このところバタバタと忙しくブログを書くテンションにならなかったり、この記事も半月近く前のゴールデンウィーク中に書いておきながら放置してしまいました。おかげで、iPhone、iPad 購入からもう二ヶ月近く。

完全に iPhone も iPad もメイン端末になって久しい感がありますが、一応 Android スマホと併用している iPhone はともかく

持ち出し用タブレットのファーストチョイスが
Nexus 7 (2013 LTE) ではなく完全に iPad Air


になってしまったことは、何度振り返っても予想外すぎて見誤りました。

購入直後は嬉しがりで iPad Air を持ち出すこともあると思っていましたが、時間が経つに連れ(=購入直後のハイテンション状態が収まるにつれ)、持ち出すのは小型タブレットに戻るだろうと思っていたのですが……逆でした。

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たまに持ち出すことはあるだろうと毎度の SIMロックフリー機にしたものの、Nexus 7 より持ち出し端末のファーストチョイスになるとは完全に想定外。いまや、Nexus 7 (2013 - LTE) を持ち出すのは
  • 身軽な体制でカバンが iPad Air が入らないサイズの時
  • 出先で積ん読消化したくて7インチ端末を持ち出したい時

という条件の場合だけ。

Nexus 7(初代)や iPad mini を購入した頃に

「もう重い iPad は持ち歩くことはないな、モバイルタブレットは 7インチクラスに限るわ!」

と思ったのもどこへやら。

もちろん、タブレットを使う目的、スタイルは人それぞれ異なりますから、ごく個人的なことを普遍的な話に広げようとは思いませんが、1年半の月日を経てこんな形に戻ってきたのは自分でも興味深いことでした。

「iPad Air を買って、なんでまた、こんなデカいタブレットを持ち出したくなったのだろう?」

そう思って、このところずっと要因を考えてみたのですが、概ね以下の理由な気がします。


○ 重さ厚さが、持ち歩くことに躊躇う自分的スレッショルドを下回った

思い返してみると、フルサイズ iPad を持ち歩くことに嫌気がさして、Nexus 7 や iPad mini といった小型タブレットへ一気に移ったのは第三世代 iPad の重さ厚さが原因だった、と。

iPad 2 の時は(今の iPad Air と同じく)すぐに日々持ち歩く端末になりましたし、そのおかげで Wi-Fi モデルを買ったのに速攻で 2台目の iPad 2 を SIMロックフリー 64GB モデルで買い直したくらいでした。

Retina 化された第三世代 iPad は確かに画面は非常に見やすく素晴らしいけれど、重く厚くなって、そのことについての不満は当時ブログでもずっと書いていました。

使い続ければ続けるほど、重さ厚さの不満が気になるようになり、iPad Air が出るまでは

「一番バランスの良かった iPad は、やっぱり iPad 2 だったなぁ」

と公言していましたから、性能が向上しつつも iPad 2 よりずっと薄く軽くなった iPad Air を持ち出しまくることは当然だったのかもしれません。



○ 自分の出先におけるタブレット利用形態は(電子書籍を読んだりする閲覧用途より)何か作業することの方が多いことに気づいた

私は電子書籍を大量に購入して読んでいるので、7インチクラスの電子書籍に向いたサイズが出先でも便利だと思っていましたし、実際に電子書籍を読むのに 7インチ前後は一番良いサイズです(iPad mini は寝モバ読書では若干大きすぎるが)。

雑誌を読むには 10インチクラスのタブレットが適していますが、小説やコミックは少々大きすぎますし、車内などでは隣から覗かれやすい大型タブレットでコミックを堂々と読むのはそれなりに気が引けます(^_^;)

そして、過去に初代 iPad から第三世代まで数年 iPad を使っていた際、様々なアプリが出てきて色々できるものの

「所詮タブレットは閲覧端末として使うのが最適で、何か作業するにはパソコンだわ」

と思い至り(第三世代 iPad に外部キーボードを一緒に持ち歩くと MacBook Air などの軽量ノートパソコンと大差ない重さになっていましたしね)、

「タブレットを情報取得端末として割り切るなら、電子書籍も軽さも小型タブレットの方が何かと最適」

という結論に達して、この1年半は小型タブレットをずっと持ち出していました。

ところが、どうも私にとってタブレットは受動端末というだけではなく、文章を書いたり、図表を描いたり、という作業端末を求めていたようです。iPad Air を購入して戻ってきて、その点を初めて明確に意識しました。

