今年最後の九州行きの車内でこのブログを書いているのですが、今回はコレを使って書いています。

iPad mini & Keyboard Case


iPad mini 用のキーボードケースです。色々悩んで迷ったのですが、試しに買ってみて先週後半からちょくちょく持ち出して使っています。

先に結論を言っておくと、

軽くて
サイズピッタリで(キーボードケースですから当たり前)
デザインも iPad mini とマッチしていて
キーボード配列も主要なキーは素直な並びで

一見なかなか具合が良いです。しかしながら

安易にお勧めできないシロモノ


です。さすが中華クオリティ、あちこちに罠があります。

とりあえずキーボードピッチが狭くてタイプしづらいのは、iPad mini や7インチタブレットに合わせたキーボードやキーボード付きケースの宿命です。

しかし、これで終わりませんでした。それだけなら「キーボードの小ささが我慢できるなら悪くない」と言えたんですけどね…うーん。

ということで、このキーボードケースで書きつつのダラダラとした感想をどうぞ。


従来の iPad ではキーボードケース、キーボードカバーを愛用してきたこと、ノートパソコン代わりに使っていたこともあったことは過去記事で何度も触れました。そして、iPad mini 購入後もまず試したのは、フルサイズ iPad 用のキーボードカバーやケースが使えるかどうかということでした。

iPad mini でロジクール Ultrathin Keyboard Cover TK710 を使ってみたわけだが…
iPad mini でロジクール キーボードケース For iPad TK700 を使ってみたら…
そして iPad mini で中華製キーボードケースも使ってみた

一番のお気に入りであるロジクールのキーボードカバー TK710 を iPad mini で使うのが難しいことは残念でしたが、他のキーボードケースは使えますし、実際に使っています。

ただ、当たり前のこととして

iPad 向けキーボードはキーピッチがまともで使いやすいが
iPad mini よりデカいので、わざわざ mini を持って行く意味が半減


するわけです。

それを判っていて使っていますし、たとえ「iPad mini + iPad用キーボードケース」というアンバランスな組み合わせでも、iPad と iPad mini の本体重量差がかなり大きいため、「iPad + iPad用キーボードケース」よりは随分と軽く持ち歩けます。

とはいえ、色々と理由があっても

「iPad mini + iPad用キーボードケース」はスマートじゃない


わけです。かといって、

  • 単体の Bluetooth キーボードを別途持って行って使うのは、机の上で使う分にはよくても、揺れる車内や膝の上で使うのには無理
    (キーボードケースの上にタブレット本体を載せる方式は全体の安定感にも寄与します)

  • iPad mini に合わせたキーボード付きケースだと、キーボードが小さすぎ=キーピッチが狭すぎて打ちにくいのは目に見えてる
    (ちょっとしたメモ、メールの返信程度ならともかく長文とかは…)


という思いがあって、iPad mini 購入以来どんなキーボードを組み合わせても

どれも帯に短し襷に長し


な感じで、いまひとつ決まらない思いを抱き続けてきました。

「いつまでもフルサイズ iPad用キーボードケースを使い続けるのもスマートじゃないし、かといって普通の単体 Bluetooth キーボードじゃなく、どこでも安定して使えるキーボードケースが使いたいことも多いのだけど、どうしたらええねん!」

という行き場のない=解決しようのない不満が溜まってきたこともあり、

こうなったら一度 iPad mini 用キーボードケースを使ってみるか…


となってダメ元気分で購入してみました。Amazon 含めて参考になるレビューも見あたらないし、こういうのは結局自分で試してみないと判りませんしね。

というわけで、購入した製品はコレ↓



中華製キーボードケースで Amazon で2千円くらいで売っています。少し前に出始めたときはもっと高かったのですが、買う人がいないのか(レビューもいっこうに載らないし)、あっという間に下がってきました。

現在 Amazon では同じ製品が名前を変えて2つのショップから出ています。値段はその時々でどちらかが少し安かったりしますが、カラーは両社ともブラックとホワイトを出しています。

私は iPad mini 自体が 64GB White & Silver なので当然ホワイトを選びました。

実際に使ってみると、キーボードケースは単純にホワイトではなく、ボディがシルバー、キーボードがホワイトですね。同じ White & Silver の iPad mini の色とよくマッチしています

iPadmini_ChinaKeyboardCase06


もちろん、iPad に合わせたブラックモデルも用意されているので、iPad mini の色に応じて選べばよいかと思います。



また、この製品を作ったところは以前 iPad 用のキーボードケースを早い段階で作ったところと同じようで、私が使っている中華製キーボードケースと外箱も仕様も似ています。

iPadmini_ChinaKeyboardCase01
(今回の iPad mini用キーボードケースのパッケージ)

iPad_MobileBTKeyBoard01package
(最初に買った iPad 2用キーボードケースのパッケージ)

ネタで買ったのに実用的!? $40のカバー兼用 iPad 2用キーボード「Mobile Bluetooth Keyboard for iPad 2」

マニュアルも iPad 2用の時と同じく、ペラ紙1枚だけです。

iPadmini_ChinaKeyboardCase02


…ん?んん?あれ?

