コンパクトデジカメも含めて Wi-Fi 機能のキャッチアップが遅れ気味だった富士フイルムでしたが、昨年コンパクトデジカメに続いて X-M1、X-A1, X-E2 とミラーレス機にもようやく Wi-Fi 機能が搭載されました。

ただ、X-M1、X-A1, X-E2 も昨年モデルのコンパクトデジカメも Wi-Fi で利用できる機能は、画像閲覧・取り込みとスマートフォンからの位置情報追加のみでした。

既に他社カメラの Wi-Fi 機能ではスマートフォン/タブレットによるリモート撮影が当たり前になりつつあったので少し遅れ気味でしたが、今年モデルのコンパクトデジカメの一部および X-T1 からリモート・ライブビュー撮影が搭載されました。

X-T1_CameraRemote1


機能的には可もなく不可もなしですが、お手軽なリモート撮影にはピッタリというだけでなく、X-T1 ではできないタッチ AF が可能ということもあり

X-T1 の使いづらい小さなボタンをちまちまするより
三脚に据えた状態で設定を弄るならスマホからやる方が楽じゃね?


と思えるものです。

まあ、当然ながら接続の手間はいりますし、バッテリーは食いますし、例によって間抜けな仕様とか(後述)、花火などのタイミング最重要なシーンでは有線レリーズケーブルに限るとか、色々とありますが、

アナログ操作に惹かれてやってきた爺さんも
食わず嫌いせずに一度やってみるとええんとちゃうかな?


と思います(偉そう)。Wi-Fi 接続限定のタブレット(iPad や Nexus 7)や iPod touch でも使えますしね。

 
(前世代 Nexus 7 や iPod touch なら比較的リーズナブルな端末かも)


普段レリーズケーブルを使っている人も忘れた時には便利ですし、スマホ/タブレットさえ持ち歩いていればいつでもどこでもリモートできるのは、しょっちゅうレリーズケーブル(と NDフィルター)を忘れる私には大助かりです。安心です。

ただ、富士フイルムのリモート撮影アプリには幾つか注意点があります。


まず第一に、

従来の Wi-Fi 搭載機とはカメラ用アプリが異なる


点には注意が必要です。X-E2 と F900EXR(コンパクトデジカメ)はカメラアプリが共通で使えましたが、X-M1/X-E2 と X-T1 はカメラアプリが共用できないので、両使いの人は2つのカメラアプリを入れることになります。

X-T1_CameraRemote6
(真ん中左のCamera Appが従来機、右のCamera RemoteがX-T1用)


元々富士フイルムにはゲスト用と称した画像受信専用のアプリがありますので(こちらは X-T1 も含めて共通)、これで富士フイルムのカメラ用アプリは3種類になりました。

整理してみると、以下のようになります。

FUJIFILM Camera Remote

X-T1, F1000EXR, S1用


FUJIFILM Camera Application

X-E2, X-M1, X-A1, XQ1, F900EXR, F800EXR, Z2000EXR, Z1100EXR, S9400W, S8400W, XP200, XP70用


FUJIFILM Photo Receiver

全機種用(画像受信限定)


カメラ用アプリが複数に分かれているメーカーは富士フイルムだけではないのですが(キヤノンもコンパクトデジカメと EOS シリーズはアプリが別)、さすがにこれ以上は増やさずにしておいてもらいたいなぁ、と思います。

このあたり、相変わらずマニュアルには「スマホ連携は以下のウェブサイト見ろ」というだけなので、慣れない人にはなかなか敷居が高いかも知れません。スマホ連携専用の冊子を作ってるメーカーもあるんですけどねぇ。勿体ない。

FUJIFILM スマートフォン/タブレットPC/PC用アプリケーション

X-T1_CameraRemote7
(富士フイルムは年賀状アプリも色々な種類を出していて驚きます)


それから X-T1 で使う「Camera Remote」アプリですが、iOS では Ver.5 以降で全機能対応ですので何も気にすることはないのですが、Android スマートフォン/タブレットでは

Android OS Ver.4.0 以降のみリモート撮影が可能


という制限がありますので、2〜3年前の機種をお持ちの方はお気をつけ下さい。

X-T1_CameraRemote2
(新アプリの初期画面は従来とほぼ同じ。友達ボタンの代わりにリモート撮影が追加)