そうなると(作業)画面は広い方が使いやすいし、ストレスも少ない。iPad mini でも iPad と同じアプリが動いて、同じことは可能だけれども

何か書こう/描こう/作ろうと思うと、7インチクラスはNG


Nexus 7 では外部キーボードを使ったとしても、作業端末の感覚としてはどこか大画面スマートフォンの延長線上でした。

完全に閲覧端末と割り切るなら小型タブレットの方が良くても、何か能動的なことをしようと思えば、やはり大型液晶のタブレットが便利です。スタイラスペンでメモ書きするだけでも、Nexus 7 では今ひとつ積極的に使う気になりませんでした。

Nexus 7 より一回り大きな iPad mini は多少マシですが、iPad mini を日々常用していた頃に痛感したことは、iPad らしいアプリはデカ iPad で使う方が一番ということ。どうしても iPad mini だと窮屈さを感じました。

タブレットはパソコンの完全な代用になりませんが、アイデアやロジック、フローをまとめていくのは楽なスタイルでタブレットと向き合う方が良い場合もあります。自分はタブレットにそういう用途も求めるし、そういう用途では画面は 10インチ前後あった方が良いなぁ、と改めて思った次第。

タブレットは自宅なら 10インチクラス、モバイルには 7インチクラス、と思っていましたが、そういう先入観に一番そぐわなかったのが私自身だったことに、一周してきてやっと気づきました(^_^;)



○ 仮想キーボードが実用になるのは大型タブレットだけ

前項で書いたように、出先でタブレットを使って電子書籍を読むよりは何か作業をすることが多い、特にタイピング作業はよくするわけですが、はっきり言って 7インチ小型タブレットの仮想キーボードを使ったタイピングは、サイズ感が中途半端すぎて使いづらい

Twitter やメールの短文返信は何とかなるけど、それ以上はちょっと無理。日本語変換エンジンが ATOK だろうとなんだろうと関係ありません。日本語変換が多少アホでも iPad Air のようなでかいサイズの仮想キーボードでの入力速度の方が断然楽だし、スマートフォンのフリックと大差ない速度でした(自分的には)。

iPad mini のような 8インチクラスだと多少マシですが、五十歩百歩。やはり仮想キーボードの幅に無理があります。10インチクラスの端末における仮想キーボードがタイピングしやすいとは言いませんが、表示画面の狭さを我慢すれば、そこそこタイプできます。

それと同時に、車中など膝上でタイピングする場合、

Nexus 7 + キーボードケースを使うより
iPad Air の仮想キーボードの方が遙かにタイプしやすい


と気づいてから、一気に Nexus 7 の持ち出し率が減りました。

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(Nexus 7 + キーボードカバー)

従来、外出先でタイプ作業を少しでもするなら Nexus 7 や iPad mini +外部キーボードを持ち出しており、車中で使う可能性がある時はタブレットを立て掛けてノートパソコンライクに使えるキーボードケースを使っていたのですが、7〜8インチ端末用のキーボードケースだとキーボード幅が狭くて使いづらく、iPad Air の仮想キーボードの方がタイピング速度が速い、という結論に。

(むかし iPad だけをずっと使っていた頃は仮想キーボードにやたら拒否感がありましたが、今を思えばちょっと反省材料ですね)

iPad mini + ロジクールのキーボードカバーはそれなりに使えていましたが、iPad Air の仮想キーボードの方がキーボード幅はあるがゆえにトータルのタイプ速度は大差ない印象。それに

出先でのタイピング環境を考えて小型タブレット+キーボードを持って行くより
仮想キーボード利用で大型タブレット単体で持ち歩く方がスマートかつ軽量


という当たり前の事実にも、改めて気づかされたり。

仮想キーボードの使い勝手なんて初代 iPad から変わっていないことですが、小型タブレットばかり使ってきた経験から改めて見直したことが、持ち出し用タブレットが iPad Air に変わった一番大きな理由ですね。



○ カバンは元々 iPad Air が入るサイズが多いので、薄さ重ささえクリアできれば Nexus 7 でも iPad Air でも大差ない

Nexus 7 のような小型タブレットはポーチサイズの小さなカバンでも入れて持って行けるのが魅力ですが、普段そういう小さなカバンを持ち出しているかといえば、そうでもありません。

概ね持ち出すことが多いのは最低限 B5/A4書類が入るカバンであったり、それなりサイズのカメラバッグであったりします。もちろん、iPad が収まるサイズですから、

「カバンがそれなりのサイズだと、薄さ軽ささえ許容範囲内なら結局 Nexus 7 や iPad mini を入れるのも iPad を入れるのも変わらないなぁ」

と。もちろん、iPad Air で薄く軽くなったことがそう思わせた大きな要因ではありますが。

また、一番持ち出し頻度の高いカメラが2月に買った X-T1 となり、また一番使うレンズも XF23mm F1.4 R になって、NEX や X-E1 / X-E2 がメインの頃と違って、小さなバッグにカメラ入れて軽量なスタイルで出かけることより、それなりのサイズのカメラバッグを持ち出すことが多くなったのも要因の一つですね。

