現在、台風19号の直撃を受けんとする大阪ですが、ちょうど一週間前は台風18号が通過していって、午後には天気も回復してきたので、大阪・梅田で行われていたキヤノンの EOS 7D Mark II イベントへ行っておりました。

CANON GRAND PRESENTATON 2014 (for EOS 7D Mark II / PowerShot G7 X) at OSAKA に行った時の諸々【前編】

前回記事で「前編」と書いたものの、その後完全に忘れておりました(^_^;)。正直言って、今回の後編なんて全くなくてもいいレベルの個人的な戯言ですが、適当にメモ書きしたものもありますし、購入後にどう感じ方が変化したかを自分が知るためにも記しておきたいと思います。



【 EOS 7D Mark II 】


現地で聞くところによると、発売が遅れるようなことはなく 11月上旬に余裕を持って間に合うような状況という話で、セミナー講師の方からもそんな話を聞きました。10月末に出せるくらいなら 11月あたまの三連休前に発売した方が喜ぶ人は多いと思うのですけどねぇ。

さて、個人的に EOS 7D Mark II に期待していることは、
  • 最新の AF 性能(AI Servo 性能)
  • 5年経った分だけの画質向上(高感度だけでなく低感度〜中間感度も)
  • 真っ当な縦グリップ

の3点。ま、AI Servo とか画質とかは当たり前ですね。

どれも自分が購入して実戦で使ってみないと判らないのは言う間でもないですが、それなりに期待しています。

カタログ写真を撮ったセミナー講師の方々が褒めるのは当然のこととして割り引いても、色々と良好に思えることは多かったですし、なにせ 5年待たせて、フルサイズが大正義みたいに言われる時代に APS-C ハイエンド機を出してきたのですから、キヤノンとしても下手なものは出せないでしょうから、その点にあっても期待しています。

ただ、その反面、むやみやたらに過剰な期待はしていないのも事実。

「7D Mark II に期待、ワクワクどきどき楽しみだなー」

という思いと同時に

「まあ、結局 1D X だよね〜、となるんだろうなぁ」

という冷静な気持ちもあります。特にスポーツ撮影のようなシビアな AF 性能が必要とされる場合にはそうなるだろうな、と。

実際、あるセミナー講師の人は

「7D Mark II の AF 速度はエクステンダーを付けた 1D X くらい」

と言っていましたし、違うセミナー講師の方はセミナーと別のところで

「1D X を使っている人は、特に必要がなければ別に買わなくても良い」

と言ってました。

また、1D X ユーザーや使ったことのある方が試せば AF の食いつき速度は違うことがすぐ判るでしょうし、そのことはキヤノンの人も

「総合的な AF 性能は 1D X の方が上」

と断言していました。ボディサイズもバッテリー(電圧)も価格も違うのですから、当たり前ですけど。

サッカーを撮っておられる関係者の方がいて色々話しましたが、AF に関してはまだまだ 1D X の方が良い点、特に F2.8 / F4 の大口径望遠レンズを使う場合は差があるようです。画質的にも「ISO 3200 まで」と断言されちゃって、え?貴方がそんなこと言っても良いの?なんて思ったりもしました(^_^;)

(個人的には 1D X と比して ISO 3200 が使えるレベルなだけでも嬉しいのですけどね。現行 7D の ISO 3200 でも悲しい画質ですし、かといってナイトゲームでのスポーツ撮影では F2.8 レンズを使っていてもシャッター速度を上げるためにも ISO 3200 程度は必要ですから)

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余談ですが、世の中では「フルサイズの画質と比較して云々」とか「1D X の AF と比較して云々」と言ってる人が散見されるものの、フルサイズ機と画質を比較して上回るなんてことがあるわけないし、頭おかしいんか?と思います。

高感度画質のように技術の進化に大きく依存する部分においては古いフルサイズ機(たとえば初代 5D)と比べて上回る部分があるでしょうが、APS-C機が進化すればフルサイズ機も進化するわけで、センサーサイズの違う物を比較するのはホント無意味かと。

