前3回はグダグダと個人的なことを書きましたが、この先の記事で操作性とか AF について細々書く前に、とりあえず先に結論を言っておこうと思います。

X-E2 は本当に良い、推せるカメラになりました


X-E1 が悪いカメラだったとは思いません。少なくとも一年近く(文句を言いつつも)愛用してきたカメラです。ただ、“画質/色は良いけれど…”なカメラでした。欠点が長所に比類するレベルでもありました。

X-E2_21withXF35


X-E1 は他の Xマウント機同様に他社には決して真似のできない特長がある反面、2012年終わりに出てくるカメラとしてはあまりにも“こなれていない”部分が多すぎでした。十万円超のカメラとして価格に見合わないパーツ使用もありました。

そんな一芸に秀でていたけれど惜しいカメラだった X-E1 は、ヘイストないしピオラの呪文によって“素早さ”が上がっただけで断然使いやすいカメラになりました。

X-E1 では「撮る時は楽しくなくても、撮った後(の写真を見る時)は幸せになれる」カメラと言っていたのが、

X-E2 は撮る時も撮った後も楽しく幸せになれるカメラ


そうなったと断言できます。



実際、X-E2 を使い始めて二週間、つくづく感じるのは“ストレスなく撮れる”ということ。操作レスポンス、EVF のリフレッシュレート、AF速度等々…。X-E1 との差で実感するのは機能差ではなく、速さの差。

一つ一つの差は本当にちょっとしたことだと思うし、数値で計測したり、店頭などで差を比べるだけでは大きな体感差にはならないと思うのですが、実際にスナップ的に使っているとこうまで印象が違うものかと思います。

このあたりは古いカメラを使っている人や三脚に据えてじっくり撮る人には関係ないことかもしれませんが、昨今の他社機を使ったことがある人なら X-E1 は実にもどかしいカメラでした。それが他社機と比べて、併用していてもストレスを感じない程度にはなりました。少なくとも

イラチな私でもご機嫌に使えるレベル


です(他社最新鋭機と比べるともう半歩かもしれないが、実用上何の問題もない)。

また、背面液晶が真っ当な品質なものになったことの他、
  • 露出補正ダイアルが±3EV まで対応した
  • 軽すぎて誤動作の多かった電源スイッチや露出補正ダイアルの改善
  • AE、Fn2(旧AF)ボタンのボタンカスタマイズ追加

といった細かな操作性向上も、ストレスなく使えることに大きく寄与しています(ボタンカスタマイズは左右ボタン、特に右ボタンが完全に役割なく浮いているのでカスタマイズ対象に追加して欲しいところ)。

ちなみに、旧機種のファームウェア・アップデートの内容に、AE、AF ボタンのボタンカスタマイズが入っていないのはちょっと疑問。できない理由はないと思うし、この2つが自由に機能アサインできるだけでも随分使い勝手は良くなると思うのですがね…

X-E2_14withX-E1


改めて X-E1 から X-E2 に買い替えて(買い増して)良くなったところを考えてみると、点像復元機能や像面位相差AF、Wi-Fi、アドバンストフィルター、デジタルスプリットといった新機能より、

小さな改善の積み重ねが、カメラの使い勝手として大きな違いに


なっていると感じます。

もちろん、操作レスポンスや EVF、AF などの向上はカメラエンジンチップや周辺機能の進化があってこそでしょうから技術的には小さな積み重ねとは違うかも知れませんが、結果的にはあちこちの部分で少しずつ良くなっていることが結果的に大きな変化になっていると思います。

この X-E1 → X-E2 の変化は新機能追加と違って変化が見えづらい部分ですから、なかなか言葉にもしにくいですし、売る側としても押せない部分だと思いますが、本当に心地よく使えるカメラになったと思います。

以前の記事で

「ようやく富士フイルムのカメラボディが真っ当になった」

と書きましたが、思えば富士フイルムが以前一眼レフを作っていた時、ボディは他メーカーの借り物でした。他メーカーの一眼レフのボディを買ってきて、その中に自社製センサーとエンジンを詰め込んだものでありました。