普段使いのカメラシステムが去年までと異なって大型化してしまったことには、いささか自分でも迷いがあるのですが、少なくとも去年までの体制なら小さなバッグに収めていることが多く、そういう時に iPad Air を入れる余地はなかったと思いますし、ここまで iPad Air の持ち出し比率は上がっていなかっただろうなあ、と思います。



○ 大画面の iPad の方が素早く情報を見通しやすい(特に歳を食ってきた現在は…)

二十代の頃なら「何言ってんだ?この年寄りがw」と思っていたでしょうが、まあ認めざるを得ませんね、小さな文字が少しずつ辛くなってきたことを……orz

実際には表示文字サイズを Nexus 7 や iPad mini と大きく変えているわけではないのですが、資料全体にザッと目を通していくような作業では小型タブレットより大型液晶のタブレットに尽きる、と最近思うようになりました。

電子書籍を読むのと同じように、しっかり読む場合には 7インチ液晶でも 10インチ液晶でも大差ないのですが、軽く目を通しつつ素早くチェックしていくな場合には差を感じる昨今です。

たとえば Twitter の timeline の未読が数百あっても、iPad Air ならササッとスクロールしながら軽く目を通しつつ気になるツイートやリンクだけ拾うことが今でも問題なくできます。ただ、同じことを 7インチ端末でやると目の負担も違うと感じますし、効率も落ちてしまいます。

昔ならこんなことは全くなかったと断言できますが、これもまた人の宿命ですね。老眼の進みは同年齢の周囲と比べても遅いと思いますが、そういうのを意識せざるを得ない年齢になりつつあるのは哀しいところです。


○ タブレットで使いやすいアプリは Android より iPad の方が多い

これは前項までの液晶サイズの差というより OS 環境の差ですが、Android アプリのタブレット対応はスマートフォン UI をタブレットサイズに適用しただけ、というのが多くて、iPad アプリのように「タブレットでの使いやすさを考えて作った」アプリは少ないと感じます。

Android アプリでもスマートフォンとタブレットで UI を変えるだけではなく、タブレット UI でも7インチクラスの端末と 10インチクラスの端末で UI を変えてくる芸の細かいアプリもありますから一概には言えないのですが、Android アプリで「タブレットで使いやすい」と思わせるアプリが少ないのは実状です。

ぶっちゃけ、スマートフォン用アプリとタブレット用アプリが分かれていると「んー、スマホとタブレットは別アプリかよ〜」と思うのは事実ですが、タブレットで使いにくい UI でリリースされるくらいなら、しっかりタブレットで使うのに適した別アプリで出して欲しいなぁ、と思います(人気アプリを除いては売りにくいでしょうけれど)。

というわけで、以前も述べたように、今や iPhone にしかアプリが出ない、iPhone の方がアプリが先行してリリースされるとは限らない時代になったものの、タブレット用アプリに関してはまだまだ iPad の方が分があると感じます。

そして先ほど書いたように、iPad アプリは mini で使うよりデカ iPad で使う方が心地よいアプリもまた多いと思います。


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というわけで、また長々と書いてしまいましたが、久しぶりにフルサイズ iPad を購入、使い続けて思ったのは、

出先で自分がタブレットを使いたい内容を自分が把握してなかったんだなあ


ということ。

3年 iPad シリーズを使い続けてきて持ち歩きタブレットも iPad だった時に「タブレットは所詮、受動的端末、情報閲覧端末である」という、ありがちな結論に落ち着いたと思っていたのですが、どうやら自分のタブレットに対する使い方、目的を勘違いしていたようです。

フルサイズ iPad を乗用しなくなり、この1年半は Nexus 7 / iPad mini という小型タブレットを持ち歩き用にして気に入っていたものの、iPad Air を購入して使ってみると、小型タブレットでは心のどこかでもどかしく思っていた何かに気づくことができました。


もちろん今後も出かける時の目的やスタイルによって 7インチタブレットと使い分けることになりますが、自分にとっては、タブレットも持ち歩く限りは何らかの生産ツールとして使えた方が良いようです。

こうなると同じ 10インチクラスでさらに軽く薄い(厚み 6.4mm、重量 426g) Xperia Z2 Tablet にも興味を惹かれますが、まあタブレット向きの Android アプリの充実具合を考えれば、そこまで手を出す必要もないでしょう。

むしろ、500g を切る 10インチの軽量薄型な Windows タブレットが欲しい気持ちが高まってきました。来週 Surface mini と合わせて Surface 3 も発表されるという噂がありますが、軽さも楽しみにしたいものです。

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(CPU は Atom でもいいから 10インチ液晶の安い Win タブが欲しい昨今)