大阪では蒸し暑くて毎日夕立の続く三連休でありますが、最終日は朝から雨、そして私めは出張であり、今回は先週購入したばかりの ICONIA W3-810 の環境を整えて、ノートパソコン&タブレット代わりに持ち出してみております。今日の記事もまた、宿に入ってから ICONIA W3 で書いております。

タブレットとしては重すぎるので iPad mini を一緒に…とも一瞬思ったのですが、それだと意味がなくなりそうだったので、電子書籍を読むのに Kindle Paperwhite をお供にすることにして、その2台体制のお出かけであります(ICONIA W3 を持って電子書籍を読み続けるのは、ちとキツい重さ)。

ただまぁ、なんだかんだ言っても専用 OS のタブレットではなく、汎用「パソコン」である(何とでもなる、何でもできる)安心さはあります。iPadで困ることも【プログラミングとかでなければ)少なくなってきたのですが、少し重く分厚いものの完全にノートパソコン代わりになれるタブレットというのは仕事が絡むと精神的に良いかもです。

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(空港ラウンジにて。ここまでするならノートPCだろ…という感じではある ^^;)


さて、ここ数日ダラダラと ICONIA W3-810 について書いてきましたが、とりあえず先週から5日ほど使ってきての感想を以下に列挙しておきたいと思います。


【動作速度】



  • プロセッサが低速低消費電力な Atom で、なおかつメモリ 2GB でフル機能 Windows を動かしているので、動作速度はキビキビとはいかない。イラチな人は向かない。判って買える人向け。

  • 値段の安さがストレージの質にしわ寄せが来るのは今も昔も変わらぬ常で、ストレージ絡みは激遅い。アプリのインストールやファイルコピーといった作業には、かなりの時間がかかる。

  • プリインストールの Office の初回起動でインストールが行われてる時は、反応がなくなってフリーズしたか?と思ったくらい。
    (Office は初回起動時にバックグラウンドでインストール作業をしながらチュートリアルが始まるが、チュートリアルが終わっても延々同じ画面のままで何も反応がなくなり、凍ったかも?と思いつつも、しばらく放置していたらインストールが進んでいたw)

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    (Office の初回起動インストールには十数分かかった。途中ハングったかと思った)

  • 覚悟のうえだったけど、ストレージ周りだけは Class4 あたりの安物 microSDHC カードを使ってるような体感速度
    (EeePC 901-X のクソ遅い内蔵 SSD を思い出した… ^^;)

  • ただし、アプリが起動してオンメモリの処理をしている限りは、まずまず不満ない速度。

  • バックグラウンドで Windows Update や何か処理が動いているとモッサリ君になるので、そこは使い手が工夫して快適にする必要がある

  • Office はデカいファイルでなければ問題ないが、諸々計算マクロありグラフありの Excelファイルを開くと、開くのにしばらく待たされ、操作はカクカクになるし、画像たんまりの Powerpoint ファイルを編集しようとするとフリーズしたのかと思うくらいになる。非力マシンだから仕方ないけど、割り切りは必要。

  • ゲームもいわゆる紙芝居ゲーム(シナリオノベル系)でもエフェクト使用時はカクついたりする。3D ゲーム?なにそれ、美味しいの?(^_^;)

  • ちはやローリングベンチ結果はE判定
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【発熱】



  • とにかくボディの片側がかなり熱くなる。負荷がかかったりすると熱すぎて持ち続けるのは辛くなるくらい。
    (火傷するほど熱くなるというわけではないが、ちょっと持つくらいならともかく、10分持ち続けるのは拒否したくなる熱さ)

  • 熱くなる場所は、縦持ちの時は上部なのであまり気にならないが、横持ちでは左側になるので右手操作だと持ってるのが辛い。

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    (縦持ちは通常カメラのある方が上で、そちらが熱くなる)

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    (横持ちの場合は Acer ロゴ通りに持つと左手が熱くなるので右利きにはキツい)

  • 負荷がかかり続けると、ボディ反対側もほんのり熱めになる。が、持つのが嫌になるほどではない。

  • ただし、30℃以上のところでも使ったりしたが、今のところは熱暴走したことはない
    (他におかしくなったことはあるけれど。それについては次回以降に詳述)





