毎年の iPhone 狂想曲が一段落ついて、これからは本日の WiMAX 2、ソフトバンクに始まって au、ドコモと Android 端末の発表会が続きます。ついでに 10月はデジタルカメラ関係の新製品発表も多いようで…物欲刺激されまくるようなことがあると困りますね(--;)

さて、このところ断続的に書いてきた新型 Nexus 7 (2013) LTE版も購入してから半月が経ち、完全に「いつも手元にあるもの」となりました。

結論から言えば、

満足以上、大満足未満


という感じです。その中間よりは大満足に近い感じでしょうか。おかげで、今年初めて“参加”を見送った iPhone 祭りも平静に見ていることができました。

過去記事で何度も書いたように、初代 Nexus 7 より持ちやすく、持ち出しやすくなって自宅内外の利用で活躍しており、かな〜〜り満足はしています。が、完璧とまでは言えませんし、細かい点では不満点もあります。ですから、大満足とまで言うのはちょっと…という感じです。

Nexus7_2013LTE51


しかしながら、昨秋、「本命は Retina 搭載機だよなぁ、繋ぎだよなぁ」と思いながら購入した iPad mini の時のような妥協感はないですし、初代 Nexus 7 のように「不満があっても安いから許す」的な妥協感もありません。

細かい欠点はあっても、

妥協なく買える/使える 7インチ端末になった


と感じます。まぁそれだけに、逆に小さな不満点を感じることもあるわけですが(値段的にも要求するレベルは上がっているしね)。

少なくとも私にとっては

初代を使っていて不満に思っていたことの殆どが解消された


のですから、一年で買い換えるだけの価値はあった、と言えます。

ただ、トップエンドの性能があるわけでもなく、価格破壊的な安さもなくなっていますから、初代ユーザーに「絶対買い換えるべき!」と言い切れるかは微妙で、実際周りの初代ユーザーの背中押したりもしていません。

ぶっちゃけ、

画竜点睛を欠く


部分も持ち合わせています。良くなって値段も上がったからこそ、そう思えてしまいます。

以下に新型 Nexus 7 (2013年モデル) の改善点、欠点を改めてまとめてみましたが、この二代目に魅力を感じるか、買い換えるに値するかは、以下の点にどれだけ魅力を感じるか、初代モデルの不満を改善されてると感じるか、もう一つと思って来年を待ちたくなるか、によるでしょう。


【初代からの改善点まとめ】

  • 初代より薄く(10.45→8.65mm)、軽く(340→290g)なって、持ち出しやすくなった

  • 初代より幅が狭くなって(120→114mm)、片手で掴めるボディになった

  • 液晶画面が同サイズながら解像度が 720p からフルHD へ一気に向上し (1280x720→1920x1200pixels)、細かい文字が潰れにくくなり、文字や高解像度な写真の綺麗さは確実に向上した

  • 液晶画面は高精細になっただけでなく、視野角も広くなった

  • ワークメモリが現行ハイエンド Android 機と同じ 2GB 倍増し、アプリ切り替え時その他の待ち、もたつきが殆ど解消した

  • 内側のカメラだけだった初代と比べて、背面カメラが追加された
    (写真を撮る用途に使わずとも、QRコード読み取りなどがしやすくなった)

  • スピーカーが一応ステレオになった

  • Bluetooth が 4.0 に対応し、Low Energy デバイスと連携できるようになった

  • 無線LAN が 801.11a 対応、5GHz 帯対応になった
    (5GHz 帯が利用できる環境だと干渉が少なくなるので、安定通信しやすくなって便利だがイマイチ注目されない…)

  • 海外からさほど遅れることなく、Google 自身が SIMロックフリーの LTE版を販売した


初代からの改善点ではありませんが、「初代同様、Wi-Fi モデルにも GPS が内蔵されている(感度もまずまず良い)」というのも Nexus 7 シリーズの良さの一つになるでしょう。

いずれにしても、初代 Nexus 7 で欠点と言われていたことの多くが、主要な点では microSDHC スロット非搭載以外のほぼ全てが改善されたと言えるかと思います。

