以前から噂されていた富士フィルム Xシリーズの廉価機 X-M1 と、X-M1 のキットレンズとなる新しい標準ズームレンズ XC 16-50mm F3.5-5.6 が正式に発表されました。
■ 小型軽量でフルサイズセンサー搭載機に匹敵する高画質を実現!ローパスフィルターレスのAPS-Cサイズ「X-Trans CMOS」センサー搭載 レンズ交換式プレミアムカメラ「FUJIFILM X-M1」新発売 : ニュースリリース | 富士フイルム
(大げさにアピールするプレスリリースのタイトル長すぎやろ… -_-;)
他にもパンケーキタイプのレンズ XC 27mm F2.8 や X-Pro1 / X-E1 向けのファームウェア・アップデートもリリースされていますが、おいおい触れていきたいと思います。
ともあれ、X-M1 & XC18-55mm F3.5-5.6 を一言で言えば
であります。
もっとも、EVF を外したことや、マスマーケットに売るための追加として
というものは採用されましたが、従来の Xシリーズの特徴で残っているものといえば
と見せかけだけ残したクラシックデザインと言えるでしょう(良くも悪しくも操作性込みの志あるクラシックデザインだった従来機と違って、本当に見せかけだけになってしまった)。
その他、ファインダーとかシャッタースピード・ダイアルだとか絞り環とか、インタビューその他で
であります。
それでも X-Pro1 や X-E1 のような亀ヲタ、アナログ爺だけに売れるカメラだけじゃ先々やっていけないでしょうし、マスマーケットに売ろうと思ったら、従来機種は無駄にデカすぎでしたから仕方ないとは思います。商売ですから、吐いたツバを飲み込んでも、やらなきゃならんことはあるでしょう。
まぁ富士フィルムの場合、なんだかんだ理屈つけてボディが大きいことを正当化していましたが、結局こうなりました。それでも X-M1 も XC16-50mm も小型化したといっても周回遅れのサイズだと思いますが(数字上の比較表は後述)。
ただ、悪いことばかりでも無さそうです。従来機のこだわりを捨てたゆえに操作性も大きく変わっていて
のは、むしろ良いかもしれません。X-Pro1 / X-E1 は左側のボタンに AE/AF ボタンがあるのは、開発者出てこいや!的な配置でしたからね。
まぁ、プレスリリースのサブタイトルに「片手で直感的に素早く操作可能!」と強調しているのは、相変わらず失笑モノですが…。そんなの他のミラーレス機ではとっくに当たり前のことなのですから。
そういったことも含めて全体的な印象は
という感じでしょうか。
ともあれ、X-M1 と XC16-50mm F3.5-5.6 の特徴、従来ボディ・レンズとの差異をまとめてみると以下のとおり。
■ 小型軽量でフルサイズセンサー搭載機に匹敵する高画質を実現!ローパスフィルターレスのAPS-Cサイズ「X-Trans CMOS」センサー搭載 レンズ交換式プレミアムカメラ「FUJIFILM X-M1」新発売 : ニュースリリース | 富士フイルム
(大げさにアピールするプレスリリースのタイトル長すぎやろ… -_-;)
他にもパンケーキタイプのレンズ XC 27mm F2.8 や X-Pro1 / X-E1 向けのファームウェア・アップデートもリリースされていますが、おいおい触れていきたいと思います。
ともあれ、X-M1 & XC18-55mm F3.5-5.6 を一言で言えば
マスマーケットで売りたいがために
従来のコンセプトを多少放棄してでも小型&安価にした機種
従来のコンセプトを多少放棄してでも小型&安価にした機種
であります。
もっとも、EVF を外したことや、マスマーケットに売るための追加として
- バリアングルモニター搭載
- Wi-Fi 対応
- インテリジェントオート系のお任せ最適化撮影機能が追加された(アドバンストSR AUTO)
- 最近のデジカメではあって当然のフィルター系機能が追加された
- MF時のピーキング機能
(AF の高速化と合わせて従来機でも対応予定)
というものは採用されましたが、従来の Xシリーズの特徴で残っているものといえば
X-Trans CMOS 撮像素子と富士フィルムの絵作り
と見せかけだけ残したクラシックデザインと言えるでしょう(良くも悪しくも操作性込みの志あるクラシックデザインだった従来機と違って、本当に見せかけだけになってしまった)。
その他、ファインダーとかシャッタースピード・ダイアルだとか絞り環とか、インタビューその他で
富士フィルムのカメラとして主張していたものはポイッ!