また、APS-C 機同士の比較においても、キヤノンはローパスレスを採用していませんから等倍で見た時の鮮鋭度は劣るのは予測されること。少なくとも 7D Mark II 試用機で試して背面液晶で等倍表示にさせた時、同じようなシーンで X-E2 や X-T1 で撮った画像の記憶と比較して、ぱっと見の鮮鋭度的な解像感が追いついているかと言えば明らかにそれはありませんでした。

でも、EOS 7D Mark II はお手頃価格の動体撮り特化機ですから、妥協する点は妥協しても、動体撮りに必要な点を備えているかどうかの方が重要なわけです。

単に画質だけを望むなら、私だって Xマウント一式を手放したりしません。単純にサイズや重量に比して得られる画質を考えれば、EOS 7D Mark II + EFレンズより X-T1 + XFレンズが圧勝です。というか、単なる「画質/重量比」でモノを語るなら断然一眼レフよりミラーレスと言っても良いでしょう。

ただ、ミラーレス機では撮れない、撮りにくいものが主被写体である限り、そんな比較に意味はありませんので、他機種との画質比較より 7D Mark II の画質が自分にとってどこまで使えるか?という絶対基準で判断すれば良いだけではないかと思っています。

このことは AF も同じで、1D X の AFシステムを上回ることは物理的に不可能でしょう。AF システムを豪華にすればするほどボディサイズを必要としますし、バッテリーもより大きなものを必要とします。

その意味で、バッテリーを現行 7D や他のミドルクラス機と共通にしたのは善し悪しがあります。無論、ユーザーターゲットや価格帯を考えれば 5D Mark III、6D と併用できたり、70D からそのままステップアップできる方がメリットは大きいでしょうから、真っ当な判断です。

ただ、バッテリー互換性や初代 7D とボディサイズが殆ど変わらないことは(価格のクラス維持も含めて)AF その他において妥協が必要であることに繋がります。

7D Mark II は全点クロスセンサーでフォーカスポイントの点数は 1D X を上回っていますが、1D X は全点2ラインの千鳥配列、全点 -2EV の低輝度対応。7D Mark II は中央縦一列のみ2ライン構成、中央だけ -3EV 対応でそれ以外は -1EV 対応。

また、7D Mark II は中央を除き F5.6 光束対応センサーですが、1D X はより高精度な F4 対応センサーが多く、そのあたりはユーザー層も考慮した違いになっていると言って良いでしょう(明るい大口径かつ高価なレンズで精度を高めるより、暗いレンズにしっかり対応できる方向性)。

まあ、APS-C 機には APS-C 機の利点があるわけで、ヨンニッパやゴーヨン、ロクヨン、ハチゴローのような大砲を買えない人間にとってお手軽に画角を伸ばせるメリットはあります。でも、それだけに妥協するところは妥協しなきゃならない。

世の中、欲しいものが全て手に入る人なんて一握りですから、そうじゃない人はどこかで妥協してあとは工夫で頑張るしかないですし、まして夢想のカメラは欲しいものが全て手に入る人ですら買えないわけですしね。

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いずれにせよ、画質は今の 7D より良くなることはあっても悪くなることはないし、スポーツ撮りで ISO 3200 が常用できるなら、ナイトゲームでは、自分の趣味としての妥協の範囲で 1/3段ずつ上げていってシャッター速度をなるだけ稼げるポイントを探すだけ。

AF に関しても現行 7D よりは随分楽になるのは確定的で、あとは 7D Mark II では顔や色だけじゃなく形も認識するようになった iTR AF がスポーツ撮りでどれだけ使えるか、どんな時に使えるかを計っていくしかないかなー、と思っています。

ちなみに、iTR AF はゾーン以上の測距エリアモードが必要なので、測距エリアの切り替えは従来以上に多くなるのは確定的だけに、測距エリア選択レバーの新設は心強いです。

