昨年末から始まった au スマートフォン向けの電子書籍ストア「au ブックパス」。売りは一定の書籍、コミックが読み放題になるという謳い文句の「読み放題プラン」。

さらにその「読み放題プラン」は、「au スマートパス」契約者ならこの春まで無料…だったのが、今月7月末日まで無料になっています。

で、私も iPhone 対応になった春先から試していましたが、

読み放題といっても、多少の書籍は殆どシリーズ1巻が読めるだけ


であり、「やっぱり、安くて旨い話なんてないよなー」でありました。

「au ブックパス」が始まった時、どこかの提灯ライターが「au ブックパスは電子書籍界の hulu だ」などと寝言を宣っていましたが、アホすぎでしたね。同列どころか比較するのさえ、hulu に失礼。

hulu は非常に多くの環境、端末に対応していますが、「au ブックパス」はあくまで au とのスマートフォン契約があってこそ。何が嬉しゅうて、電子書籍を買っても電話の契約を他キャリアに変えたらサヨナラになるようなストアでコンテンツを買わなきゃならないのか…であります。

もっとも、読み放題プランは“有料レンタル”みたいなものですから、内容が充実していたら月額 580円くらいは…と思っていましたが、シリーズ1巻だけ、古い雑誌が読めるだけ、という

読み放題プランというより、有料の立ち読みプラン


といった方が正確な内容。

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もちろん、au も商売ですので1巻だけ無料で読ませて餌釣っといて、2巻以降は単品を買わせるという商売なのでしょうが、前述のとおり、au のスマートフォンを使っていないと買ったものが消えるような電子書籍ストアは no thank you です。

ですので、今月末の「au スマートパス」対象者の無料期間が過ぎたら解約するつもりでした。

が、そこへ大量解約を防ぐためか打ち出してきたのが、ブックパス読み放題プランにおける雑誌ラインナップの大幅拡充施策。

「ブックパス」の読み放題プランにおける雑誌ラインアップの拡充について〜電子書籍読み放題サービス最大規模の全75誌をラインアップ!〜

「おおっ!?来月からサカダイ(週刊サッカーダイジェスト)が月額 580円で読めるなら継続しちゃおうかな…」

なんて思ったのですが、よくよく考えてみれば、そんな旨い話があるわけがない。今月から既に読み放題プランの雑誌拡充は始まっていますが、従来からの読み放題プラン対象の雑誌をみてみると、

古雑誌を読み放題プラン(笑)


でした。

そのことも含めて、以下の理由で「au ブックパス」は余裕で捨て捨てでした。



  1. 読み放題プラン対象の雑誌は、当該雑誌の最新号を読み放題プランで読めることは少なく、多くの場合は数週間から1ヶ月前の古雑誌のみ。最新号、最近号は別途購入の必要がある。

  2. ビューンと同じく、一部記事割愛、一部記事だけのネット向け限定編集版の雑誌もある。

  3. iOS版ブックパスアプリは、サービスインから何ヶ月経ってもウェブアプリのまま。アプリは提供しているけど、起動するためだけのもので、あとは Safari で閲覧。Android版アプリのようにダウンロードしておけない暫定アプリのままで、やる気なさすぎ。

  4. 雑誌をスマートフォンで読むのは無理なので iPad mini で読もうとしても前項のとおり、使い勝手が糞なままなので、どうしようもない。

  5. おまけに Nexus 7 で読もうとしても非対応と言われて読めない…
    (au のスマートフォン・タブレットだけが対象ではやってられないね)

  6. 先日のシステムバグで通知が山ほど連続で飛ばされてきてブチ切れ


よくよく考えてみなくても、

たかだか月額580円で色々な雑誌の最新号が読み放題
なんて旨い話はあるわけがない


のですが、改めて読み放題プランで配信されている雑誌を見てみると(最新号が読める雑誌もあるものの)数週間から一ヶ月前のバックナンバーが限定期間だけ読めるというのが多い。

