台風3号が東へ逸れていき、結局殆ど雨が降らないままの関西地方でありますが、その分さらに蒸し暑さが上乗せされて厳しい今日この頃ですが、皆様くれぐれもご体調とレンズのカビにはお気をつけいただきたいと思います。

というわけで、上着を着ることが少なくなってくるこの季節、コンパクトデジカメの入れ場所も変わってくるという人も多いかと思います。カジュアルな軽装ならば、ベルトポーチタイプを使う人も多いのではないでしょうか。

私自身は基本的に、鞄の取り出しやすいポケットにコンパクトデジカメを1つ入れておく派なのですが、薄手の鞄を使う時も多く、そういう場合は入れられるデジカメが極めて限られます(ウチでは PowerShot N の厚みも嫌で S100 が限界)。

また、新型 GR はコンパクトデジカメとしてはサイズもなかなか大きめ(横長)であり、上着にしろ、鞄にしろ、ポケットに入れられる条件も限られてくるため、GR を日常的に持ち歩く時はカメラポーチ(ベルトポーチ)の類を使う割合が多くなっています。

そして、発売直後に GR 購入した当初から「GR を入れるのにちょうど良いカメラポーチ」を探していたのですが、どうも自分的に GR にベストフィットな感じのものが見当たりませんでした。

従来から Cybershot DSC-RX100 のように少々大きめのコンパクトデジカメを使ってきたこともあって、サイズに余裕のある(ベルトポーチとして使える)カメラポーチは幾つも持っているのですが、

GR だけをコンパクトにしっかり入れられるポーチが見当たらない


ので悩んでいました。

人気コンパクトデジカメですから、そのうち GR 専用ケースは色々と出てくるのでしょうけれど、「欲しいのは今でしょ!」であります。

ということで、ぶっちゃけ純正ケースだけは買いたくなかったのですが(メーカーロゴの入ってるストラップほどダサくはないけど…何となく)、ここは実利をとって GR 用のメーカー純正ケース GC-5 を購入しました。



バッグ、ケースというものは人それぞれの好みや利用形態が強く反映されますから、現物がどんなものかを見てから買おうと思ったのですが、ヨドバシカメラ店頭でも実物展示はしていませんでしたし、メーカーページにも小さな写真と、ひと言説明だけ。

ググってもあまり情報がなく、結局また「とりあえず買ってみるか」パターンでしたので、以下に GR 用のメーカー純正ケース「GC-5」について自分が伝えられるだけのことは書いておこうと思います。


殆どどうでもいいことですが、パッケージは↓こんな感じ。

NewGR123CaseStart


中身も以下のとおり、ケース(カメラポーチ)だけです。別にマニュアルとかが必要な製品ではありませんしね。

NewGR124


第一印象としては、3千数百円のケースですから高級感があるとはお世辞にも言えませんが、本革製で手触りも悪くないですし、

前面・背面に薄い板が入っていて型くずれしない


ようになっています。出し入れを考慮されたものでカメラポーチとしては使い良い真っ当な構造になっています。

GR 本体と並べてみると、当たり前のコトですが GR 専用品だけあってピッタリサイズであります。

NewGR125


本革で型も入っているので、ケース自体は極薄というわけではなく、ケースに入れると GR 本体よりは一回り大きくなりますが、それは仕方ないでしょう。

NewGR126


背面側には、ベルト通しとリングがあります。

NewGR127


ベルト通しはやや細めで、ぶっといベルトを使っている人は通らない、通りにくい可能性がありますので要注意です。

個人的には、この手のボタンタイプになっていなくて簡単にベルトへの脱着ができないベルト通しは嫌いなので、リングにカラビナを付けてズボンにぶら下げています。

ケースの型がしっかりしていることと、GR およびケースが縦長で細身気味なこともあって、リング&カラビナ経由でジーンズにぶら下げていても、あまりケースが暴れなくていい感じにフィットしていると感じます。

NewGR128


蓋を開いた感じは上記のようになります。新品ケース状態だと側面の革が内側に曲がっていたり、サイズがあまりにもぴったりすぎて、最初はかなりキツキツな印象を受けます。

が、本革ですので、

最初は出し入れがキツくても、使っていればすぐスムースに


なります。数日使っただけでも随分違います。

NewGR129
(2〜3日使っただけでも、かなりスムースになります)


