明日発売予定と言いながら既に発売されている、富士フイルムの超広角ズームレンズ XF10-24mm F4 R OIS。サンプルを見るかぎり素晴らしい描写で事前評判も高く、予約に供給が追いつかず発売延期、そして延期しても供給不足のアナウンスが出ていました。

Xマウント用レンズ「XF10-24mm F4 R OIS」お届け遅延のお詫びとお知らせ : お知らせ | 富士フイルム

XF56mm F1.2 R に続く 400g を超えるレンズと言うことで X-E2 ではレンズヘビーだな、と思っていた私もイベントで X-T1 と組み合わせて使ってみて、なかなかバランス良く「やっぱり超広角レンズは 10-24mm F4 にするべきかなぁ」と迷いましたが、結局 XF14mm F2.8 R を購入しました。

XF14mm_01


当初は画角的に 21mm 相当の XF14mm F2.8 より 18mm 相当のカールツァイス Touit 12mm にしようと思っていましたし、遅れていた XF10-24mm F4 R OIS が発表された時は「次に買うレンズは 10-24mm だな」と思っていたのですが、二転三転しつつ XF14mm F2.8 R に落ち着きました。

その理由は、4つ。



  • 自分の富士 Xマウント機における使い方を考えた場合、超広角域の画角レンジの広さより小型軽量な軽快さを優先して持ち出す頻度を上げたい

  • X-T1 と X-E2 の2台体制で行く上で X-E2 に超広角レンズを付けることも多くなりそうなので、バランスの良い XF14mm F2.8 R の方が良い

  • 超広角レンズは好きだけど、過去に超広角ズームを使ってきた経験上、好きなだけで実際に撮るとなると悩ましく満足したものが撮れた例しがないので、程よい準・超広角的な単焦点がお似合いかも

  • レンズのキャッシュバックキャンペーンの対象製品で、お買い得な状況だから
    (2月に他より5千円ほど安く売っていた電器屋があって、3月に入り値を戻したのですが、先日タイムセールで安くなっていたので思わず購入 ^^;)


といったところ。要は

画角の自由度より小型軽量さを選んだ


ということです。

XF14mmF2.8 RΦ65mm×58.4mm235gフィルタ径 Φ58mm
XF10-24mmF4 R OISΦ78mm×87mm410gフィルタ径 Φ72mm


XF10-24mm F4 R OIS はワイド端 15mm という超広角加減だけではなくテレ端が 36mm まであるので、かなり使いやすいだろうなぁ、レンズ交換しなくても良いシーンが増えるだろうなぁ、という魅力はあります。

富士フイルムのズームレンズとしては初めて F値一定、F4 通しというのも使いやすいだけでなく、ズームで鏡胴が伸び縮みしない初の XF レンズなのでかなり魅力的です。手ぶれ補正がありますから、暗所の歩留まりは XF14mm F2.8 より良いでしょうし。

ただ、前述のとおり、超広角な写真は好きですが、好きなだけでなかなか難しいのも事実。一番最初に超広角レンズ(Tokina ATX-124 Pro)を買った時は、好きなだけで楽しく撮影していましたが、そのうち壁に当たって今に至る(^_^;)

ですので、程よい広角の 21mm 単焦点で、スナップができるような感じで使えた方がいいかな?という気持ちで XF14mm F2.8 R に決めました。画角をしっかり身体に身につける、という意味も込めてです。

XF14mm_02
(同梱物一式。ファーム更新用のSDが入っていたが、既に更新済みだった)


以前の私なら一も二もなく 10-24mm を買っていたでしょうが、それを思えば自分も変わったものだなぁ、と思っています。それも Xマウント機を使っていての変化であるように思います。

超広角側は優先度が多少下がる分、重さ大きさの関係で持ち出す頻度が下がるよりは XF14mm F2.8 R のような小型軽量なサイズ感で持ち出す頻度を上げたいと思っています。

マイクロフォーサーズを使っていた頃はパナソニックの 7-14mm F4 が素晴らしく&お気に入りで、どうにも満足できる写真が撮れた覚えはありませんが、超広角レンズなのに非常に小型で+1本持っていくのに苦労しなかったこともあり、今回の XF14mm F2.8 R もそうなってくれればいいなぁ、と思っています。

XF14mm_03XF35and60
(サイズ感としては XF35mm と 60mm の間という印象)

XF14mm_04XF35and60
(14,35,60mm。小型軽量な3本のレンズで出かけるのも良き哉)

XF14mm_06XF35and60
(フードを付けると 14,35,60mm で印象は変わるが、60mm のフードはあまり使わず…)


14mm F2.8、35mm F1.4、60mm F2.4 と小型軽量な 3本の単焦点でバランス良くやっていけるんじゃないかな、と思っています。28mm 相当はどうも苦手なので、広角単焦点としては 21mm 相当の方がストレスなく撮れる、ということもありました。

XF14mmF2.8 RΦ65mm×58.4mm235gフィルタ径 Φ58mm
XF35mmF1.4 RΦ65.0mm×50.4mm187gフィルタ径 Φ52mm
XF60mmF2.4 R MacroΦ64.1mm×63.6mm215gフィルタ径 Φ39mm


また、XF14mm F2.8 R はフィルタ径 58mm と、標準ズーム XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS と同じフィルタ径であり、よく見るとフードも共用です。

XF14mm_09XF18-55
(フードやフロントキャップは XF18-55mm と共通)

XF14mm_08XF18-55
(サイズや重さは一回り XF18-55mm の方が大きく重いが、兄弟って感じ)


しかしこれを見ると、14mm と同じフード使っていている XF18-55mm のフードは、殆ど遮光の意味はないんだろうなぁ、と判りますね。私もフードはレンズ保護の意味合いで使っていますが(プロテクトフィルターとかは使わないので)。

実際の使用感についてはまだ使い始めて一週間くらいなので何とも言えませんが、一年前にこのレンズが出た時に賞賛されていたとおり、歪曲が極めて小さく、解像感は良く、色収差は目立たず、スキッと写る単焦点らしい写りで、第一印象としては十分満足ですね。

Atrium Square in Osaka Station Building


周辺光量の落ち込みが RAW では多めのようですが、カメラ内 JPEG では補正されて気になりません。焦点距離から言ってある程度の落ち込みは仕方ありませんし、元々広角レンズでの周辺光量落ちは好ましく思ってもいるくらいなので、もう少し補正少なめでも良かったのでは?と主くらいです。

過去に使ってきた超広角レンズはもっと落ち込んでいましたしね。Voigtlander SWH 15mm F4.5 なんて凄かったですし(それが結構好きだったんですけどね)。

ただ、XF14mm F2.8 R で唯一気に入らないのは、当初購入候補から外していた理由でもある点ですが、

ピントリングの仕様(AF/MF の切り替えが他のレンズと違う)


ということ。これはホント、何を考えてるのか判りませんね。

それについては、また項を改めて書きますが、小型軽量さと画質に関してはひとまず満足な XF14mm F2.8 R です :-)