ゴールデンウィークも終わりとなり、皆様いかがお過ごしのことでしょうか。私は仕事が終わりきらず頭を抱えつつ、今日はGW唯一のお出かけ。神戸へ「ブライトリング・ジェットチーム」の日本初航空ショーを満喫し、ガンバ大阪 vs ヴィッセル神戸の J2 首位決戦で…完敗でしたorz

さて、前回記事に引き続き、2ヶ月以上前に買っていたシグマ DP1 Merrill の感想をば。



前回記事では4年ぶりの買い替えで画質よりも操作性の向上に感心をうけたことを強調しましたが、今回は DP1 Merrill の良し悪し両方について言いたい放題書き散らしておきたいと思います。

ともあれ、DP1 Merrill に限らず DP Merrill シリーズの、というか従来からの DP シリーズも含めた良さといえば

このサイズのカメラで撮ったとは思えないほどの解像感迸る写真


であり、

どハマった時の、おお〜っという何とも言えない感じ


が魅力であります。初代 DP1 を購入して、その画質に驚いたのは強い印象に残っていますし、その体験が DP1 Merrill 購入にも繋がっています。

ただ、初代 DP1 を使い初めて、その画質に驚くのと同じくらい “じゃじゃ馬” 加減にも驚きましたし、撮影時のじゃじゃ馬加減だけでなく、RAW 撮影→現像が基本のカメラなのに RAW 現像ソフト (SIGMA Photo Pro/以下 SPP)のじゃじゃ馬加減にも手を焼くのは今なお、であります。

カメラも現像ソフトも(マシになったとはいえ)じゃじゃ馬健在


そんな印象を4年越しの買い替えでも感じています。


もちろん、むかし一部界隈では話題になった「サッポロポテト」現象は、モデルチェンジごとに改善が重ねられて、もはや見る陰もなく、照明や逆光があっても問題なく撮影することができます。

DP1 Merrill Test Photo (10)
(万博スタジアムでの毎度スナップ。初代ではどう撮っても照明からサッポロポテトが大発生してた ^^;)

DP1 Merrill Test Photo (1)
(初代の頃はこういう逆光シーンを撮るたびに泣いてたが、今は無問題!)


初代DP1 から買い替えたユーザーとしては

・操作性の素晴らしい改良
・DP シリーズの秀でた画質(解像度)の更なる向上
・逆光耐性の改善

というところに DP1 Merrill の良さを見出しています。

Foveon センサーらしい解像感の素晴らしさは言うまでもないことで、今回の DP1 Merrill 購入のキッカケも

「X-E1 は遠景描写が意外とハマらない時があるから、X-E1 用 28mm 単焦点レンズを買う代わりに DP1 Merrill で補いたい」

と思ったことでした。実際に使ってみて、やはり Foveon センサーの解像感は素晴らしく、そして無理がなくて好きだなぁ〜と感じます。

まぁ、解像が高い分だけ手ブレにはシビアすぎて、お気楽撮影の私には能力をスポイルして撮影していることも多くて、逆に凹むことも多いですけどね…

DP1 Merrill Test Photo (5)


また

SPP 5.5 から搭載されたモノクロ専用モードは、購入の背中押しの一つ


でした。

大昔は「モノクロ写真のどこが良いの?」と暴言を吐いていた私でありますが、最近は多少なりとも魅力を感じていたりしますし、何より SPP のモノクロモードは何も判らないド素人が見ても、普通のモノクロ変換とは違うことくらい判ります。使っていても面白いし、勉強になります。

ただ、やっぱり Foveon センサー搭載機らしい特徴というか、

ダメな点は相変わらずダメだなぁ


と思うところもあります。

そこも愛して、とまでは言わないものの、そこも包み込んで受け止めての Foveon 搭載カメラであり、以下の欠点・不満もまぁ惚れた弱みとも言えるわけです。じゃじゃ馬好きなのは、欠点はあるけど、それ以上に愛すべき点があるわけです。

DP1 Merrill Test Photo (11)


と DP シリーズ、Foveon 機へのフォローをしつつも、やっぱり

  • 相変わらず高感度どころか中感度でも画質ダメダメ、低感度専用カメラ

  • ホワイトバランスも相変わらず微妙すぎ
    (でも初代の頃よりは随分マシになった)

  • これまた相変わらず、撮って出し JPEG と RAW 現像では画質差がある

  • RAW 現像ソフト「SIGMA Photo Pro」は、よく落ちる


という初代から変わらぬ特徴があるわけで

低感度専用/RAW 撮影専用カメラ


というのは、今も昔も変わっていません。

カメラ内生成 JPEG は初代 DP1 ほど酷くないですし、画素数が増えて SPP での RAW 処理があまりに重くなったため JPEG で写真セレクトしないと厳しい状況なので、RAW + JPEG 撮影するように変更していますが、撮って出しと SPP で現像処理したものとの画質差はありますし、ホワイトバランスを弄らずに済むこともまだ少ないかなぁ、と思います。

ただ、FOVEON センサー機が高感度ダメダメなのも受け入れてるし、RAW 専用カメラなのも判っているけれど、

SIGMA Photo Pro が落ちやすいのだけは何とかしてくれ〜


と切実に思います。

4コアの Core i5、メモリ 16GB のマシンで 200個くらいの RAW ファイルが有るフォルダを開くとレインボーカーソルで延々待たされて、時々そのままハングアップ。等倍表示で現像パラメーターを弄ってると、しょっちゅう落ちる。さすがに、ちょっと勘弁です。初代 DP1 を買った時から変わらない不安定さ。

RAW 現像専用機なだけに、現像ソフトはしっかりして欲しい。FOVEON センサー機は他の現像ソフトでは未だ良さを引き出せないと感じるので、頼みの綱は純正 RAW 現像ソフトになるのですから。

