一昨日の「買ってみた」記事を書いたら早速友人から「Atom の Windows だと、デカいファイルを Office で開くのは厳しいよ…」という DM をもらったわけですが、そのあたりは承知の上で買いました。2日半使ってきての速度感は

ディスクアクセスが入ると極端に遅くなるが、それ以外は思いの外、実用的


であります。

アプリのインストール時や、初期設定が行われるアプリ初回起動時はかなり待たされることもあります。Office の初回起動時はバックグラウンドでインストールしながらチュートリアル画面が出るわけですが、途中でフリーズしたのかと思って、とりあえず放置していたら起動していた、なんて感じです。

もっとも、2回目以降の起動では若干の待ちはあってもストレスを感じるほどの待たされ感はありませんし、起動後は巨大ファイルでも開かない限りはスムースです。イラチな私が言ってるのですから本当です :-)

ま、フォルダを開く時に一瞬のタイムラグがあったり、無線LAN がやけに遅い(電波の掴みも弱い)といったことはあるものの、このサイズでフル機能の Windows 8 を使えるのは、なかなか愉快で面白いです。

タブレットというより、今は亡きミニノートPC 感覚で使うつもり


であったわけですが、

今をときめくタブレット端末と、今は亡きミニノートPC の融合


という感じであります。これが融合といえるのか、中途半端になると断することになるのかは、今後使って行かないと判りませんが、iOS / Android に飽いてきた身には刺激になります。

GR003390.JPG
(今日はこの軽い折り畳みキーボードと組み合わせてみたが…使い勝手はイマイチ)


さて、買ったのを書いていると周りから「その値段なら安いし、ちょっと買ってみようかなぁ…」なんていうことも言われるのですが、

ネタで買える気持ちがないと、なかなか勧めづらい一品


でもあります。

それに安いのは安いけれど、それは “マイクロソフト純正 Office が付いてこの値段” は安いですが、要らないならもっと同程度の価格で選択肢は増えますし、サイズにこだわらなければ、もっと良い物が買えたりします。


先にも書いたように「タブレット+ミニノートPC」な様相を醸し出す ICONIA W3-810 ですが、ぶっちゃけ

タブレット端末としては iPad / Android タブレットの足元にも及ばない


です。ちょっと触れば判るレベル。今のところ、動作速度に強い不満はないですが、ウェブブラウズ一つとっても iPad や Android 4.x 端末の方が遥かにサクサク。

メリットとしては従来からの Windows ソフトが使えるところですが、従来型 Windows アプリをタッチ+仮想キーボードで使うのは緊急避難技と言えるレベル。従来型 Windows アプリはあくまでキーボード+マウスを付けて使ってこそ、です。

もちろん、そのキーボード+マウスを付ければ従来型 Windows アプリがそのまま使えることや

接続するデバイスに制約がない


のは大いに便利に感じるわけですが、ただ実際問題として

「今さらモバイル時に iPad / Android には繋げられないけど、必要な物ってあったっけ?」

という気はします。逆に Windows 8 タブレット用アプリ(ストアアプリ)に関しては、悲惨以外の何物でもない状況ですからねぇ…

使い始めて、たった2日ですけれど「タブレットとして使うなら iPad / Android タブレットの方が絶対良い!」と断言できます。

ましてや、この状況でストアアプリしか使えない Windows RT 機なんて、Office 専用機として割り切れなければ、いくら安くても買う気は失せますね…



というわけで、ICONIA W3-810 というか Atom Windows 8 タブレットの初期印象は

タブレットみたいな使い方もできるミニノートパソコン


でありますが、だったら ICONIA W3-810 より適切なモノがあるのではないかなぁ…とも思うわけです。

実際 ICONIA W3-810 を買うのは購入直前まで迷っていました。予約してはいたけれど、電話かかってきて、ヨドバシのレジに予約票を出すまで迷っていました。

他にない 8インチ Windows 8 タブレットだから買いたい気持ち




Windows 8 タブレットをノートPC 的に使うなら 8インチでは小さすぎる予感


と、そのせめぎ合い。

実際使ってみても

「Nexus 7 や iPad mini を使っている今、このサイズじゃないとタブレット端末を持ち出す気にはならんよなぁ」

という思いと

「キーボードとマウスを付けて使うと、やっぱりミニノートPC と同じで 10〜11インチのノートPC とは快適さがかなり落ちるなぁ」

という思い。その両方があります。

それでも2日半にして「タブレットとして使うのはあくまでサブ」「メインは従来型 Windows ソフトを動かすこと」になってくると、購入前に悩んでいたように

別に 8.1インチというサイズにこだわらず、10〜11インチ端末でも良かったかも


という思いもあります。

そう書くと同時に、「いや、このサイズだから持ち歩く気に、出先で気軽にカバンから出す気になるんだぜ」という思いもあるわけですが…

ICONIA-W3_14
(Windows機でこのサイズは魅力的…ケースは以前の週アス付録品がジャストフィット)


