iPhone (iOS) と Android。スマートフォンが生まれた頃から結論の出ない、虚しい優劣の議論が続けられてきた両者。特に Android ユーザーからの

「何が良くて iPhone 使ってるの?」

という疑問はネットでよく見かけることでありますが、実のところ、個人的にその気持ちはよく判ります。たぶん私自身、十代二十代のだったら同じことを言っているように思います。

単純に機能やできることの多さ、そして多様性を比べれば Android の方が優位にあるのに何故?というのは、得てして当たり前の議論でしょう。自分の好きなようにホーム画面を選び、カスタマイズしまくりなのも Android ならでは。

私自身、シンプルさより複雑でも多機能で色々できる方が好きだったし、カスタマイズの自由度万歳、ソースコード見られてこそ、みたいな嗜好でありました。

お客さんのために作るモノは常に判りやすさ第一を心がけていても、自分の趣味趣向は違っていました。そこを混同することだけは絶対にないよう昔から留意していましたが、個人的には設定ファイルでゴリゴリやることすら愉しさの一つでした(それでどれだけの時間を無駄にしたかは考えたくないが…^^;)。

しかし哀しいかな、

歳を食ってくると、できることが同じならシンプルな方が良いじゃん


と思ってくるわけです。もちろん、“歳をとると” というのは人によりけりですけど、元々怠惰な私としては昔やっていたゴリゴリカスタマイズなんかが面倒になってきています。

そうなると、iPhone のシンプルさ、楽さ加減が妙に心地よくなってくる。

必要以上のことができない制約は決して悪い印象ではなくなってくるし、むしろ未だ面倒と言いつつ、ついついカスタマイズにかまけてしまって無駄に時間を費やすこともないから好都合のようにすら思えたりもします。



iPhone メインで Android をサブ端末として使っていた時は、むしろ Android にしかない機能の一部については「iOS も早く取り入れれば良いのに…」と思うことも多かったのですが、Android からメイン端末を戻した今は、そういう思いはなくなりました。

(おサイフケータイ必須な私は iPhone がおサイフケータイ対応になれば嬉しいですが、そんなことは未来永劫ないでしょうから期待どころか考えることすら無駄です)

箱庭に安住する家畜的な存在になるのは決して本意ではないのですが、一度 Android メインに移ったからこそ、iOS の制約さに対して「これはこれでええもんだな」と思えるようになりました。

最近はだんだんと Android と似た感じになりつつある iOS ですが、もうこれ以上なんでもありにならんでもええと思うわー、なんて思うほどに。

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今回、一度 Android に慣れきっていた状態(それこそスマートフォンから大小タブレットまで全部 Android メインになっていた)から iPhone / iPad を購入したものの

「なんかもう iPhone / iPad では機能的に物足りなくなるんじゃないだろうか?」

なんてことも考えていました。

特に、以前から言われる Android の iOS に対する優位性、利便性の高さとして(おサイフケータイなどの付属機能は別として)

  1. ホーム画面にウィジェットを置くことができ、ホーム画面アプリ自体も自分で選べる

  2. サードパーティ製アプリも自由にバックグラウンド動作が可能

  3. 日本語変換のための IM を自由に差し替えられる


という点が代表的に挙げられていたと思います。それらについても Android メインに移る以前と今とでは思うことが少々異なります。

ホーム画面にアイコンが自由に配置できてウィジェットが置けるのは Android の利点の最たるものですが、スマートフォンでもタブレットでもしばらくメインで使っていると

ウィジェットって結局そんなに使うかなぁ…?


と思うんですよね。もちろん、これも人それぞれでしょうが。

個人的には、サブで Android を使っていた頃や、Android メインで使い始めてしばらくは、それなりにウィジェットも置きまくっていたのですが、

  • ウィジェットを幾つも置いてると明らかに重くなる
    (バッテリーの保ちも悪くなる)
  • ウィジェットで画面を占拠される分、置けるアイコンが少なくなる
    (ホーム画面の一面目にできるだけ多くの常用アプリのアイコンを置きたい派)
  • ウィジェットで表示できる内容は一部で、どうせアプリ立ち上げて詳細を見るのだから、アプリ起動が素速くできればそれでいいじゃん


と思うようになって、ウィジェットは最小限になってしまいました。私の場合はメリットよりデメリットを感じる方でした。

そして、その最小限の利用になったウィジェットと言えば、天気予報(時系列予報)であったり、時計であったり、バッテリーであったり、Wi-Fi や Bluetooth、機内モードのオンオフスイッチであったり、あまりに在り来たりなモノばかり。

メールや SNS のレスなんかはウィジェットにしてわざわざ重くしなくても、通知バーに通知アイコンが表示され、通知バーをプルダウンすれば通知内容が見られますから別に要らないな、と。趣味系アプリのウィジェットも、わざわざ画面を広く占拠して動作を重くするなら要らない。

というような、Android ならではのウィジェットの使い方がその程度であれば、まあ iOS に戻ってきて不満がない、というのも当たり前の話です。

時計やバッテリー情報は iOS でも Android 同様に通知バーに表示されてるし、通知バーをプルダウンして内容が見られるのも同じ(これは iOS がパクった方ですけど)。

