2年前に月額千円未満のデーター通信サービス(通称イオン SIM)が登場し、昨年は多くの廉価データー通信サービスが誕生して LTE 対応や複数枚 SIM などのプランが多様化しました。さらに今春、OCN モバイルが先鞭をつけた “月額千円未満で一定の高速通信付き” サービスが始まり、実用度合いは一気に高まりました。

そして今の廉価データー通信サービスは様々な付加価値、追加オプションを取り揃え始めていますが、その一つが「SMS 対応」。

SMS(ショートメッセージサービス)に対応してもキャリアメールは使えませんし、各種 SNS のダイレクトメッセージがある今、SMS を使う需要は殆どありませんが、

SMS 対応 SIM を使うことでバッテリー消費が軽減されたり
LINE やモバゲー、GREE への会員登録を SMS 認証できるようになる


ので、廉価データー通信サービスを主として使っている人には SMS 対応はメリットがある場合も少なくないと思います。

特に SMS 非対応の廉価な MVNO のデーター通信専用 SIM を使うと、

アンテナピクトが表示されない(端末が電波強度を把握できない)
→端末が電波を必死に探しまくる
→バッテリー消費が通常より激しくなる


といった「セルスタンバイ問題」と呼ばれる現象が、SMS 対応サービス/SIM を使うことで回避できます。

てくろぐ: アンテナピクト問題・セルスタンバイ問題とは何か

現在数多くの廉価データー通信サービス業者があるものの、SMS オプションを提供する廉価データー通信サービスはまだ少数でしたが、今回、廉価データー通信サービスの雄、IIJmio 高速モバイル/D が SMS オプションに対応します(10/1 から)。

IIJmio:料金改定及びSMS機能提供開始のお知らせ(IIJmio高速モバイル/Dサービス)

どこのサービス業者でもそうですが、

SMS 対応オプションは有料


となっており、IIJmio の場合は SIM 交換手数料および月額費用の両方がかかります。



SMS 対応はドコモへの月額使用料が発生することもあって、IIJmio 高速モバイル/D では SMS 対応オプションは月額 147円が追加請求されます。

月額 945円のミニマムスタートプランを使っている人なら、945円+147円=月額 1,092円になりますし、ファミリーシェアプランの人は最大3枚の SIM のうち、SMS オプションを利用する枚数×147円が追加されることになります。

さらに

既存ユーザーは SMS 対応 SIMカードに交換する必要があり
SIM 交換手数料 2,100円がかかる


ので、少々敷居は高くなります。新しい SIM 利用開始時には使っていた SIM に入っている高速通信クーポンは引き継がれない点もあったり、多少の不都合や面倒さもあります。

(これから新規に申し込む人は SMS 利用可能な SIM を選択すれば、初期費用のみで SIM 交換手数料はかかりません)

とはいっても、

利用端末によってはバッテリー消費軽減にかなり効果がある


ので、セルスタンバイ問題で悩んでいる人なら多少の手間と追加投資に見合ったものはあるかも知れません。

(当方が普段使ってる端末では Xperia mini pro や Nexus 7 ではセルスタンバイ問題は起きませんが、iPhone 4S や iPad / iPad mini では発生しています。iPad 系はバッテリーが十分持つので気にはなりませんが…)

また、SMS 対応の MVNO データー通信 SIM を利用することで

「iOS 7 にアップデートすると 3G 通信ができなくなった iPhone 4、iPad 2 でも 3G 通信が可能になる」
「iOS 6.1.x でも 3G 経由のプッシュ通知が利用不可だった iPhone 3GS/4、iPad 2 が、3G経由のプッシュ通信可能になる」

という大きな改善があるので、それらに該当する人はやはり SMS 対応を申し込み、追加投資する価値はあるかもしれません。



IIJmio 高速モバイル/D では、この SMS 対応オプションの提供開始とともに、上位プラン2つの値下げも発表になりました。

  • ライトスタートプラン(毎月の高速通信分 2GB/SIM 1枚):1,974 → 1,596円

  • ファミリーシェアプラン(毎月の高速通信分 2GB/SIM 3枚):2,940 → 2,688円


最近増えてきた他のサービスに比べると少々値段設定が高めだったので、この値下げは当然でしょう。特に前者は最大のライバル「OCN モバイル ONE」に完敗状態でした。

とはいえ、先月末に大幅サービス拡充した「OCN モバイル ONE」に比べると、少々バリエーションに乏しく、値段も含めたインパクトが弱いかなぁ、という気はします。

OCN モバイル エントリー d LTE がフルモデルチェンジ、一気に5種類のプランを用意した廉価データー通信サービス「OCN モバイル ONE」登場

私自身、IIJmio 高速モバイル/D はサービス開始日からずっと使い続けてきましたが、そろそろ乗り換えようかと思っていますし…



ともあれ、今回の IIJmio 高速モバイル/D サービスでの SMS 対応は IIJmio だけではなく、bb.Excite LTE その他の

IIJmio を元 (MVNE) にした他の廉価通信サービスでも SMS 対応される可能性


があるでしょうから、そういった点からも歓迎ですね。

まぁ個人的には、セルスタンバイ問題を抱える iPhone 4S で使っている「OCN モバイル ONE」が SMS 対応になってもらえんかなぁ…と思っているわけですが。

「OCN モバイル ONE」は値段の割には質も良くて満足していますが、利便性や追加サービスについてはサッパリなので、次は OCN にも期待したいところです。

てくろぐ: IIJmio高速モバイル/D、SMS対応。セルスタンバイ問題の対策にも