ただ、今回 7D Mark II で断然良くなったバッテリーグリップで唯一残念だったのは、バッテリーグリップの測距エリア選択レバーがマルチコントローラーの下にあって、形状もボディ側とは少々異なること。

ボディ側はマルチコントローラーの上に測距エリア選択レバーがあるだけに、バッテリーグリップではちょっと測距エリア選択レバーが操作しづらい難点があります。バッテリーグリップ常用者としてはそこだけは残念です。

ちなみに、この件をイベントでお聞きしたところ、開発担当者らしき人が出てきてバッテリースペース的にボディ側と同じようにはできなかった、とのこと。私が「これはちょっと…」と言うと、切れ気味に言われました。きっと、何度も言われたのでしょう(^_^;)

まあ、現行 7D のバッテリーグリップが「なんちゃって縦グリ」で酷いモノですから、それに比べるとずっと良いですけどね。雨の日に縦で手持ちすると滑りやすくて辛いってこともなくなるでしょう。

(それに X-T1 のバッテリーグリップのように、形状は良くても機能的にアホ丸出しでやってられん!ということもないですしね)



それからサンディスクの人に確認しましたが、EOS 7D Mark II の SDカードスロットは UHS-II 非対応の UHS-I 対応スロットなので、SDHC / SDXC カードは UHS-II 対応カードを使っても全く無意味です。(UHS-II での追加接点がないですしね)

サンディスクの人は「UHS-II 対応は X-T1 だけなので増えて欲しいんですけどねぇ」と言ってましたが、こちらとしては高い UHS-II 対応カードを買わなくても良かったと思う面もあったりします(^_^;)

とりあえず、CF も SD も通常の Extreme Pro を使っておけば安心と言うことでしょう。

(キヤノンの人に確認し忘れましたが、7D Mark II も 1D 系と同じく CF と SD で RAW と JPEG の振り分けをするより、同一書き込みの方がバッファ開放が速いのかどうか……。これも購入後に確かめるしかないですかね)

あとは少し試して気に入ったのは、セミナーで講師の方々も言っていましたが、様々な撮影設定情報がファインダー内に表示されるようになったこと。

これについては「撮影やフレーミングの邪魔になるだけだから要らない!」という人もいると思いますが、設定で表示非表示は選べますし、キヤノンらしくこの手のモノは初期設定では非表示になっています。

それに 7D Mark II はじっくりゆっくり設定して撮るカメラとは違いますから、とにかく素速く設定変更と確認ができた方が良いわけなので、これはありがたいですね。初代 7D では使い物にならなかったデジタル水準器も真っ当になりましたし。





【EF400mm F4 DO IS II USM】


ちょっと気になっていた “ヨンヨンドゥツー” も超望遠試写コーナーで試させていただきましたが、本当に軽い!スペック的にサンニッパより軽いのは知っていましたが、よりコンパクトなせいか、持った瞬間は

「これでヨンヨンかあ〜、すげーな」

の、ひと言。重心的なものか、サンニッパより随分軽く感じられる 400mm F4 でした。

とりあえずイベントルーム内のライトを思いっきり入れたり、半逆光的に入れたり、色々試してみましたが、現行ヨンヨンドゥのような、あからさまにおかしいフレアやゴーストは出ませんでした。まあ、値段を考えれば、これが当たり前なのですが……

このサイズなら遠征用に持っていくのも楽ですし、この重さなら手持ちでも全然余裕です。AF速度はサンニッパのような爆速感はありませんでしたが、十分使えそうな速さで(レンズが軽いですしね)、400mm レンズとしてはかなり魅力的です。

実写画像が多く出てきても問題なければ、来年以降に買いたいレンズの一つになりそうですが、お値段が実売80万円。それなら(重さ・デカさは別にして)やっぱりあと20万出して、スポーツ撮りの標準レンズ “ヨンニッパ” を買うよなぁ……って感じです。

せめてサンニッパと同じくらいになれば、結構売れると思うんですけどねぇ。やっぱりまだ DO レンズのコストが高いままなのでしょうか……。大口径研削非球面レンズも使ってるのでコストが掛かってるのは判りますけどねぇ。




