ファーストインプレ前編記事では Kindle Paperwhite の新型 2013年モデルが到着後にセットアップ&半日使ってみた第一印象として

  • 端末外観や持った感じは(残念ながら)何も変わらないまま

  • モッサリ感は随分解消されて、ストレスを感じずに読めるようになった

  • 画面背景の白色の色温度が随分と変わった


という3点と述べました。大きな変化は、上記の後者2点と内蔵ストレージの倍増だけ、という印象は数日使った今でも変わりません。

新型 Kindle Paperwhite は初代モデルとサイズや重さが殆ど変わっておらず、サイズ・重量で体感できる差は皆無です。つまり

他社電子書籍端末に比べて、デカい・厚い・重いまま


新型 SONY Reader や kobo glo などと比べると明らかに重くデカく、持ちやすさでは劣ります。

(新型 SONY Reader PRS-T3 はカバー付けて Kindle Paperwhite 同程度の重さ、厚さですが、実際に持ってみるとカバー付き PRS-T3 の方がずっと持ちやすく感じられます)

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(ぱっと見で初代・二代目を区別できるのは、画面背景色の白の違いくらい。
初代モデルを知人に譲る時に何度も確認したくらい外観の差はない)

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(外観で唯一違うのが背面。初代モデルは目立たない「Kindle」だったのが
2013年モデルでは初代より目立つ感じで「Amazon」。ダサくなった…)


国内モデルだけはストレージ倍増になりましたが、相変わらず(Nexus と同じく)メモリーカードスロットはないですし、スペックだけ見ればもっと安売りしてもいいかもねぇ、と思うくらいです。

細かい追加機能は色々あるものの、ざっくり言って

体感できる改善点は内蔵ストレージ倍増とレスポンスの高速化のみ


と言っても良い程度であり、小説などテキストものを読んでいる限りは劇的に使い勝手が上がったというほどではないと感じます(電子インク端末でコミックばかり読むという奇特な人は別)。

コミックも読む人間にとっては(ストレージ倍増+レスポンス向上で)買い換えた価値がなかったとは全く思いませんが、今回は別に買い換えなくても後悔はしないだろうなぁ、というのもまた本音ではあります :-)

以下、気になる各点についての個人的な印象と、最後にトータルの印象を率直に書いてみます。


【1】画面の見え味


前編記事で書いたとおり、初代 2012年モデルと新型 2013年モデルとでは画面背景の“白”の色が少し異なります。

初代モデルでは色温度高めで青っぽく、新型では色温度低めのベージュっぽい白。好みの差もありますが(個人的には初代モデルの感じも嫌いじゃない)、

新モデルの方が、より紙の本を読んでる感覚に近いなぁ


と感じます。まぁでも比べて初めて判る程度の差ですけどね。

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(新モデルのフロントライトは均質性が向上していて、隅までムラがない)


また、新モデルではコントラストが改良されているとのことですが、室内で使う分には特に有意な差は感じず、日中持ち出してみるとちょっと見やすくなっているかな?程度。日中屋外での使用においては初代モデルでも液晶端末とは雲泥の差ですから、その差に比べれば小改良です。

コミックの描写(グラデーションの出方)が初代モデルと新モデルで違う云々という記事も見ましたが、私個人としては「気になるような差はあるかなぁ」という感じです。

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私自身がテキスト文字の描写に比べるとコミック描写を細かいところまで気にしないせいもありますが、元々コミックは液晶端末で読むのと比べるとグラデーションやハーフトーンの描写が格段に落ちますので、電子インク端末で読むのにそこまで気にしても仕方ない、と割り切っています。



【2】ストレージ倍増&動作高速化でコミック読書が実用的に


当初スルー予定だった今回の新モデルを予約させた大きな要因の一つ、内蔵ストレージの 4GB 化。日本向けモデルだけの特別措置のようですが、

メモリーカードスロットのない Kindle には恩恵の大きなストレージ増量


であります。

従来のストレージ 2GB ではコミックだけを入れたとしても30冊前後でフルに近い状態になりますが、4GB 化された新モデルでは60〜70冊くらい入ります(コミックの内容その他によって収録冊数はかなり変わる)。

