iOS 端末は iPhone にせよ、iPad にせよ、仮想キーボードにカーソルキーがありませんから(iOS 8 ではいい加減なんとかして欲しい点)、キーボードがあるとカーソル移動や選択作業が非常に便利でストレスが溜まりません。

反面、iOS の日本語 IM は外部キーボードのことを殆ど考えていませんから予測変換が常に有効であり、変換決定後に予測候補が出っ放しになってかなり鬱陶しい状態になります(このあたり言葉で説明しづらいが、使ってみればイライラしてストレスが溜まる)。

そのため、iPad で外部キーボードを使う場合は(可能ならば)ATOK Pad を利用しています。以前の iPad、特に iPad 2 相当の初代 iPad mini で ATOK Pad を使うと若干のもたつきがあって快適とは言い難かったのですが、iPad Air なら全く問題ありません。

それに Mac や Windows、Android では ATOK を使っていてユーザー辞書も自動的に同期できますので、その点も便利です。

もっとも、エディタとしてみた場合の ATOK Pad は微妙すぎますし、日本語英語入力切り替えのキーアサインが違う(iOS標準は Command + Space だが ATOK は Option + Space)、ATOK for Android 同様にパソコンの ATOK と比べると変換効率はイマイチ、というのはありますが、iOS標準よりはマシですね。

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とまあ、最初から余談になりましたが、コストパフォーマンスに優れた iPad Air用キーボードカバー「Anker Keyboard Cover」を使ってみた感想を昨日の記事に続いて記しておきます。

リーズナブルで真っ当に使える iPad Air用キーボードカバー「Anker Keyboard Cover」【1】

初回記事では、ざっくり結論として「細かい不満はあるが、ちゃんと使えるキーボードカバー」と書きましたが、今回は細かな点について書いていきたいと思います。



まず今回は良い点を列挙していきます。

○ 基本的なキーボード配列が真っ当
キーボードで一番重要な点ですが、以下の写真を見ても判るように、まずまず使いやすいというか、ストレスがやたら溜まる変態配置ではありません。

AnkerKeyboardCover_iPadAIr03
(クリック拡大)

タブレット向けキーボードカバー/キーボードケースは、どうしても幅の制限があるので無理なキー配置にしてしまうこともありますし(特に iPad mini 用、7インチタブレット用は物理的に厳しい)、中華製品の中には頭をかしげる配列なものも過去に経験してきましたが、この製品は極めて真っ当です。

まあ、なんというか

ロジクール TK710/TF710 を極めて参考にしたキー配列


であり、パクリだろうとなんだろうと、それが正解ですね。

ちなみに、パクリと言わせないように独自にした部分が全部欠点になってますが(次回記事にて)、多少の欠点はあれど、この手の製品ではタイプしやすいキーボードだと思います。


○ 主要キーのキーピッチは 17mm で、記号キーも大きめ
物理的な制約を考えれば十分であり、一部の記号キーやカーソルキーが小さいことは仕方ないでしょう。主要キーがタイプしやすければ、妥協の範囲です(妥協せざるを得ない)。

それに割を食って小さくなりがちな右端の記号キー群ですが、

ロジクール製品より真っ当なサイズの記号キーが多い


のは長所の一つですね。マジックはないので、その分のしわ寄せが他へ行っているとしても、キー配列、サイズのバランスは良いと思います。

特にスラッシュ(クエスチョン)や引用符といった、それなりに使うキーがロジクールでは冷遇されていますので、Anker のキー配列の方が使いやすいと感じる人も多いと思います。


○ キーのタイピング感も(この手の製品では)まずまず
激安製品の超ペタペタ加減に比べると、タイピング感触があります。満足とは行かなくても、値段やサイズ(薄さ)も込みで仕方ないかな、と妥協できますね。


○ 一応、iPad の液晶面がキーに当たらない工夫をしている
キーボード手前左右に突起部があり、カバーとして iPad を閉じた時に、iPad 液晶面がキーに当たらないような工夫がなされています。

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突起部の上はきちんと柔らかい素材が貼られており、その部分は iPad Air 本体が当たっても問題ないように作られています。

ただ、実際に全く当たらないかというと、そうとも限らないようなので、気になる人は液晶保護フィルムを貼った方が良いと思いますが、激安製品の中にはベッタリ当たるのもありますから、こういう配慮があるのは良いですね(私は液晶保護フィルムを貼るのが嫌なので、閉じる時にはクロスを間に挟んでいます)。


○ iPad Air 開閉でスリープの自動オンオフが可能
純正スマートカバー、スマートケースと同じ、蓋の開け閉めとともにスリープがオンオフします。iPad 用カバーを名乗るなら当たり前ですが、安くてもちゃんとクリアしています。


○ スリットに iPad を立て掛けた際の角度も問題ない
キーボードのすぐ奥にある溝に iPad Air を立て掛けた時の角度は問題なく使いやすいと思います。

AnkerKeyboardCover_iPadAIr10

こればかりは人によって好みはあると思いますが、立ちすぎていると膝上で使う時に厳しいですし、かといって角度が寝すぎていると何かの拍子に iPad が後方へ落ちるんじゃないかという不安があります。ちょうど良いバランスだと(私は)感じます。


○ 電源をオンにしっぱなしでも自動スリープ機能がある
電源/バッテリーまわりは、モバイルバッテリーで名を馳せた Anker ですから安心感はありますね。


○ リーズナブルな価格
3千円台前半という価格は、2千円以下で売られている激安ノーブランド製品ほど安くはないが、超定番ロジクール製品(8千円前後)からすれば半額以下。それでいて全く問題なく十分使える製品なので、コストパフォーマンスは高く、お買いもの的には満足度の高い製品です。




というわけで、「Anker Keyboard Cover」を使ってみて良い点を挙げてみましたが、かなりのレベルで使える製品です。たぶん、ロジクール製品を知らなければこれで満足でしょうし、知っていても値段を考えれば、こちらの方が良い、これで十分という人も多いと思います。

もちろん、ロジクール製品と比べてこちらの方が好みだ、という人もいるでしょうから、単純に「ロジクール製品の方が絶対上だ」と決めつけるわけではありません。私自身、この「Anker Keyboard Cover」を買って使ってみて、そのコストパフォーマンスに納得、満足しています。

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それに 8千円ともなると「使うつもり」という意識がないと買えない価格ですが、このくらいの価格なら

ちょっと使ってみようかな?という人にも薦められる価格


ですしね。少なくとも「ちょっと使ってみるだけだから」と激安製品を選ぶよりは良いように思います。

ただ、個人的な意見ではコストパフォーマンスではベストかもしれないが、製品そのものはロジクール TF715 の方が良いなぁ、と思う点が幾つかあります。そのあたりの理由を次回に。

リーズナブルで真っ当に使える iPad Air用キーボードカバー「Anker Keyboard Cover」【1】

 
(iPad mini用もあるが、mini用は物理的な幅が足らず、どこの製品も厳しい)