【PowerShot G7 X】


初代 RX100 を手放した経緯もあり、全く興味がなかった PowerShot G7 X は既に発売後でしたが、初めてじっくり触って試してみました。

EVF 付きの RX100 Mark III と同じくらいのサイズ&重量では自分的コンパクトデジカメの限界をちょっと超えてるし、結局 GR の方が使いやすくて出番があまりないだろうしなぁ……とネガティブに見ていたのですが、実機に触ってみると、思いのほか、好印象。

ミラーレス機でも EVF 付き以外は買わない私としては、PowerShot G7 X を買うくらいなら EVF 付きの RX100 Mark III を買うわ、と思っていたのですが、先日 RX100 Mark III を買った友人に貸してもらって

「コンパクトデジカメだと(ミラーレス機と違って)いちいち小さな EVF 除くより背面液晶で十分かもなぁ」

と感じたこともあるかもしれませんし、

「コンパクトデジカメは EVF よりタッチパネルでタッチ AF がある方がええんだよなぁ」

と感じたからかもしれません。

あと、キヤノンの新機種にしては結構リーズナブルな価格でスタートしたということもあります。実質6万円台ですから、EVF分くらいは他の1インチコンパクト新機種より安い感じです。

ソニーの1インチセンサーの画質については安心していますし、RX100 の時もそうでしたが、画質とサイズのバランスも良く、そこそこボケもつくれるし、とにかくバランスの良いセンサーサイズと思って気に入っています。

G7 X の場合、それがキヤノンのエンジンで実装されているのは個人的に安心でもあります。ソニーの画像エンジンがダメだとは思いませんが、コンパクトデジカメの作り込みはキヤノンに信頼感がありますし、機能・操作性と絵作り傾向として慣れている、ということもあります。

ダイアル周りも含めた質感も随分良くて、キヤノンが真面目に作った感があって良いですね。まあ、いま最も競争の激しいクラスですから手を抜くことはできないのでしょう。

ただ、個人的に気になったのは2つ。
  • 従来使っている Sシリーズでもそうですが、Fn メニューの表示が通常メニューに比べてやたら表示されるのが遅い、レスポンスが微妙に悪いということ。
  • グリップ部がツルツルということ。

前者については応対してくれた方も納得したようで、報告してファームウェア・アップデートできるようであれば…と言っていましたが、ちょっと気になりました。

ヘルプ表示があるせいかも?ということでしたが、それならヘルプ表示をオフにしてサクサクと Fnメニューが使えるようにして欲しいものです。(ヘルプ表示のオンオフは他メーカーでできるカメラもありますしね)

グリップ部分がツルツル仕様なのは、これは S100 のようにちょっとした引っかかりを付けるとデザイン的に文句が多かったのかもしれません。このあたりは個人の好みになりますが、ツルツルボディが支持されるのは判ります。

ですが、こういうツルツルボディだと片手持ちが不安ですし、片手持ちができないコンパクトカメラは使う気が起きないので、PowerShot S90 の時も、RX100 の時も、Nikon 1 V1 でも使っている

「Richard Franiec の Custom Grip が PowerShot G7 X 用に出てきてから購入を考えよう」

と思ったところ、Richard Franiec 氏のページに行くと

Richard will be making a grip for the new Canon G7 X, which will likely be shipping towards the end of November. Updates on that date as it gets nearer.

Richard Franiec's Camera Accessories

などと書いてあるじゃないですか。うーむ……これは大きなマイナス要因が埋まってしまった……(^_^;)

まあ、今は EOS 7D Mark II の購入が最優先なので買えませんが、年末にかけて購入検討を前向きにしようかな、と思っています。お値段が6万円を切れば……という感じでしょうか。

愛機 GR をちょっとした修理&オーバーホールに出したいのですが、こちらを出してしまうと代替機代わりに G7 X を買ってしまいそうなので、そちらもちょっと我慢ですね。