだけです。

とまぁ、そんな中ですが、昨日 GR をふと使いながら「そういや、そろそろ現行 GR も2年になるなあ。今春モデルチェンジするのかなあ?」と。



今の GR は相当に気に入っている分、かなり酷使しているので、レリーズなどに修理が必要な状況になっていますし、たぶんオーバーホールも必要でしょう。

EOS と違ってシャッター回数をきちんと把握していませんが、この2年近くで数万は行っています。連写はブラケット撮影時以外全くしませんが(そういうカメラじゃないし)、何気ない日々のスナップ中心によく撮ってきましたからね……

カスタムパーツも購入して自分だけの GR 度は高まっているだけに、愛着度は高いものがあります。昨年末も PowerShot G7 X が気に入って買おうかと思いましたが、GR という存在がそれを邪魔しました(笑)

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いずれにせよ、富士フイルム DS-7 以降、過去に多くのコンパクトデジカメを購入して使ってきましたが、

2年経ってもこれだけ気に入ってるコンパクトデジカメは初めて


ですね。初代 GR Digital も好きでしたが、こんなに長く愛着は続きませんでした(^^;)

長く使っているコンパクトデジカメとしては PowerShot S100 がありますが、こちらはもう持って出ることはなく室内ブツ撮り専用になっていますし、現行GR と S100 以外で2年以上使ったコンパクトデジカメは、かの昔の CyberShot F707 くらいですから、これほど長く常用カメラなコンパクトは初めてです。

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そんなわけで、今春新しい GR が出ても、よほど驚きと魅力があるものでない限り買い替えるつもりはなく、今の GR を修理して長く使おうと思うくらいです。

現行 GR の時は、従来のコンパクトデジカメ向け極小センサーから一気に APS-C センサー搭載!というエポックメイキングな変化があったわけですが、正直なところ

次の GR って、何を改良するつもりなんだろ?想像つかないなあ


とも思ったりしますしね。

「次期 GR はフルサイズ化」などという根も葉もない噂も目にしましたが、別にフルサイズ化したからといって、魅力が増すかなあ?サイズがこれ以上大きくなったらむしろ悪化だろ…と思う私ですので、買い換え動機が起きるような次期 GR は想像がつきません。

それくらい今の GR は手にフィットしているし、

サイズ感と操作感と得られるクオリティのバランスが最高


だと感じています。
  • GR 伝統のグリップ感の素晴らしさ
  • グリップしたまま右手だけで多くの設定変更が素早く行える極上の操作性
  • それでいてカスタマイズ性の高さ
  • ハイエンドコンパクトがどんどん重くデカくなる中、本当にポケッタブルで軽量な「コンパクト」さ
  • (サイズの割には)APS-C センサーに負けない良レンズ
  • Eye-Fi カード利用への配慮が他のカメラと比べて断トツに良い
    (カメラ側で Eye-Fi の全転送と選択転送が切り替えられるカメラは他に殆ど見ない)

すぐに文句が出てしまう私でも、未だに欠点より褒める方が先にたくさん出てくるカメラです。

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ただ、それでも、この2年間使ってきての不満はないではありません。概ね購入直後から感じていたことと同じですが、

高感度画質と AF は、もうちょっと……


という思いは今でもあります。2013年当時としても APS-C 機としては高感度画質はもう一声頑張って欲しかった印象でした。

それまでの GR Digital に比べればすこぶる良くなっていますし、日々のスナップで使う分においてそこまでの画質を求めることも少ないのですが、他のミラーレス機と併用していると少し気になっていましたし、今も時々感じることはあります。

また、高感度画質より大きな不満があるのは AF。こういうカメラですから AF速度は望んでいません。ただ、他社カメラと比べると、ちょっとしたことで合焦しないことが目立つのは、今でも GR での一番のストレス要因。