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(初代モデルに小説などテキストもの100冊少々+コミック20冊を入れた残り容量)

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(新モデルに同じだけ入れた残り容量。いやー嬉しいっ)


また、新モデルでの動作高速化はあらゆる場面で効果がありますが、その恩恵はコミック読書時に特に大きく、

コミックのページめくりは随分スムースになった


と実感できます。初代モデルでのコミックのページめくりには“間”があって微妙なストレスになっていたものの、新モデルではサクサクと読めて Paperwhite でコミックを読む時のストレスはかなり減りました

モノクロかつ階調表現にも乏しい電子インク端末でコミックを読むのは必ずしも最適とは言いがたいのですが、液晶端末より断然目の疲れが違いますし、紙の本を読んでいる感じもあって個人的には意外と好きだったりします。

新モデルでは Kindle Paperwhite にコミックも多く入れておけるし快適に読めるので、漫画も読みたいからと Kindle Paperwhite ではなく小型タブレット(iPad mini や Nexus 7)を持っていく選択をせずに済むことも増えるでしょう。

内蔵ストレージに多少余裕が出てきたこととページめくりが高速化したこともあって、自炊データーを入れる余地も多少出てきたかなぁ…と思います。

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ただ、PDF は相変わらずページめくり方向固定の問題がありますし、メモリーカードスロットもないので、自炊派は kobo か SONY Reader の方が適していて Kindle Paperwhite を敢えて買うこともないとは思いますが、+αで入れる余地が出てきたことは歓迎ですね。



【3】小説などテキストものも恩恵がないわけではないが…


前項で述べたとおり、Kindle Paperwhite でコミックを読みたいという人は新モデルに買い換える価値はあると思いますが、Paperwhite ユーザーの多数であろう

テキスト系書籍を読むだけの人なら買い換えなくても良い気が…


というのが率直な印象。いや、毎日使いまくりでお金があるなら買い換えた方が良いのは間違いないですけれど、1万円で改善される差はコミックを読む時より確実に小さいです。

もちろん、小説などでも新モデルではページめくりがスムースになっていて一瞬ですし、何よりも電子インク端末で一番鬱陶しいリフレッシュ動作も軽減されています。

ただ、新型 SONY Reader PRS-T3 のように「小説なら、めくってもめくってもリフレッシュ動作が起きない」という画期さはありませんし、ストレージ容量もテキスト系書籍だけなら 2GB で何百冊も入りますから 4GB 化の恩恵はあまりないでしょう。

また、文字フォントとして明朝、ゴシックに加えて「筑紫明朝」というのが増えていますが、どうなんでしょうかねぇ。

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(フォントの選択肢が1つ増えた以外は特に変わらない)

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(従来からある通常の「明朝」フォントによる表示)

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(新モデルから搭載の「筑紫明朝」フォントによる表示)


フォントは好みの問題ですし(若干細身)、新しい筑紫明朝が読みにくいとは思いませんが、個人的にはあってもなくても良いレベル、新モデルを推す一因にはなりませんでしたね。



【4】付加機能その他


新モデルには「単語帳」という機能が追加されました。辞書で引いた語句を追加していけるという機能です。

ただ、昔からあるマイクリッピング機能すら使っていない私には無用のもので、全く使っていませんので何とも言えません。

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(単語帳機能はオフにできるので、速攻オフにしてある…)


語句を辞書で引く時の「Wikipedia 連動」機能も追加されましたが、これも個人的には別に要らないや…ですね。当然ネットに接続されていることが前提ですし、いちいちネット接続してるとバッテリーの減りが速くなるので、これも個人的には no thank you。

新機能で唯一、これは便利になったと思ったのは「Page Flip」

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画面上部をタップして出てくるメニューが若干変わっただけでなく
下側に今読んでいるチャプター名が出るようになりました。
(左:初代モデル、右:2013年版新モデル)

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上下にメニューが出てる時に下側のメニュー部分をタップすると Page Flip に。
ページの縮小画面を見ながら自由にページ移動ができます