このあたりはレザーケースの特徴であり、最初から緩くて、中で微妙に動くような状況になるよりはマシでしょう。数日使って、今は出し入れに問題を感じることはありません。


さて、実際に GR をケースに入れてみると↓のようになります。このケースは GR 全体を覆うのではなく、開口部がかなり大きい仕様になっています。

NewGR131


それゆえに、防滴を考えている人には全く不向きなケースですので、その点はご注意を。

一見すると、開口部が大きくてモードダイアルが勝手に変わりそうになっていますが、GR のモードダイアルはロックスイッチ付きですので、その点は問題ありません。

先にも書いたように、サイズはピッタリすぎるほどピッタリであり、GR 以外を入れる余裕は皆無ですので、予備のメモリーカードやバッテリーを入れることはできません。

そういったものを入れたい場合はもう少し余裕あるカメラポーチを使う必要がありますが、

GR だけをできるだけスリム/コンパクトに入れるケースとしては現状ベスト


かなぁ、と使ってみて思っています。

NewGR132


また、上蓋が閉じる部分は緩いマグネット吸着になっているので、

蓋を開いて GR を取り出したあとは、勝手に綺麗に蓋が閉じられる


のも良いですね。

ボタンなどで蓋を開閉するタイプだと、蓋を閉じるのが面倒になり、蓋がそのままブラブラさせたままになったりしますが、このケースだとそういうことがありません。


また、このケースの特徴として

蓋の部分が外せて、ホルスタータイプになる


というのがあります。

上蓋は背面のボタン2つでケース本体に止められているだけですので、それを外すと

NewGR130


このような形になり、上蓋を外した状態で GR 本体を入れると

NewGR133


上記のようにレンズ部分や背面は隠れるもののグリップ部分が完全に出る状態になり、まさにホルスターな感じ。

元々 GR がケースにキツいくらいにピッタリですから(緩くならないうちは)蓋がなくても簡単に GR がケースから抜けるようなことはない印象です。

NewGR134


このケースの上蓋は緩いマグネット吸着ですから蓋の開閉は全くスムースにできるのですが、蓋を取ってしまえば、グリップを握りながらケースから出してすぐ撮影体制に入れる、まさにスナップシューター GR のアイデンティティを体現したケースという感じです。

前述のとおり、蓋を閉めても側面側が大きく開いていて防塵防滴性は皆無ですし

「どうせ蓋を閉めても雨よけになるわけでもないんだし、蓋を取ってもレンズと背面は保護されるから、それでええんじゃね?」

的な感じはあります。いくら蓋の開閉がスムーズだったとしても、ない方が取り出しやすいのも事実です。

私自身、このホルスタータイプな使い方は気に入っていて、上蓋の脱着は状況によって使いわけようかな、と思っています。



というわけで、正直「純正ケースとか嫌だろjk」とか思っていたのですが、実利に負けて買って使ってみると

コイツ(GR 純正ケース GC-5)は、あらゆる点で良い


ですね。

ま、あらゆる点というのは言い過ぎで、デザイン的には地味過ぎますし、コンパクトというかスリムなのは良いですが、本体以外(予備のメモリーカードやバッテリーなど)何も入れられないというのは好みがあると思います。

個人的には

純正ケースだけど、メーカーロゴが入ってないので許せる


という感じです。GR という文字が革に刻印されていますが目立ちませんし、こういうのは良いですね。

ニコンのバッグなんかは良さげなのが多くて、欲しいなぁ…と思うことが多いのですが、馬鹿みたいにメーカーロゴが主張していて「こんなの信者以外は恥ずかしすぎるだろ…」レベルなので、いつも残念に思ってます(1つ持ってるけど)。

いずれにせよ、デザイン的には地味ではあるものの、「このケースに入ってるのはカメラですよー、リコーですよー、GR ですよー」という主張がないのは好感が持てますし、

実用面では高いレベルで満足


であります。

GR 本体を取り出す時の開閉がチャックタイプやベルクロではなく、緩いマグネットというのが、まず◎。チャックタイプは意外と手間ですし、ベルクロのバリバリ音は使っていて毎度嫌になります。

使われているマグネットもそんなに強力なものではなく必要最小限の弱いもののようですので、その点も良いですね。

決してデザインが良いとか高級感があるとかではありませんが、さほどチープな感じもしませんし、レザーケースながら型もしっかりしているので、実際に使ってみると

さすが純正、使いやすいわ


と思わざるを得ません。満足度は高いですし、これが3千円台なら値段に十分見合います。

GR を入れる最小限のポーチタイプのケースを探している人は、私のような食わず嫌いを置いといても、純正ケースを検討してみても良いのではないかと思います。