であります。
それでも X-Pro1 や X-E1 のような亀ヲタ、アナログ爺だけに売れるカメラだけじゃ先々やっていけないでしょうし、マスマーケットに売ろうと思ったら、従来機種は無駄にデカすぎでしたから仕方ないとは思います。商売ですから、吐いたツバを飲み込んでも、やらなきゃならんことはあるでしょう。
まぁ富士フィルムの場合、なんだかんだ理屈つけてボディが大きいことを正当化していましたが、結局こうなりました。それでも X-M1 も XC16-50mm も小型化したといっても周回遅れのサイズだと思いますが(数字上の比較表は後述)。
ただ、悪いことばかりでも無さそうです。従来機のこだわりを捨てたゆえに操作性も大きく変わっていて
右手だけで操作可能なインターフェースになっている
のは、むしろ良いかもしれません。X-Pro1 / X-E1 は左側のボタンに AE/AF ボタンがあるのは、開発者出てこいや!的な配置でしたからね。
まぁ、プレスリリースのサブタイトルに「片手で直感的に素早く操作可能!」と強調しているのは、相変わらず失笑モノですが…。そんなの他のミラーレス機ではとっくに当たり前のことなのですから。
そういったことも含めて全体的な印象は
X-Pro1/X-E1 の小型化版と言うよりは XF1 をレンズ交換式にした
という感じでしょうか。
ともあれ、X-M1 と XC16-50mm F3.5-5.6 の特徴、従来ボディ・レンズとの差異をまとめてみると以下のとおり。
X-M1 については…
といったところ。
改めてまとめてみても
という感じであります。良くも悪くも、ですが。
ちなみに対抗機としては NEX-5R や E-PL6 あたりになると思いますが、サイズ・重さを比較してみると…
という感じで、まぁぶっちゃけ
わけです。幅の違いは結構印象として違いますからねぇ。
また、キットレンズとなる新しい標準ズームレンズ XC 16-50mm F3.5-5.6 の特徴、XF18-55mm に比べた時の比較は、以下のとおり。
まぁ何と言っても
したことですね(だから XF じゃなく XC になっている…と思いましたが、XF27mm は XF ですね…)。
個人的には別にレンズに絞り環があろうがなかろうが構わないのですが(指標があるならあった方が良いけど)、あれだけ自社の特長として言っておいて…という気はしますし、何よりも
とも思うわけです。大したモデル数もないのに。
(元々レンズによって絞り環の指標があったりなかったりとハッキリしなかったので、クラシックデザインとしての飾りみたいなもんだったのかもしれませんが)
こちらも小型化したといっても、最近はパンケーキっぽい沈胴式の小型標準ズームレンズがソニーやパナソニックから出ていますから、それに比べると一般層へのアピールはかなり弱いと思います。
いずれにしても、X-M1 は悪いところばかりではなく、良いところもあるわけですが、
という感じはします。小型化したといてもボディも大きめ、レンズも大きめでは…
それに重要なポイントとして
わけです。レンズキットだけ買って終わり、せいぜい+1本のユーザーを対象にしているのかもしれませんが、そうなると随分と富士フィルムも変わったもんだと思います。
昨今書いている XF55-200mm を X-M1 で使うのは無理でしょう。EVF がないのに背面液晶で、糞重いレンズを使うのは厳しいですし、X-E1 ですらグリップが不安で、ボディとの重量バランスも良くない。
それに
ですからねぇ。昨日の記事でも少し触れましたが、ボディ内手ぶれ補正がないのに中望遠レンズでも手ぶれ補正がないのは少々古いやり方かな、と。ボディが軽いだけにブレやすいです。
まぁ個人的には、
という感じですし、元々
だと思っていますし、その本質は X-M1 でも変わりません。
もっと言えば、
と思います。NEX や PEN の方がずっと扱いやすくて、それらの方が撮れる対象の幅も広いですし、マイクロフォーサーズの方が安くて良いレンズが多いと思いますしねぇ。
ですけど、被写体は選びまくりだし、撮り手に要求するものも多いカメラだと思いますから。
個人的にサブ機として買うことも考えていましたが、ボディ単体の発売が9月だし、値段も高めだし
というのがあるので、スルーします。X-M1 と XC 27mm パンケーキレンズのセットが7万くらいなら考えましたけどねぇ。
地味にフィルムシミュレーションが減っている(個人的によく使うプロネガ Hi もなくなっている)、背面側のダイアルが妙な形状で使いにくそう、というのも二の足を踏ませる感じですね。
ただ、X-E1 のレスポンスの悪さ、メモリーカードへの書き込みの長さ、書き込みに何もできない糞仕様、細かな操作性の悪さが少しでも改善されているのか、をチェックするために実機には是非とも触ってみたいとは思います(触っても欲しくなるとはきっと思わないので :-)。
とりあえず今の心境としては
「X-M1 買うくらいなら、ツァイスの Touit 2.8/12 Distagon 買うわー」