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雑誌を発行する側にとっても、たかだか月額580円の読み放題プランに最新号を提供して、その僅かな配分をもらうだけでは全く割に合わないでしょう。それはそれで当然です。

が、読み手側にとっては「数週間から一ヶ月前の雑誌が読み放題!とか言われてもねぇ…」であります。

サービスが始まった当初のソフトバンク「ビューン」も同じようなことは有りましたし、読める雑誌数も当時は少なかったものの、もう少しマシだったんじゃないかなぁ、というか、ビューンより高くてずっと後発なのに、全然進歩ないね、って印象。


おまけに、雑誌をスマートフォンで読むのは大型液晶の Android 機でも厳しいから Nexus 7 で読みたいと思っても、アプリの起動すら対象外機種だと拒否られる。au ID 認証を使うなら読ませてくれてもいいじゃないの…

それでは iPad mini で…と思うが、iOS版ブックパスアプリは相変わらずのやる気の無さ。起動だけアプリを使って、あとはブラウザで読む方式。少なくとも iOS で使う au ブックパスは

有料サービスなのに電子書籍のダウンロードすらできない糞サービス


としか言いようがありません。まぁ、au のサービスにおける iOSアプリのやる気の無さは今に始まったことではありませんが。


そして、さらに先日は au ブックパスの通知システムが壊れたらしくて、夜中から昼間から大量の宣伝通知が繰り返し来まくっていました。

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(1回に6〜9通の宣伝通知が飛び込んでくる)

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(消しても数十分後にはまた多数の宣伝通知が繰り返し…)


まぁ、こんなことやらかしていて誰が継続するねん…って感じですね。通知はサービス内の設定から通知しないように設定できますが、以前ちゃんと通知が来ないように設定したはずなんですがねぇ。

ちなみに、このことを Twitterに書いてたら見知らぬ人から「うちにも来てるんですが、ウイルスじゃないんですか?」的なことも言われました。そう思う人がいても不思議じゃないほどに大量連発でしたが、au 公式ページではスルーでした(ブックパス Twitter アカウントでは告知していた)。

まぁ、土管は土管らしく半端なサービスをするなよ(端末購入時の縛りにするなよ)と思うわけですが、むしろ au はロクに土管の役目もできないのだから、「土管屋を土管をもっとキチンとしろや!」って感じですね。

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(通知以外にメルマガも初期は受信設定になっている。ここはチェックを外してから
下の設定保存ボタンを押す必要があるが、ポップアップメッセージで見えない糞仕様)


というわけで、私は昨日解約した「au ブックパス」ですが、

無料期間だからといって加入していた人も解約を忘れずに!


来月になると月額 580円がかかるので、ご注意下さい。

なお、ブックパスの解約はブックパス全体の解約ということではなく、読み放題プランまたは月額コースに登録していたら、それぞれを解約する形になります。

auBookPass_Cancel08FAQ
(au ブックパスの FAQ より)


無料期間ということで読み放題プランに登録していた人は、

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au ブックパス・トップページから「マイページ」へ



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マイページの一番下にある「読み放題プラン解約」へ



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グダグダと言ってくるが無視して一番下へスクロール



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画面一番下の「解約手続きを続ける」



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解約のアンケートなんてのが出てくるので、適当に選んで画面一番下のボタンをタップ



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まだ解約させないので「解約に進む」をタップして解約!



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ようやく完了


最近、どこでも解約しようとすると鬱陶しい「本当に解約してもいいのですか?」的な説明というより宣伝文が並ぶけれども(ドコモでも同じだ)、解約と決めて行ってるのだからグダグダと出されても逆効果だと思うんですけどね…

あと、解約のアンケートは解約手続きの後にするもので、解約のアンケートだけさせてまだ解約させないで戻れるのは、おかしな話です。ホント最近は大手企業でも、なにか優先すべき順番というものが狂っている気がします。

とにかく au は中途半端なサービスとかいらんから、土管は土管屋らしく本業に勤しんで下さい。まだ、ドコモの方が自社端末以外でも自社サービスを使えるように頑張ってるだけマシですわ。