Nexus7_2013LTE21Nexus7Compare


既に何度も書いていますが、個人的には

  • 軽く薄くなったこと

  • 画面が高精細 “Retina” 化したこと

  • メモリが 2GB に倍増したこと


この 3点が購入への決定打になりました(今回は実機を触って確認してからの予約でしたが)。

薄さや軽さは数字で見ると大きな差に思えないでしょうが、毎日初代モデルを使っている人間が持ってみれば明らかな違いがありますし、iPad mini と併用してきた私が初代 Nexus 7 に一番不満を感じていたことですから、買い換えの一番大きな動機でした。

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(iPad mini 並みとは言わないけれど、初代と違って、だいぶ近い感覚になった)


また初代 Nexus 7 だけでなく iPad mini で一番不満に感じていた、妥協感ありまくりの買い物の原因であった非 Retina Display という点が、iPad mini より Nexus 7 がいち早く改善してくれたのも好感がもてます。

そのことも含めて、

この薄さ軽さなら愛用していける
画面がフルHD &メモリ 2GB なら 2年は十分使っていける


と感じたのも買い換えの大きな動機でした。大幅値上がりしたけど、このスペックなら長く使えそうだから元は取れる、という判断です。

今まで Android 機を幾つか使ってきましたが、Android の場合はメモリ 1GB と 2GB で快適さに大きな差があると感じます。Android 4.x 系ではメモリ 1GB は必須、2GB で快適。そういう意味でもメモリ 2GB は欠かせませんでした。


あと、実際に新型 Nexus 7 (2013) を使っていて感じたのは、

ボディ幅が狭くなり片手で楽に掴めるようになったのは、かなり有用


だったということ。

これは日常的に使い倒すようになるまで判らなかったのですが、

Nexus7_2013LTE52


こういった形でガシッと握れるのは意外と良いです。iPad mini では全く無理ですし、初代 Nexus 7 でも握れないことはない、という感じでしたが、新型 Nexus 7 は手があまり大きくない私でも十分握れます。

スマートフォンや電子書籍端末と違ってずっと片手で握りっぱなしには少々重い端末ですが、端を持つ方法と持ち替えながらの片手持ちは悪くないです。

以前の記事でも書いたように、筐体の幅が狭くなったことも合わせてボディが縦長になったことで端を持つと少々バランスの悪い端末です。それだけに状況に応じて、ガシッと握って使えるのは良いですね。

片手持ちができても片手操作は無理ですから(電子書籍のページめくりくらいは可能)電車やバスの車内で立ったまま使うには無理がありますが、小型タブレット端末は“楽に片手持ちが可能”であることは必須条件だと思いますので、その点でも初代モデルより使い良くなりました。

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(昨晩の愛媛FC 戦のガンバは酷かったわ…)


さて、ここまでは新型・二代目 Nexus 7 (2013) の良い点、初代より改善された点でしたが、これだけ大きく改良されてもやはり不満はあります。

多くの不満点、欠点は細かい部分ではありますが、大きな不満、欠点として

ええ加減、Nexus にも microSDHC スロット付けろや!


というのは、Nexus シリーズ最大最低最悪の欠点と言えるでしょう(まぁ iPad / iPhone でも同じなんだけど 64GB モデルがあるからまだマシ)。

Google としては「外部メモリーカードに頼らずクラウドを使え」ということなのかも知れませんし、製造元メーカーの端末との差別化として microSDHC スロットを付けないことで契約が成り立ってるのかも知れませんが、正直困ってます。

初代 Nexus 7 の時は使い方も限定され、あまり持ち出しもせずベッドサイド端末になっていたので我慢できたのですが、本体スペックが上がって良くなって使い方が広がると外部メモリーカードが使えない制約が辛くなります…

というか、既に私の Nexus 7 (2013) LTE版は「気がつけば、ストレージ残量もかなり少なくなっていた」という状態に陥っています(^_^;)

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(初期設定後、アプリなどがレストアされた状態。残り 26.11GB あったが…)

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(使い始めて半月でストレージ残量 2.77GB)


音楽ライブラリを入れていないのに容量を食いつぶしている要因は電子書籍だということは判っているのですが…たぶん、Nexus 7 を手放す時は外部 SDHC カードを使えずストレージに行き詰まった時だろうなぁ、と思う昨今です。

