先日、X-T1 について2ヶ月使ってきて思うことを書いたついでに、前回は XFレンズについても適当に戯れ言を書いてみました。

ついでに XFレンズ徒然【前編】

今回は購入して使っている XF レンズたちについて、それぞれ思うところを記しておきます。といっても、レビューとか偉そうなことではなく、使ってきてトータルに感じることを適当に並べてみるだけです。



▼ XF14mmF2.8 R

昨年の時点では Touit 2.8/12 を買うつもりで、昨年末に XF10-24mm F4 R OIS が発表された時は「ここまで待ったんだから 10-24mm F4 買うか」と思っていたけれど、ようやく買ったのは結局この XF14mm F2.8 R。

まだ一ヶ月半しか使っていませんが、自分にとってこの選択は間違っていなかった、と思っています。

コンパクトかつ軽量な超広角レンズながら描写も満足いくもので、隅まで歪みなく、像面湾曲も色収差も少ない広角レンズは何を撮っていても気持ちの良いものです。

中央が激シャープな分、周辺解像が開放付近で多少落ち込むのは判りますが超広角レンズなら当然ですし、個人的には気にならないレベル。周辺光量落ちも JPEG 出力なら(補正済みなので)全く気になりません。時にはもう少し残しておいてくれても良いと思うくらい(笑)

写りの良さも満足ですが、やはりそれがこのサイズ、軽さで実現できていることは素晴らしいですし(ミラーレス機ならでは)、私のような超広角での明確たる目的・意識なしに「超広角も1本持って行っておきたいな」程度の人にはピッタリと言えます。

XF10-24mm F4 R OIS ならズームで望む画角に調整して撮影範囲を整えやすいだろうと思いますが、+1本という感覚で持っていくことにはならず、私の場合は XF14mm ほど持ち出し率、稼働率は上がらなかったと思います。

写りや画角的には Touit 2.8/12 には今でも心動くところがあるのですが、サイズのことだけではなく、画角的にも私みたいに確たる超広角への目的意識のない人間が持つには、準・超広角的な 21mm 相当が似合っていたと感じます。

とにかく写りとサイズ・軽さが高いバランスを持った良レンズなのは間違いなく、気軽に持ち出せていますし、自分が常用しない焦点域だからこそ持ち出すのに何の抵抗も要らないのは重要であり、一番の魅力ですね。



▼ XF23mmF1.4 R

昨今、XF56mm F1.2 R と並ぶ Xシステム、XFレンズの代表みたいになっていますが、それも当然の描写で、私みたいな下手くそが何を撮っても(写りだけは)良く写る。一、二歩踏み込んで撮れば、自分が上手くなったかのような錯覚さえ感じさせてくれるレンズ(下手くそが良いレンズを使うと間々ありがち ^^;)。

逆光耐性はあるし、解像だけじゃない写りも好きだし、不満は前編記事に書いた AF/MF 切り替えの他レンズとの不統一と、大口径レンズにありがちな最短撮影距離くらい。

ただ、明るさ、写りとトレードオフとは言え、それまでの XF単焦点レンズと比べると一気に大柄になったサイズ、重量は良いとも悪いとも言いがたい。

一眼レフの 35mm F1.4 クラスのレンズと比べれば遙かに小型軽量であるのは重々承知だし、このレンズの内容(と価格)に不満はない。けれど、このレンズと X-T1 を組み合わせて使っていると、ふと

「コレって、ミラーレス機と単焦点レンズを組み合わせて撮ってるんだよなぁ…。一応、軽量スナップのつもりなんだよなぁ?そうなんだよな?>自分」

という錯覚みたいな気分に襲われることもあるし、さらに言えば、

「XF35mm F1.4 や XF14mm F2.8 くらいの小型軽量さと写りを備えた XF23mm F2 R が欲しいなぁ」

と思うのも事実。まあ、色々な意味でのリソース的に富士フイルムがそういった上下2ラインのレンズ展開をするのは無理だろうから、虚しい期待はしないけれども。

35〜45mm 相当が自分の一番落ち着く画角にもかかわらず、発売から半年経ってようやく購入するくらい長引いたのは、単に金欠と言うだけではなく、X-E1/X-E2 に付けてスナップするには大柄すぎと感じたからでもあります。

