一年前の5月末に APS-C センサー搭載になってフルモデルチェンジした、リコー GR が発売されて一年が経ちました。昨年の “お買いもの第2位” に挙げたわけですが、今なお愛用しています。

高感度画質の物足りなさや暗所AFのダメさ加減を思うと「APS-C になったからナイトスナップも最強だぜ」という目論見は若干外れましたし、お手軽スナップ機としてはもう一声寄りたくなる接近戦の弱さはあるものの、

コンパクトで、持ちやすくて、使いやすくて、速写しやすく、画質も○


まさに「コンパクトデジカメはこうあるべき」という思いは一年経った今も変わりませんし、正直言って、あまり他のコンパクトカメラが欲しくならない大きな理由でもあります。

特に、カメラの操作性/使い勝手においては私のベンチマークになっています。この一年、自分が購入し、使ってきたカメラの中でも「使い勝手の良さを標榜するなら GR の爪の垢を煎じて飲んでから言え」と思う機種もありました。

それほど気に入ってるということもあり、無精な私にありがちな

面倒くさいし「iPhone でええか」にならない希有なカメラ


でもあります。広角単焦点のコンパクトデジカメだけど iPhone でええかと思っても不思議ではないのですが、GR だけはなりません。

不精者であるがゆえに、画質のショボいコンパクトデジカメだと往々にして「iPhone でええか」になってしまいがちです(iPhone じゃなくスマートフォン全般の話)。コンパクトを持っていても出してセットして撮るより iPhone の方が素速く、ネットに上げるのも楽。

ってか、どうせコンパクトデジカメで撮る写真もその殆どが iPhone で撮るような適当日常スナップ、旅スナップとなれば、ふと「iPhone でええか」と楽に流れがちです。

私自身にとって GR の場合、その「iPhone でええか」ということが少ないのは次の理由からかなぁ、と思ったりしています。



  • ベルトポーチなどにぶらさげた GR を出して撮る体制までの速さが、ポケットから出す iPhone と変わらない

  • グリップが良くて持つ時の安心感があるので、サッと出してしまう時も落とす危険もストレスも少ない

  • スペックは大したことないのにやたら良い感じに撮れる iPhone とは少しベクトルは違うけれど、機能は満艦飾じゃないけど必要な機能へのアクセスが最小限のステップで行える直結された道具感がある


といったところがあって、スマートフォンに負けずサクサク使える、心地よく使える GR は今後もずっと愛用していけるだろうと思っています。

APS-C センサー&良質なレンズで画質も上々ですから、ミラーレス機+パンケーキレンズで軽快に出かけようと思ったけど結局 GR になる、ということも多くあります(XF27mm F2.8 が買ってみたものの稼働率が低い原因)。これからの暑い季節は余計にそうなるでしょうね。

いずれにせよ、この一年、コンパクトデジカメも色々と手を出しながらも X-T1 購入にあたっての資金捻出機材整理で殆どが手元からなくなりましたが、(長年の愛機 PowerShot S100 と)GR だけは手元に生き残りました。

不精者にとって「iPhone でええか」となりがちなコンパクトデジカメは、基本的にちょい撮り万能機の PowerShot S系と GR だけで十分と思っているのですが、最近ミラーレス機に傾倒していた近年を反省し、EOS & EF システムをしっかり使うようになって、

「望遠システムで一眼レフを持っていく時に、スナップ用の高画質なズームコンパクトが欲しいなぁ」

と思うようになりました。

一眼レフ用の標準域ズームやら高倍率ズームやらを持っていくのですが、基本的に望遠レンズで一眼レフを使っていると、わざわざ付け外ししたくもないし、できないことも多いので、
  • 一眼レフ2台体制
  • スナップ用にミラーレス機を別途持っていく

のどちらかになるのですが、主体が望遠レンズでの撮影になると、そこまでするのもなぁ……と思うわけです。それでなくとも機材が重いのに、適当スナップのために無駄に機材を増やしたくないわけで。

SuperGT_AutoPolis20140601A
(昨日の SUPER GT in KYUSHU 300km で優勝した MOTUL AUTECH GT-R)


先週の仙台行きでのサッカー撮影や、昨日オートポリスでの Super GT 観戦撮影でも、スナップ用に X-T1 + 標準ズームを持っていこうと一度はパッキングしていたものの「どうせあまり使わんだろうしなぁ」と思ってしまうと持っていかずになりました。

こういう時のスナップはベルトにぶら下げた GR で、サッと撮るスタイルはちょうど良いのですが(どうせ記録スナップ程度だし)、ちょいとズームが欲しくなる時があるわけです。

GR は昨年の機能拡張ファームウェア・アップデートで 47mm クロップができて重宝しているのですが、やはり 100mm くらいの中望遠域あたりは欲しくなることも多いわけで。

そう思って物色し始めているのですが、この1年で気になったコンパクトデジカメと言えば
  • 1/1.7インチセンサーで 28-300mm 全域 F2.8 通しの STYLUS 1
  • 1インチセンサーで 24-70mm F2.8 な RX100M3

の2つ。どちらも EVF 内蔵でありコンパクトデジカメではこだわってはないものの、ミラーレス機でも EVF内蔵機しか使わないくらいなので魅力は大きいものがあります。

ですが、前者はベルトからぶら下げると言うにはあまりにもデカすぎますし、後者は全域 F2.8 のレンズになったのはいいけれどテレ端が 100mm から 70mm に短縮で、望遠馬鹿の自分的には辛い。

ともに使ってみたい機種ではあるものの、いま自分が必要としている仕様にマッチしているかというと……?欲しいだけで買って、またすぐ手放すのはちょっとね(^_^;)

LUMIX LX8 も大型センサー搭載で噂になっているけれど、LX シリーズは元々ズーム比率が控えめだけにどうなるか。キヤノンもそろそろ Sシリーズは今のままではやることなくなっているし、今秋のモデルチェンジで大きく変化させるような気もするけれど……

などと思いつつ、正直まぁどうしたもんか悩む昨今ではあります。金欠だし、適当にモデル末期の 1/1.7インチセンサー搭載機でも買っておこうかという気がしなくもないんですけど、それだと結局「iPhone でええか」になったり「GR の方が画質がええし」になったりしそうですからねぇ。悩ましいところです(´・ω・`)


だぶる☆えっち的 お買いものベスト 2013【後編】1位〜5位