国内の電子書籍および電子書籍ストアの流れは、以前の記事「電子書籍ストアが本格的に立ち上がって3年」で書いたように、iPad が出てきて半年後の3年前の冬に現在に繋がる電子書籍ストアの多くが誕生した時に一つの節目があったように思います(少なくとも利用者側からは)。
iPad が出てしばらく、電子書籍を専門のストアで買うより AppStore で書籍アプリを買うのが主流だったのが、徐々に出版社、ストアの努力もあって電子書籍販売が本格化し、昨年の Kobo、Kindle ストアの参入によって好き者以外にも広く認知され、状況が随分変わってきたように思います。
私自身も iPad で書籍アプリを買うことから始まり、honto などをお試し程度に使ったのち、iTunes 決済きっかけに紀伊國屋BookWebPlus(現紀伊國屋ウェブストア)や BOOK☆WALKER を本格的に使い始めたわけですが、本格的に電子書籍を購入、読むようになったのは、電子書籍専用端末である SONY Reader を買って以降だったかもしれません。
紀伊國屋BookWebPlus で小説を買うようになったものの、なかなか iPad や iPhone といった液晶端末で長時間読む気にならず、なかなか読み進められない打開策として E-Ink の専用端末を買ったわけですが、思いの外、自分にはフィットしました。
E-Ink の電子書籍専用端末は Sony Reader が始めてではなく、日本参入前の Kindle を輸入購入して使っていたこともあり、
「小説を読むなら液晶端末ではなく、E-Ink の電子書籍端末に限る」
という思いもあって、紀伊國屋BookWebPlus で買った書籍が SONY Reader で読めるようになって購入したわけです。
そして、それまでは「iOS 端末に対応していないから余裕でスルー」だった Reader Store も、Sony Reader 購入時の特典をきっかけに少しずつ使い始め、Android 端末が手元で増えるにつれ、Reader Store の利用度合いも増えてきました。
また、昔はさほど積極的な割引キャンペーンを行っていなかった Reader Store でしたが、最近は kobo や Kindle への対抗措置なのか、時々おおっ!と思うくらいのセールがあったりして購買欲をそそられることがあります。
おかげで、随分先に使い始めた紀伊國屋ウェブストア/Kinoppy より、あとから使い始めた Reader Store の方が購入数が多くなってしまいました(BOOK☆WALKER や Kindle ストアでの購入数とは一桁違いますが…)。
今回は、そんな Reader Store について使っていての感想を記しておきたいと思います。
というわけで、今年になって Android 端末メインになったこともあり、Reader Store での購入数は少しずつ増えているのですが、アプリの方があまり使い勝手が宜しくないことや iOS 端末との併用を考えると、私の中では
という位置づけからは変わりそうにありません(それでも月イチくらいで買ってますが…)。
というか、昨今のソニー再建、再編の中で決して業績良好とは言えない電子書籍事業をどれくらい頑張ってくれるのかなぁ…という不安があるのも正直なところ。ソニーの場合、コンテンツ系からはそう簡単に手を引かないとは思っていますが…ねぇ。
電子書籍専用端末を自社で作って売って、電子書籍ストアを国内外で展開している日本企業は唯一ですし、フロントライトはあくまで付けない主義ながら軽量かつ薄い SONY Reader という端末も良い端末ですから、頑張って欲しいと思っています。
いずれにしても、アプリは色々と改善してもらわないと…と思いますね。
■ 電子書籍ストアが本格的に立ち上がって3年
■ 利用中の電子書籍ストア4店舗雑感【1】紀伊國屋ウェブストア + Kinoppy
■ 利用中の電子書籍ストア4店舗雑感【2】BOOK☆WALKER
iPad が出てしばらく、電子書籍を専門のストアで買うより AppStore で書籍アプリを買うのが主流だったのが、徐々に出版社、ストアの努力もあって電子書籍販売が本格化し、昨年の Kobo、Kindle ストアの参入によって好き者以外にも広く認知され、状況が随分変わってきたように思います。
私自身も iPad で書籍アプリを買うことから始まり、honto などをお試し程度に使ったのち、iTunes 決済きっかけに紀伊國屋BookWebPlus(現紀伊國屋ウェブストア)や BOOK☆WALKER を本格的に使い始めたわけですが、本格的に電子書籍を購入、読むようになったのは、電子書籍専用端末である SONY Reader を買って以降だったかもしれません。
紀伊國屋BookWebPlus で小説を買うようになったものの、なかなか iPad や iPhone といった液晶端末で長時間読む気にならず、なかなか読み進められない打開策として E-Ink の専用端末を買ったわけですが、思いの外、自分にはフィットしました。
E-Ink の電子書籍専用端末は Sony Reader が始めてではなく、日本参入前の Kindle を輸入購入して使っていたこともあり、
「小説を読むなら液晶端末ではなく、E-Ink の電子書籍端末に限る」
という思いもあって、紀伊國屋BookWebPlus で買った書籍が SONY Reader で読めるようになって購入したわけです。
