前回記事ではヒコーキ試し撮りで感じたことを書きましたが、あれは基本的に富士フイルム機ができる領分ではありませんから「飛行機を撮るのに向かないからダメだ」なんていうつもりは毛頭ありません。

それどころか、X-T1 でババババと高速連写できるようになると(EVF が殆ど見えないという物理的なモノとは別に)どこか違和感を感じるくらいで、その他の使い勝手を含めて、今までの X-E1 / X-E2 の延長線上とは違うカメラだという印象をますます強くしています。

いずれにせよ、動体撮りなどを基準にしていたら今まで富士フイルム機を買い替え、買い増しなどしてこなかったわけで、あくまで画質と色に惚れての富士フイルム機であり、使い勝手の向上を求めて X-E1 → X-E2 であり、X-T1 購入でした。

X-T1 vs Airplane AF-C Test (7)
(X-T1 + XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS)


しかし、正直言ってしまうと、私には X-T1 が世間で言われるほど使い勝手が良いかどうか疑問に感じています。

購入前、富士フイルムフォトサロンやイベントで試した時にも感じて書いたことがありますが、実際に購入して四日間使ってくるとむしろ確信でき、細かい点でも気になることが出てきています。

もちろん、全てが悪いわけではないですし、アナログな各種ダイアル操作が秀逸と思う人も多いでしょう。そういったアナログ操作系への高評価は否定しません。

しかし、多彩なアナログダイアルによる操作部分以外では多少ならず問題があると思っています。X-T1 を使っていて、X-T1 の性能機能に X-E2 のボタン周りの使い勝手だったらなぁ、と何度も思いました。ヒコーキだけじゃなく散歩スナップ程度でも思います(AF-L も使いづらくなった…)。

少なくともデジタルカメラである限りは、フィルムカメラっぽい操作部分だけをもって X-T1 の操作性に高評価を与えるのは良しとしません。

ま、X-T1 の操作性全体についてはまた別途、もう少し使い込んでからまとめて書きたいと思いますが、とりあえず今、一つだけ言っておきたい。

バッテリーグリップの前後ダイアルが飾りになってるのは
どうにかしてくれ!


バッテリーグリップ付けて縦持ちしている時に、レリーズボタンの前と背面にあるダイアルで露出補正もできず、一般的な縦グリップで使える操作が一切できないのは、さすがに辛い。こんな間抜けな縦グリップとは思わなかった……



富士フイルム従来機では本体背面にだけ小さなダイアルがあり、あくまで補助的なダイアルという位置づけでした。ところが X-T1 では一眼レフや他社の一般的なミラーレス機と同じような前後ダイアルが付きました。

ならば、他社と同じく「前ダイアルで絞り/シャッター速度調整、背面で露出補正」というオペレーションが可能なように思えますが、X-T1 では不可能です。

一部状況を除き、撮影時に前後ダイアルは飾りのようなモノ


になってしまっています。絞り環のある一般的な XFレンズをシャッター速度 Auto で使っている限り(この条件が大半でしょう)、撮影時に前後ダイアルは何も使えません。

(シャッター速度が Auto でなければ前ダイアルはシャッター速度ダイアルで指定した値より ±2/3EV 分だけ動かせます。後ダイアルは絞り環のないレンズでのみ絞り操作可能です)

シャッター速度ダイアルや露出補正ダイアルが機械的な仕組みならともかく、レンズの絞り環も含めて全て電子的なスイッチに過ぎません。ですから、それら機能固定ダイアルを活かしつつ、前後ダイアルも一般的なカメラの操作方法で利用できるようにすることはできるはずです。

しかし、富士フイルムはそれをしませんでした。あくまで数多く作られた機能固定ダイアルでのアナログ・オペレーション、レトロな操作に操作方法を統一するため、前後ダイアルの役割を極めて制限しました。

それによって富士フイルムのコンセプトに沿った操作統一感は実現したのでしょうが、バッテリーグリップを付けて縦位置で撮影する時に破綻します。

バッテリーグリップの前後ダイアルもボディ本体の前後ダイアルと全く同じ動きになっていますから

  • バッテリーグリップの前ダイアルは、シャッター速度ダイアルが Auto 以外の時にシャッター速度ダイアルで指定した数値から±2/3EV だけ動かせる
    (自由にシャッター速度を指定できるわけではないし、シャッター速度 Auto 時は何もできない)

