4月17日、同時に発表された2つの新製品は、私にとってどちらも興味深いモノでした。

一つは、この富士フィルム X マウント待望の望遠レンズ「XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS」。そして、もう一つはリコー GR。

同日に発表され、発売も1日違い。過去の X-E1 絡みの記事で散々書いてきたように、XF55-200mm が出たら速攻買うつもりでしたから、発表後すぐに予約しました。しかし、GR も念の為に予約したわけです…

その後の展開はこの一ヶ月の本ブログ記事の経緯が示すとおり。当初“予約だけ”のつもりだった GR を購入することになり、資金的余裕が完全になくなり、翌日発売の XF55-200mm の予約はキャンセルしてしまいました。

しかし、GR が欲しくなったモノならば、この XF55-200mm は私にとって必要な物。NEX Eマウントシステムは一部を残して売却して、ミラーレス機のメインシステムを X-E1 & Xマウントレンズにしたのですから、望遠の画角はどうしても必要です。

今年は毎年恒例6月の北海道行きもなく(そういや3月以来行ってない…)すぐに使うアテもなかったのですが、日帰り予定だったガンバ大阪のギラヴァンツ北九州戦のアウェイ観戦で前泊して日本海沿岸をドライブすることになったので、ちょうどいい機会と思って購入しました。

XF55-200_01
(手前の iPhone は箱からしてデカいのを比較するためのもの ^^;)


発売直後に量販店も含めて品切れ、品薄になっていましたが、ちょうど出かける前日の夕方にヨドバシカメラに入荷するというグッドタイミング。そんなキッカケがなければ、まだ買ってなかったと思います。

FUJIFILM フジノンXFズームレンズ XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS
FUJIFILM フジノンXFズームレンズ XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

(Amazon でもようやく在庫がある状態に。価格も若干値下がり)


そんなわけで、発売から1ヶ月が経ち、購入してからも2週間が経ちましたが、X-Pro1 / X-E1 向けとしては待望の望遠レンズ「XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS」のファースト・インプレッションを書いておきたいと思います。

ファースト・インプレッションというからには第一印象を書くわけですが、率直に言って

デカっ!重っ!!


これに尽きます。買って開梱してからレンズの実物を初めて見て手に取ったので、第一印象はコレに尽きます。

正直言うと、

これはちょっと引くなぁ、(買うのを)早まったかなぁ…


という思いが一瞬過ぎりました。それくらいのデカさ、重さ。


過去、色々なレンズ、ボディを使ってきましたが、これほど「デカい、重い」と思ったのは初めてです。もちろん一眼用の 1.5〜2kg 超の望遠〜超望遠レンズをずっと使ってきていますし、ボディも EOS 1D 系列がメインだったこともあります。

ありますが、それらは「判っていた」大きさであり、色々な意味で「納得の」サイズでしたのが、別段気にしたことも、現在使っていても特にどうこう思ったことはありません。

「良いレンズはデカくなるのも仕方ないじゃねーか」

と、ずっと思っています。寄る年波には勝てない年頃にはなりつつありますが、まだ、ボディ+レンズで 4〜5kg 以内なら頑張りたい。

が、しかし、XF55-200mm はあくまでミラーレス機のレンズ。それも、たかが 55-200mm。それも F2.8 通しとか F4 通しでもない。スペック的には別段大したことのないレンズ。

はぁ?ミラーレス機の 55-200mm が何でこんなにデカいの?


その思いは第一印象から今でも変わりません。一般的な“ミラーレス感覚”からは程遠い。

これじゃあ、少なくとも好き者じゃない一般層の友人知人に X マウントのカメラなんてとてもじゃないけれど薦められない。いくら小型ボディを出そうが、この望遠レンズを見れば Xマウントを(一般的なミラーレス機感覚では)安易には薦められない。

XF55-200_03
(外箱を開けたところ。上部トレイには簡易マニュアルと
XFレンズならではのちょっと高そうな?ポーチも付属している)

XF55-200_04
(上部トレイを取り出した奥にレンズが入っている。見るからに重厚)

XF55-200_06
(XF55-200mm 同梱物一式)

XF55-200_07
(注意書きの紙にはファームウェア・アップデートしてから使えとある)

XF55-200_08
(マニュアルは標準ズーム XF18-55mm F2.8-4 と共通になったようだ
将来はダブルズームキットでも出すのだろうか…?)

XF55-200_09
(その標準ズーム XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS との比較…デカッ!)

XF55-200_10
(XF18-55mm F2.8-4 も標準ズームとしてかなり大きいが、遥かにデカく重い)


APS-C 専用の 55-200mm レンズというのは、ミラーレス機では標準的なダブルズームキット的望遠レンズであります。

そんな “よくある仕様のレンズ” の割りには、他社同等レンズに比べて馬鹿デカく、糞重く、さらにやたら高いわけですが、これまで出てきた XF レンズの多くは非常に定評のある描写であり、特に

標準ズームも良い描写だっただけに、望遠ズームも期待!