そして、それまでは「iOS 端末に対応していないから余裕でスルー」だった Reader Store も、Sony Reader 購入時の特典をきっかけに少しずつ使い始め、Android 端末が手元で増えるにつれ、Reader Store の利用度合いも増えてきました。
また、昔はさほど積極的な割引キャンペーンを行っていなかった Reader Store でしたが、最近は kobo や Kindle への対抗措置なのか、時々おおっ!と思うくらいのセールがあったりして購買欲をそそられることがあります。
おかげで、随分先に使い始めた紀伊國屋ウェブストア/Kinoppy より、あとから使い始めた Reader Store の方が購入数が多くなってしまいました(BOOK☆WALKER や Kindle ストアでの購入数とは一桁違いますが…)。
今回は、そんな Reader Store について使っていての感想を記しておきたいと思います。
- ■ Reader Store(ソニー)
- Reader Store を運営するソニーは、世界的にもいち早く電子書籍事業を立ち上げ(早すぎて)一度コケていますが、ある意味老舗です。
Reader Store は専用端末とともに米国で先行し、その後欧州や日本国内にも展開したストアですが、Amazon のように洋書の電子書籍を買えるわけではありません。このあたりは国内電子書籍ストアで唯一の特長が出せるはずなのに…と思うところです。
品揃えについては、ブックリスタ系なので紀伊國屋ウェブストアと同じような感じです。言い方が悪いかも知れませんが無難に揃っていますし、配信タイミングもスムースだと思います。Kindle ストアでは配信されていない出版社・書籍も配信されているものがありますので、品揃えで(他と比べて)大きな不満は出にくいのではないかと思います。
以前は販促の仕掛けが少なく、品揃えはしっかりしているけれど売るアピールに欠けていたというか、ソニー端末ユーザーにさえ売っとけば良いのかな?という(ある意味少し前のソニーらしい)印象だったのですが、今年になって独自の結構大胆なキャンペーンも打ち出してきて買う気にもさせてくれます。
また、ReaderStore といえば、
「書籍購入にあたってログイン認証を何度も聞かれて、買うまでにやたら手間がかかる」
「登録デバイスが5台に制限されている割には、登録上限に達した場合は問い合わせてソニー側で解除してもらわないと手出しできない」
といったように、ぶっちゃけ以前は使い勝手が最低な電子書籍ストアだったのですが、この点も今年になって改善されてきました。
少なくとも利用登録されているデバイスの確認と解除に関してはウェブ上でできるようになっており、確認画面の見やすさ、情報量も他のストア同等以上になっています(SONY Reader や Vita に関しては端末で解除できない場合は、ソニーに問い合わせて解除の必要あり)。
ログインの手間もまだ納得できるモノではありませんが、以前よりはマシになっています。Reader Store におけるログイン認証はソニーサイト全体の問題でもあり、パスワードを覚えさせないのは当然としても、ID もクッキー保存させない仕様は面倒なだけなので改善してもらいたいものです。
ただし、ログイン部分を除けば、サイトリニューアル以後はストア側の機能も見通しが良くなり、マイページ画面も整理されてアカウント設定やデバイス管理、購入履歴など各種履歴、キープリスト(欲しい物リスト)といったパーソナルデーターへのアクセス性が良くなっています。
さらにリニューアル時に導入された書籍 SNS 的な機能は、αユーザー専用の写真SNSであるαカフェの電子書籍版的な印象ながら、αカフェほど盛り上がってるとは思えないし、Amazon アフィリエイトによる拡散力には比べるべくもないですが、ソニーはクローズドな方向で行くのでしょう。
メールによる新刊案内、ウェブ上のメッセージ機能、指定したシリーズや著者の新刊通知機能もあり、電子書籍ストアならではの機能に不足はありません。シリーズ続刊や著者新刊の通知は購入履歴を元にした自動通知ではなく、自分で通知指定をしてやる方式ですが、反面、購入履歴がなくても通知可能なのは便利です。
というように、ログイン認証部分での使いづらさはまだ若干あるものの
ウェブストアのサービスはトップクラスになってきた
という印象です。
サイトデザインもリニューアルでさらに良くなったのも好感が持てます。紀伊國屋もシンプルな方ですが、Reader Store の方が垢抜けていて見やすい感じです。電子書籍ストアのサイトは、書影とキャンペーンバナーが乱舞してゴテゴテしたサイトが多いですしねぇ。ドンキホーテで本を売ってるんじゃないんだからと思います ;-)
決済はクレジットカード以外にコンビニなどで買えるプリペイドカードの NET CASH が使えるので、クレジットカード登録が嫌な人でも利用可能になっています。ソニー全体のポイントシステムであるソニーポイントも利用可能なので、他で貯めたポイントで電子書籍を買っている知人もいます :-)
と書いてきて思い出しましたが、Reader Store は二重購入を防ぐ仕組みがないんですよね。使ってる電子書籍ストアで唯一、二重購入をやってしまったストアであります…orz
【追記】再度確認し直したところ、今は購入済み書籍はカートに入れられなくなっているので、この部分は訂正しておきます。