一応、Nexus 7 の補助ストレージとして、microUSB 端子に直結できる USB メモリを買ったことは先日の記事にも書きましたが、内蔵できるメモリーカードとは使い勝手に雲泥の差がありますからねぇ…(Nexus は USB メモリも専用アプリでしか読み書きできない制限があるし)。

microUSB/標準USB両対応!スマートフォン・タブレット時代のUSBメモリ「PQI Connect 201」



microSDHC スロットがないことは非常に大きなマイナス点だと思いますが、それ以外にも欠点、不満はあります。

  • やや縦長すぎるボディデザイン、特に液晶より上が大きいのは見た目も、持った時のバランスも悪い

  • 初代より処理能力は上がっているようだが、実際に使っていると特に速くなった気はしない(値段は上がったのに…)

  • 内容的にハイエンド端末に近い仕様だが、プロセッサは Snapdragon S4 Pro で最新世代より一つ前
    (最近発表のライバル機 Kindle Fire HDX は最新世代の Snapdragon 800)

  • イヤホン端子が microUSB と同じ側(下側)から上側へ変わったが、どう考えても下側の方が使いやすい。上側はケーブルが邪魔になりやすい

  • バッテリーの保ちはまずまずだが、LTE に繋いだまま丸一日使い倒すにはいささか物足りない

  • microSDHC スロットと同じく、頑なに付けないバイブ機能(ないと困るというわけではないが…)

  • タッチパネルは反応が鈍いというわけではないが、初代よりなぜかタッチミスが多め。慣れかもしれないが、半月使いまくっても変わらず…

  • 背面カメラは付いたが、フラッシュはないので暗所はお手上げ

  • 画面の反射は相変わらず多め

  • スピーカーがステレオになったのは良いが、相変わらず背面のままでイマイチなのは変わらず

  • 充電アダプターがデーター通信端子短絡タイプでないと(もしくはアダプターを噛まさないと)充電が異常に遅いのも変わらず
    (microUSB 充電でも、このタイプは何のための汎用端子充電なのか意味がなくなるので腹が立つ)

  • LTE版は FOMA プラスエリアに非対応なので、通信エリアは広くない

  • (内容はどうであれ)純粋に高くなった
    (Nexus 4 のふざけた国内向け値段設定よりマシだが)


まだまだ完璧と言うには遠いですし、やはり大満足と言うには(microSDHC スロットのことも含めて)足りないものが多いです。

現状でもコストパフォーマンスは良くて十分満足度も高いのですが、

大幅値上げを考えれば、もう一声欲しかったかもなぁ


なんて思ったりもします。贅沢かも知れませんが。

値段のことも考えれば、初代ユーザーは来年モデル待ちでもいいかもね、と思うところもあります。新規購入の人含めて、初代モデルとは違って、気軽に背中押しできる金額ではなくなったのは残念です。

私は、先に挙げたような不満点解消で買い換えましたが、やはり値段は敷居高めでした。今後、iPad mini に代えてメイン・タブレットとして使っていく、だから LTE版にする、ということもあって買い換えましたが、そうでなかったら買い換えていなかったかもしれません。

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というわけで、初代モデルから買い換えた新型 Nexus 7 (2013)、半月ほど使ってきて本当に満足しています。

満足していますが、値段であったり、microSDHC スロット非搭載、ボディバランスの悪さなど

コストパフォーマンスも満足度も高いが、画竜点睛を欠いた製品


であることもまた事実。ものすごーく良いのだけど、どこかしら、ちょっとした物足りなさもあるのですよね。

初代モデルの欠点の多くを潰して、日常的に使うには諸手を挙げて歓迎できる製品であってお薦めもできるのだけれど、初代モデルほどの衝撃もなくて、もう一声…という気持ちが強くなる製品。

ホント満足度は高いし、毎日愛用しているのだけれども、決して褒め称えたくはならない不思議な新型 Nexus 7 (2013) LTE版であります…


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懲りもせず、新型 Nexus 7 (2013) 用の中華キーボードケースを買ってみた【前編】
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