iPad mini用のキーボードケースとして販売されている、↓この製品をそろそろ1週間近く使い込んでおり、今回も出張・旅に持ちだして使っており、このキーボードを使って書いています。



前回は前ふりで良い面を言いつつも、最後に大きな欠点を2つ述べました。しかし、実際に使ってみると「駄目だ、こりゃ!」なんてことはないわけで、今回の九州・山口行きにも持ってきて使っているくらいです。

とはいえ、

・Command キーがなくてショートカットキーが使えない
・キーボードケースに iPad mini を出し入れすると傷がつくこと必至な造り

となると、迂闊には薦められませんし、そのままでは自分でも常用は厳しいです。

ので、それらに対する自分なりの対策をしました。

今回はその自分なりの対策に加え、他の細かな難点も書いておきますので、それでも「それくらい問題無さそう」「なんとかなりそう」という人は購入してみるのが良いと思います。2〜3千円ですので、試す価値ありと思えば、突っ込める金額でしょう :-)


さて、難点の第一であるキーボードに Command (Apple) キーがないこと=キーボード・ショートカットが使えないことですが、これはもう基本的に

キーボード・ショートカットが使えないのは我慢するしかない


です。

ショートカットキーが基本的に使えないなんて、ハードウェア・キーボードを使う理由の一つが欠落です。おかげで、カット&ペーストする時はキーボードから指を離して、画面をタップしてペーストを行います(ある意味タブレットとして正統的な操作ですが)。

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Shift+カーソルキーで文字範囲選択してもショートカットキー Command + X や Command + C でのカット、コピーができませんから、指で画面上をズリズリして範囲選択&カット/コピーを行わなきゃいけませんし、Command + Z での Undo 機能もタブレットを振ることになります。

正直、面倒臭いです。

だいたい、地球キーや仮想キーボード表示非表示キーなんか付けるくらいなら、その前に絶対に付けるべきキーがあるだろうと。もうね、アホか馬鹿かと…というコピペがそっくりそのまま当てはまる馬鹿さ加減です。

ついでに言うと、Fn キーもないので、Fn 絡みの機能も使えません。もうね、アホか馬鹿かと…

(Fnキー併用の機能キーとして画面照度変更やページアップ、ページダウンキーが使えないのが、地味に困りますね…個人的に重宝していたので)

Fnキーがあって、Fn + 数字キーで各機能キーの代替としていたら仮想キーボード表示非表示だってそれでOKでしたし、Command+スペースキーで言語切り替えはできるのですから、地球キーよりは Command キーだろうと…間抜けな設計です。



ただ、場合によっては ATOKPad のような

ALT キーでショートカットが可能なアプリを使う


ことで少しは楽になります(ALT キーは右にしかないですが)。


iPadmini_ChinaKeyboardCase12

ATOK Pad (AppStore URL)

元々漢字変換の面からエディタは ATOKPad を使うことが多かったのですが、今回この間抜けたキーボードを使う時には、より一層利用するようになりました。

また、ATOKPad は iOS が日本語変換エンジンの差し替えを認めていない代替案として、他のアプリから一時的に呼び出して入力させる機能もありますので、ATOKPad 以外でも ALTキー併用のキーボードショートカットを利用できる場合があります。

Twitter クライアントだと「ついっぷる」などが ATOKPad をアプリ内から呼び出して利用できます。私も ATOKPad 本体はクラウドサービスが Evernote しか対応していないエディタなので iTextPad から ATOKPad を呼び出して利用しています(このブログ記事を書いている今もそうしています)。

このあたりはキーボードが小さい、キーピッチが狭くてタイプしづらい件と同じで、「何を優先するか?」ということになります。

  • 大きめの iPad用キーボードケースや個別の Bluetooth キーボードを使ってもタイピングしやすい環境を選ぶか?

  • 持ち歩き時の利便性、軽さ、小ささを優先して、キーピッチの狭さやタイピングのしづらさを我慢するか?


結局、自分の嗜好やスタイル上、どっちを選ぶかという話になります。今後、キーボードショートカットがきちんと使えるキーボードケースが出てきても、この点は本質的に何も変わりません。



さて次に、キーボードケースなのにキツキツ過ぎて iPad mini がはめにくい、ハマらない、脱着時に傷つきやすい問題ですが、とりあえず

キツすぎて iPad mini がハマらない件は、キーボード手前中央の突起を
ペンチで外側へ曲げて楽にハマるようにして解決


しました。まぁ解決なのかどうか判りませんが…

これはきっと個体差だろうと思いますが(そう信じたい)、あまり力を入れて強引に曲げようとするとボディ全体まで歪みそうになるので、そのあたりは程々かつ強引すぎずに。

それから iPad mini 本体を脱着するときにどう見ても傷つきそうなのは、押さえはめ込むための突起部3箇所、手前側中央1箇所&奥側左右2箇所のアルミ剥き出しな部分にテープを貼ることにしました。

(そのためにもキツキツだった手前側突起部をペンチで曲げて余裕を作る時、若干多めに曲げて余裕を作っておく必要があります)

薄いセロハンテープ程度では保護効果がないので、クラフトテープで突起部を巻いてみました(ガムテープは剥がす時に残ってしまうので)。

iPadmini_ChinaKeyboardCase17


一応これで、iPad mini をキーボードケースに入れる際に押さえ突起部が iPad mini 本体をガリガリ当たって傷つけてしまうのは避けられそうです。かなり目立ちますが、背に腹は代えられません。