って感じですな。いや、EF70-200mm F2.8L IS USM の新型リプレースの方が先かな…
ってか、むしろ
ですな。今の X-E1 と同じサイズで X-Trans CMOS II を搭載した X-Pro2 が出たら買おうと思ってるんで。
まぁ、富士フィルムさんもどこへ行こうとしてるのか判りませんが、とりあえずはお手並み拝見ですかね。
■ FUJIFILM X-M1 | 富士フイルム
■ フジノンレンズ XC16-50mmF3.5-5.6 OIS | 富士フイルム
→ ■ ようやく発売のパンケーキレンズ XF27mm F2.8 だが…
- EVF その他を省略して小型化した
(X100S はもちろん、2/3インチセンサーのコンパクトデジカメ X20 より小さい。サイズ比較は後述) - ブラック&シルバーに加えてブラウンのカラーバリエーションが追加(遅れて発売予定)
- ボディは全面樹脂製になって金属部はなくなった
- X100S で採用された最新の X-Trans CMOS II センサーではなく、X-Pro1 / X-E1 と同じ従来型 X-Trans CMOS センサー
- EVF を省略したが、外付け EVF は用意されない背面液晶専用機
- シャッタースピードダイアルや露出補正ダイアルを省略して、一般的なモードダイアル+上面と背面の2つの操作ダイアルを採用
- 背面液晶は可動式になった(上下可動)
- 背面液晶のスペック自体は X-Pro1 と X-E1 の中間的仕様
(全くあてにならない X-E1 よりマトモで、X-Pro1 よりは画素数が少なめ仕様) - Wi-Fi 機能を内蔵した
- 動画記録での 30fps が可能になった(今の時代は 60fps だろ…)
- シーン自動認識型のインテリジェントオート系のアドバンストSR AUTO が追加された
- 昨今あって当然のエフェクトフィルター機能が搭載された
- こっそり フィルムシミュレーションモード の数が減らされている
(プロネガ系がない。結構好きなのに) - バッテリーや充電器は X-Pro1 / X-E1 と同じ
(結構大きめだし、充電器は全くもっていただけない) - お値段は標準ズームレンズとのキットで 84,800円、パンケーキレンズも含めたダブルレンズキットで 99,800円
(安くはない。ボディ単体は9月発売で 74,800円)
といったところ。
改めてまとめてみても
X-Pro1/X-E1 の尖ったところ、拘ったところを捨てて
普通のミラーレス機になった
普通のミラーレス機になった
という感じであります。良くも悪くも、ですが。
ちなみに対抗機としては NEX-5R や E-PL6 あたりになると思いますが、サイズ・重さを比較してみると…
X-M1 | 116.9×66.5×39.0mm | 330g |
NEX-5R | 110.8×58.8×38.9mm | 276g |
E-PL6 | 110.5×63.7×38.2mm | 325g |
という感じで、まぁぶっちゃけ
色々と略して小型化したといっても他社にはまだ負けている
わけです。幅の違いは結構印象として違いますからねぇ。
また、キットレンズとなる新しい標準ズームレンズ XC 16-50mm F3.5-5.6 の特徴、XF18-55mm に比べた時の比較は、以下のとおり。
- 広角端が 24mm 相当スタートになった(XF18-55mm は 28mm)
- 望遠端は逆に 76mm 相当に短縮され、望遠ズーム 55-200mm と繋がらなくなった
- XF18-55mm に比べて重さが 2/3 になった(310g→195g)
- 大きさは若干細くなり、若干短くなったけど、ぶっちゃけ殆ど変わらず
(Φ65x70.4mm → Φ62.6×65.2mm) - フィルター径も XF18-55mm と同じ 58mm径
- 絞り環がなくなった
- F値がよくある 3.5-5.6 と XF18-55mm に比べて半段〜1段暗くなった
まぁ何と言っても
散々こだわりを語ってきた絞り環を撤廃
したことですね(だから XF じゃなく XC になっている…と思いましたが、XF27mm は XF ですね…)。
個人的には別にレンズに絞り環があろうがなかろうが構わないのですが(指標があるならあった方が良いけど)、あれだけ自社の特長として言っておいて…という気はしますし、何よりも
ボディやレンズによって操作性が違いすぎるのはどうですかねぇ
とも思うわけです。大したモデル数もないのに。
(元々レンズによって絞り環の指標があったりなかったりとハッキリしなかったので、クラシックデザインとしての飾りみたいなもんだったのかもしれませんが)
こちらも小型化したといっても、最近はパンケーキっぽい沈胴式の小型標準ズームレンズがソニーやパナソニックから出ていますから、それに比べると一般層へのアピールはかなり弱いと思います。
いずれにしても、X-M1 は悪いところばかりではなく、良いところもあるわけですが、
