みんな大好きキャッシュバック(という名の実質ポイントバック)が盛んなことで有名な BOOK☆WALKER

昨年10月の KADOKAWA グループ統合時に角川系電子書籍全品 50% キャッシュバックと実質的に半額近い値段で売ったり、12月に角川以外の書籍で行って話題になり、電子書籍ストアとして他の大手と変わらない歴史がある割にはマイナーだった BOOK☆WALKER もすっかり名を売った昨年だったように思います。

そのせいか、年越し30分限定で行われた 108冊を 100円で売るセールは、サーバーが一時死にかけてたくらいの重さでした。まあ、「え?108冊全部ラノベ?」という感じであり、割とすぐに激重状態はなくなりましたが…

さて、そんな BOOK☆WALKER はまた年明けもキャンペーンを2つ行っています。


  1. BOOK☆WALKER 初売りキャッシュバック | 電子書籍ストア-BOOK☆WALKER
    (2014年1月1日(祝)0:15〜1月6日(月)9:59)

  2. BOOK☆WALKER 3周年 初売りセットきせかえ本棚 | 電子書籍ストア-BOOK☆WALKER
    (2014年1月1日〜3日、各日4商品、それぞれ100セット限定)


前者は毎度のキャッシュバックキャンペーン(という名の、ポイントバックキャンペーン)。今回のキャッシュバック条件は
  • ストア内全商品(カテゴリー指定なし)
  • 1,500円購入毎に 500円分の B☆W専用 WebMoney
  • 上限なし

ですから、キャッシュバック率は BOOK☆WALKER の通常営業。ただし、「3,000円毎ではなく 1,500円毎」「上限なし」というのは、一般向けキャンペーンとしては、いつもより少し条件が良いでしょうか。

いくら BOOK☆WALKER といえど、半額相当のキャンペーンがそうそうあるわけではなく、いつもは 3,000円毎に 1,000円分バックないし今回のような条件で、たまに 2,500円毎に 1,000円になるくらいです。

もっとも、こっそり?年末30日に半額相当のゲリラキャッシュバックキャンペーンをやったばかりですし、年始とはいえ、こんなものかもしれません。

(年末のゲリラキャッシュバックキャンペーンは告知ツイートも夜遅くになって一回きりでしたから、予告メールを受け取れる対象者以外は見逃しがちだったかもしれません)


もう一つのキャンペーンは、BOOK☆WALKER 側で組み合わせた 3,000円相当の書籍を 2,014円で売るキャンペーン。出版社毎に何冊かセットになった商品を割引して売る

福袋的なキャンペーン


になっています。各日4つのセット商品が日替わりで提供され、それも各商品 100セット限定。

また、単純に安いだけでなく、1,000円分の BOOK☆WALKER 専用 WebMoney 付きなので、実質 1,014円。かなりお得。ただし、組み合わせは BOOK☆WALKER 側指定で、セット内の一部書籍のみ公開されています。

BOOK☆WALKER は相変わらず色々なキャンペーンを売ってきて飽きさせませんが、これは結構微妙というか電子書籍ユーザーに合うのかなぁ?と思ったら、1日目がそろそろ終わりそうなタイミングでも売れ残っているようで。

各自が好きな物を1冊ずつサクッと変えるのが特徴の電子書籍ストアで、こういう福袋的セットはなかなか厳しいかもしれません。視界に入ってこなかった本を読む機会というのは、それはそれで貴重で有り、新鮮かつ思わぬヒットする時もあるのですが、BOOK☆WALKER の購買層的にどうなのでしょうね。紀伊國屋 Kinoppy あたりだと手を出す人も多そうですが。

あとラノベなどがセットに含まれてると、1巻が安くセールされていることが少なくないので手を出しにくい気もします。同時に 1,500円購入毎に 500円分のバックをやっていますしね…

記事を書いている時点では売り切れになっていないので、興味ある人は見てみるのが良いとは思います。



ちなみに、KADOKAWA のキャンペーンも含めて電子書籍各ストアの安売りに関しては、

電子書籍の半額セールは本当にマンガ好きにとって福音なのか? KADOKAWAセールのインパクトと電書市場の未来像 | nelja

というような意見もあって、確かにこういった懸念も判らなくはないです。

が、正直言って「半額だから買った」「半額だから手を出してみた」ということ、そういった本のはあると思うんですよね。私自身そうですし、周りでも実質半額というのに釣られた買った人は多いです。

そういった「半額だから買ってみた」本を、私みたいな人が定価で買うかといえば、疑問です。私自身、「中古本屋と変わらない値段だから買った」というのもあります。電子書籍なら中古本屋と違って多少でも著者や版元へ還元されていくのだろうと思えば、電子書籍を買います。

本当に買いたい本は紙でも電子書籍でもセールに関係なく買っていますし、セール時にシリーズを一気に揃えた本の新刊は発売時に(電子書籍の)定価で買ったりしていますが、欲しい物から +αへ手を出していくのは、強い価格的魅力のあるキッカケがないと、なかなか難しいように思います。今も、将来も。

本好きな人は本に最優先の投資をするでしょうが、そうじゃない人は本に対しても「値頃感」というのがあるわけで、欲求と価格の天秤が本好きな人とは違いますからね…

(写真/カメラが好きな人が 10万以上のレンズでも普通に手を出してしまう、iPhone を発売日に一括で9〜11万払って買ったりするのと同じようなものでしょう)

色々守りたい物はあるでしょうが、今の十代のように「音楽は Youtube で聴く物」となっているのを見ると、それが書籍にも来ない保証はないように思います。

20〜30年後には年寄りと好き者以外は本を殆ど読まなくなっていった…なんていう状況に対する危惧は業界の人が一番考えているでしょうが、音楽業界を見れば「ヒット作家から新人への富の再分配」ができるような古き良き時代はもう遠くなりつつのではないかと、一ユーザーとして感じます(その再分配が必要かどうかは別にして)。