購入から2ヶ月半ほど使ってきたシグマ DP1 Merrill。前々回前回と初代 DP1 から DP1 Merrill を買い換えての率直な感想を書いてきました。

初代から4年ぶりの買い替え DP1 Merrill 【前編】昔と一変した操作性は上々
初代から4年ぶりの買い替え DP1 Merrill 【中編】良くも悪くも DP は今も昔も DP

以前から定評のあった画質が Merrill で飛躍的にまた良くなったということで、昨年からずっと買おう買おうと思っていたのは過去に書いてきたとおりですが、それだけではなく、

Foveon クラシックブルー・モード追加で更にそそられ
SPP のモノクロ現像モードでもっと惹かれて…


と、DPx Merrill そのものだけではなく、周辺ソフトウェアの機能追加も含めたシグマの魅力づくりにやられた、外堀をどんどん埋められていった、ということがあります。

DP1M_09


個人的に「Foveon クラシックブルー」モードは気に入っていて多用しています。DP シリーズはなかなか青空が良い感じが出にくい時もあるのですが、とりあえず(色転びの副作用はあっても)Foveon クラシックブルーはシグマのカメラの特長として大好きです。

DP1 Merrill Test Photo (6)


まぁそれを使いこなせているか?といえば、なかなか恥ずかしい話で、今も昔も初級者から抜け出せない私としては、好きだけど使いこなしきれず、シグマのカメラを思うように使いこなすことが目標かもなぁ…と思う時があります。


さて、DP1 Merrill をしばらく使ってきて感じた操作性については前々回、その他の良し悪しについては前回に書きました。

前々回にも書きましたが、初代に比べると操作性の向上は目を瞠るものがあって、メモリ書き込みに時間がかかってプレビューできるまでが長いことを除けば、概ね使い勝手は良好です。少なくとも、昔ながらの操作性を実現したり、ボタン数が多くて操作性の良さを謳う X-E1 よりは遥かに心地よく操作できます。

初代DP1 では背面液晶の質も褒められたものではなく、日中屋外では殆ど見えず、背面液晶を見て構図を確認することも難しい時がありました。おかげで外付ファインダーを全く使う気がない私も初代 DP1 用に 28mm のビューファインダーを購入する羽目になりました。

COSINA 28mm View Finder M シルバー 500105
COSINA 28mm View Finder M シルバー 500105

(当時購入した 28mm 用外付けファインダーがコレ)

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(DP1 Merrill にコシナの 28mm ビューファインダーを装着したところ)


もっとも、DP1 Merrill では背面液晶も良くなっているので、この外付けファインダーを使おうと思う機会もそうありません。Cybershot RX100 ほど見やすいわけではありませんが、日中屋外でも随分と使いやすくなっていて満足しています。


とはいえ、操作性についても全く不満がないわけではなく、細かい点ですが改善して欲しいなぁ…というところはあります。

例えば、電源ボタンが平らすぎて電源のオンオフがやりにくいと感じる時がありますし(Nikon 1 V1 と同じ)、何よりも

右側のストラップ穴が側面ではなく背面側にあるのは使いづらい


ですね。バランスが悪くて気持ち悪いです。

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(ネックストラップだけでなくハンドストラップを付けるにしても微妙な位置感がちょっと…)


なんでこのような仕様になったのかは全く想像がつかないのですが、DP1 Merrill での不満点を挙げた場合、“ボディのデカさ”と“色の微妙さ”の次に来るのが、このストラップ穴の仕様でしょう(高感度とか AWB のダメさ加減は諦めて買ってる ^^;)。

これは次モデルでどうにかして欲しいと思いますし、あとはレリーズの感触は改善して欲しいなぁと思います。中上級一眼レフ並みを求めるのは無理ですが、今のレリーズ切った時の安っぽい感触は好きになれませんので。

DP1 Merrill Test Photo (19)


DP Merrill はメモリ書き込みに時間はかかっても、その間に設定変更もできるし撮影もできるということで、スナップカメラとしても向いていると感じるのですが、解像が素晴らしいだけに手ブレにはシビアで、かといって感度も上げられない、というのは悩ましいところです。

レンズ一体式カメラとしてボディサイズがかなり大きい割には手ブレ補正機構もありませんし、だけど日没前後の暗いシーンでも使いたくなることも多いし、かといって三脚をわざわざ出す(持っていく)ほどの撮影でもないし…という悩みは、DP シリーズでいつもつきまといますし、自分の中で答えが出ていません。

また、

元々 DP2 Merrill を買う予定だった


ので、正直言うと DP2 Merrill を買い足すかどうかも悩んでいます。



X-E1 の 28mm 相当単焦点レンズを買う代わりに、前から DP Merrill を買うつもりだったから DP2 Merrill じゃなく DP1 Merrill を…などという安易な考えで買ったわけですが、やっぱり 28mm 相当というのは若干苦手な画角。

私自身のイメージはいつも 35mm 前後ですし、NEX 用のシグマ DN レンズでも 19mm と 30mm の2本持っていて使うのは 30mm ばかりでしたから、28mm よりはむしろ 45mm の方が慣れていたので、やっぱり DP2 Merrill がいるかなぁ…と。

まぁ、DP3 Merrill は(興味あるけど)使いこなせる自信もお金もありませんが。

DP1 Merrill Test Photo (20)


あとは、やはり何度も書いているようにボディサイズ。DP2 Merrill を買おうか悩んだ時にネックになるのは、DP1 と両方持って歩く気がイマイチ起きない大きめサイズ。DP シリーズだけを持って歩くという気合の入ったシグマユーザーなら問題ないのだろうけど、私はそこまでじゃないので…(^_^;)

昨今 APS-C センサー搭載のレンズ一体式カメラが増えてきたなかで、富士フィルムのようなサイズ感のメーカーもあるけれど、レンズ一体式カメラはレンズ交換できない分、画質と小ささが求められてると思いますし、私もその一人です。

ボディサイズのことを差し引いても余りある魅力があるのは判っていても、やはり、せめて、次は以前の DP1 のサイズに戻って欲しいなぁ…と思います(画質維持は大前提ですが)。

これだけは多少の無理難題もあるだろうとは判っていても、切なる要望ですね。このサイズだと一眼やミラーレス機のサブに持っていくのは躊躇う時もある大きさですし、2ヶ月以上使ってきても、やっぱりゴツいなぁ…と感じます。

DP1 Merrill Test Photo (15)


ま、そういうことはあるにしても、欠点も多いけど、only one な魅力があるカメラなのは事実で、愛すべきカメラです。惚れた弱み、かもしれません。

以前、

「カバン一つ持って軽装で旅に出かける時、一眼レフやミラーレス機のシステムを持っていくのではない時に、CyberShot RX1 と RX100 の組み合わせって良いかもなぁ」

と感じたわけですが、同じようなことを DP1 Merrill にも感じます。

DP Merrill は決して poorman's RX1 ではありませんが、RX1 以上に得手不得手の多い DP Merrill の足りない分を万能高画質なコンパクトデジカメ RX100 で補うスタイルは良いかも?と思います。

でもそうなると、自分の感覚的には余計に DP1 Merrill より DP2 Merrill の方が良いかなぁ…と、まだ同じ悩みの堂々巡り X-)

あとは、ちょっと気になる新型 GR を万が一買ってしまうと 28mm 単焦点かぶりになってしまうなぁ…なんて。新型GR を買うと決めたわけではありませんが、気になりますからねぇ。

28mm 単焦点カメラを2つ使い分けられるほど器用じゃないし、DP1 Merrill を買って2ヶ月、色々と悩ましい昨今です。