それゆえに X-T1 が出たからこそ買うのに踏み切れたレンズでもあるし、自分がフィットする画角ゆえにこのレンズを持ち出したくなってボディも X-T1 になってしまっています。X-E2 より X-T1 の方が圧倒的に持ち出し率が高い最大の理由です。

(最初に目的があって、そのためのレンズありきでボディを選択するのは、その逆より理に適ってるけれど)

いずれにせよ、購入後一番良く使っているレンズであり、不満が全くないわけではないとはいえ 10万円弱出した価値は十分にある素晴らしいレンズですが、X-T1 同様に

「なんのために Xマウントシステムを買い始めたんだっけ?」

と思わせるレンズでもある。まあ、そう思っても使ってしまうレンズだし、お薦めしたくなるレンズではあるけれども。



▼ XF27mmF2.8

XFレンズで最も小柄で薄いパンケーキタイプのレンズ。手持ちの XFレンズの中で稼働率が2番目に低いレンズだが、画角も好みだし、このレンズでなきゃ Xマウントボディを持ち出せない時もあるので持っていて良かったと思えるレンズ。

ただし、そう言えるのも 新品を $200 で買ったからである。しばらくの間、B&H など北米のカメラショップではその値段で売られていました。

はっきり言って Xマウントのカメラボディもレンズも “ちょい高め” であり、多くのレンズは納得できるモノけれど、さすがにこれは「ちょっとぼったくりだろ?」と思う。

写り的にも悪いわけではないが、所詮パンケーキタイプのレンズであり妥協するところは妥協すべきものであり、私がこのレンズに対して前向きな評価をしているのも $200 で買ったからであり、通常国内で売られてるように 4万弱なら買ってない。

X-M1 や X-A1 もそうだったけれど、こういうレンズを企画してこういう値付けをしてしまうセンスでは、富士フイルム機がマスに売れないのも当然。

そんなわけで、$200 のレンズなら普段は X-E2 のボディキャップレンズ状態でも全然気にしていない。CP+ で展示されていた本物のボディキャップレンズがいつ発売になって幾らになるのか知らないが、正直どうでも良くなった(出ても、どうせまた無駄に高そうだし)。

たいていはこのレンズを外して別のレンズを付けて持って出るのだが、X-E2 とともにコンパクトな体制ででかける時にはやはりこのレンズになる。それだけでも十分。

X-E2 + XF27mm F2.8 だとデカいコンパクトデジカメ状態だが、高感度に強い X-E2/X-T1 は夜間スナップにはもってこいなので(APS-C コンパクトの GR も夜撮は AF、画質ともイマイチだしね)、これで出る価値はある。まあ、カバンに余裕があればレンズはやっぱり明るいものになるが。

絞りリングがなく、背面ダイアルで絞りを操作する方法になっている。そのことは悪くないのだが、元々レンズに絞りリングありきで操作体系を組み立てていたのが、XC レンズも含めて絞りリングのないレンズが登場して Xマウント機の操作性が破綻しかかってる要因でもある。

絞りリングがないけれど、フォーカスリングはこんなレンズでもしっかりしていて、ちゃんと MF できるところは富士フイルムのポリシーが伺える美点なのだけど、システムトータルで見た場合、果たしてそれだけを優先して良かったのかどうか……



▼ XF35mmF1.4 R

どこのメーカーにも良心と言えるレンズがありますが(キヤノンですら良心レンズはある :-)、富士フイルムで言うならコレじゃないかな?と思える 1本。

特に安いレンズではなく、フルサイズの 50mm F1.4 クラスと同程度の価格はするのだけれども、軽さ・コンパクトさ、写り、操作感ともに上々

振り返ってみれば、X-E1 + XF18-55mm のレンズキットを買ったのち、早い段階でこのレンズを購入したことが、Xマウントにハマった理由だった。

正直言って 52.5mm という画角は好きじゃないので(28mm 前後と 50〜60mm は苦手)、XF23mm F1.4 R 購入後は出番が減っているが、このサイズ・軽さと写りのバランスは、これぞオリジナル精神の XFレンズ、と個人的に感じる。