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操作レスポンスも実用的で、右下の「位置No.○○へ戻る」で元の場所に戻れるのも○
左右ボタンはチャプター移動になっていて、この機能は使えます。


Kindle 電子書籍の中にはチャプターがきちんと打たれていないものが少なくないので、Page Flip で縮小画面を見て当たりをつけながらページ移動できるのは良いですね。

また、

レスポンス高速化で検索機能の使い勝手が随分良くなった


のも新モデルでの大きな差の一つ。

Kindle の検索機能はインクリメンタルサーチで便利なのですが、処理速度の遅い初代モデルでは元々日本語変換が遅いのに、検索時にはインクリメンタルサーチ処理と合わせて日本語入力がもたつきまくって超ストレスでしたからねぇ。これが新モデルでは随分まともになりました。


気づいたところはこのくらいでしょうか。ちなみに、初代モデルのファームウェア・バージョンは 5.3.8、新モデルのファームウェア・バージョンは 5.4.0。

初代モデルに Page Flip 機能を追加するのは無理でしょうが、幾つかはファームウェア・アップデートで機能追加されても良いように思いますが…



というわけで、新モデルは確実に良くなっているのですが、今年モデルの Kindle Paperwhite は順当進化のマイナーチェンジであり、Paperwhite 以前以後のような圧倒的な差はありません。

新モデルにおけるレスポンスの改善は著しいものの、新モデルを丸一日使ったのちに里子に出される初代モデルを改めて使ってみましたが、「あー、こりゃもう初代モデルには戻れないわー」ということはないレベルで、割と違和感なく初代モデルに戻れそうなくらいでした(私の場合)。

第三世代 Kindle(国内未発売)や SONY Reader を使ってきて、一年前にフロントライト付きの Paperwhite を使った時には「もうフロントライトなしには絶対戻れんわ!」とすぐに痛感しましたが、Paperwhite 初代→二代目にはそういった差はなく

良くはなっていても“後戻りできないほどの差”を感じるほどではない


と敢えて断言してしまいます。

これから買う人が初代 2012年モデルを選ぶことは止めた方が良いと思いますが(たとえ数千円安かったとしても)、だからといって初代→新型 (2013年モデル)に劇的な差はないので、さも超絶進化したような記事を見ると眉に唾をつけたくなりますね。

そういうこともあって、初代モデルユーザーが買い換えるべきか?と問われれば、

特定条件に該当する場合を除き、初代モデルユーザーに強く買い換えを薦めることはない


という感じですね。

その特定条件というのは

  • 日々使っていて、動作速度やストレージ不足にストレスを感じてる人

  • Paperwhite でコミックを読んでいる/読みたい人

  • 1万円を小銭気分で気兼ねなく払える人


ですね。ま、上記に該当するような人なら予約購入しているでしょうし、上記に該当しないなら来年まで待ちでも良いのではないでしょうか(次こそ軽量化してくれると信じて…)。

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とはいえ、コミックを読む人を中心に全く買い換える価値がないというわけではないですし、私の場合も購入前は「1万円(実質8千円)出して買い換えるほどのものかなぁ」と不安でしたが、

レスポンスの改善に内蔵ストレージ倍増を合わせれば、
実質8千円ならギリギリ買い換えた価値はあったと言えるかなぁ


というのが、数日使ってきての印象。米国のように $139 なら余裕でスルーですし、国内の定価1万円でも微妙、でも実質8千円ならまぁ買い換えもありだったかな、と。

「日々使うモノだから、レスポンス改善とストレージ容量だけでも買い換えた甲斐はあったかなぁ」というのは“買ってしまったから”的な言い訳もありますが、本当のところでもあります。

あとは動作速度が改善したことで、これから電子書籍端末を買う人には多少薦めやすくなったところはありますね。「電子書籍専用端末は操作レスポンスは超モッサリだから、そこは我慢してね」と言わずに済みます。

いずれにせよ、買い換えを止めもしなければ、強く薦めもしないという二代目モデルでありますが、結局のところ

少しでも軽く薄くしてくれたら気持ち良く満足できたのになぁ


と、結局そこに帰結する新型 Kindle Paperwhite (2013年モデル) の印象でした。

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