えー、もう2ヶ月以上前の話ですが、シグマ DP1 Merrill を買って使ってきていました。初代 DP1 から4年ぶりの買い替え。次は買い換えよう…と思いつつ、ここまで引き伸ばしてようやくです。

今年は正月からの2ヶ月間で(中古も含めて)カメラ本体やレンズをアレコレ買いまくりすぎたのを自分ですら引いてたので、次々とブログに載せてるうちに若干後ろめたくなってブログに感想を書くのは保留にしてました。

というか、

今さら俺ごときが DP Merrill シリーズのアレコレを語るなど烏滸がましい


という気持ちもありますしね。

山木社長の Twitter を見ていれば、素晴らしい写真が次々とリツイートされてくるので、自分の糞写真なんぞ他人様に見せる気もしないというか、旧 DP1 同様、

「俺って全然使いこなせてないなぁ、素晴らしいカメラの能力の 1% も生かせてないなぁ」

と落ち込むこと甚だしいわけで、そんなこともあって DP1 Merrill 購入記事を書いてきませんでした。

(DPシリーズには素直にこういう気分になってしまうんですよね。まだ 1D の方が使いこなしていた気持ちはあるくらいで…)

というようなことはあったものの、なんか本ブログは物欲ブログになってしまっていますし、ここ2ヶ月くらいはカメラ関係に出費はせず大人しくしていることもあるので、今さらの紹介。

というか、

DP シリーズは本当の only one だから推したくなる


カメラでもあります。

もっとも、あまりにも条件付きが多くて気軽に薦められるものではないですが。でも、一度体験して惚れちゃうと、やっぱり常に気になる存在です。

去年一年、DP2 Merrill 買いたい、買うつもりと言っておきながら、買う買う詐欺になっていていましたが、ようやく DP1 Merrill を購入しました。

もちろん DP ユーザー向けキャッシュバック・キャンペーンに後押しされたのはありました。キャッシュバックがなくても買ったと思いますが、背中押しがあったのは言うまでもありません。シグマさんに感謝 :)

DP1 Merrill Test Photo (14)


さて、初代DP1 から4年ぶりの買い替えともなると、さすがに隔世の感があります。私にとっては

画質の向上よりも操作性、使い勝手の向上の方が印象深い


のが正直な思いです(画質は言うまでもなく素晴らしいんだけどね)


初代DP1 で初めて体験した Foveon センサーを織りなす画質は衝撃的でした。このサイズのカメラからこんなに素晴らしい絵、解像感が得られるとは…というのは、今また DP1 Merrill を買う動機の根源であります。

メインのカメラ、サブのカメラは他にあっても、他のカメラを色々買い換えても、心のなかの何処かにはいつも Foveon センサーのカメラは居続けていました。

もっとも、初代DP1 で衝撃的だったのは Foveon センサーによる画質だけではなく、ハマる時とハマらない時の差、逆光耐性のまるで無さ(懐かしのサッポロポテト…)、ISO 400 ですら厳しい高感度耐性…じゃじゃ馬極まりなしのカメラであることも印象的でした(RAW 必須なのに SPP も落ちまくったしねぇ)。

夕景の逆光大好き、照度が落ちても手持ちメインの私には使いどころが難しいカメラで、それと同時に

初代 DP1 はとにかく待たされるカメラ


であって、イラチな私では利用度がどんどん落ちてしまいました。

DP Merrill に買い換えるにあたっては、そのあたりは随分改善されたと聞いていたものの、多少は覚悟していたのですが、とにかく使ってみると

すごい使い勝手が良くなってるなぁ〜


と感心しています。

もちろん、サクサクキビキビのレスポンスとまでは言いませんし、他のコンパクトデジカメ、ミラーレス機に比べると劣る面もあります。が、

メモリ書き込みに膨大な時間がかかる以外の使い勝手は、ほぼ完璧


と言ってもいいくらい。実に操作性が良く、スムースに使っていけてます。

それにメモリ書き込み時間はやたらかかりますが(データー量が膨大なので)

メモリ書き込み途中でも、設定変更も撮影も可能


なのは大変ありがたい措置です。これがあるとないとでは、雲泥の差です。

メモリ書き込み途中でも設定変更ができたり撮影ができるなんて言うのは、開発過程で開発者が使っていれば実現すべき当たり前の機能ではあると思いますが、世の中にはまだそれが判らないカメラメーカーも存在しますからね。DP Merrill のバッテリー蓋の爪でも煎じて富士フィルム X シリーズ開発陣に飲ませてやりたいくらいです。

