今年一番の寒気とともに北の大地に、また再び行っておりました。前回はピーチの3日間限定全路線千円セールに釣られて飛んで、北海道のど真ん中、旭岳・美瑛に赴きましたが、今回は流氷狙いで羽田経由女満別に乗り込んでのオホーツク海沿岸。

オホーツクへの旅となれば、旅のお供の本としては、



これを携えていきたいところでしたが、司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズはまだ Kindle ストアその他電子書籍になってなくて諦めました。

去年から旅のお供の文庫本は完全に電子書籍リーダーになり、文庫本を持ち歩くことは少なくなりました。紙書籍は今でも買いますが、沢山の本を持って行って、どこでも乱読できる電子書籍リーダーは便利過ぎます。

離着陸時には読めなくても、精神年齢お子ちゃまな私は、離着陸時は窓に張り付いて景色を見てるので無問題ですし、実際には離着陸時以外も窓張り付きっぱなしだし、現地でも毎日朝から晩まで動きすぎて夜は1ページも読めずに爆眠であり、あれ読もう、これ読もうと電子書籍リーダーに入れて持って行っても、毎回ロクに読めないんですけどね…(^^;

Kindle Paperwhite
(Kindle Paperwhite はホント愛用している)


さて、先日 iPad mini SIMロックフリー版の話を記事にしました。

nanoSIM 不足の中、ようやく届いて iPad mini SIMフリー版稼働 〜 Cellular版 miniはブラックが良い感じ

それを読んだ知人から

「なんか iPad は毎回 SIMロックフリー版を買ってるみたいだけど、なんで?そんなに良いの?そこまで魅力あるの?」


と聞かれました。

正直言って

SIMロックフリー機は元々自己責任的な部分も多く
最近の iPhone/iPad では FOMA プラスエリアが使えないし、他人には勧められない


と思っていますし、知人にもそう答えました。すると返ってきたのは

「他人には勧めないのに、なんで自分は買うのさ」


と。まぁ確かにそうです。

そうですが、要は SIM ロックフリー機の良し悪しを自分で調べられないような奴が買うもんじゃないから、聞かれたら(聞くくらいなレベルなら)止めとけと思うわけです。私が良し悪し言って買われても全く責任持てない類のものですし。

ホントに嫌味とか上から目線的なことではなく、真剣にそう思うのです。往々にして理解してもらえない場合もあるのですが。

昔と違って SIM ロックフリー機に対するアップルストアの対応も変わって来ましたし、iPhone 5 でも iPad 4th や iPad mini でも色々と電波問題はあります。iOS 6.1 にすると iPad系は Xi LTE が問題なく使えるようになったけど、iPhone 5 では LTE 使えなくなったとか訳わかんないですしね。

とはいえ、私には私なりの「(iPhone はキャリア契約だけど)iPad は SIM ロックフリー機を買う理由」がありますので、北海道への行き来の飛行機の中や羽田乗り継ぎの合間に徒然書いてみようと思います。


私が iPhoneでは SIMロックフリー機を使わず iPad(や Android 機では)SIM ロックフリー機を購入して使うのには幾つか理由があります。そして、幾つかの理由はそれぞれ関連する話であります。

【1】メイン端末以外はサブゆえにリスクを冒せる


ガラケーは別としてスマートフォン、タブレットの類で現在メインなのは iPhone です。それゆえ、iPhone は多少お金を払ってもキャリア契約の機材で安心安定を望みます。

国内キャリア扱いではない輸入機では docomo の FOMA プラスエリアが入らないとか LTE の掴みが不安定とか、そういうこともあります(iPhone に限らない)。しかし、メインで使ってる端末はできるだけ広いエリアで安定して入ってもらいたいので、どうしてもリスクのある SIMロックフリー機にはできません。

またメイン回線のスマートフォンではキャリアアドレスによる MMS が、とりあえず未だ欲しいところです。もうかなり重要性は下がっているので、そろそろなくても構わないと言えば構わないのですが…

そういうこともあってメインのスマートフォンはトラブル自己解決的な SIMロックフリー機ではなく国内キャリア機にしています。これはメイン端末が Android になったとしても同じで、そうなれば Android のメイン端末も当然キャリア販売機にするでしょう。

実際、HTC J Butterfly や Xperia Z をメイン端末に今後するようなことがあれば、それらは SIMロックフリー機ではなく au や docomo の販売機を購入するでしょう。

(もちろん、これはあくまで私の考え方であって、メイン回線を SIMロックフリー機で使っていて、それで何ら不満がない、快適という人がいるのも理解しています)