  • バッテリーグリップの後ろダイアルは、絞り環のないレンズの時のみ絞り設定を行える
    (絞り環のある殆どの XFレンズを付けている限り、何も操作できない)


となっています。

バッテリーグリップがあって前後ダイアルが付いているにも関わらず、
露出補正もシャッター速度変更もボディ左手の遠いダイアルに
手を伸ばして操作しなければならない馬鹿馬鹿しさ


いやホント、これはアホですか?と言いたくなる。

富士フイルムフォトサロンやイベントで散々触ってきたのに、グリップ形状だけ確かめて安心したオレも間抜けだけど、ふつー縦グリで前後ダイアルがあって、どっちも事実上飾り状態なんて想像しないでしょう。

a bench
(X-T1 + XF60mm F2.4 R Macro / Adv. Filter: miniature)


富士フイルムとしては、ひたすら沢山作ったアナログダイアルを使ったオペレーションに統一することにこだわり、横位置での前後ダイアルだけでなくバッテリーグリップの前後ダイアルまで補助的な扱いにして、二重操作系にならないようにしたのは理解できます。

けれど、操作の統一性にこだわるあまり、本来快適に使えるべきモノ(バッテリーグリップ)の真価を発揮できないままになっているのは愚の骨頂です。

理想に走りすぎて実用性を疎かにしないでくれ


そう言いたい。バッテリーグリップ付けて縦持ちしている時点で、クラシックデザインもアナログ操作もへったくれもないのだから。

そこにあるのに使えない、もどかしさ。
一般的なカメラの縦グリップと同じモノが付いているのに使えない、強烈な違和感。

富士フイルムのグリップで初めて納得できる形状のものが出てきたと思ったら、この操作性。2014年のカメラの縦グリップとしてちゃんと使えるものにして欲しい。



おまけに、初めて縦グリップを使って「なんだよ、これは…」と釈然としない気持ちで帰宅したら、富士フイルムからの宣伝メールで

X-T1_DM20140214


こんなものが来ていて火に油(笑)

縦持ちした時に EVF 内の表示を縦専用モードにできることをやたら強く推しているけれど(確かにコレは他社も含めて見落とされてきた点)、

EVF の縦表示なんかより、もっとやることあるやろ!


って感じです。

ファインダー内が縦表示にならんでも別に殆ど困ることはないけど、縦グリップで前後ダイアルが使えないままとかアホの極みだし、縦持ちでの不便は他にもある。

EVF の縦表示程度を喧伝するくらいなら、バッテリグリップ使用時には以下のことくらい実現してもらいたい。

  • バッテリーグリップの前後ダイアルを主要オペレーションで使えるように(少なくとも露出補正)

  • フォーカスエリアの位置記憶は、横位置と縦位置で別々に記憶して欲しい

  • バッテリーグリップを付けて縦位置になったら、十字ボタンの役割を縦位置の上下左右に沿って変えるべき


また、EVF の縦表示をことさら謳うなら、

EVF の通常表示と縦画面表示とで情報のある位置を
できるだけ変えないレイアウトにすべき


でしょう。

例えば、横位置の通常表示では露出補正バーが下にあるのに、縦位置画面では左にある。画面レイアウト上、簡単に置ける場所はそこだったのでしょうけれども、むしろ縦画面を専用レイアウトで作るのなら「横でも縦でも露出補正バーは画面下、○○は左」的な配置にした方が戸惑いは少ないはずです。

長辺と短辺では長さが違いますから全ての情報を縦横で同じ位置に表示はできないでしょうが、よく使うものに関してはできるだけ同じ位置に配置することが、本当の「縦位置専用画面」ではないかと私は思います(上記の十字キーの話と通じることです)。

X-T1 1st shots at Kyoto Station (7)
(X-T1 + XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS)


少し脱線しましたが、私にとって X-T1 は縦グリップが使えることが購入要因の一番大きい要素だっただけに、このバッテリーグリップの操作性だけは我慢できかねます。

他の操作性の難点のなかには「富士フイルムの流儀だからなー」とか「まあ次機種でもうちょっと考えてくれ」というモノもありますが、これだけは

こんな間抜けなバッテリーグリップ、ありえへんわ!


と。3日経ってもやっぱりその思いは変わらないので、記事とします。


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