年の瀬もいよいよ大詰めになってきたと言うことで、今年のまとめ記事なんかがウェブメディアや各ブログなどでも数多く見られる頃合いですが、私めも始めていきたいと思います。

以前は有料無料問わず数多くの新しいアプリを試していたのですが、ここ数年はすっかり落ち着いてきました。画期的というか目新しいアプリもそう多くは出てこなくなりましたし、何よりもゲームをしなくなった(する時間がなくなった)ので、ゲームアプリは全スルーになりました。(プレイしたいけど…)

そんなわけで、近年は新しいアプリを使い始めると言っても、新OS に対応しきれなかったアプリを同種のものに入れ替えたり、ちょっとお試し程度が多く、あまり新しいアプリをピックアップすることもできない昨今です。

特に、サブ機扱いの Android についてはインストールするアプリを減らす方向にありますし(インストールするだけでバッテリに影響するアプリも多いですし)、iPhone も日常的にいつも使うアプリはほぼ変わっていない 2014年でした。

その中で iPad については、前回記事でも触れたようにメインタブレットの座を iPad Air で取り戻したこともあり、それなりに新しいアプリを導入して愛用しています。

私の場合、タブレットは閲覧専用端末ではなく “何かをする、入力する” デバイスであるだけに、作業環境として快適さや便利さを求めてまだ色々とアプリを物色する余地はありますし、2014年になってもアプリ環境に変化はありました。

そんなわけで、2014年の “新しく使って良かったアプリ” を、iPad アプリを中心に、以下紹介していきたいと思います。



▼ KORG Gadget

KORG Gadget App
カテゴリ: ミュージック
価格: ¥3,000


タブレット用音楽アプリの歴史は iPad の歴史と言っても良いくらい密接な関係があり、Android 端末が iOS に全く追いつけていない分野の一つですが、今年の音楽制作系アプリの代表例の一つと言って良いのが、この「KORG Gadget」ではないかと思います。

端的に言えば、アップルが事実上無償提供している「GarageBand」の KORG 版とも言うべきもので、様々な音源を内蔵した音楽制作 DAW (Digital Audio Workstation) アプリですが、老舗楽器メーカーでありタブレット用音楽アプリを早期から作っている KORG の集大成的アプリで、「おー、この値段でここまでー」という内容です。

基本的にはダンスミュージック志向の音源が中心ですが(その割にはサンプラーモジュールはアドオンだけど)、最近リリースされた KORG Module の楽器を見てもジャンル問わず使えると思います。(アプリの UI の好き嫌いはあると思いますが)

アップル純正の Garage Band は無料であり、私みたいにお遊び程度でポチポチやるなら GarageBand で十分ですが、有料だけあって音源の質は一枚上ですし、昔から DAW に馴染みのある人は GarageBand より取っつきやすい気がします。(逆に DAW に馴染みのない人は GarageBand の方が取っつきやすいかと)

アプリだと 3,000円でも高いという人がいますが、この内容でこの価格というのは破格だと思いますが、iOS の場合は GarageBand がありますので、それに飽き足らなくなった人もしくはパソコン上で ableton live を使っている人向けなのは間違いありません。

私の場合は、まぁ KORG が好きなんですよね。一番最初に買った楽器、シンセサイザーが Polysix でしたからねぇ。

KORG Gadget for iPad MOBILE SYNTHESIZER STUDIO | Software | KORG



▼ Pixelmator for iPad

Pixelmator App
カテゴリ: 写真/ビデオ
価格: ¥1,000


Mac 用ペイントソフト、レタッチソフトとして有名な「Pixelmator」の iPad版ですが、パソコン用画像処理ソフトはずっと Adobe の奴隷ですので、Mac版 Pixelmator は使っていません。

ただ、iPad でコレ!というレタッチソフトがなくて困っていて、Adobe のレタッチアプリは出すものどれも不安定かつ機能的に微妙で使えないし(数千円で良いから本気のものを作って欲しい)、Snapseed は Google 買収前から使っていますが画像縮小はできないし、Photogene などのアプリは画像縮小など基本的な処理が粗いものが多く納得できていませんでした。

タブレットでのレタッチなんて簡易なものしか求めてないので、色温度の調節や画像縮小やアンシャープマスクを丁寧にやってくれて、アプリが頻繁に落ちないだけで良いのですが、なかなか求めるアプリがなく、Pixelmator もあまり期待せずに買ったのですが、これはなかなか使えてます。

本来 Pixelmator はペイント(お絵かき)アプリでもあり、レタッチアプリとしてだけ使うのは機能の半分も使っていないのですが、それでもほぼ満足しています。まあ、メニュー項目が上下方向スクロールで見通しが悪いのはどうかと思いますが、iPad では出来の悪い Adobe アプリよりずっとマシです。