と思ったのですが、持ちだしてみると…

iPadmini_ChinaKeyboardCase19


さすがにこれはないわー、恥ずかしすぎるわー、自意識過剰で誰も見てなかったとしても有りえんわー。

という酷さで、このまま使うのは無理すぎだったので、銀色のテープ…は手元に見あたらなかったので、まだ白ならマシだろう、ということで、白のビニールテープを貼ってみました。

iPadmini_ChinaKeyboardCase20
(使用前)

iPadmini_ChinaKeyboardCase21
(使用後)


これで完全に保護されるとは思いませんし、もうちょっと厚手に巻いておきたいところですが、裸で使ってアルミの突起部でゴリゴリ iPad mini 本体を擦られるよりはマシかと。それに白ならまだ少しは目立ちませんし。

iPadmini_ChinaKeyboardCase16
(何もしていない素のままでキーボードケースに嵌めた状態)

iPadmini_ChinaKeyboardCase18
(茶色いクロフトテープは目立ちすぎ…)

iPadmini_ChinaKeyboardCase24
(白いビニールテープならまだマシか)

iPadmini_ChinaKeyboardCase23
(使ってる状態もまだマシ…かな? ^_^;)


あと傷つきやすいかも?と気になるのは、差し込み用の溝の内側エッジ部分の尖りですかね。ここらへんも何ら保護対策はありません。

iPadmini_ChinaKeyboardCase26


ロジクール TK700 とかだとゴムや樹脂だったので傷付きの恐れは気にならないのですが、中華ノーブランド製品ですから、そのあたりは無頓着です。

ただ、使用する場合に iPad mini の過重がかかるのは下側ですから、内側のエッジが尖り気味でも、そこと擦れることは少ないのではないかと思っています。

いずれにしても、iPad mini 本体に少しでも傷が付くのは嫌だなぁ…と思う人には全く向かない製品です。

iPadmini_ChinaKeyboardCase09
(差し込み溝のサイズ自体はピッタリ、マグネット吸着と併せてよくできてる)



他に先週購入して使ってきて気になるのは、先ほどテープを貼った iPad mini を収納する時に使うキーボード手前側の突起がタイピングする時に邪魔になることがある、ということでしょうか。

iPadmini_ChinaKeyboardCase22


これはタイピングする時の利用スタイルによって邪魔になったりならなかったりするので、いつも邪魔になって鬱陶しいというわけではありません。

机の上に置いてタイプする時には邪魔になることもあれば、膝上に置いて使う時にはあまり気になりません。手の位置との関係で邪魔になる時もある、という感じでしょうか。

どちらにせよ、キーボード自体が小さくキーピッチが狭いので、普通にホームポジションに手を置いてタッチタイピング…という感じでタイプするとミスタイプが増えるので、しばらく使ってみた自分のやり方は

「左右二本指打法」


ですね。両方の指とも人差し指と中指でタイプする感覚で使うようにしています。タイプの仕方を変えることで、通常のキーボードの感覚を忘れて切り替えられるように、という感じですね。



というわけで、iPad mini 用のキーボードケースを使ってみた印象を2回に分けて述べてみました。iPad mini 用キーボードとして

「どれも帯に短し襷に長し」

な状態を打ち破る製品ではないですし、やはり7〜8インチのタブレットサイズに合わせたキーボードは小さすぎて快適なタイプは望めません

それにこの製品は

・Command キーがないという大きな欠点
・iPad mini を収納するキーボードケースでありながら iPad mini 本体を傷つけやすい

という問題があるので、なかなか人にこれは良いよ、とは言えません。

おまけに前回記事でも書きましたが、とにかくチャチいので、半年1年もつかなぁ?なんて思います。うちのは、多分最初に電源スイッチがおかしくなりそうです。


でもまぁ、

「ちょっとダメな子ほどカワイイ」

というわけではありませんが、基本的な部分は(キーボードが小さい、キーピッチが狭いという部分を除けば)悪くないわけです。

軽くて、iPad mini とピッタリサイズだし、タブレットスタイルにもキーボードスタイルにもすぐできて、単体の Bluetooth キーボードを使うのと違って車内の膝上で使うのもノートパソコン感覚で安定しています(今これを書いている瞬間もそう)。


このキーボードケースはかなり問題点もあるのですが、

自分なりに工夫して使えば悪くないな、いや良いかも


というのが1週間近く使ってきて、特にここ数日遠出で持ち出していての正直な思いです(慣れてきたこともあります)。

ただまぁ、先ほど書いたような大きな欠点2つはありますし、ATOKPad を使えば…といっても安くないアプリで、なおかつ欠点のカバーは些細な範囲ですから、オススメとはとても言えません。

言えませんが、これくらいなら大丈夫、何とかできる、という人なら一度試すのは良いと思います。

ただ、できれば

Command キーと Fn キーを付けて
もうちょっと iPad mini 本体に傷つけない工夫を!


と思います。そういう改良品が出たらまた買いますし、是非お願いしたいところです。

まぁなかなか評価の難しい一品ですが、私自身は今後も結構使っていくと思います。単体 Bluetooth キーボードを持って行くのと使い分けですかね。長文をこれでタイプするのは厳しいですし…(移動中に前回今回の記事を書いて痛感 ^^;)。

【2013/2/7 追記】ロジクール(Logitech)、Belkin から(まともそうな)キーボードカバーがようやく発表されました。
Logitech(ロジクール)が「Ultrathin Keyboard Cover」の iPad mini版を米国で発表
Logitech に続いて Belkin からも iPad mini用キーボードカバーが(米国で)発表されてた


koolertron iPad mini  Bluetoothキーボード付のPUレザーケース、保護カバー 防水、防塵+スタンド機能搭載
koolertron iPad mini Bluetoothキーボード付のPUレザーケース
保護カバー 防水、防塵+スタンド機能搭載

(常にキーボード付きでいいなら、こういうケースもありですけどね)