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同梱のマニュアル紙に載ってる写真は iPad 2用キーボードケースの写真…と思ったら、同梱のマニュアル紙そのものは以前の iPad 2用そのままで入っています…(´Д`)

まぁ中華製品にありがちな話で、これくらいで文句言ってたら買えません。が、この iPad mini用キーボードケースは iPad用とは色々と異なる点があるだけでなく、後述するように致命的に欠けてる機能があるので、色々と試行錯誤する羽目になりました。



とまぁ、使う前の愚痴はそれくらいにしておき、実際に製品を見て使ってみた感想を書いていきます。

まず、製品をパッと見してみます。

iPadmini_ChinaKeyboardCase04
(キーボード面)

iPadmini_ChinaKeyboardCase25
(背面)


見た感じ、キーボード配列は素直です。実際に使っていても、キー配列自体には違和感はありません。

同じところが作ったであろう中華 iPad用キーボードケースでは左側の機能キーがやたら長くて、キー配置全体がホームポジションから右に寄っていてかなり使いにくいものでしたが、iPad mini 用はそんなことはありません。マトモです。

マトモですが実は罠が…大きな欠陥はあとで記しますので、上記写真を見て気づいた人は、ひとまずスルーしておいて下さい(^_^;)

iPadmini_ChinaKeyboardCase11


キータイプ感は安物感抜群で決して良くありませんし、キーによってタイプ感が若干異なるバラつきもありますが、所詮中華製の安物と思えば文句は言えないでしょう。常用するためのキーボードとは違うわけですから。

それでも「これは到底使う気になれないわー」というレベルではないですし、個人的にはゴムゴムしたキーよりは安物プラスチックなキーの方がマシなので、許せるレベルです。ニッチ向けの2千円の製品ですし。

ただ、同じメーカーの iPad用キーボードケースが半年くらいでチャタリングを起こして使い物にならなくなったように、耐久性はないだろうなぁ…という感触です。買おうと思っている人は、次の iPad mini が出るまでの使い捨てな感覚の方が良いように思います。

iPadmini_ChinaKeyboardCase05


また、このキーボードは iPad mini 用“キーボードケース” ですから上記写真で見て判るように、iPad mini と同じサイズです。持ち出す時には iPad mini の蓋になり一体化するので、非常にコンパクトです。

サイズが小さいということもあって、キーボードケース自体の重量もかなり軽く、iPad用キーボードケースと比べても随分と軽く、

iPad mini 本体とこのキーボードケースの組み合わせはサイズが小さいだけでなく
iPad 本体+iPad用キーボードケースよりずっと軽くて、持ち歩きがかなり楽


といえます。Apple純正スマートカバーよりは分厚くなりますが、この組み合わせは持ち出し時にはかなり魅力的なサイズ、重さです。

ただ、キーボードが iPad mini サイズに制約されるということですから、当然予測されるように

キーピッチがかなり狭くタイピングしづらい


のは否めません。慣れるまではミスタイプも多いですし、通常はマトモなキーピッチのキーボードを使っていると、完全に慣れるのは難しいでしょう。

また実際に使い続けていると

小さなキーボードはタイプしにくいだけでなく肩が凝る


のもあります。元々 iPad mini が iPad より画面が小さく、視点が近くなったり、それによって背中が曲がって姿勢が悪くなりがちです。

こういったことは iPad mini のせいでもキーボードケースのせいでもありませんが、iPad での組み合わせに比べて肩が凝りやすい条件であったり、目に負担がかかりがちだと思いますので、その点は留意する必要があると思います(若ければ何てことはないんですけどね… ^^;)

iPadmini_ChinaKeyboardCase10
(タイピング時に邪魔になるのが手前の中央の突起。これはまた別の問題もあるわけですが…)


もう一つ、先の iPad mini +本キーボードケースの長所が短所にもなる点として

軽いがゆえに、タイピング中の安定度が落ちる


ということはあります。

iPad mini を載せてもトータルとしてかなり軽いので、机の上に置いて使っていてもちょっとしたことで動きますし、揺れる車内でのタイピングではノートパソコンや iPad+iPad用キーボードカバー/ケースとの組み合わせに比べると安定性に欠けます。

「キーピッチがかなり狭い」
「軽いがゆえの安定性に欠ける」

という2点については物理的にどうしようもないことですので、今後他の iPad mini用キーボードケース/カバーが出てきても解決できるわけでもありませんので、この点は使う側が納得して使うしかありません。

iPadmini_ChinaKeyboardCase07
(横から見て判るように、重心が後ろになるのでキーボードの前が浮き気味になる)