ウェブサイトの使い勝手はまずまずになってきたものの、スマートフォン/タブレットの閲覧アプリの使い勝手は微妙。特に iOS アプリは最近ようやくリリースされたものの、まだ未完成です(コミックしか読めない)。
元々自社専用端末のための電子書籍ストアとしてスタートしたため、スマートフォン/タブレット向けアプリが後回しになったのは仕方ないですが、米国ではいち早く iOS アプリに対応していたのに日本国内では非対応が長く続いたのは、以前のソニーの音楽サービスと同じでした。
現状、Reader Store が完全に対応している端末のは自社 SONY Reader と Android OS のみ。今後、iOS アプリがβ版状態から完成されるでしょうが、ソニーの場合どこまで iOS をキチンとやる気があるのかなぁ…という不安は拭えませんし。
そういう意味で、ソニー大好きとかその他特別な理由がない限り
現状 iOS ユーザーが Reader Store を使う理由はない
と思っています。書籍の品揃えは同じブックリスタ系の紀伊國屋ウェブストアという存在もありますし、そちらの方がパソコンも含めたマルチデバイス対応が早くから行われています。
また、Android版アプリも物足りなさがあるのも事実。
書籍整理には Kinoppy や BOOK☆WALKER にあったような「本棚」機能の代わりに「コレクション」というフォルダ分類な機能があります。ただ、書籍やしおり、読んだ位置の端末間同期は当然ありますが
書籍整理のコレクションの同期機能がない
という大きな欠陥があるので、複数端末を持っている場合は書籍の整理は各端末毎に行わなければなりません。
(ダウンロードしていない書籍のコレクションへの追加もできない点も含めて、Kindle の古いコレクション機能と同じですが、Kindle のコレクションと違って1冊を複数コレクションに入れることはできません。Reader Store / SONY Reader のコレクション機能はフォルダ分類的であり、Kindle のコレクションはタグ機能に近いものです)
また、最初から用意されている「書籍」「雑誌」「コミック」というコレクション(フォルダ?)に関してはタイトルや著者でまとめる機能があるのですが、自分で作ったコレクションの中ではそれができません。
さらに、せっかくコレクション機能があってもアプリのトップ画面の並びに自由がないので、作ったコレクションをトップ画面の先頭に表示させて、よく使う書籍やコレクションを素早く選択するといったこともできません。困ったものです。
まあ、何というか
良い機能はあるのに、色々片手落ち
って感じです。ここらが Reader Store の詰めの甘さというか、他部門と違って一昔前のソニーらしさが残っているというか、微妙な印象がいつまでも拭えない部分でもあります。
また、書籍を実際に読む時の画面、読書設定も必要最小限。フォントサイズの変更はもちろん可能ですが、余白や行間の変更はできません。ただ、テキスト系書籍における余白や行間のバランスは真っ当なので(書籍による)、BOOK☆WALKER のように読みにくく感じることはあまりないように思います。
ただ、目次、しおり、ハイライト機能だけは使い勝手が良い感じです。書籍購入後のダウンロードはさほど速くないものの、私自身はストレスを感じるほどではありません。
唯一 Reader アプリで気に入っているのは、紀伊國屋 Kinoppy 同様に汎用の ePub リーダーとして使えること。Android ではなかなか良さげな ePub リーダーアプリがないので重宝します。横書きの ePub は Kinoppy より Reader アプリを使うことが多いですね。
以上、いささか批判的な記述が目立ってしまいましたが、以前のような「Xperia を含む自社端末ユーザーに売ってりゃいいの?」的な印象からは少し脱しつつあるものの、まだまだ他のストアと比べると使い勝手が落ちる部分はあるように思います。
ソニー復活という課程で他部門では以前と違う、ソニーらしい魅力ある製品・サービスを提供し始めている中で、電子書籍部門はまだ物足りなさを感じます。ソニー端末利用者以外にも薦められるストアへは道半ばかな、と。
というわけで、今年になって Android 端末メインになったこともあり、Reader Store での購入数は少しずつ増えているのですが、アプリの方があまり使い勝手が宜しくないことや iOS 端末との併用を考えると、私の中では
時々買うサブのサブ的なストア
という位置づけからは変わりそうにありません(それでも月イチくらいで買ってますが…)。
というか、昨今のソニー再建、再編の中で決して業績良好とは言えない電子書籍事業をどれくらい頑張ってくれるのかなぁ…という不安があるのも正直なところ。ソニーの場合、コンテンツ系からはそう簡単に手を引かないとは思っていますが…ねぇ。
電子書籍専用端末を自社で作って売って、電子書籍ストアを国内外で展開している日本企業は唯一ですし、フロントライトはあくまで付けない主義ながら軽量かつ薄い SONY Reader という端末も良い端末ですから、頑張って欲しいと思っています。
いずれにしても、アプリは色々と改善してもらわないと…と思いますね。
■ 電子書籍ストアが本格的に立ち上がって3年
■ 利用中の電子書籍ストア4店舗雑感【1】紀伊國屋ウェブストア + Kinoppy
■ 利用中の電子書籍ストア4店舗雑感【2】BOOK☆WALKER
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