AFは速くない上に少々やかましいし、付属フード使用時はレンズキャップが使えず、フード専用のキャップはこれがまた外れやすい……とかあるけれど、使ってきた頻度も合わせて XFレンズで一番愛着のあるレンズ。これがせめて 45mm 相当なら、もっと使いまくってるのになぁ…なんて(^_^;)



▼ XF60mmF2.4 R Macro

X-E1 レンズキットを買って数週間後、XF35mm を買おうかと思って行った某カメラ屋で、たまたま金融新品として安売りしていたのを衝動買い。

最初に買った XF単焦点レンズで XF35mm 同様に描写に不満はなかったものの、元々マクロ撮影をすることはあまりないし、当初の AF の遅さは閉口ものであまり持ち出すこともなく、長らくの間ダントツに使われてないレンズでした。

ですから、昨秋 X-E2 を買った時も資金源として手放そうかと思って、一度は元箱にパッキングしたくらいでしたが、X-E2、X-T1 で完全に生き返ったレンズとなり、今は持ち出し、撮影頻度も高まっています。

糞遅い、というのがピッタリの AF でしたが、ファームウェア・アップデートと X-E2 で(イラチな私でも)実用的になり、特に EVF 性能の高い X-T1 というこのレンズを MF で使うのに相応しいボディが出て、

「売らなくて良かった〜、金欠時に早まらんで良かった〜」

と心の底から思っています。写りがすこぶる良いのは最初から判っていたことですからね。

あと最近は色々割り切って、フードを外して持って出かけることも多くなりました。金属フードは確かに良いのですが、重いわ、デカいわで嵩張ります。手ぶれ補正がないことと、マクロと言ってもハーフなことと並ぶ欠点でしょう。

このレンズ、本体だけなら本当にコンパクトなマクロですから、それを生かすためにはフードなしという多少のデメリットは仕方ないかな、と考えてます(目的によりますけどね)。

フードのために持っていかないより、フード外してでも持っていった方が良いわけで。せっかくハーフマクロにしてコンパクトなレンズにしているのですから、コンパクトなまま持っていくのも有りじゃないかな、と。

このレンズが常用できるようになって標準ズームレンズを持ち出さなくなったのか、標準ズームを持ち出さなくなったからこのレンズを持ち出すようになったのか判りませんが、いずれにせよ、売りに出される寸前から生き返って愛用しているレンズになりました :-)



▼ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

いま一番使われてないレンズ、になってしまいました。単焦点レンズを揃えて、どれも気に入っているので必然的にそうなります。

X-E1 のキットレンズとして購入したわけですが、巷のキットレンズ標準ズームと比べると、半段明るい代わりに一回りデカく重い、という XFズームらしい仕様です。ある意味、スペック志向(笑)カタログ的にも F値は目立つけど、重量・サイズは目立たないからねぇ。

写りも巷のキットレンズより良いと言われたりもしますが、昨今の他社キットレンズもパンケーキタイプのように小ささへ振らなければ結構良い写りをしますから(特に一眼レフのキットレンズ)、正直なところ可もなく不可もなく、な感じです。

といっても、ワイド端 28mm 開放 F2.8 というのは気分の良いものですし、やや大きめ・重めと言ってもズームレンズとしてみればこんなものかな、と思えているので、このレンズに関してはあまり重さ、サイズを意識したことはないですね。

使用頻度は激減して防湿庫の肥やしになりつつありますが、身軽な旅へ出かけるとしたらやはりズーム基本になりますから、手放すことは全く考えていません。



▼ XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS

たった一本の XF望遠レンズ。テレ端付近を除けば写りは良いし、テレ端付近もさほど悪くない。ミラーレス機のダブルズームキットに付くような廉価望遠ズームレンズのように、テレ端撮影で溜息をつきたくなるようなレンズではありません。