そして、上記のことを言い換えると

現状のメイン端末である iPhone 以外は割と遊べる、リスクも取れる


わけです。

何かしらトラブルっぽいことが内在していても笑って使えるし、多少不便なことがあっても大きくは困らない。ストレスも抱えない。気が楽な分、好きなようにできる。

さらに言うならば、メイン端末以外は遊びの部分も大きい、元々必要のない端末であるがゆえに

多少のリスクがあってもサブ機はコストを抑える方向
サブ機だから不便でも月額費用を抑える方向に走ることが可能


と思うわけです(私のやり方、考え方ですけどね)。


【2】サブ機だから MVNO と契約してコストを抑えたい


ドコモにせよ、au にせよ、ソフトバンクにせよ、通常の回線契約、特に LTE 時代の回線契約をすれば、それなりの月額費用がかかります。端末代金を一括で払って、毎月割、月月割、月サポなどによって多少割安になったところで、やっぱりそれなりに高い。

メイン回線なら毎月5〜6千円またはそれ以上が許せてもサブ機、それも数台となると、貧乏人がそれぞれにその金額を出すのは無理です。

そんな人間に強い味方なのが MVNO 会社の回線。低速だけど月額千円以下の低価格というサービスは、大手キャリアでは望むべくもありません。

低速でも常時繋がっている、繋げられる、それでいて定額


であることは、サブ機を廉価に運用する人間には重要です。

速度は遅くとも常時繋がっていれば、メールもメッセージ関係も各種通知もほぼリアルタイムに受信できます。いくら高速でも自分から情報を取りにいかないと判らないのと、常時接続で勝手に通知されるのでは使い勝手に大きな差があります。

また、サブ機で利用しているならば、

速度が欲しい時はメインのスマートフォンでテザリングすれば良いだけ


という時代でもあります。

それに最近は、低価格低速回線での契約でも追加料金を払えば一定の通信量は高速回線を利用できるオプションが付属しています。それゆえ、普段は低速回線でも必要があれば高速回線が使えるという安心感があるので、千円以下の廉価プランでも不安感は少なくなりました。

例えば、私がメインで利用している IIJmio 高速モバイル/D サービスのファミリーシェア 1GB プランは、

  • 1ヶ月 2,940円の基本料金に 3枚の SIM 提供
    (=3回線分、3端末分が3千円弱で賄える)

  • 基本料金のなかに、1ヶ月で 1GB 分の低速ではない通常速度回線使用分が付いてくる
    (=サブ端末であまり使わなければ、一ヶ月の一定期間は3端末とも高速回線で利用可能)

  • 基本料金中の高速回線使用量を使いきっても低速回線で利用可能
    (=使い切ったら接続できなくなるわけではないし、低速回線でもメール、Twitter、メッセージ系サービスは十分利用可能)

  • 基本料金中の高速回線使用量を使いきっても 100MB 525円で高速回線使用量を追加可能
    (=急にサブ端末で高速回線が必要になれば、いつでも追加料金を払って追加できる)


ということがあり、あまりデーター通信料の多くない端末が3台ある状況だと、かなり安価に、かつ速度も常に低速で我慢することなく利用可能です。

IIJmio 高速モバイル/D サービスについてはサービスインと同時に使ってきて、過去に何回か記事にしていますので、詳しくはそちらへ。

SIM 3枚の IIJmio 高速モバイル/D ファミリーシェア1GBプラン SIM が到着&使用してみた
1契約で3台分・IIJmio 高速モバイル/D ファミリーシェア1GBプランを1ヶ月使ってみた率直な印象
IIJmio 高速モバイル/D サービスに月額1,974円で 1GBまで高速通信可能な「ライトスタート」登場

私の場合は、この3台分の回線を私のサブ端末と家族の SIMロックフリー iPad で共用しています。家族はさほど出先でデーター通信量が多いわけではないので、一人千円弱でほぼ毎月賄えている状況ですので、リーズナブルに使えています。

(もちろん、サブ機1台だけをリーズナブルに使いたいなら IIJmio でも他のプランがありますし、b-mobile でも良いプランがあります。私も IIJmio だけでなく別途サービスを契約しています)

こういう状況を考えると「iPad は今後も SIMロックフリーで買うのがいいなぁ」となります。たとえ、購入時の価格がキャリア販売価格に比べて高いとはいっても、

本体購入時の価格差くらいは月額費用の差で十分元が取れる


わけです。

ただ、前項でも書いたように、LTE やら FOMA プラスエリアの受信ができない場合もありますから、私個人の場合で言えば

安心安定に電波が受信できるメイン機あってこそ
値段でデーター通信サービスを決められる SIM ロックフリー機


であります。

また、家族は LTE ナニソレ?ですし、使ってる場所も都会近辺に限られていて FOMA プラスエリアにこだわらずに済むので、問題なく SIMロックフリー機を買って使えているという事情ですので、このあたりは最初に書いたように、あくまでウチに限った条件でもあります。