DP1 Merrill Test Photo (9) Color


操作性が良いと感じるのは、ボタンを押すたびにワンクッションあった初代とは全然違うレスポンスであることは勿論ですが、

ボタンの数は並みだけど、撮影時にしたい動作が素早くできる


ように考えられていて、設定変更で多くのボタンアクションを必要としないことでしょう。レトロデザインでボタンばかり多いどこぞのミラーレス機に DP Merrill のバッテリー蓋の爪でも煎じ…(以下略 ^^;)

特に

シグマのクイックセットは、よくできているなぁ


と感じます。

昨今のデジタルカメラにはクイックメニュー的なモノはどこのメーカーのカメラでも入っているのですが、その使い勝手はピンキリです。

その中で、シグマのクイックセットは

「クイックメニューの項目を上下左右ボタンで移動させて項目選択するのではなく、上下左右ボタンを押した時点で項目が選択される」

という少々変わった形式になっています。最初はちょっと戸惑うのですが、これが実に理にかなっていて、ボタンアクションを減らすこと、使い勝手の良さにつながっています。

DP1M_16
(初期設定のクイックセット内容)


クイックセットは上下左右ボタンの4項目×2画面分の計8項目。2画面分の切り替えもクイックセット(QS)ボタンを押せば良いだけですし、クイックセットに割り当てる項目もカスタマイズできます。

撮影時の設定変更はクイックセットに割り当てた項目だけでほぼ賄えますから、通常はメニューを開く必要もなく、実に快適に撮影が可能です。

何も考えずに4列4行=16個の設定項目を並べただけでクイックメニューなどと言ってる間抜けな富士フィルムの開発陣にDP Merrill のバッテリー蓋の爪でも煎じ…(以下略)

まぁ個々人の好みで使い勝手の評価も変わると思いますが、Nikon 1 V1 や FUJIFILM X-E1 といった操作性にどこか難のあるカメラ、特に X-E1 とともに使っていると、本当にボタンを増やせば操作性が良くなるわけじゃないことを実感しますね。

(富士フィルム X シリーズは本当に良いカメラだと思うけれど、X-Pro1 / X-E1 の操作性については「バーカ、バーカ、バーカ」と言いたい気分にしかならない残念さがあります)

DP1M_10
(各モード時のダイヤル・左右キーの設定もカスタマイズ可能)

DP1M_11
(ダイアルリングの操作方向指定は、一眼レフユーザーには大切な機能。
リコー機にはあるけど、ニコンとキヤノン以外のメーカーは全部入れるべき)

DP1M_12
(ISOオートの上下限設定は、少しでも感度が上がるとダメダメな Foveon機には必須!)

DP1M_13
(昔よりマシとはいえ、お世辞にも速くない AF だからフォーカスリミットも有難い)


4年ぶりに買い換えた DP1 Merrill を使ってみると、従来機の不満が確実に解消されていて、ユーザーの声にできるだけ真摯に応えてきたカメラというのが、よく判ります。

AF 速度が速くないのを改善しきれなくともフォーカスリミッター機能を付けることで、多少でもユーザーの体感的に改善できるようにしたり、できるだけカスタマイズ可能で「自分がメインで使ってるカメラに操作感を近づけられる」のも、また素晴らしい姿勢です。

「俺の流儀に従え」的なところが少なく、奇をてらったところもないけれど、工夫はある。レスポンスがすこぶる良いわけではないけれど、使っていて引っかかるところは意外と少ない。

自己主張の激しいカメラなのに、操作感では自己主張が少なくてスムーズ


というのは、やはり好感がもてます。操作性をよく考えてくれてるカメラは好きになれます。

DP1 Merrill Test Photo (8)


とまぁ、DP1 Merrill のことを褒めまくっていますが、もちろん欠点を言い出せば山ほど出てくるじゃじゃ馬カメラです。

操作性という点でも良いことばかりではなく、

メモリ書き込みの時間があまりにも長くて
撮影写真の確認ができるまで待たされまくるのはストレス


です。特にブラケット撮影をしていると撮影画像確認まで 30秒でききませんから、いくら書き込み途中で設定変更→撮影ができるとはいえ、その点はキツいですね。

そんなことも含めて、DP1 Merrill を二ヶ月間使ってきてのもう少し細かい良し悪しについては、次回に。

初代から4年ぶりの買い替え DP1 Merrill 【中編】良くも悪くも DP は今も昔も DP

シグマ デジタルカメラ DP1 Merrill 4600万画素
シグマ デジタルカメラ DP1 Merrill 4600万画素

(値段も随分こなれてきました…)