この ICONIA W3-810 は 59,800円(+ポイント還元10%)で購入し、専用のキーボードが 7,980円でした。キーボード込みで概ね6〜7万円になるわけですが、同じエイサーの 10.1型 Windows 8 タブレットと値段的には変わらないんですよね。



上記の Acer 10.1型 Windows 8 タブレットは液晶以外のスペックはほぼ ICONIA W3-810 と同じで、キーボードドック付きで 6万円台半ば。この W510D のキーボードドックは Bluetooth じゃなくて専用端子で繋がるので、ノートPC 同様に機内でも使えるので、ちょっと惹かれました。

10.1インチ液晶搭載ということでサイズは大きいですが、重さは 580g(単体時)。8.1インチの ICONIA W3-810 と大差ありません。ただ、キーボードドックに追加バッテリー搭載なので、キーボードドックと合わせると 1,260g とかなり重くなるのがネックで書いませんでしたが…

その分、単体時のバッテリー駆動時間 9時間に加えてキーボードドック使用時は 18時間!とかなり長くなるので、6万円台で買える割には意外と良さげだなぁ…と思っていました(質感は ICONIA W3 同様に最低ランクだけど)。

また、上記モデルの ICONIA W510D は Office なしの値段ですが、



この Office 付きでも8万円台(ヨドバシだと 84,200円+10%ポイント還元)ですから、ICONIA W3-810 との差額も1万円少々。「ノートパソコンとして使うのがメインならこっちの方が良いかもなぁ…」というのは、最後まで迷ってました。

また、糞みたいな Acer の日本語キーボードなんて要らんわ!ということなら、ICONIA W510D のキーボードなし、Office なしのモデルが4万円少々。



ICONIA W3-810 が安いというなら、もっと安いわけです。

低速低容量ながら、タブレットにもなる Windows 8 パソコンが4万円!


とも言えるわけで。割り切りは必要ですが、サブ機として意外と手軽な値段です。遊び気分で買わないと不満も多くなりますけど。

また、同じような安い Windows 8 タブレットに共通したスペック、

Windows8 32bit
Atom Z2760
LPDDR2-800メモリ 2GB
eMMC (SSD) 64GB
10.1型ワイド液晶 1,366×768 pixels
重さ 500g台後半〜
バッテリー駆動時間 公称7〜9時間


というものならエイサー以外にも他に色々あるわけで、



なんかも4万円台ですし、中華クオリティの製品より国産メーカーが良いというなら



富士通 ARROWS Tab なら Office 付きで8万円強ですから(ヨドバシで 89,800円+10%ポイント還元)、先の ICONIA W510D の Office 付+1万円弱で国産メーカー品が買えるわけです。それに防水。

本当はもうちょっと安くなったら ARROWS Tab を買おうかなぁ…と思っていたのですが、あまり安くなりきらないうちにネタ製品に走ってしまいました(^_^;)

他にも6万円弱という廉価製品なのにフルHD 液晶を採用できた(CPU が AMD というのも珍しい)LuvPad もありますし、



エイサーは Core i3 採用で普通に Windows 8 を使えるレベルのタブレットも6万円台で出していますし、



液晶部分が脱着式の タブレット+Ultrabook 兼用製品も出しています。



まぁ、Acer は中華クオリティ丸出しの製品ですから(マニュアルも国内メーカー製パソコンしか使ったことがない人がカルチャーショックを受けるレベル)、正直そういう意味でも安易に薦めるのは難しいのですが、こういう事例、ラインナップもあるという例を出してみました。

いずれにせよ、2日半使ってきて

ICONIA W3-810 は、小さな Windows 機という点に魅力を見出す人のデバイス


だと、はっきり感じます。

タブレット端末として使うなら Windows 8 タブレットは現状やめたほうがいいレベルですし、ノートパソコンっぽく使うことが多いなら 10〜11インチ端末の方が断然使いやすいでしょう(そして金銭的に可能なら Core i3 搭載モデル)。

そう考えると「ICONIA W3-810 の良さってナニ?」と我ながら思ってしまうのですが、持ち歩ける小さな Windows 機、それだけです。そこにどれだけ意味があるのかは、考えたら負けです。

まぁ、その昔のウルトラマンPC(IBM Palm Top PC 110)とか、東芝 Libretto とか、ソニー VAIO C1 とか、シャープ MURAMASA CV とか…そういうのに出費が止まらなかった人には、それらが現代に戻ってきたようなデバイスであり、理屈抜きに買ってしまいたくなるデバイスかもしれません。

初の 8インチ Windows 8 タブレット「ICONIA W3-810」を買ってみた
片手サイズ Windows 8 をを称する「ICONIA W3-810」は、本当に片手で持てるか? 〜Nexus 7、iPad mini と比較
公式サイトやショップの写真とは異なる酷いキー配列の ICONIA W3-810用キーボードは色々と要注意