それに一般的な廉価望遠ズームより 1/3段から半段明るいし、手ぶれ補正はよく効く。これだけ見ると理想的にも思えるのですが、

重い、デカい、高い


の3拍子。その3拍子も中身に比して納得できるものであれば問題ないですが、私は納得していない。

望遠レンズが1本しかないから持ち出す頻度は高いし、多分この1年で一番撮影枚数が多いレンズはコレです。けれど、それは望遠レンズがこれしかないからであって、積極的にこのレンズを使いたいわけではないし、高い評価をしているわけでもない。

はっきり言えば、このレンズを持ち出すたびに「何のためのミラーレス機なのやら…」と思います。カバンがグッと重くなり、EOS を持ち出しても良いんじゃないか?と思う。

EOS では 1.4kg 未満の小さな望遠レンズは持っていませんが、X-T1 の代わりに 70D でも買って、EF70-200mm F4L IS USM でも買っときゃ良かったのかもなぁ、と脳内をチラッと掠めるくらいは思います。それなら動体性能に対して文句も言えない(笑)

APS-C 専用の XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS が φ75mm×118〜177mm、580g。
フルサイズ対応の EF70-200mm F4L IS USM で φ76mm×172mm、760g。
同じくフルサイズの FE 70-200mm F4 G OSS だと φ80mm×175mm、840g。

なんだかなぁ、と思います。ここまで重くデカいなら F4 通しにして欲しかったと思うし、廉価望遠ズームの3倍くらいの値段の割には鏡胴は伸縮する廉価ズームと同じだし、何よりもバリフォーカルレンズだしねぇ。まあ、最後は静止体だけ撮る人は気にならないかもだけど。

でもって、この図体のデカさ、重さほどに写りが極上と言えるほどかというと、そこまでとは言えない。決して悪いわけではないけれども、その代償としてここまでデカいの?という疑問はある。悪いレンズではないが、どことなく半端感が残る。

正直言って不満は多々あるレンズだが、XF望遠レンズはコレ一本しかないので使うしかない。廉価で軽い XC50-230mm というレンズもあるが、230mm で F6.7 などという、ふざけたレンズに金を出す気にもなれないしね。



というわけで、こちらも言いたい放題書きましたが、こんなところで。こんな “振り返りまとめ” みたいな記事を書いていると、間もなくマウント一式を手放す直前みたいですが、そんなつもりはありません。

ただ、こうして改めて列挙してみても、とりあえずこれで十分かな、という感じます。本音を言えば、十分かな、というよりは欲しいレンズ、求めているレンズはもうない、ということですが。

発売済みレンズで興味あるのは XF56mm F1.2 R だけですが、ポートレートは撮らないし、それ以外でも使う場面もないし、XF60mm F2.4 R Macro ではなく XF56mm じゃないとダメなものを撮るイメージもないので、無駄遣いする必要もないでしょう。使わないカメラとかレンズとかを無駄に置いておくのが大嫌いなので。

この先出る予定のレンズの中では、防滴仕様の高倍率ズームレンズ (XF18-135mmF3.5-5.6 R OIS WR) は X-T1 の防滴仕様を生かすために買っとくかなぁ……とは思っていますが、使用頻度が高くないのが判っているので、鏡胴の仕様と値段次第。また無駄に高いようなら余裕でスルーです。

大口径望遠ズームの XF50-140mmF2.8 R OIS WR は予約買いするつもりでしたが、X-T1 の動体捕捉能力がはっきりした今、別に買う必要はないかな、という方向に。

XF55-200mm の写りには満足していないし、イベントでモックアップを見せてもらった限り XF55-200mm からさほど大きくも重くもならなさそうなので(1kg未満?)買い換えたい気はあるけど、XFレンズに投資するより EF70-200mm F2.8L IS USM を II型へ買い替える方が断然賢明でしょう。

超望遠レンズも超楽しみにしていましたが、富士フイルム機で動体がまともに撮れないなら要らないので、スルー予定になりました。

最新の Xマウントレンズ ロードマップで興味あるレンズはそれらくらいだし、その後は富士フイルムもフルサイズへ行くでしょうから、私の XFレンズもそろそろ打ち止めですかねぇ。

ついでに XFレンズ徒然【前編】