【3】2年以上使うからこその SIM ロックフリー機


これはある意味、SIMロックフリー機を買う一番の理由でもあるのですが、長く使うなら SIMロックフリー機というところはあります。

私自身は毎年のように iPhone / iPad を買い換え、Android その他も買っていますが、ウチの家族はそんなこともありません。というか、毎年買い換える人の方が少ないでしょうし、2年縛りが解ける時が買い換え時だといっても「まだまだ使えるのに…」という人も多いです。

ところが、キャリア契約の場合、購入から2年間は○○割といって割引施策がありますので、端末本体代金を一括購入すれば、購入後2年間は多少安価に使えます。しかし、2年を過ぎると定価に戻ります。

本来なら基本料金とデーター通信サービス料金だけで6〜7千円行くところが、端末一括購入で2年間は3千円〜4千円で済むものの、2年を過ぎると元の価格に戻るわけです。まぁ割引の趣旨が月額料金の割引というより端末代金の割引なので、仕方ない部分もあります。

ただ、この施策の是非は置いといても、

2年経つと割引がなくなる


という事実はあります。それゆえ、長く使うと、月額費用は高くなる。

キャリア契約機で端末一括で購入して、当初2年間は3千円で済んでも、2年経つと5千円になるのでは、なかなか長く使う気になれない。端末は十分使えて、何の問題もないのに。

SIM ロックフリー機で MVNO のデーター通信サービスを利用していれば、2年経とうが3年経とうが、そんな不条理はなく、安心して使えます。

自分と違って長く使う家族が iPad を使うようになって、より SIMロックフリー機の有り難みを感じています。私が1〜2年使ったものを家族がまたずっと使っていく。そういうことを思うと、外せないですね。

もっとも iPhone / iPad ではなくドコモの Android スマートフォンならば、SIMロックフリー機を買わずともそのまま MVNO の SIM を挿して使うことができるので(テザリングは通常不可だけど)、ここまで SIM ロックフリー機にこだわる必要はなく、中古という選択肢もあるんですけどね…


【4】1年(以内)で売るからこその SIM ロックフリー機


前項と全く逆の話になりますが、しばらく使ってみて売却してしまう場合もやっぱり SIMロックフリー機の方が後腐れないことが多いわけです。

キャリア契約の場合は、2年縛りの違約金があります。1万円弱。最近 iPad なんかは国内キャリア契約時の端末価格と SIMロックフリー機の端末価格との差が1〜2万円程度なので、それだけでも随分吸収されてしまいます。

まぁそれに SIMロックフリー機の方が中古で売却する場合もキャリア機より高い場合も多いので(保証はしないけど)、そういう意味でも購入時の価格差はそこそこ吸収できるという事実もあったりします。

2年毎にきっちり端末を乗り換えて行く、特に MNP していく、ということであれば、キャリア契約の端末で良いと思うわけですが、サブ機ゆえに早く売るにせよ、長く使うにせよ、そうなるとちょっとキャリア契約機はよろしくないと感じるのです…



というわけで、以上「私が(iPhone はキャリア契約だけど)iPad は SIM ロックフリー機を買う理由」をダラダラと書いてみました。

間違っても誤解されたくないのは

SIMロックフリー機を薦めているわけではない


ということです。最初の項目に書きましたが、とにかく最近の iPhone / iPad の SIM ロックフリー機を国内で使うには色々と問題も多いです。

そういったネガティブな部分を甘受できる条件を持って初めて、SIM ロックフリー機の購入は検討すべきだと私は思っています。他人は知らないし、興味もないですが。

というわけで、知人に「他人には勧めないのに、なんで自分は買うのさ」と言われて、なんか周りからはそう思われているのかなぁ…と思ったりしたので、旅の徒然にこんな言い訳記事を書いてみました X-)


P.S.
ただ最近、テザリングするならスマートフォンよりバッテリー持続時間に余裕のある iPad mini をキャリア契約&常時テザリングON のルーター代わりでも良いのかなぁ…と思うことも増えてきました。

電話とお財布ケータイは FOMA ガラケーというのは変えたくない状況なので、iPad mini の Retina 版が出たらそちらをキャリア契約して iPhone 5 は解約、スマートフォンは SIMロックフリーの Android にして…とも考えていますが、小さいとはいえ、iPad mini を必ず持ち歩くというわけではないので悩みどころです。

まぁ家族を見てると、ガラケー+ 3G/LTE 通信可能なタブレットの組み合わせの方がリーズナブルに良い気がすることもあったりするんですけどね…(隣の芝生かもしれませんが)

というか、今回の旅先では iPhone 5 がトラブル起こしまくりで(急にテザリングが切れ、インターネット共有の項目がどうなっても出なくなる、iOS 6.1 が出てテザリング復活のためにホテルでアップデートしたら電話で相手の声が聴こえなくなった etc.)、さすがにそろそろ我慢の限界というか嫌になってきました…