中判カメラその他の経験がある富士フイルムですからボディの経験が初めてというわけではないものの、色々な面で“こなれてなかった”のは仕方なかったのかなぁ…と今にしては思います。

そんなのはユーザーに何の関係もない話ではありますが、X-E1 と X-E2 を両方使ってみると「X-E1 は習作だったんだなぁ」という思いが非常に強いです。

富士フイルム的にはそんなつもりではなかったでしょうが、X-E1 と X-E2 の差を実感するにあたって、技術の進歩だけではなく“経験の蓄積とフィードバック”というものを強く感じます。

X-E1 と X-E2 両方買ってようやく納得できる完成度の Xマウント機を手に入れた、という複雑な思いはありますが、X-E1 を買った分が少しでも X-E2 開発の下地になったんだと思えば納得…なんてできませんが、デジタルモノはしゃーないですね(^_^;)

X-E2_11withX-E1


ということで、X-E1 の時にはその画質/色を褒めつつも、カメラとしての出来に散々ケチ付けまくりましたし、そのことに一片の曇りもありませんが、X-E2 は違います。悪い意味での癖は随分と減り、だいぶ素直な普通のカメラに近づきました。

X-E1 はマイクロフォーサーズ機や NEX、EOS M といった一般的なミラーレス機というよりは、どこかしらシグマのカメラに近い尖りっぷりを感じていました。そういった尖りは心奪われる人たちを集めると同時に、一般層からは遠ざかるものでもあります。

その点、X-E2 もまだ足りない点はあれど、随分と減った欠点は長所によって覆い尽くせるカメラになったと思います。少なくとも X-E2 は多少の欠点に対しても

「どんなカメラにも欠点はあるしね!」と笑って言えるカメラになった


と思います。欠点より圧倒的に長所を言えるカメラになりました。

それゆえ X-E2 は

誰にでも条件付けずに勧められるカメラになった


と言えます。X-E2 は魅力はあるのに勧めづらい、酸いも甘いも覚悟の上で買って使うカメラではなくなりました。それでいて、富士フイルムならではの牙も備えています。

それに X-M1 同様、
  • Wi-Fi 機能
  • アドバンストフィルター

といった、今どきミラーレス機には当たり前の機能も不足なく揃いました。富士の Wi-Fi 機能は他社と比べても使いづらさはないですし、パソコン転送の機能もあります。

動画は X-E2 で改善されたとはいえ、動画も撮りたい向きには勧めにくいカメラですが、写真を撮ることに主眼をおくなら他社機に負けない特長と使いやすさがある。そう言えるカメラです。

従来機のように友人知人から相談されて、ネガティブ面を伝える必要もなくなりました。単純に見た目だけで惚れても問題ないカメラ。レトロデザインは個人的にどうでもいいですが、それが琴線に触れる人がそれだけで買っても不自由ないカメラ。

唯一、残念だったのは

背面液晶が可動式ではない


こと。一度でも可動式液晶のカメラを使っていれば、ファインダーがあるから可動式液晶は必要ないとは言えないと思います。

00009336.JPG
(クラウド転送機能がないので Wi-Fi 機能は常用しないけど、あれば便利。特に旅先)


あとは単純な数字スペックと価格だけ見ると他社と比べて不利なところはあって、万能性(無難度と言い換えても良い)には劣りますから、どうしてもコストパフォーマンス的には不利かもしれません。富士フイルムの武器になるところが、スペックと価格を見て買う人には訴求できるかは難しいですし、他社機でも十分撮れるわけですから。

そう言った点では今後も、

「惚れた人が買うカメラ」
「自分で買う機種を決められる人が買うカメラ」

というのは変わらないかなぁ、と思います。

それでも私個人としては

ようやく心から納得して使える Xマウント機を手にした


という気持ちには変わりありません。

今後のレンズの充実やボディの進化を思えば、売れようが売れまいが自分には関係ないとは言えませんが、少なくとも「X-E2 は良いカメラだよ」と言い切れる。X-E1 の時にように言葉の端を濁したり、条件付きでもない。

色々悩んだけど X-E2 に買い替えて良かったわ


と言えます。全部に納得してるわけではないので、細々したことは今後書きますが(笑)


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