少し間が空きましたが、前々回の記事「仮想キーボードに慣れられない人も、慣れている人も試す価値ある日本手書き入力 mazec for iOS」の続きです。

スラスラ書いて、サクサク変換。iOS 8のあらゆるアプリで使える手書き日本語入力ソフト「mazec(マゼック)」

前々回の記事では mazec の良い点、期待してはいけない点を端的に書きました。特に、入力速度に期待して使うものではないことは散々強調しましたが、今回も冒頭にしっかり書いておきたいと思います。

mazec は慣れれば(+字形学習が進めば)かなりスムースに手書き入力できますが、手書き+変換・確定処理がある分、外付けのハードウェア・キーボードはもちろん、仮想キーボードと比べても入力速度は落ちます。

また、タブレットならともかく、画面の狭い iPhone 5s では文字入力エリアが小さすぎて正直言って使い物にならない、と思っています。(iPhone 6 の横書き、6 Plus くらいなら使えるかもしれないし、使っている友人知人はいますが……)

mazec_iPad13


それでも、仮想キーボードやフリック入力に慣れられない人にはピッタリで、年老いた両親は以前から iPad / iPad mini を使っているものの、ほぼ完全に閲覧用途のみでしたが、mazec を使うことで簡単なメッセージ入力くらいはするようになりました。(iOS は音声入力もあるので、そちらを気に入ってますが :-)

また、仮想キーボードには十分慣れていると自負している私ですら mazec を愛用して、手書き入力を仮想キーボード入力と併用しています。その主な理由は、以下の3つです。



(1) mazec 手書き入力では仮想キーボードでありがちなミスタップがなく、ミスタップ修正によるストレスが発生しない

仮想キーボードをメインに使っていても、ミスタップ修正などで疲れた場合に mazec 手書き入力に切り替えることで気分転換になり、入力作業を継続していける。

また、電車やバスの揺れる車内で仮想キーボードを使っているとミスタップの頻度が高まるので、そういった場合にも有用。(この場合はスタイラス必須だと思うが)


(2) 思案しながら書く場合は、キータイプよりペン代わりのスタイラスで文字入力していく方が考えをまとめやすい気がする

これは極めて個人的な感じ方ですが、考えをまとめながらメモ書きしていくような場合にはキーボードより自分で文字を書く方が良いかな?と感じています。

変換・確定作業は mazec にもあるので、その作業が思考を阻害するのは変わりませんが、文字を書いていくのとタイプするのは、同じ文字入力という作業でもどこか脳味噌から入力までの過程が違うように感じています。

もっとも、これは私がキーボードに慣れ親しんでいるとはいえオッサン世代であるからで、キーボードネイティブ、タッチパッドネイティブな世代は全く感じ方が違うと思います。


(3) mazec は単純な手書き文字認識ではなく、快適に入力できるための補助的な機能が備わっている

今までに説明してきたように mazec は単なる手書き文字認識入力システムではなく、ひらがな混じりで入力して(ひらがなだけでも可)それを漢字変換することができます。

画数が多くて手書きが面倒な漢字、分からない漢字、自信のない漢字は、ひらがな入力して変換すれば良いのは、手書き入力のストレスを軽減してくれるポイントの一つです。

純粋な漢字変換の精度については ATOK など変換精度を売りにする IM と比較するといささか厳しく、「この連文節で何故一番手に出てきても良い候補が全く出てこないの?」といったことはありますが、推測変換もありますから慣れてくれば、推測変換を上手く使って文字を書く量を減らすことも可能です。

文字と文字の分かちの認識ミスも慣れてくれば、さほど手間なく修正できますし、字形の学習効果についてはあまり期待していなかったのですが、誤認識した場合も候補表示の中から選んでいくことで自分の癖が学習され、2ヶ月も使ってくると初期の頃とは認識率に差があるように思います。

文節区切りやり直しの手間など幾つかの点でもどかしさを感じることがないわけではないですが、なかなかよく考えられている手書き入力システムだと感じます。


漢字・ひらがな混じりで、気楽に手書き入力でき、横置き iPad Air くらいの幅があれば、結構スムースに入力でき、(決して皆無ではありませんが)手書き入力にありがちなストレスが最小限で済んでいる印象です。

漢字の省略形も全てではないですが、ある程度は判別してくれますし、手書きする時の勢いで少し漢字にミスがあってもちゃんと認識してくれることも多いので、移動中の車内でスタイラス+タブレットという不安定な状況でも、そこそこ入力できます。

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(指で手書きもそれなりに使えるけれど…)

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(スタイラスの方が字形も安定するし、速く書ける)


個人的に思う mazec で手書き入力するコツは、

  • 使い始めの頃からしばらくは、できるだけ誤認識を修正候補から修正して、字形学習させる。(字形学習は当然オンにする)

  • 「へん」と「つくり」のくっつけ方、離し方、そして字間の取り方などを少し考慮するだけで誤認識は減る。

  • 入力速度を考えるなら、字画の多い漢字は平仮名で入力して漢字変換させた方が速い。熟語で漢字ひらがな混じりとかも有り。

  • 文字を入力するとともに推測候補が出てくるので、それを極力利用することで手書き量は減らせる。

  • きっちり書こうとして極力慎重になるより、走り書きにならない程度にササッと書いて慣らす方が効率は上がる。

  • ある程度の文章を手書き入力するなら断然スタイラスを使うべき。スタイラスを使えばコピぺの範囲指定も多少は楽になる。


といったところでしょうか。

mazec_iPad06


そしてもう一つ言うなれば、

仮想キーボードに多少でも慣れているなら、完全に切り替えるのではなく
気分次第で使い分けるのがベター


だと思います。

何度も書いているように、mazec がいくら“使える手書き日本語入力”とはいえ、横置き iPad で使っていても仮想キーボードより入力速度が速いとは言えないわけですから、私も基本は仮想キーボード利用のままです。

ただ、前述のように、仮想キーボードを使っているとタイプミス(タッチミス)にストレスを感じる時がありますし、考え事しながら何かをまとめていく時には仮想キーボードより手書きの方が心地よい場合もあります。

「仮想キーボードに疲れたら mazec 手書き入力で」
「手書き入力に疲れたら仮想キーボードで」

というように使い分けていくと、意外と良い印象で使えると思います。

mazec_iPad12


いずれにせよ、いくらフリック入力が世の中のメインになろうとも、その他テンキー入力だろうが何だろうが、ケータイ・スマートフォン的入力方法に慣れられない人はいるわけで、そういった方々には福音となる IM だと思います。

そして、フリックや仮想キーボードが使える人でも、画面の大きなファブレット、タブレット端末では使う、併用することを検討する余地はあると思います。入力速度は仮想キーボードに劣るとしても、ミスタッチによるストレスから解放される心地よさが mazec にはあります :-D

mazec - 手書き日本語入力ソフト