照度が少しでも低いと顕著ですが、低照度じゃなくても、

「え?何でコレに AF が合焦してくれないの?」
「合焦音が鳴って撮ったのに、あとから見たらどこにもピントが合ってなくてピンボケ」

ということは少なくありません。点光源が入っていると、合わない場面が多いと感じています。

リコーの AF に期待しすぎは禁物であることは判っていますが、スナップ用に 3m などの固定ピントがサッと選べる GR ですが、今どきのデジカメなら

「最強スナップカメラだけに、サッと AF 合焦、サッとレリーズというリズムは欲しいよなぁ」

という思いは強いですね。(現行 GR 開発時と違って、今はペンタックス部隊がメインでしょうから次期モデルでは違うカモデスが)

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また、AF がイマイチ駄目な時には MF でピント合わせする時もあるのですが、

GR の MF って意外とやりにくい


というのもあります。

ピーキング機能は4種類も選択できる割にはどれも他社と比べて使いづらい感がありますし、MFアシストの拡大設定もそれを設定するまでに2アクションも必要。決定的なのは、フォーカス調整がマクロボタン+前ダイアルという使いづらさ。

素晴らしい操作性が持ち味の GR でも、マニュアルフォーカス周りだけは無理がありますし、AF がもう一つなだけにこの点が使いづらいのは、使うたびに、うーーーん……という感じです。

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ま、そこらへんを鑑みるに、個人的に次期 GR へ望むことがあるとしたら、

  • センサーやサイズ感、重さは現行維持
    (サイズ、重さはむしろ減らせれば減らせば差別化)

  • 高感度画質と AF 速度/精度を 2015年レベルに
    (統合した PENTAX の技術を存分活かして欲しい。画面内に点光源がある時や低照度時のAF改善)

  • アダプター装着が GR の持ち味なのでコントロールリング追加は難しいかも知れないが、コントロールリングか類する操作系の追加

  • 背面液晶のレベル向上(チルトは欲しいが分厚くなるだろうから…)

  • 今どきの Wi-Fi 対応

  • できれば前ダイアルをもう少し質感ある回しやすいものに


といったあたりでしょうか。

これくらいしか望むところはないのですが、じゃあこれが実現されたら買うか?というと、ぶっちゃけそれは微妙なところで…やっぱりまた10万弱出すとなると厳しいところで、

良いカメラだと思うが、もう少し安くならんとなぁ


というのはありますね。人に勧めたいカメラだけど、値段を考えると安易には薦められず。

GR Digital の頃もコンパクトデジカメとしては高かったものの、手の出る、背中が押せる値段でしたが、現行 GR の発売時期の価格は、なかなか厳しいものでした。私含む惚れて買うしかない人には関係なかったですけれども(^_^;)

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GR 購入から1〜2ヶ月の頃に書いた↓記事

改めて GR セカンド・インプレッション【操作性/後編】〜操作性は満足とはいえ、改善要望点も
改めて GR セカンド・インプレッション【画質編】〜画像エンジンはもう一声頑張って!

にて色々と改善要望点を述べましたが、このうち RAW+JPEG 撮影画像の RAW/JPEG の選択削除とか、Pモードのプログラム線図はファームウェア・アップデートで機能追加されました。他にも細々と機能追加はあって、この2年間の GR のファームウェア更新には一応満足しています。

ただまぁ、「機能追加はあれど、画質や AF といった基本部分の向上はあまりなかったよなぁ」という思いがないではないですが、これは高望みというところでしょうか。

いずれにせよ、現行 GR は2年近く経った今も愛着のある、そして頻繁に持ち出す、日常スナップ機としては高いレベルで満足できるカメラです。

コンパクトデジカメとしてはやや大きめであっても、一眼レフやミラーレス機を持ち出せない時には撮影画質への妥協がないコンパクトとして持って行けますし、望遠〜超望遠主体の一眼レフ体制の時のスナップ撮影にはピッタリです。

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発売開始から時間が経った分、今だとそこそこ値下がりして買いやすくなっているので、意外とお薦めできるかも知れません。今でも十分現役バリバリ使えます。が、新モデルが数ヶ月内に出てもおかしくないというジレンマ(^_^;)

フルサイズ化という噂はどうかと思いますが、個人的には 35mm F2 相当になればちょっと真剣に考えることになるでしょう。ただ、GR が 35mm というのも想像できないことなので、不満はありつつも現行 GR を使い続けていくのかな、と思います。