はしていました。それだけに首を長くして待っていたわけです :-D

そして、確かに期待通りの写りでありました。ありましたが、

このデカさ、重さ、値段の高さなら、相応の写りで当然


のレベルです。決して期待以上ではないです。

画質については後日の記事でまた書きますが、X-Pro1 / X-E1 は元々得手不得手が激しいカメラで、通常は素晴らしい写りであるものの、条件によっては安物コンデジ並みの描写になることがあります。それは、どのレンズでも、このレンズでも変わりません。

また、他社のミラーレス用 55-200mm レンズより一段良い描写だったとしても

「ミラーレス用の 55-200mm のくせに、これだけデカくて重くて高いのに写りが並だったら、富士フィルムぶっ飛ばすところやったで」

という思いでしかありません。それほどに、このレンズは高く、デカく、重い。

XF55-200_11
(左:XF60mm マクロ、中:XF18-55mm F2.8-4、右:XF55-200mm)


ミラーレスにしてフランジバックが短くなったところで望遠レンズはさほど小さくも(軽くも)ならない、というのは判ってはいるのですが、NEX 用の望遠レンズ E 55-210mm やマイクロフォーサーズ(オリンパス)の ED 40-150mm を使った経験からすると、同程度の画角のレンズとは思えません。

Xマウントの標準ズーム XF18-55mm も大概重くて、XF18-55mm もこの XF55-200mm も同クラスの他社レンズより半段明るいという特徴があるわけですが、ここまで重く大きいのを見ると、同程度の描写をキープしつつも

半段暗くしてよくある F値にしたら、もっと小さく軽くなったのでは…


と思わざるを得ません。

少しでも明るい方がボケ量が違ってくるのは事実ですが、X-Pro1 / X-E1 の高感度画質は APS-C クラス随一のものですから多少感度が上がっても…と思うだけに、余計に「ここまで重くデカくするくらいなら…」と思います。

(まぁ X-Pro1 / X-E1 は実効感度が他社と比べてハテ?と思うことがありますけどね…)

もしくは逆に

こんなにデカいなら F4 通しくらいにしとけよ


とも思います。

重さ 580g、φ75mm、テレ端撮影時全長 177mm といったら、フルサイズ用の良レンズ EF70-200mm F4L IS USM と大差ない(サイズはほぼ変わらない)ですからねぇ。ワイド端の時は短くなりますが(118mm)、APS-C 専用レンズとしてはスペックの割りには馬鹿でかいのは事実です。

そして、値段も高い。

例えば、



といったように、各社ミラーレス機の 300mm 望遠ズームは2万円そこそこと相場が決まっているわけです。

しかし、そこへきて 富士フィルム X マウント用望遠レンズと来たら、



で、φ75×118mm、580g ですから、値段は2〜3倍、重さも2〜3倍、太さ・長さも数割増し

これでは並の写りでは許されるわけがないし、それなりに良い描写でも「まぁ当たり前だよね」であるし、せいぜい頑張って “コストパフォーマンス的には妥当” なレベルです。

これより高いミラーレス機用の望遠レンズといえば、70-200mm F2.8 相当に当たるパナソニック 35-100mm F2.8 くらいなものでしょう。高い、デカい、重いレンズが良い描写をしたとしても、そんなものは当然な話。並以下なら論外。

XF55-200_13
(はっきり言ってグリップが糞なボディとはバランスが良くない)


とまぁ、なんか値段をダシに厳しいことを言ったようなところはありますが、何度でも書きますが、

重さ、大きさ、(値段の)高さからすれば、まぁ妥当な描写


であります。

逆に言えば、ミラーレス機用の望遠レンズとしてはかなり良い描写なのは間違いなく、テレ端で撮ると哀しくなるようなこともありません。梅雨の合間の湿気の多い状態でもビシっと来てくれます。

手ぶれ補正もよく効きますし、満足といえば満足です。


それに X-Pro1 / X-E1 のボディのデカさを考えれば

富士フィルムはミラーレス機だからといって小さくする考えはないのだろうなぁ


と思いますし(近々 EVF なしの小型ボディを出すみたいですけど)、そういうことを判ってて買っていますから諦めてもいます。いますが、

さすがにこの大きさを持ち歩くと、軽量システムとは言えなくなる


のもまた事実。軽さを求めてミラーレス機、という感じではなくなりますね。

実際に持ち歩いていてもこのレンズを入れると鞄がズッシリ来ますし、あまり一眼レフシステムを持ち歩くのと変わらなくなる感じだなぁと思います。

でもまぁ、

X-Pro1/X-E1 の絵に惚れてると、望遠レンズはコレしか選択肢しかない


わけですし、

富士Xマウントは軽量さやサイズで選ぶミラーレス機とは違う


のですから、仕方ないとは思います(それだけに色々と志を曲げた近日発売の小型ボディには疑問ですが)。


ま、そういうことは判っていても、やっぱりやたらデカく、重く、いささか(スペックに対して)高めのレンズです。ミラーレス機向けレンズによくある、コストパフォーマンスが良いレンズとは違います。

そんなわけで第一印象の評価は少々辛めではありますが、AF は確かに速くなっていますし(AF-S 限定)、画質もそれなりに満足すべきものです(大きさ、重さ、値段を思えば当然)。

そのあたりについては、次回記事以降に実写を含めて詳しく書いていこうと思います。

FUJIFILM ハンドグリップ X-E1用 HG-XE1
FUJIFILM ハンドグリップ X-E1用 HG-XE1

(ボディのグリップが糞なので、これは必要かも…
でもこれも糞みたいな付加グリップなのに1万近くとかボッタクリレベル)