DP1 Merrill Test Photo (13)


また、

  • 笑っちゃうくらいバッテリーは保たない
    (メーカーが最初からバッテリーを2個つけるのも当然と思える)

  • レンズ一体式カメラとしては、とにかくデカい。デカすぎる

  • ボディがツルテカすぎて、今ひとつグリップ感に欠ける


というところも不満といえば不満。

特に2ヶ月以上使ってきて感じるのは

さすがに、このボディはデカすぎるわ…


と。初代と比べても一回り、いや二回り近くデカい印象。

初代 DP1 は GXR あたりと同じく「デカすぎるコンパクトデジカメ」という感じで持てたけれど、DP1 Merrill は到底そうはいかない。

というか、ミラーレス機と比べても EOS M や NEX あたりよりは十分大きい。ボディ幅が太くて、デザイン的にも無骨な感じですので、余計にゴツさを感じます。

DP1M_03
(コンパクトデジカメとしてはかなり大きい RX100 とは比べても仕方ないくらい)

DP1M_04
(ミラーレス機でも大きい方の X-E1 と比べても、ボディは一回り小さい程度)

DP1M_05
(同スペックのシグマレンズ 19mm F2.8 DN との比較。よく収めてるとは思うが…)


Foveon センサーが大きく飛躍した分、レンズも大きくなったのだろうと思うし、画質的に無理の出ないことを優先した結果というのも分かります。小さくして画質がイマイチになってしまえば、DP シリーズを買う意味はなくなってしまうでしょう。

でも正直言って、このデカさはサブ機として使うにはちょっと辛い。一眼やミラーレス機のシステムに加えてもう1つ、というには、あまりにも大きくなりすぎました。初代 DP1 の時とは、いささか持ちだした方が異なります。

むしろメインで持っていくカメラのサイズであり、確かにその画質や使い勝手を思うとメインで使うためのカメラなのでしょうが、そうなると自分の撮影体制から少しはみ出るのが辛いところ。

元々 DP2 Merrill の方を買う予定だったので、もう1つ DP2 Merrill も買いたい気持ちはありますが、このサイズのカメラを2台持って行くとなると、ミラーレス機のボディ+レンズ数本を持っていくのと変わらなくなってきて、なんか自分の DP のイメージとはちょっと違うなぁ…と躊躇ってしまいます。

このあたりは色々と悩ましいし、人それぞれ感じ方も違うのでしょうが、ちょっと私の欲する DP シリーズのサイズ感からは離れてしまったなぁ、という印象は拭えません。店頭でも大きいと感じましたが、実際に使ってみて“+1”では持って行きづらくなりました…

DP1 Merrill Test Photo (4)


逆に、バッテリーの保ちが悪いことは聞いていて覚悟していたので、まぁこんなものかというか、

確かにバッテリー1個で 100枚撮れないなぁ(苦笑)


という感じ。

DP を買ってるのに、これを欠点!欠点!とあげつらう気はないし(他のカメラなら絶対許容しないけど ^^;)、シグマもちゃんとそれを判っていて本体にバッテリー2個同梱しているし、純正バッテリーを互換品価格並みの安さで提供しているので、まぁ仕方ないかな〜と思ってます。

シグマ Li-ionバッテリー BP-41
シグマ Li-ionバッテリー BP-41

(ユーザーならご存知、リコー GRD/新型GR と同じバッテリーだが激安)


バッテリー1個1個はサイズも小さく軽いから複数個持って歩いても苦にはならないし、充電器も小さくプラグ内蔵だから旅先などへ持って出かけるのも嵩張らない。こういう細かなことを配慮できないメーカーが多いなか、シグマはちゃんと考えてる、と感じる。

ただ、ここまでバッテリーの減りが早いと

EOS 1D系列に付属しているようなダブル充電器を発売する必要があるのでは?


と思う。

旅先で3個4個とバッテリーを消費した時には、充電器1個では到底、夜の間に全部充電できないので困ってしまう(寝ている間にも交換するわけにはいかないし)。もう1個充電器買えばいいだけだが、他の機材の充電もあるので、旅先ではコンセントの数は減らしたいですしねぇ。

DP1M_01
(DP1 Merrill 同梱物一覧)

DP1M_02
(最初からバッテリーは2個付属している。それでも足りないけど)

DP1M_06
(各社ミラーレス機の充電器と比較。圧倒的に小さい)

DP1M_07
(キヤノンのコンパクトデジカメの充電器よりも小さい。でもプラグ内蔵で◎)


ボディに比してバッテリーが異常に小さいのは事実なので、次期モデルではボディサイズのシェイプアップをしてもらうか、同じサイズになってしまうならバッテリーサイズと保ちはもう少し考えていただきたいですね。



という感じで、今回は割りと駄目だしというか不満回の記事になりましたが、これらは判っていて買っている、判っていても買うのが DP シリーズだったりします。

まぁ、正直言ってサイズがここまで大きいのは判っていても、実際に運用しているとちょっと嵩張るなぁ…という印象はあります。個人的には、レンズ一体式カメラというならば初代 DP1 くらいのサイズが限界というか、それくらいに収めて欲しいところです。サイズ感を超えるポテンシャルは重々承知なのですが…

もう少し何点か細かいところで書きたいことはあるので、DP1 Merrill についてはもう1回だけ。

初代から4年ぶりの買い替え DP1 Merrill 【後編】 色々と悩ましく…

シグマ デジタルカメラ DP2 Merrill 4600万画素
シグマ デジタルカメラ DP2 Merrill 4600万画素

(本来買う予定だった DP2 Merrill も欲しいのですけどね…)