これでマスマーケットに訴求して売れるんですかねぇ…
という感じはします。小型化したといてもボディも大きめ、レンズも大きめでは…
それに重要なポイントとして
ボディは小型化しても、合うレンズが限られてる
わけです。レンズキットだけ買って終わり、せいぜい+1本のユーザーを対象にしているのかもしれませんが、そうなると随分と富士フィルムも変わったもんだと思います。
昨今書いている XF55-200mm を X-M1 で使うのは無理でしょう。EVF がないのに背面液晶で、糞重いレンズを使うのは厳しいですし、X-E1 ですらグリップが不安で、ボディとの重量バランスも良くない。
それに
Xマウントの単焦点レンズは手ぶれ補正がないレンズばかり
ですからねぇ。昨日の記事でも少し触れましたが、ボディ内手ぶれ補正がないのに中望遠レンズでも手ぶれ補正がないのは少々古いやり方かな、と。ボディが軽いだけにブレやすいです。
まぁ個人的には、
X-E1 ユーザーとしても、あまり人に薦めたいカメラではないなぁ
という感じですし、元々
富士フィルム X シリーズは薦められて買うカメラではなく
自分で惚れて、悪い点も飲み込んで買うカメラ
自分で惚れて、悪い点も飲み込んで買うカメラ
だと思っていますし、その本質は X-M1 でも変わりません。
もっと言えば、
迷うくらいならソニーかオリンパスを買った方が良い
と思います。NEX や PEN の方がずっと扱いやすくて、それらの方が撮れる対象の幅も広いですし、マイクロフォーサーズの方が安くて良いレンズが多いと思いますしねぇ。
そりゃまぁ X シリーズの出す絵は魅力的
ですけど、被写体は選びまくりだし、撮り手に要求するものも多いカメラだと思いますから。
個人的にサブ機として買うことも考えていましたが、ボディ単体の発売が9月だし、値段も高めだし
XF レンズを背面液晶で撮る気は起きんなぁ…
というのがあるので、スルーします。X-M1 と XC 27mm パンケーキレンズのセットが7万くらいなら考えましたけどねぇ。
地味にフィルムシミュレーションが減っている(個人的によく使うプロネガ Hi もなくなっている)、背面側のダイアルが妙な形状で使いにくそう、というのも二の足を踏ませる感じですね。
ただ、X-E1 のレスポンスの悪さ、メモリーカードへの書き込みの長さ、書き込みに何もできない糞仕様、細かな操作性の悪さが少しでも改善されているのか、をチェックするために実機には是非とも触ってみたいとは思います(触っても欲しくなるとはきっと思わないので :-)。
とりあえず今の心境としては
「X-M1 買うくらいなら、ツァイスの Touit 2.8/12 Distagon 買うわー」
って感じですな。いや、EF70-200mm F2.8L IS USM の新型リプレースの方が先かな…
ってか、むしろ
バリアングルモニターと Wi-Fi 付けた X-Pro2 を、はよ出してや!
ですな。今の X-E1 と同じサイズで X-Trans CMOS II を搭載した X-Pro2 が出たら買おうと思ってるんで。
まぁ、富士フィルムさんもどこへ行こうとしてるのか判りませんが、とりあえずはお手並み拝見ですかね。
■ FUJIFILM X-M1 | 富士フイルム
■ フジノンレンズ XC16-50mmF3.5-5.6 OIS | 富士フイルム
→ ■ ようやく発売のパンケーキレンズ XF27mm F2.8 だが…
コメント
コメント一覧 (2)
某掲示板とか雑誌系のサイトとかよりもずっと信用できるインプレでいつもためになります。
フィルムシミュレーション、とりわけネガフィルム系のシミュレーションができなくなったのと知り失望しました。
富士フィルムはfinepix F10とかF30を愛用してましたが、後継機で調子こいて使いにくさはそのままに(自分には)要らんとこだけいじってくるフジの伝統を思い知らされました。(銀塩もGA645とかKlasseとか値段からは考えられない操作性に泣きました。)
最近の機種の写りを、こちらを含めたいろんなブログで拝見してついに我慢しきれず久々にX100Sを買ってしまいました。フジにしてはまともに使えて次の機種に期待していたところに、今回のX-M1。がっかりしました。
X-M1 でフィルムシミュレーションを減らしたのは、本当に謎ですね。コストに関わる部分ではないでしょうから、どういう意図があるのか全く判りません。
(廉価機がターゲットとするユーザーには多すぎると迷うから、などという世迷言を言い出しそうですが… ^^;)
X100→X100S の進化を見ていて X-M1 に期待するところもあったのですが、残念ですね。キヤノン以上にヒエラルキーを重んじるのかもしれませんw
操作性その他を見ていてもデジタルカメラなのにデジタルに最適化されていない面もあって、作ってる人間が古いのかなぁ…と思うところもあります。クラシックなのはデザインだけで十分なのですが(>_<)
画質が(一部条件を除いては)素晴らしいだけにもどかしいですね…