先週八重山諸島へ行って帰ってきたら、色々なものが壊れていたり調子が悪くなっていて、日本の西端で出費を重ねた後に帰ってきてまた出費の様相で頭の痛いゴールデンウィークです。せいぜい仕事に励むことにしましょう…orz


さて、前回の前編記事冒頭でも書いたように「サッカーの雨中観戦時でも気軽に使えるカメラは必要」と思って購入した防水デジカメ LUMIX DMC-FT25。

ずっと西表島にいたので使う機会もあろうかと思ったのですが、諸事情からカヌーやシュノーケリングをすることがなく(滞在後半は天気悪くて涼しかった…)、殆ど使うこともなかったのですが、これから夏に向けて使う機会はあるでしょうし、

落としても大丈夫な防水デジカメは、一つあると安心


という感じでもあります。

今後も雨天、水中/水際撮影時だけのピンポイント条件専用機になりそうですが、それだけでも一つ買っといて良かったな、と思っています。

ただ、何回か撮影して思うのは

覚悟していたが、画質は泣ける、我慢が必要


ということ。

防水デジカメという性質上、レンズは繰り出しのない屈曲式で最小限のサイズであり、保護のためのガラスもあったりして、どうしても画質が良くならない制約があります。ありますが、

iPhone と変わらなくないかもなぁ


という印象レベルは少々キツいものがあります。特にテレ端域では油絵です。

DMC-FT25_Sample8


パナソニック LUMIX の画像エンジンも悪いわけでもなく、超解像iAズームなんかはズーム倍率に制約のある防水デジカメには便利な機能だと思うわけですが(他の LUMIX ではちょっとくらいの倍率なら結構使えた印象がある)、如何せん元の画像が厳しい状況では超解像も解像はしないですからね…

とまぁ、そういうこともあるので、後編では実写画質の適当サンプルを少し載せておきます。


まずは、雨の中での簡単なスナップ。リンク先で等倍画像も見られます(記事公開から最低1年くらいは)。

DMC-FT25_Sample1


広角から標準域で ISO100 程度なら、まずまず良好。バシャバシャと雨が降ってる中でも気軽に使えて、コレなら納得。


DMC-FT25_Sample2


標準域で ISO 200。iA モードだと露出オーバー気味で、白飛びまくりなので Pモードで露出補正 -1/3EV。ブログサイズや 30% 程度まで縮小してなら十分使える絵です。

が、実際にはこの条件でも、あちこちに滲みが多く、塗り潰し傾向でディテールは怪しいのをシャープネスで誤魔化す絵になってしまっています。等倍で見ると

DMC-FT25_15Trim


こんな感じです。ISO 200 の標準域といったレベルなんですけど、もう人の顔が塗り塗り塗られまくりですから、まぁ細かいところを見てはいけない、ということで…


ちなみに iAモードと Pモードで露出補正した場合を比べてみると、

DMC-FT25_Sample5_iA
(iA モード)

DMC-FT25_Sample4_P
(P モード・露出補正 -1/3EV)


という感じで、こういう時にかぎらず概ね iA モードはオーバー露出になります。

iA モードを否定するわけではなく、こういった「とりあえずお任せで撮らせろや」的な廉価デジカメでは iA モードは便利だし、キヤノンやソニーのコンパクトデジカメでは使うこともあるのですが、ちょっとコイツは露出が信頼できない or 好みじゃないですね。

私の LUMIX FT25 基本設定は Pモードで -1/3EV 露出補正になっています。あとは必要に応じて iAモードとシーンモードを使い分けています。

Pモードで対処の難しいシーンでは、とりあえず iAモードで撮ろうとして納得いかなければシーンモードにする、という感じですね。

続いて、パノラマモードですが、これは酷い。

DMC-FT25_Sample3Panorama


何回か試したり、これ以外のシーンでも試し撮りしたのですが、うーん、これなら iPhone 4S/5 のパノラマ撮影の方が綺麗かもしれんなぁ…という感じの粗さです。INFOBAR A02 よりはマシですけど。


ただし、撮影は特に難しくもなく、SONY のスイングパノラマのように撮り方がマズいとすぐに途中で切れちゃうようなこともなく、サッと撮れて繋がりも悪くないと思います。

ただ、縦 568pixels でしか出力できない上に、曲りなりとも「カメラ」であるのにこの画質ではちょっと満足はできませんねぇ。シャープネスかけまくり傾向がパノラマ撮影モードになって、より顕著に判ります。


そしてテレ端で遠景。夕刻、雨が上がって急速に晴れてきた時の写真で、背景の立山連峰にかぶった雪を白飛びさせたくなかったので、アンダー露出で撮影しているわけですが、

DMC-FT25_Sample7_Tele


かなり縮小してみれば(XGA 以下)見られなくないですが、こちらも等倍では結構キツい状況になっています。これでもまだ ISO 200 なんですけどねぇ。

DMC-FT25_16TeleTrim
(前画像の一部等倍切り出し)


防水デジカメという性質上、元々遠景を撮るのを考えるようなカメラではないのでしょうけれど、なかなかこういうシーンは厳しいですね。



防水・耐衝撃というデジカメは一つあると便利というか安心できるのですが、構造的にも値段的にも、等倍では見てはいけない廉価デジカメということを肝に銘じて、プリントもL判くらいに留めておくのがいいのかもしれません。

ただまぁ、この画質では防水スマートフォン Xperia Z でも大差無いような気がしますし、何を言っても「カメラ」なんだからもうちょっと…とは思いますが、ひとまずは用途に応じて我慢も必要ということで。

防水デジカメ LUMIX DMC-FT25 購入…から1ヶ月経ってようやく出番到来で簡単インプレ【前編】