出張ミッションは昨晩完了し、今日は午後イチの便で帰阪する前の午前中、福岡空港 Runaway 34 エンド近くで、始めて X-E2 の AF-C をテストしておりました。

X-E2 Test at Fukuoka Airport 7


ようやく富士フイルムも “なんちゃって AF-C” ではなくなったものの、正直 X-E2 の購入の際には AF-C には殆ど期待していませんでした。

ただ、今日少しの時間だけですが 500枚ほど撮ってみて感じたのは

動きモノは論外のレベルだった X-E1 とは雲泥の差
X-E2 は他社ミラーレス機の後ろ姿が見えてきたかなぁ


という印象。

もちろん一眼レフ EOS 上位機とはヒット率の差は大きいですが、他社ミラーレス機とは随分周回遅れだったのが、4分の1周、いやもっと近づいているように思います。

もっとも X-E2 の AF-C は位相差 AF が使える場面でも、食いついた後はコントラスト AF になるという「なんでやねん!」と言ってしまいたくなる問題がありますし、レンズ、手ぶれ補正機構、グリップ、EVF など様々な点で動きモノ撮影に向かない部分があるので手放しで褒めるものでもありませんが、以前マイクロフォーサーズや NEX で撮っていたレベルにはなっていると感じます。

X-E2 Test at Fukuoka Airport 3


今日の福岡は朝方、初雪も観測するほど寒く時雨模様で決して条件としては良くない中で、なおかつ X-E2 を買って初めて望遠レンズでちゃんと撮ったことを思うと、意外と悪くなかったかな、というのも本音。とにかく X-E2 の場合、ヒットすれば画質の良さは折り紙付きですからね。だから X-E2 で撮れるものは撮りたい。

とりあえず、X-E2 の AF、特に AF-C については、ホームグラウンドである伊丹空港で実戦テストしてから色々と書くつもりでいます。

本当は福岡空港で2時間、関西空港に戻ってから2時間くらいしっかり撮るつもりでしたが、かなり寒かったせいか早々にバッテリーが空になり、満充電してきたはずの予備バッテリーはお亡くなりになっていて使えず、結局1時間くらいしか撮れなかったので…(撮影欲も満たされずに欲求不満のまま帰ってきた orz)

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さて、そんなこんなで X-E2 と戯れていると、先日予告のあった XF18mm と XF27mm のファームウェア・アップデートとともに、X-M1 のファームウェア・アップデートがリリース、X-Pro1/E1/E2 および X100S のアップデートが予告されました。

フジノンレンズ XF18mmF2 Rのファームウエアの更新:概要 | 富士フイルム
フジノンレンズ XF27mmF2.8のファームウエアの更新:概要 | 富士フイルム

X-M1 のファームウエアの更新:概要 | 富士フイルム
Xシリーズのフラッグシップモデル「FUJIFILM X-Pro1」最新ファームウエアを公開 : お知らせ | 富士フイルム
Xシリーズの操作性を改善し、最新の機能を追加! 「FUJIFILM X-E1」、「FUJIFILM X100S」、「FUIFILM X-E2」最新ファームウエアを公開 : お知らせ | 富士フイルム

先日、富士フイルムのイベントへ行った際、「X-E2 で変更した点の既存機種への反映アップデートは?」と聞いた時に、順序がありますので…と言われましたが、X-E2 リリースから1ヶ月〜1ヶ月半ほどでのアップデート。

既存機種への迅速なアップデートで富士フイルム Good Job!


といった感じです。年内にはやってほしかったですからね。

レンズ2本のファームウェア・アップデートは先日の XF/XC レンズのアップデートと同じく、X-E2 から搭載された像面位相差 AF、点像復元処理機能へ対応ですが、各 Xマウントボディのアップデート内容は機種によって異なります。

X-E1 / X-Pro1 ともに連写ファイルの再生方法やファイル名が改善され、ISO Auto の上限、シャッター速度下限を設定できるようになったり、マニュアル露出中の表示改善、AEロック中の露出変更などができるようになるなど、ほぼ X-E2 と同じになりました。

今回ファームウェア・アップデートの告知があった各機種(X-M1 以外)の更新内容をこのリリースページにある表にあわせてまとめてみると、以下のようになります。

改善点X-E1X100SX-Pro1X-E2
画像ファイル名の編集機能追加
カメラ内RAW現像の操作性を向上
マニュアル露出で撮影時の露出を反映した画像、ヒストグラムを表示対応済
連写画像を通常撮影と同じ再生表示
ファイル名に改善
対応済
AEロック中に絞りとシャッタースピードが変更可能対応済
ISO AUTO時に上限ISO感度や低速シャッター限界などが設定可能に対応済対応済
光学ファインダー内のブライトフレーム精度を向上(EVF)(EVF)
FWリリース日12/1912/1912/512/19


ただ、本日新ファームウェアがリリースされた X-M1 については、上記の点は完全スルーでバグ修正のみとなっています。

X-M1 はフィルムシミュレーションの種類を意図的に削ったり、当初から微妙なところがありましたが、X-Pro1/E1/E2 に合わせるつもりはないのか、単に X-M1 は間に合わなかっただけなのか…

富士フイルム的には(広告戦略を見るかぎり)X-M1 を X-Pro1/E1/E2 ユーザーがサブ機として買うことを想定せず、X-A1 とともに女子カメ需要にターゲットを絞っているのかもしれませんが、同一メーカーの機種間で操作性が大きく違うのは、あまりよろしくないように思います。

上下機種間のヒエラルキーには厳しいキヤノンでもこういう差別化はしないですし、「マイナー機種の兄弟機なのに、こんなところで差を付けてどうするのかなぁ」と個人的には思いますので、X-Trans CMOS まで捨てた X-A1 はともかく、X-M1 くらいは将来的に揃えられるところは揃えるアップデートがあっても良いのでは…と思います。

X-E2 Test at Fukuoka Airport 5


いずれにしても、X-E1 ユーザーでもある身としては

連写時には再生方法とファイル名が変わる仕様が直っただけでも嬉しい


ですね。連写を使うとファイル名の並びが滅茶苦茶になっていましたし、一日の撮影途中で一万枚単位でのファイル名リセットがあったりすると、その日のファイル名は完全崩壊していましたからね。発狂モノでした。

ただ、X-E2 でも追加された「画像ファイル名の編集機能」は X-E2 には最初から搭載して欲しかった…。変えたいけれど、既に千数百枚撮ってるので少々悩んでしまいます(笑)

なお、今回のファームウェア・アップデートにもある「ISO AUTO時に上限ISO感度設定が可能になった」のは、それ自体は喜ばしいのですが、X-E2 で使ってみると別の欠点も出てしまっています(X-Pro1/E1 でも同じようになるかは判りませんが、これについては X-E2 のインプレ記事で書きます)。

また、カメラ内RAW現像の操作性を向上として「カメラ内RAW現像実行直後に、次のRAF現像が選択可能」になったのは

パソコン用の純正 RAW 現像ソフトが用意できないなら
せめてカメラ内現像を複数枚一括でできるようにすべき


と言っていたことへの一つの回答だと思いますが、一度に十枚程度まででも良いから、やっぱり一括現像処理は欲しいですね。

(これは富士フイルムに限らず各社とも言える話ですが、特に純正 RAW 現像ソフトを提供できないメーカーは真剣に考えて欲しい)

とか何とか言いつつも、X-E2 を使い始めるともうファームウェア・アップデートしても X-E1 を使う気にならないのも事実であり、しかし X-E1 は売っても二束三文みたいなものなので、どうしたものかと悩み中です…

色々悩みましたが……結局買いました、X-E2