【液晶】


  • 液晶は TN 液晶なので正直見づらい。正面以外の角度からは完全に色が褪せて見づらくなる。逆に周囲から見られなくて良いかもだけど。ある意味、プライバシーフィルム要らず(笑)

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    (正面から見ると iPad mini と一見大差ないが…)

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    (斜めから見ると随分と違う。この写真では判りづらいけど ^^;)

  • 正面から見ても色の見え方は一見して微妙なので、これで色調整を含むレタッチをするのは厳しい
    (ノートパソコン代わりに出先で Photoshop でレタッチして…というのは、液晶の質から難しい)

  • 画面の輝度は低め。なので標準設定より上げてやる必要がある
    (当然バッテリーの保ちに影響するが、それでもバッテリーの保ちは悪くない)

  • 照度センサーが敏感すぎて、ちょっとした加減で照度が暗くなったり明るくなったりして少々鬱陶しい

  • 画面の映り込みは激しい。液晶がイマイチなのに映り込みは激しいので、閲覧デバイスとしては決して良くない

  • 8.1インチ液晶で 1200x800pixels の Windows 環境での文字の小ささ(表示スケール 100% 時)は、ぶっちゃけ若い人なら無問題(俺も昔はこれくらい余裕だった)。
    だけど、歳を食ってる人にはちと厳しい文字の小ささなのは間違いない。スマートフォン、タブレット用のメトロアプリならあまり気にならないが、従来の Windows デスクトップアプリはオッサン以上には少々辛い文字の細かさ。

  • コントロールパネルのディスプレイ調整で表示スケールを中(125%)に拡大した方が断然見やすいし、扱いやすいと思うが、そうすると表示情報量が減るので悩ましい。
  • $
  • 私の場合は、ちょっと頑張れば(笑)拡大せずそのまま(標準設定 100%)でも使えなくはないので、当面はこれで頑張ってみて駄目なら拡大する。
    (Windows の場合、XP の頃よりはずいぶんマシになったとはいえ、標準フォントが未だ Mac 環境ほど見やすくはないので、そのあたりはアプリ毎に自分で設定して環境を整えるしかない)





  • 【タッチ操作】



    • タッチパネルの反応は実用範囲内だが快適というほどではない。2.3 時代の Android 端末レベル。

    • タブレットやスマートフォン向けのメトロ UI アプリを使っている限りは、あまりストレスは感じない。

    • このサイズの液晶で従来型 Windows デスクトップソフトをタッチ操作するのは、ギリギリ何とかなるレベル1度や2度どころか、3〜4回のタッチミスを許容できる度量が必要
      (中にはこれは非実用的と言いたくなる人がいても仕方ないとは思う)

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      (マウスポインタ前提の従来型 Windows ソフトのメニューをタップするのは楽ではない)

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      (Windows デスクトップ上でも指で拡大縮小できれば良いのですが…)

    • もちろん、コントロールパネルのディスプレイ調整で表示スケールを拡大(小100%→中125%)にすれば、多少はタッチしやすくなる。表示情報量は減るが。

    • MS-IME は仮想キーボードでも変換候補が入力部分のすぐ下に出るので、仮想キーボードから離れてしまうので非常に使いづらい。
      (ATOK 2013 では変換候補が仮想キーボードのすぐ上に出るので、まだマシ)

    • それ以前に Win8 の仮想キーボードはダメすぎる。数字記号モードのレイアウトは慣れる気がしない
      (Android と違って Windows 8 では IME を変えても仮想キーボードのレイアウトは変わらないので、どうしようもない)

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      (仮想キーボードでの作業は iPad mini あたりと大差ない。非常用短文用)

    • ICONIA W3 とは全く関係ないが、MS-IME は OS が進むとともに、どんどんアホになっていくね。
      (Google 日本語入力はメトロアプリでは使えないし、Android その他と同じく ATOK 2013 を利用)




    以上、とりあえず列挙しましたがまだまだ続くので、バッテリーの保ちやその他諸々、残りは次回後編に。

    でもまぁ、今日初めて本格的に持ち出して使ってみて、なかなか悪くないですね。この ICONIA W3-810 は万人に薦められるものではありませんが、今後が楽しみですし、興味ある人は(動作速度とできる範囲を期待しすぎなければ)買ってみても面白いと思います。