さて、アプリの機能、使い勝手そのものは先ほど述べたように可もなく不可もなく、なのですが、唯一「ちょっとこれはさすがに…」と思うのが、

リモートアプリ側では露出モードが変更できない


ということ。P/S/A/M に相当するモードの変更ができません。

元々、富士フイルムの X シリーズは X-M1, X-A1 を除いて露出モードダイアルがないので当たり前だと思われるかも知れませんが、これはどういうことかというと、

  • 絞りとシャッター速度は、カメラ側で Auto にしているとリモートアプリでは Auto 固定

  • カメラ側で Auto 以外にしているとリモートアプリで自由に値変更はできるが Auto にはできない


わけです。つまり、絞りもシャッター速度も Auto にしているプログラム AE の状態から、リモートアプリだけで絞り優先AE やシャッター速度AE にできないし、その逆もしかり。

また、カメラ側で絞りやシャッター速度を Auto にしたり、Auto から変更してもリモートアプリ側には反映されません。露出モードを変更するためにはカメラ側の操作だけではなく、カメラ側の操作をしたのちにリモートアプリの切断→再接続が必要になります。

デジタルカメラ連携のアプリ作りに関してはまだまだ各社とも試行錯誤して使いやすく判りやすくしたり、付加価値を高めるための努力の過程でありますから、富士フイルムだけどうこうとは言いませんが、

ここまでやっておいて、この仕様はないんじゃないかなぁ


と思いますね。

X-T1_CameraRemote8


基本的に X-T1 は良いカメラですから、あまりネガティブなことは書きたくないのですが、X-E1 を買った時と同様、中身は良いのに使い勝手で足りない点が多々あると感じるので(アナログ操作系まわりだけで判断して絶賛な人が多いのは閉口)、バッテリーグリップの件と同様、改善して欲しいと思うことは早めに書いておきます。

というか、カメラの Wi-Fi 連携についてはオマケ中のオマケと思われて、カメラ系メディアのレビューでも殆ど触れられることがないのは、このご時世どうかなあ、と感じることもあります(パソコン系メディアではきっちり取り上げられることもある)。

コンパクトデジカメ〜廉価ミラーレス機あたりでは、細かな画質なんかより重要と言っても良いくらいでしょう。レビューするプロカメラマンが判らないか軽んじているのだと思いますが、それに比べると各メーカーの連携アプリに対する姿勢・改善はユーザーニーズに直面してるだけあると思いますし、富士フイルムも頑張って欲しいと思います。

X-T1_CameraRemote4
(ISO の変更は X-E2 以前のタイプ。上限の変更はやっぱりこちらが楽だねぇ)


といった愚痴はともかくとして、他に改善して欲しいと思う点を幾つか。

  • 絞り値、シャッター速度、露出補正の変更は、変更したい項目をプルダウンメニューから選ぶ→左右矢印ボタンで変更、という手順だが、スマートフォンのダメな UI の例でもあるので、絞り値、シャッター速度、露出補正の値表示部分をタップすれば、それが選択変更ターゲットになるようにしてもらいたい。

  • 絞り値、シャッター速度が Auto にできる、Auto から値指定に変更できることも必要だが、リモート画面ではモード表示の英字をタップすれば、P/S/A/M を切り替えられるようにした方が判りやすい。ボディ本体のやり方をリモート画面まで持ち込む必要はどこにもない。

  • 変更できる設定内容については必要最小限あるけれど、できれば Q ボタンにある項目は制御できた方が良い(カスタム設定とか)

  • カメラ側で MF → AF またはその逆を行ってもリモートアプリ側では反映されず、接続を一旦切断して再接続しないと反映されないのは対応してもらいたい(現状では露出モードの変更もこれだ)


といったところでしょうか。まあ、某社ではマニュアルフォーカスもリモートで可能ですが、現状がこれですから、まだそこまでは言いますまい ;-)



ともあれ、露出モードが変更できなくて「え?」と思ったりもしましたが、ライブビューの見え方などはまずまずで他社と比べて不満の出るレベルではないと思いますし、十分使えるリモート撮影アプリになっていると思います。

これが X-T1 を買う決定打になったわけではありませんでしたが、魅力の一つではありました。レリーズを忘れて 2秒タイマーでシコシコ撮っていたことが何度かありますからね(^_^;)

でもまぁ、バッテリーグリップの件といい、富士フイルムのカメラにはどこかこう、全体として良いのに何故これが…というのがありますね。

「開発中に実際に使ってみたんですか?動作テスト程度ではなく実戦で」と言いたくなることもあって、なんか私には想像できないポリシーがあるのではないかと結構真剣に思案してしまいます(^_^;)

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