画像系アプリとしては決して安くない価格ですが、今後アレコレと画像処理アプリを探さなくても良いと思えば&出力画像の質にガックリしなくて済む&ペイントアプリも買ったと思えば、十分納得できるお値段ですね。

Pixelmator for iPad



▼ mazec for iOS

mazec - 手書き日本語入力ソフト App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: ¥500


以前紹介した手書き文字入力アプリ。iOS 8 でアップル純正以外の文字入力手段が開放されたことによるサードパーティー IM アプリの一つです。iPhone でも使えますが、文字入力エリアの広い iPad でのみ使っています。

仮想キーボードに慣れられない人も、慣れている人も試す価値ある日本手書き入力 mazec for iOS
私が mazec for iOS を iPad で愛用し、薦めたくなる三つの理由

感想については上記記事で散々書いたので割愛しますが、最近のバージョンアップで絵文字対応、自作文字?対応もされるなど、iOS の手書き文字入力アプリとして完成度が高いアプリです。

外部キーボードや仮想キーボードを使うことが多く、Mazec の使用頻度はそう高くないのですが、考えをまとめながら文章を書くときや仮想キーボードに疲れた時には Mazec の存在が助かっています。

個人的には「今年一番素晴らしかったアプリで賞」をあげたいですね。

スラスラ書いて、サクサク変換。iOS 8のあらゆるアプリで使える手書き日本語入力ソフト「mazec(マゼック)」



▼ Adobe Lightroom mobile for iPad

Adobe Lightroom App
カテゴリ: 写真/ビデオ
価格: 無料


それまで色々出してきた Adobe の Photoshop 何たらというアプリが全部ウンコだったり、Lightroom や Photoshop 単体ソフトを持っていても使えず、月額 980円からの Adobe CC または写真家プログラムに加入しないと使えないアプリということで、長年 Adobe ユーザーの私もリリース当初は全くのスルーでした。

が、色々あって Lightroom を再導入するにあたり、Photoshop CC 込みで Adobe 写真家プログラムを契約したので、この Lightroom mobile も使ってみたのですが……大当たりでした。

Lightroom と名乗っているものの、基本的にはパソコンの Lightroom の補助アプリであり、このソフトだけでは殆ど何もできませんし、先に書いたように Adobe の月額契約が必要です。ただ、

Lightroom との連動で、快適な写真セレクト環境をモバイルで可能に


したことは素晴らしいですね。

写真撮影後の取捨選択作業を iPad である程度できるようになり、移動中やちょっとした待ち時間に作業可能になったのは私の写真作業フローを大きく変えました。写真の取捨選択とトリミング&斜めった写真の補正くらいは iPad で済ませることができるので、効率はかなり上がりました。(色や明度の補正、シャープネス処理は iPad では不安なのでできないけれど)

Lightroom mobile で写真を取り扱いには原則として Lightroom に写真を取り込んで同期処理をクラウドへアップロードしなければならず、その処理にやたら時間がかかる(千数百枚で数時間)のは大きな不満ですし、iPad で取り込んだ写真の取り扱いももう少しスマートにできればいいのですが、Lightroom の補助デバイスと割り切れば満足の出来です。

iPad Air、Air 2 では突然落ちることもなく安定感もあります。iPhone では画面が小さいので Lightroom for iPhone は殆ど使ってなく iPad だけで使っていますが、今年一番自分の作業フローを変えたアプリと言っても良いでしょう。

そういう意味で「今年一番愛用した新しいアプリで賞」です。お買い物ではないので、今年のお買い物ベスト10には入れませんが、入れるとしたら上位に入っていたくらいですね。

Adobe 写真家プログラムの月額費用も Lightroom mobile を使う前は「なんだかなー」気分もありましたが、このアプリが使えるなら月千円くらいは惜しくない、そう思えるほど、もはや私にとっては欠かせないアプリになりました。

Lightroom mobileをダウンロード | Adobe Lightroom mobile



▼ Workflow

Workflow: Powerful Automation Made Simple App
カテゴリ: 仕事効率化
価格: ¥300


一般的な言葉で言うなら「作業自動化アプリ」とでも言いましょうか。用意されたパーツを組み合わせ、カスタマイズし、スクリプト的な処理も含めて、一定のルーチンワークを記憶して呼び出せるアプリ。Mac でいうところの Automator の iPad版。

私自身まだあまり使い込んでいないのですが、「iOS でもこういうアプリが出てきてくれたか〜」という感じのアプリ。過去にも似たようなものがなかったわけではないですが、これは最初から完成度高いですね。日本語文字列を絡ませるとアプリが落ちることが多いなど、まだまだ未熟な部分は多いですが、気を付けて使えば今でも十分実用的です。

というか、誰もが簡単便利に使うアプリではなく、判っている人、このアプリの良さが判る人だけが使うアプリだと思うので、そこをはき違えてると「このアプリ使えねぇー」となってしまいがちです。

今後はマルチランゲージへのしっかりした対応とモジュールの増加を期待したいですが、とにかくまず自分がコレを使いこなしたいですね。

Workflow | Powerful automation made simple.