ただし、この製品は今年発売された iPad用キーボードの名品「Ultrathin Keyboard Cover TK710」にあった、iPad 差し込みスリット部分のマグネット吸着機構をパクっています

よって、iPad mini 本体を持って持ち上げてもキーボードケースがついてきます。

iPadmini_ChinaKeyboardCase08


パクリはパクリとしてどうかという問題はありますが、この機構はキーボードケース/カバー製品として素晴らしいです。スリット部分にマグネット吸着機構がある製品を使えば判りますが、膝上など不安定な場所で使っている時の安心感が段違いです。

(本製品の差し込みスリット部の磁力の強さは TK710 ほど強くありませんが必要十分です。TK710 は磁力が強すぎて鞄に入れる時に注意が必要でしたが、そこまでではない感じです)

これを書いている車内でもそうですが、

全体が軽い分だけ不安定だけど
スリット部のマグネット吸着機構がある点は安心


なので、本製品も色々難点はありつつ、こうやってモバイルで使っていると「意外といけるかな?」という気がします。

もちろん、iPad mini サイズに合わせたキーボードではキーピッチが狭すぎて快適なタイプは望むべくもないですし、肩も眼も凝るので、必ずしも使いやすいとは言えないのですが

iPad mini+本キーボードケースの軽さは魅力だし、決して悪くない


と思ったりするのです。

少なくとも、iPad mini 持ち出し時のペアとなるキーボードの選択肢の一つには十分成り得ると。そういう気持ちもあって、こうやって今回の出張にも持ってきて使っているわけです(マトモな Bluetooth キーボードも持ってきてますけどね ^_^;)。

が、しかし、そうそう上手い話ばかりではありません。



ここまでの内容を見ると

「iPad mini にサイズを合わせてキーボードが小さくタイプしづらいのを除けば、なかなか良いんじゃない?」

と思われるかもしれません。

しかし、既に今まで挙げた写真を見て気づいている人もいると思いますが、大きな問題点は2点あります。

まず1つ目。

以下のキーボード配列の写真を改めて見て下さい。キーボード最下段にはスペースキーやカーソルキー以外に機能キーが並んでいます。

iPadmini_ChinaKeyboardCase04


左からControl キー、ホームボタンキー、仮想キーボード表示の非表示キー、入力言語切り替え用地球キー、そしてスペースキーをはさんで右側に ALTキー。

iOS 用ならではのキーが揃っているように見えますが、なにか大事なモノが足りないことに気づきませんでしょうか…そう、

Command キー(アップルキー)に相当するキーがない


わけです。

Command キーがないということは iOS 上で

キーボード上のカット&ペーストやアンドゥなどのショートカットキーが使えない


わけです(ATOKPad など一部アプリでは ALTキー併用でのショートカットが利用可能です)。

ついでに言うと、Fn キーもないので、Fn 絡みの機能も使えません。はぁ…(´Д`)



そして、もう一つ大きな問題がありました。

キーボードカバーなのに iPad mini が入らなかった


んです。こんな状態。

iPadmini_ChinaKeyboardCase13

iPadmini_ChinaKeyboardCase14


ちょっとやそっと押し込んでも入らず、結局この突起部をペンチで外側へ曲げまくって何とか入れられるようになりました。個体差かどうか判りませんが…中華製品クオリティです。

中華製品ではこんなことも有りがちといえば有りがちなので、このくらいでは怒りませんが

そのまま使うと、どう考えても iPad mini 本体に傷が付きまくり


なわけです。

なにせ、キーボードケースに iPad mini を入れて押さえになってる金具部分がアルミ丸出しで、それでなくてもキツキツなところを押し込んでいくのですから、それはもう突起部でガリガリやっちゃいます…(;´Д`)

iPadmini_ChinaKeyboardCase10
(iPad mini 本体を固定する突起部には何ら傷を付けない配所なくアルミ丸出し)

iPadmini_ChinaKeyboardCase20
(反対側もまた同じ)

iPadmini_ChinaKeyboardCase15
(iPad mini にガッツリ食い込むキーボードケースの突起部…)


iPhone も iPad も鑑賞品じゃなく道具、実用ツールなんだから背面ケースだの何だのと過剰に保護してもねぇ…と、いつも思ってる&言ってる私ですら、ちょっと使うのを躊躇います。

仕方なく付いてしまうような小傷まで全部保護しようとは思いませんが、これは自ら傷をつけに行ってるような構造ですからね…このあたりの配慮の無さは中華製品ならではですが、基本的な部分が悪くないだけに惜しいのです。

そんなこともあって最初に

安易にお勧めできないシロモノ


と書いたわけです。

というわけで、この大きな問題点2点への私なりの対策方法や他の点については後編で。

中華製 iPad mini用キーボードケース【後編】良さげなのに欠点が残念な一品