さらに iOS 7 では画面下からプルアップで、機内モードや Wi-Fi、Bluetooth などのオンオフや回転ロック、タイマーやライトへのショートカットができたので、このあたりの利便性は随分と Android に近づきました

そういったこともあってか、Android から戻ってきてもさほど不便は感じません。あるとすれば、

アイコンの配置が強制的に左上からの順番なのを自由にさせて欲しい


ということくらいですかね。iPhone 5 以降は縦長になった分、アイコンを下の方に優先して配置したい、というのはあります。

これが iPhone 6 以降、4.7インチだの 5.x インチだのとなった場合にはどうするつもりなんでしょうかね?ウィジェットも含めて、ますます Android 化しちゃうのかな?なんて思ったりもしますが……(Jobs 亡き後は割と節操ないしね ;-)

他には、画面下からのプルアップメニューにある4つのアプリショートカットをカスタマイズできればなぁ…なんて iOS 7 登場時は思っていましたが、今は現状の4つでも悪くないかと思っています。



2つ目の「サードパーティ製アプリも自由にバックグラウンド動作が可能」という点については iOS 7 で iOS でも許可されるようになりましたが、元々この点については

「アプリがバックグラウンド動作でデーターを取得してバッテリー食うより、OS のプッシュ通知で知らせてくれる方がスマートだよなぁ」

と思うことが多かったので(SNS系アプリは特に)、iOS 7 でアプリに広くバックグラウンド動作を許可したのは個人的にはどうなんだろうなぁ〜という感じです。

タイマーやGPS、ナビなどのアプリに対するバックグラウンド動作の許可は iOS 7 より以前でも許可されていて、そう大きな不便はなかったように思いますしね。


そして、3つ目の「日本語変換のための IM を自由に差し替えられる」という、日本人にとっては最大の iOS < Android のメリットであろう点。

私も盛んに言ってきたことですけれど、実を言うと

Android (ATOK) から iPhone メインにしてみると
以前思っていたほど iOS の日本語入力のダメさ加減を感じない


んですよね。「え?お前アホですか?」とか思われそうですが、本気でそう感じてます。

もちろん、ATOK for Android や Google 日本語入力 (Android版)と比べて IOS 7 の日本語入力が快適とは言えませんし、自分自身がよく使う単語をそれなりに登録していることもあるのですが、

長文入力しなければ iOS 7 の日本語入力は結構実用的


じゃないかなぁ、と思うんですよね。

昔の iOS と違って、
  • 登録したユーザー辞書は iCloud 経由で Mac も含めて端末間同期できる
  • 文字選択状態からそのまま辞書登録できる

ようになって、日本語変換エンジンそのもの以外の部分でもかなり使いやすくなってきています。

もちろん、
  • 推測候補の出し方、消し方が外部キーボードを使うことを全く考えられていない
  • 複数文節をまとめて変換する時の精度は相変わらず低い

というのがあって、外部キーボードを使って長文入力する際には iOS 7 の日本語 IM でもストレスが溜まります(エディタに不満があっても長文入力時は ATOKPad を使っています)。

けれど、

「スマートフォンで短い文章をちょこちょこタップする限りは、iOS の日本語 IM を糞味噌に言う時代は終わったんじゃないかな……」

なんて思う昨今です。

このことは IOS 贔屓が過ぎていると思われそうで書いてこなかったのですが、“スマホ史上最高レベルの文字入力システム” と謳って「Super ATOK ULTIAS」を発表した件について

Super ATOK ULTIASが「スマートフォン史上最高レベル」とするならば「2番目」はどの日本語入力システムになるのか。富士通関係者に聞いたところ「iPhoneが予想以上に良かった。イメージとは違い、しっかりと辞書を強化している」という。


なんて話が、某有料メルマガで書かれていて、「ああ、やっぱり良くなってると思っていたのは思い入れとか贔屓とか、そういう感じではなかったんだ」と安心?したなんてことも(まあ、iOS の日本語入力 IM が2番目とは書かれてないけどね)。

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(今週は九州某所へ来ておりますが、Nexus 7 は置いてきました…)


とまぁ、ごく個人的ではありますが、Android から iOS へ戻ってきて

iOS って Android に比べて不便なところもあるし
iPhone をメイン端末に戻れるかなぁ?


なんて思っていましたが、全くの杞憂でした。

SIMロックフリー化した iPhone 4S も iOS 7 にアップデートして iOS 7 の便利さも享受していたはずですが、実際にメイン端末として使ってみて始めて、そして

Android 端末から戻ってきたことで、より一層
iOS 7 の(良い意味での)Android っぽさを実感する


ことになったのは事実です。

そして、その iOS 7 における便利さへの迎合があったからこそ、iPhone に戻ってきても「あー、Android ならこういうところが便利に、素速くできるのになー」と思う点が少なくて済んだと言えるでしょう。

まあ、原理主義射的には不満でしょうし、できることが増える=覚えることが増える、にも繋がりかねませんが、

「昔ほど Android と iOS の使い勝手の差もなくなってきたなぁ」

なんて思ったりする、iOS へ戻ってきて一ヶ月強だったりします。

スマートフォンもタブレットも iOS に戻ってきて一ヶ月な徒然【1】auとdocomo編