▼ クーポンスイッチ for BB.exciteモバイルLTE(非公式)

クーポンスイッチ for BB.exciteモバイルLTE(非公式) App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: 無料


タブレットやサブのスマートフォンなど複数枚のデーター通信 SIM を安価に使いたいと思った時にベストの選択肢とも言えるのが「BB.excite モバイル LTE」。2枚目、3枚目の SIM を維持する料金がかなり安い MVNO プロバイダ。(ライバルは1年縛りだけど hi-ho)

IIJ 系回線ということもあって安かろう悪かろうということはなく、データー通信専門ながら(SMS対応は可)プランも豊富で、SIM 毎の高速通信利用の ON/OFF、高速通信容量の追加購入など、基本的なサービスは一通り揃えているのだが、最大の弱点は「公式アプリが存在しない」こと。

こういった MVNO SIM を使う場合、SIM 毎の高速通信利用の ON/OFF 切り替え、高速通信容量の残量確認を行うことは少なくないので、その度にいちいちウェブサイトへアクセスしてログインするより、アプリでサクッと確認・設定できた方が良い。

公式アプリがなければ非公式で、というのは世の常、スマートフォンアプリが生まれてからの常。最初に MVNO 公式アプリを出した IIJmio だって、最初は「みおぽん」という非公式アプリにみんなお世話になっていました。

そして BB.excite モバイル LTE でも非公式アプリを作ってくれた方がいて、ずっと Android アプリのみでそちらを愛用していたのですが、今年になって iOS 版もリリースされた。感謝感謝であります。(hi-ho は非公式でも切り替えアプリないしね)

殆どの人には無用でしょうが、BB.excite モバイル LTE を利用する人には欠かせないアプリと言うことで、2014年リリースで一番有り難かったアプリの一つです。

格安SIMカード(NTTdocomo)ならBBエキサイトモバイルLTE



▼ Tweetlogix for Twitter

Tweetlogix for Twitter App
カテゴリ: ソーシャルネットワーキング
価格: ¥300


iOS の Twitter アプリと言えば、公式アプリを除くと今は Tweetbot が一番人気でしょうし、私も長いこと使っています。(その昔は Echofon Pro とかいう長年のユーザーを馬鹿にしたアプリを使ってましたが)

ところが、iPhone 用 Tweetbot は Tweetbot 3 という新しいアプリになって買い換えの必要はありましたが、iOS 8 にキッチリ対応し、Twitter の最近の仕様(画像の複数枚貼り付け)などにも対応しているのですが、iPad 用 Tweetbot は完全放置プレイ。

iPad 用 Tweetbot も更新したいと思ってるけど他が優先だから……という開発者の言葉が載ったのが1年くらい前だったでしょうか。さすがに忍耐の限度を超えました。もう iPad 用 Tweetbot を使っていると、色々不便すぎます。

昔から Twitter アプリは有料無料多くのアプリを買ってきましたので、温故知新という感じで、むかし使っていたアプリの最新版を片っ端からダウンロードして iPad 用 Tweetbot の代替アプリとして試していたのですが、結局残ったのがこの Tweetlogix でした。

この Tweetlogix は iOS 用 Twitter アプリなのにプッシュ通知非対応という致命的欠陥があるので、Tweetbot の代わりに使うのは悩みましたし、完全な Tweetbot の代用にはなりません。ですから、Tweetlogix は iPhone/iPad 両方で使えるユニバーサルアプリですが、使っているのは iPad のみ。iPhone で従来通り Tweetbot 3 です。

(Tweetlogix には Android の Twitter アプリと同じバックグラウンド更新機能はありますが、それでは iOS を使っている意味もないし、バッテリー消費に悪影響がありますから論外です)

iPad で Tweetlogix を使うとしてプッシュ通知を受けるためには、公式 Twitter アプリを入れるか、Boxcar のような通知アプリを入れるかですが、私はどちらも入れず、iPad では Twitter のプッシュ通知を受けない、という判断にしました。iPhone で Twitter のプッシュ通知を受けているので、iPad でなくてもまあいいか、ということです。

Tweetlogix 自体は私が必要とする、複数アカウント対応、リストがすぐ表示切り替え可能、Instagram など各画像サイトの複数枚インライン画像表示、Instapaper 対応、非公式 RT、会話ビュー表示といった点をサポートし、Tweetbot から乗り換えても(プッシュ通知がないのを除けば)機能的には不足を感じません。

特にリストを多用する人にとって、 tweetbot 3 でリストへのアクセシビリティが落ちたので Tweetlogix の方が使いやすいでしょう。Tweetlogix はリストメインの使い方も可能です。

ただ、添付画像を拡大表示させた時に画像タップで timeline へ戻れない(左上の Done ボタンをタップする必要がある)、複数枚添付された画像を見るのに、いちいち timeline へ戻って別の画像をタップし直さなければならない(公式アプリや Tweetbot ならスワイプで画像移動できる)など、細かい UI はこなれてない感じがあります。

それでも Tweetlogix は、プッシュ通知さえ実装されれば Tweetbot と同じくらい人気が出てもおかしくないアプリだと再認識しました。少なくとも iPad で我慢して放置プレイの tweetbot を使うよりずっと快適ですね。

Onloft Software



▼ Microsoft Word, Excel, PowerPoint

Microsoft Word App
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料

Microsoft Excel App
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料

Microsoft PowerPoint App
カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料


今年の iOS アプリでエポックメイキングだったことの一つが、国内でもマイクロソフト・オフィスの iPad版が使えるようになったこと、Office 365 の契約を結んでいなくても(機能限定ながら)利用可能になったことでしょう。

もちろん、これで「ノートパソコンが要らなくなった」なんてことはないわけですが、iPad でカバーできる範囲は広がったのは間違いありません。客先からのメールに添付されてきた Excel, Word, Powerpoint 書類を開いても、かなり再現性が高まりました。

Apple の iWork (Pages, Numbers, Keynote) も使えるアプリですが、世の中の標準は Microsoft Office。業務的には iWork も Google Docs もニッチであり、Microsoft Office を使わなくて良い仕事環境ならともかく、そうでないなら仕方なくの代替アプリにすぎません。特に PowerPoint 書類は、代替アプリで開いた時の再現性が酷いものでした。

また、従来から提供されている iPhone版では小さな画面で書類をまともに見通すのも難しかったので、画面の広い iPad版 Microsoft Office が日本でも使えるようになったのは本当に有り難いことですし、助かります。

マクロが使えないことを始め、パソコン版 Office と比べるとかなりの機能縮小版ですが、書類の閲覧と下書き作りにはまずまず使えるので悪くありません。ノートパソコンでなくタブレットで使うなら、どこかで妥協は必要ですし、アップル純正 iWork のパソコン版と iPad版の機能差に比べれば、マイクロソフトの方が良心的と思うくらいです。

いずれにせよ、マイクロソフト純正の Office アプリが iPad でも使えるようになったのは、iPad が実用道具として大きく一歩前進した感はありますので、間違いなく 2014年に(国内)リリースされて良かったアプリですね。

(なお、OneNote は Windows タブレットでは愛用していたのですが、Windows 版以外はコア機能の手書きメモなどの機能が削られているので、使わなくなりました……)

モバイル デバイス、iPad、iPhone、Android、Windows Phone 向けの Office



というわけで、有名アプリが多く並んだようにも思いますが、こと iPad に関しては今年リリースされたアプリを中心に、ある程度常用アプリが変わりました。

(上に挙げたアプリの中にはユニバーサルアプリや iPhone用アプリがあるものも多いのですが、iPhone でも常用しているアプリは「クーポンスイッチ for BB.exciteモバイルLTE」だけです)

最近はあまり目新しいアプリはない、と言いつつも「Workflow」は iOS で新たな可能性を感じるアプリですし、Adobe は糞アプリばっかり出しやがって〜という思いも「Lightroom mobile」で見直すことになったりと、振り返ってみるとアプリ周りでも色々あった印象です。

それでも、「Feedly」「くるまきカレンダー」「GoodReader」「Any.do」「Enpass」「MapFan+」「Google Map」「そら案内」「iTextPad」「Testastic」「Flickstackr」「iSSH」「iTeleport」……といった常用アプリの多くは変わっていません。あ、GoodReader は指紋認証対応があったので GoodReader 4 に買い替えましたけど。

いずれにしても、常用アプリのそれぞれの用途については、現状のアプリでだいぶ満足しているので、今後も大きく変わることはないと思います。ToDo アプリの Any.do は変えたいと思っていますが……

ま、そんなこんなの「だぶる☆えっち的 2014年新アプリ 十選」でありました。次回記事からは、今年の「だぶる☆えっち的 お買いものベスト 2014」を紹介していきます。